エントマは俺の嫁 ~異論は認めぬ~ 作:雄愚衛門
さあ、レベル100のNPC達がどんな事を書いたのか、とくと見せて貰おうじゃないか!副腕を活用した素早いピックアップの技術を見よ!ニグレドとかルベドとかパンドラはひっそり除外だ。
ニグレドは能力的にナザリック内に居た方が良いし、そもそも氷結牢獄から出られない設定になってる。ルベドは色々あかん。ニグレド、アルベド、ルベドの三姉妹はどうにも癖が強い。流石はタブラさんだぜ。
そしてパンドラは……能力的に"◎"を付けたいぐらいなんだけど、そんな事したらいよいよもってモモンガさんが死んでしまうので除外だ。
「じゃあトップバッターはシャルティアさんにしときましょうか」
「OKです。階層的にも丁度良いですしね」
氏名:シャルティア・ブラッドフォールン
・
・
・
Q3:趣味はありますか?
A:女性を#お見せできません#ありんす。後は死体とか#お見せできません#も良いんすね。
Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)
A:一番はアインズ様の愛でありんすが、至高の御方に関係しんす物なら、人間や#お見せできません#ありんすぇ。
・
・
・
Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?
A:下等生物でありんす。
Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?
A:愛しの君に命ぜられたんならば、辛くとも耐え抜いてみせましんす。
・
・
・
Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします
A:アインズ様!私は貴方様の奴隷!何なりとお命じくだしんす!例えば#お見せできません#を#お見せできません#したり#お見せできません#から#お見せできません#で#お見せできません#なのも良いでありんす!#お見せできません#は#お見せできません#いっそアルベドを交えて#お見せできません#他にも#お見せできません#なんて良いであり
「アウトォォォォォオ!!」
「ペロロンチーノォ!!」
俺とモモンガさんは吠えた。
直接女の子の視点からこんなのが出るとか耐性無いんだよ!……沈静化したし、仕方ないので気持ちをリセットして評価を下そう。
「と、とりあえず一部見なかったことにするとして、どう思います?モモンガさん」
「性的嗜好は最早憑いて廻る宿命だから仕方ない……仕方ないんだ……。えーっと、シャルティアは……。能力的には非常に強力なんですけど、『血の狂乱』が懸念材料ですね」
「あれか。確かに、現実化した今だと、恐ろしい事になりそうで……」
シャルティアは100万歩譲って性的嗜好を置いといたとしても、結構な問題児なのだ。120年程前に一世を風靡し、散々外伝やらリメイクやらが出た某世紀末救世主漫画のデブよろしく、血が原因で暴走するという厄介なスキル『血の狂乱』を持っている。シャルティアが暴走してるところを生で見たことないのだが「いてぇよ~!」とか叫ぶのだろうか。
「"✕"で」
「はい」
やる気は感じられるが、いくらなんでもこれはあんまりなので"✕"っと。別の意味でモモンガさんが危険だ。
次は、流れ的にガルガンチュアとコキュートスなのだが、ガルガンチュアは地底湖の底にいて書くのすら困難だし、そもそも書けるのか疑問だ。コキュートスは人間離れしすぎなので除外。それに、彼も『黙示録』の一員だ。
「じゃあ次はアウラさん!シャルティアみたいな回答にはならなさそうですよ」
「はい、子供らしさを感じましたが、守護者の中では真っ当な部類です」
氏名:アウラ・ベラ・フィオーラ
・
・
・
Q3:趣味はありますか?
A:ペットのお世話が趣味でもあるし、大事なお仕事です!
Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)
A:異世界のモンスターをペットに出来たらなぁって思います。
・
・
・
Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?
A:弱くて情けなくて、不愉快な奴らです。
Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?
A:アインズ様の命令なら、目一杯我慢します!
・
・
・
Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします
A:分からない事がたくさんあるけど、至高の御方の為に頑張ります!シャルティアよりは役に立つと思いますよ!
