エントマは俺の嫁 ~異論は認めぬ~   作:雄愚衛門

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まさかの三分割ですごめんなさいorz
日刊維持を目標にしてるのでお許し下さい!
部下の評価書くのが何だか楽しくなりました(´ω`)

ぷれぷれのエントマちゃんが中々大胆で滾る。参考に……


憂慮

さて、これでプレアデスのメンバーはユリとルプーとナーベラルの三人は査定が終わったので、残り半分もこの調子で進めていこう。俺とモモンガさんは引き続き、執務室の机に向かい合って部下の選定を行う。

 

「じゃあ次はシズさんですね」

「シズか……」

 

シーゼットニイイチニイハチ・デルタ。赤金ロングヘアーと眼帯が特徴の、所謂ロボ娘だ。

 

 

氏名:CZ2128・Δ

 

 

Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?

 

A:喋る生物

 

Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?

 

A:支障無し

 

 

Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします

 

A:頑張ります

 

 

文字数がやたら少ないが、とても丁寧な書き方だ。まるでキーボードで入力した文字のような精密さ。流石はオートマトン。

 

「モモンガさん、シズさんは中々良いのでは?」

「んー、アバさん。すみませんがシズは"✕"で……武器がちょっと」

「あ、そっか」

 

 そうか、あっちは魔法がメインのファンタジー的な異世界。シズの特技は全てがオーパーツだ。そりゃあかんな。アンケの結果を見る限りだと、人間に対しては良くも悪くも無関心だから良さげだったんだけどなぁ。ユリはまだ行けないこともないかもしれんが、シズはフォローが利かん……。

 

「それにしてもこのQ4の質問……」

 

回答の一つを俺が指差す。

 

 

Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)

 

A:小動物(抱っこ可能な者が好ましい)

 

 

「シズ、結構女の子してるな」

「ですね……」

 

もしかしたら、シズの感性が人類視点で一番まともなのかもしれん。それだけに勿体無い……。ステゴロで戦わすわけにもいかないしね。シズは"✕"っと……。静かな執務室に、ペンを走らせる音だけが響く。

 

「うん、じゃあ気を取り直してソリュシャン行ってみましょう」

「了解です、モモンガさん」

 

 

氏名:ソリュシャン・イプシロン

 

 

Q3:趣味はありますか?

 

A:人間が溶けていく様を観察するのが好きです。

 

Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)

 

A:活きの良い無垢なる者を所望致します。

 

 

Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?

 

A:下等ですが、時折見せる表情や悲鳴は価値があると思います。

 

Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?

 

A:至高の御方を前にすれば、私の意向は無用の長物です。

 

 

Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします

 

A:至高の御方のお役に立てるならば、どんな指令にも応えてみせましょう。

 

 

俺とモモンガさんは少々頭を抱えた。

 

「し、嗜好がダントツでヤバイですね。"無垢なるもの"ってまさか……」

「も、もう、そこは考えないでおきましょう、アバさん。確かに危険ですが、隠し通せる強かさは感じますよ」

「能力的には諜報任務にも向いてそうですね」

「ええ、俺は他の仕事に回す事を考えてます」

「うーん、じゃあ別件を優先で回す事想定して"△"にしときますか」

「良いと思います」

 

じゃあソリュシャンは"△"ね。

 

プレアデス、ラストはエントマちゃんだぁ!ちなみに、末っ子のあの娘は色々とイレギュラーすぎるので除外してます。

 

「いっそ、アンケに"好きな人はいますか?それは誰ですか?"とか書いとけば……」

「アバさん、それはどうかと……」

「ですよね」

 

 

氏名:エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ

 

 

 

Q3:趣味はありますか?

 

A:食べ比べとか楽しいです。

 

Q4:何か欲しい物はありますか?(至高の41人に一切関係しない事で)

 

A:ア、出来れば、老若男女の人間が欲しいです。

 

 

Q15:貴方にとって人間とはどういう存在ですか?

 

A:食料です。

 

Q16:もし、アインズさんに人間と友好に接するよう命じられたら、我慢出来ますか?

 

A:お腹いっぱいなら大丈夫です。お腹いっぱいなら。

 

 

Q30:外へ出るに当たっての意気込みがあれば、何かお願いします

 

A:至高の御方の為なら、何だってやらせて頂きます!お腹が空いても死ぬ気で我慢します!

