総合メーカーとしては今の3つがメジャーらしいのだが、日本国内だけでも、まだまだキャンプ用品の大手メーカーはある。
それが「ユニファイヤー」(UNIFIRE)。「スターピーク」と同じく、新潟県にあるメーカーだ。やはり金属製の商品に強みがある。
ここの「角型クッカー」が、デザイン渋くてかっこ良いと感じた。
たいがいのクッカーは円筒形なのだが、この角型クッカーは直方体。ザックに入れやすく、自宅での整理もしやすい、らしい。確かにそうかも。
ほかに角型のクッカーは、他メーカーで2種類ほどしか確認できなかった。その中では、ここのブランドのが一番かっこいい。あとは全て円筒形だった。
こういうユニークめなモノを所有することは、嫌いじゃない。
俺は、なぜかメジャーなものより、こういう少数派というか、レアな感じのものにグッと来る性分なのだと思う。
ここはほかにも、焚き火にかけて湯を沸かす「ケトル」(たて型のヤカン)を出してて、これもカッコイイ。画像検索とかで見ると、使ってるうちに焚き火のススで汚れ、それがまたいい使用感を
同じように金属系の商品に強みを持つのが「キャプテンスペック」(CAPTAINSPEC)。
ここも新潟県にある会社のブランド。キャンプ専門というわけではなく、本来は金属製鍋などを主にした台所用品で有名なメーカー。
その会社が、キャンプ・アウトドア部門として展開しているブランド名だ。
…ていうか新潟県すげえな。有名なのは米くらいだと思っていたが…!!(失礼)
このブランドの最大の特徴は、しっかりした機能的な製品ばかりなのに、けっこう安いということ。
おそらく、さきほどの「パトス」と同じような考え方で、俺みたいな入門者やガッツリ冒険するというわけではないライトユーザー、ブランドよりコストパフォーマンス重視の人に対して魅力的であるように展開しているのだろう。
「ユニファイヤー」も「キャプテンスペック」も、金属製品だけでなく、テーブルや椅子などの木製品、テントや寝袋などの布モノもある程度展開していたが、やはり「金属製品」に魅力あるものが多いように思った。
×××
これだけブランドを一気に並べて偉そうに解説しておいてアレだが、実際のところ、俺はまだ何一つキャンプ道具を購入していなかった。
ああ…何一つだ…。
(赤面)
いや、金が無えんだよ!!
調べれば調べるほど聞いたことのないかっこいいブランドが出てくるんですよ。
いろんな写真や動画見るたびにそれらの道具が誇らしげに使われてるんですよ。
「こういう道具類を揃えて使いこなせればめっちゃカッコイイし男子力(?)上がるよな…!!」って、ひとりで部屋の中でソロキャンプ欲がガンガン盛り上がっちゃうんですよ。
でも!!!金が!!!!無えんですよ!!!!!!!!!!(机ダァンッ!!)
あんな某チューバーの人々と同じ装備でやろうとしたら、軽く2〜30万、いや、ひょっとしたらもっとかかるぞ…!!
道具の情報やレビューをネットで調べるぶんには
高校生の月々の小遣いなんてたかが知れている。
夏の前に予備校スカラシップを利用した錬金術で、当時少しはリッチだったが、言っても俺の成績くらいじゃ、いくらかの割引があるだけだった…。
ちょっとTシャツ買って、ラーメン食い歩きして、読みたかったシリーズ物の単行本をオトナ買いして、なんてやってたら、すぐに吹き飛んだ。
単行本、あと1巻くらい出そうなのにな…早く出してくれよ12巻…。
1年間全額免除とか、国内トップクラスの大学を狙えると判断されなきゃ無理だ。
だいたいそんな免除額になると、何十万円単位…さすがに俺でも、そんな大金を親からせしめようとする度胸はない。
では、バイトでもするか…?
それも手だろうが、微妙に問題もある。
もう高校2年も半分以上が過ぎようとしている。3年次からは本格的に受験勉強に集中せねばならん。
もうあまり、自由な時間は残されていない。
今から何かバイト始めるとしても、欲しい道具を全部買えるまでの大金を稼げるとは思えない。それに、休日にもシフト入れられたりしたら、最終的にやりたいはずのソロキャンプ自体が難しくなる。
あと多分、俺のことだから長続きしない(確信)。あと働きたくない(確定)。
…詰みだ。
… …
ただ、普段なら「あ、じゃあもういいや」みたいな感じで興味を失うところなのに、ソロキャンプに関してはなぜか、簡単に諦める気にはならなかった。
全部は無理でも、ちょっと今月の小遣い日まで待てば、安いクッカー1セットと、安いバーナーくらいは買える。
というより、もともと俺の最初の目的は、防災用品の中に調理ができる道具を、ってことだったはずだ。
ごく最初の頃の目的は、案外すぐに達成しそうなのだ。
そこから、何か工夫さえすれば、金をかけずにキャンプをやる方法があるかも知れない…そんな可能性を感じていた。
たとえば、テントなんかはキャンプ場でレンタルしてることもあるんじゃないだろうか。
寝袋やその他の道具も、意外と1泊程度なら無しでしのげるような工夫ができるんじゃないだろうか。
そんなふうに考えながら、頭を悩ませているその行為自体、嫌いではなかった。
…創意工夫を遊ぶ。
それがキャンプの面白みだとしても、なんだか俺の悩み方は、だいぶ低レベルなところから始まったものだ。
でも、面白い。
とりあえず、考えられるだけ考えようと思った。
ネット上に星の数ほどある先人ソロキャンパーたちの情報の海に、俺は幾日も繰り返しダイブした。