うん、少なくともシャルティアよりはずっと健全な働きが出来そうだ……。
「アバさん、まともな回答でしたよ!良かった……」
「良かった良かった。でも、人間嫌いは最早デフォか……そういやアライメントはマイナスだったような」
「ですね、改めて言われると意外な気がします。性格的には良さげですけど、見た目のせいでかなり目立ちそうです」
「耳は偽装で何とかなるけど、モモンガさんと旅するにはちょっと幼すぎるかな?」
見た感じ、アウラとマーレの身長は110cmいかないぐらいだ。幼女が強くても違和感の無い世界なら良いが、恐らく浮くだろう。黒鎧の男が幼女を連れ回す絵面も少々危険な感じがする。
「アウラは"△"かな」
「限りなく"〇"に近いんですけどねー……」
ままならないものだ。ダークエルフだし、数百年後なら立派な大人になってるとは思うが……いや、待てよ?
「モモンガさん、NPCって肉体の成長はあるんですかね?」
「今は生きてる訳ですから、可能性はあると思います。……成長を阻害しそうなアイテムは極力外しましょうか」
「賛成です」
思わぬ所で疑問が湧いたが、それは置いといて次は弟のマーレだ。
「マーレさんは能力的に申し分無いですよ」
「内気なのが心配所ですかね」
マーレは多分守護者の中で二番目に強い。茶釜さんの性格設定で内気だけど、いざ戦いとなれば頼もしい子だ。相性的にアウラと組ませると非常に強力なチームになるだろう。
氏名:マーレ・ベロ・フィオーレ
・
・
・
Q3:趣味はありますか?
A:アインズ様から賜った指輪を眺めてると幸せです。
Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)
A:ご寵←括弧の内容を確認せずに書いちゃいました!ごめんなさい!ごめんなさい!僕は特に無いので、お姉ちゃんの好きな物が良いです。
・
・
・
Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?
A:怖いけど、必要ならやっつけます。
Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?
A:怖いけど、アインズ様の言う通りにします。
・
・
・
Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします
A:怖いけど、命令通りに任務を達成出来るよう頑張ります。
「心なしか"怖いけど"が取って付けた感あるような……」
「そうです?ところで、この"ご寵"って何を書きかけたんでしょう」
「俺にはちっともさっぱり、全くもって分かりませんが、確か"寵"って漢字は慈しむとか可愛がるって意味合いだったかと」
「……俺やアバさんに可愛がって欲しいって事?」
「ははは、ほほえましいなー」
俺は敢えて微笑ましいと言い張ったが、これは少々危険な匂いがする……。いや、今は考えないでおこう。
「マーレも"△"ですかね」
「やっぱ見た目がな……」
能力的にも性格的にも悪くないのだが、アウラと同じ理由で"△"になった。うーん、難しい。女装男子が違和感の無い世界だったら……それはそれでやばいな。
「じゃあ次はいよいよ……」
「デミウルゴスか……」
能力面、人格面、表面上パーフェクトなんだがどうしても不安感が拭えないデミウルゴス。さて、どんな回答か……。
氏名:デミウルゴス
・
・
・
Q3:趣味はありますか?
A:最近日曜大工に凝っております。珠玉の一品を完成させた暁には、是非とも至高の御方に捧げられればと思います。
Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)
A:お恥ずかしながら、鳴く類の玩具を所望致します。ですが、今のところは自前で用意が整っておりますので、お手を煩わせるまでもありません。御配慮、痛み入ります。
・
・
・
Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?
A:下等ですが、可愛い所はあります。個人的に、彼らの事は大事に思っております。
Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?
A:問題ありません。強く我慢する必要はありませんが、至高の御方の御命令ならば、仰せのままに。
・
・
・
Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします
A:偉大なる方々への忠誠を証明すべく、最大限以上の働きをお見せしましょう。
「さっきの返しって訳じゃないですけど、アバさんはどう思いますか?」
「うん、すっごいまともですね。表面上」
「嘘を吐いてるとは思わないけど、鵜呑みにしたら不味い気が……」
「俺もそんな気がします……」
心なしか解答用紙からドス黒いオーラが滲み出てる気がする。悪意も敵意も全く感じないのが逆に怖いというか……。俺らに悪意があるとは思えないが、すっごく嫌な予感がする……!