 

 

「たまんねぇ……」

「アバさん、判定判定」

「ハッ!?すみません……。お腹いっぱいを2回念押ししてる辺り、大事な事なんでしょうね……。Q4の"ア、"は何を思って書いたんでしょう?」

「至高の41人を除く条件に後から気づいて訂正した線が濃厚です。こういう事って割とよくあるんですよ」

「おお、流石はモモンガさん。リアルで社員だっただけある……」

「いえいえ。"ア"で止まってるから俺かアバさんの何かに関係してるのかもしれませんが」

「今度聞いてみます。……エントマは"✕"で良いですか?」

「ええ、そのつもりですよ、アバさん専属ですし」

「それも理由の一つですけど……俺はおそらく、彼女がピンチになった瞬間、無断で飛び出していきますよ。光を超越する自信があります」

「わ、笑えない……。洒落になってませんよ」

「そりゃまぁ、洒落じゃないですからね」

「う、うん、エントマは大規模な作戦でも無い限りは外に出さないので……」

「助かります」

 

死ぬ気で空腹を耐えさせるのは良くないという理由もあるが、超個人的な事情からエントマちゃんは"✕"になりました。ちょっと罪悪感……。

 

一先ずプレアデスの評価は全員分終わったな。ユリが〇。ルプーも〇。ナーベラルは△。シズは✕。ソリュシャンは△。エントマちゃんは✕と……。

 

「じゃあ、面接するのはユリさんとルプーさんにしときましょうか」

「分かりました!いやー、とても参考になりましたよ。……アバさんに薦められずにナーベラル選んでたらどうなってたか」

「本人は精一杯努力するでしょうけど、他の子に比べて支障を来す可能性があります」

「やっぱりそうか……うん、そうなるでしょうね」

 

これ、もし俺が口出ししてなかったらナーベラルがお供になってたんだよなー。彼女もこのナザリック内でも例外無き仕事熱心な娘だと思われるから、仕事を奪ってしまった穴埋めをどこかで出来ると良いんだけど。

 

「じゃあ、次はレベル100で人型に近い部下をピックアップしますけど……」

「うーん……」

 

お互いに難色を示し合う。俺等と同じくレベル100である以上その力は強力だ。では何故平均レベル50~60のプレアデスに仕事を回そうとしたか?

 

理由は、もしその矛先がモモンガさんに向いたとしたら?という事だ。万が一裏切られたりした場合、モモンガさんがピンチに陥ってしまう。切り抜けられるとは思うが、その損害は無視出来ないものになるだろう。その点、プレアデスならば、どう頑張っても俺等には勝てないので安全という訳だが……。

 

「……」

「……」

 

俺とモモンガさんはポーカーフェイスの筈なのに、目に見えて落ち込む。今のこの人が抱える心情は、痛いほど分かるんだよ……。俺もそうだから。

 

「アバさん、やっぱり、皆が生み出したNPC達に裏切られるなんて考えたくないですね……」

「……俺だってそうですよ」

 

命を吹き込まれ、活動するNPC達。言うなれば、俺達の親友が残した子供達を疑いながら接してるのだ。正直な話、辛い。こういう事も想定しながら活動しなくてはいけないのはものすごく悲しい。あの素晴らしい忠誠ぶりのおかげで、杞憂に終わる可能性があるのは本当に幸いだ。

 

「……あ、治まった」

「……俺等どんだけ凹んでたんですか」

 

またダブルで精神が沈静化した。が、今回ばかりは助かった。選考に支障を来す程だったしね。

 

「……アバさん、真偽の程は面接次第ということで、とりあえずは裏切らない事前提で選定しましょう。アバさんがこの機会を設けてくれたおかげで、疑う必要も無くなるかもしれませんよ」

「そっか。うん、ですね!よし、そうしよう!」

 

安定化してしまったので、気持ちを切り替えて作業を再開しよう。一刻も早く、彼らの気持ちを理解出来るようになりたいものだ。それがナザリックの為になるし、俺の為にもなる。そして何より、モモンガさんの為になる。

 

さぁ、次は守護者を始めとするレベル100NPC達だ。張り切って行こう。

 




原作でも守護者達を疑ってかかってたけど、書籍3巻読むに相当辛かったのかな(´・ω・`)

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