「モモンガさん、ちょっと気は進みませんが……"〇"にしときます」
「はい。面接は気をつけて臨みましょう」
「うい」
デミウルゴスは超多忙な上に、頭が良い分ボロを出した時が怖い。本来ならソリュシャンに似た理由で"△"にしたいところだが、一度面接しといた方が良さそうなのもあり、敢えて"〇"にした。虎穴に入らずんばなんとやら。
まぁ優秀なのはよく分かったので、場合によっては一時的に冒険者として同行させる事もあるかもしれない。耳と尻尾ぐらいならなんとかなるし。
では残りは……。
「アルベドさんとセバスさんですよ。モモンガさん」
「元々アルベドは除外のつもりでしたが、一応解答を見ておきましょう」
「分かりました」
守護者統括に専念して貰うのもそうだが、専ら爆弾な彼女の解答は見ておかねばなるまい。シャルティアと同じような危険性を感じる……。表にするのが怖くて、ピックアップ中につい裏向きにしてしまったが、いざオープン!
氏名:アルベド
・
・
・
Q3:趣味はありますか?
A:趣味と言うよりライフワークですが、アインズ様の事を四六時中想う事が生き甲斐です。アインズ様の愛情を受けるに相応しい女として#お見せできません#して私とアインズ様は永遠の愛を誓い#お見せできません#のように#お見せできません#中で#お見せできません#アインズ様の逞しき#お見せできません#を#お見せできません#かけて#お見せできません#時には#お見せできません#しては#お見せできません#繰り返し#お見せできません#催しても#お見せできません#この#お見せできません#で奉仕して#お見せできません#あの時のように#お見せできません#から#お見せできません#するぐらいのつもりで
「"✕"ゥ!」
「はーい!」
俺は元気な返事をして"✕"を記入。その後勢い良く用紙を再び裏返した。
のっけから全開な分シャルティアよりひでぇ!?今時天丼なんて流行らん!モモンガさんの貞操が危ないので"✕"!……エントマちゃんにこんな風に想われたらなんて思ってないからな!
「まぁ、想定の範囲内です。俺が悪いとは言え限度があるだろうに……タブラさんめ……」
そう言うモモンガさんの、指を組んだ手がちょっと震えてたがそっとしておこう。一先ず、アルベドの解答は色々と長引きそうなので後にする。これ以上読むのは気が進まないけどな。
「よし、トリのセバスいきましょう、モモンガさん」
「セバスは期待出来そうです。アライメント"極善"がネックですが……」
「今はそれが何よりの救いに感じますよ」
「うん……」
氏名:セバス・チャン
・
・
・
Q3:趣味はありますか?
A:趣味と言うに些か不謹慎ではありますが、人を助ける事に使命感を持っております。
Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)
A:個人的に所望する物は特にございません。
・
・
・
Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?
A:困っているならば手を差し伸べ、守るべき者と思っております。
Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?
A:他者を陥れる者でなければ、我慢の必要はありません。しかし、アインズ様のご命令とあらば逆の命令であろうと従う所存です。至高の御方へ忠義を捧げることこそが、最も優先されるべき事柄でございます。
・
・
・
Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします
A:最後まで残られたアインズ様、御身に鞭を打ってお帰りになられたアバ・ドン様。慈悲深き御二方に報いられるよう、誠心誠意努めて参ります。
「やばい、セバスさんの解答が眩しくて直視出来ない」
「デミウルゴスとは正反対なオーラを感じますね……」
「文句なしに"〇"かと」
「人間に対して甘い気もしますが、そこは面接で話をよく聞きましょう」
「ほい」
これで、候補のチェックは全員終わった。シャルティアは"✕"。アウラとマーレは"△"。デミウルゴスは"〇"。アルベドは"✕"。セバスは"〇"だな。
面接する相手は、プレアデスからはユリとルプー。レベル100勢からはデミウルゴスとセバスで、計4人の面接になる。結構少人数になったが、ナザリックは人型が貴重なんだなぁと改めて思ったよ……。4人程度なら纏めてやっても良いかもな。
「じゃあユリさんとルプーさん、デミウルゴスさんとセバスさんを面接するという事で」
「了解です、アバさん。……少し緊張してきました」
「微妙な緊張感は無効化されないんですよね。少し休憩してから始めますか?」
「そうします。得られる物は大きかったですが、結構疲れました……」
主にモモンガさんに気のある誰かのおかげでな……。
他のアンケート用紙も一段落したら全て目を通すとして、執務室の本棚に収納しておこう。……おっと、面接する部下の用紙はキープだ。よし、少し休憩したら面接だ!ビシッとキメなきゃ。
次回面接!