東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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前回のあらすじ
ガイラが現れた。
ガイラ「スタイリッシュに登場!」
兵士「ちょっと!塔を壊さないで下さいよ!」
ガイラ「知らんな」


74 獅子王の誇り

《ガキィィィン!!》

 

剣と剣がぶつかり合う激しい音が響く。秦羅もガイラも、目の前の敵を倒すことに集中していた。

ぶつかっている剣に、ガイラは力を入れて遠くに飛ばそうとする。力比べではやはりガイラの方が有利になる。それは、秦羅も分かりきっていた。だから、ガイラが力を入れたと同時に後ろにあえて飛んだ。力負けして吹き飛ばされては体制が崩れ、相手に隙を与えかねない。それを避けるためにあえて後ろに飛ぶ。

空振りして剣を振りすぎたガイラに向かい、秦羅は持ち前の速さで懐に入り込みその腹に刀を入れる。しかしその刃はガイラの肌を滑るだけで、傷を負わせるには至らなかった。

 

(やはり…中途半端な踏み込みではダメか)

 

その事は、相対する前から既に分かっていた。一度ガイラと剣を交えた時に、中途半端な気持ちで戦えば一瞬にして負ける、と…それぐらい、ガイラの強さを感じていた。

だからこそ不思議に思う。だからこそ不可解な事がある。このような力を持つ男が、なぜリヴァルに仕えているのかを…

 

「ガイラ…戦闘中に聞く事ではないと思うが、お前はなぜリヴァルに仕える?」

「ほう…突然どうした?」

「何度も戦って分かった。お前は限りなく強い。僕たちの世界でも、お前のような実力を持つ剣士は多くない。

それに…お前は()()()()剣士だ。圧倒的な力こそあるが、リヴァルのように卑劣な手は決して使わない。寧ろ、フェアである事に拘っている。現に、剣での戦いではあの怪物を呼び出してはいない」

 

ガイラは霊夢を攫おうとした時、ライオンのような怪物…レオードを用いていた。何故呼ばないのかは知らないが、レオードを用いればガイラが有利になるのは目に見える。そこをあえて使わないという事は、剣での戦いに獣の力を借りる事に抵抗があるとしか思えない。

 

「答えてくれ…お前は、何のためにあの男に支えている?」

 

秦羅は真剣な顔で問いかける。彼は少なくとも、ガイラがリヴァルに仕えるような男ではないと感じている。この戦いでそれを感じ取ったのだ。

暫く沈黙し、漸くガイラは口を開けた。

 

「…ヴィルケスという村を知っているか?」

「…ヴィルケス?」

「…まぁ、異世界にはないのかも知れんな。『外の世界』の…しがない村の名前だ」

 

ヴィルケスという聞いた事も無い村を出す。異世界から来た秦羅は、そのような街を知らない。

 

「いや…そのヴィルケスという村があったのだ」

「あった…という事は…?」

「もう既に無いのだ。正確には、消されたのだ。そして…俺はその村に産まれた」

「消された…⁉︎」

 

ガイラのいう言葉に顔を顰める。一体どうして消されるのか…?

 

「順番に説明しよう。一体何が起こったのかを…」

 

 

 

 

 

 

 

日本から離れた土地、とある国にてポツンと小さな村があった。名前をヴィルケスと言う。そこでガイラは産まれた。

 

だが当時、ヴィルケスは植民地化していた。圧倒的な武力により、国に下るしか無かった。

それにより、ヴィルケスは搾取されるだけの村になった。食料を、資産を…そして、軍人になるための人間を…

ガイラはその人間たちの中の1人だった。家から引き剥がされ、基地に引き取られる。その中では耐え難い訓練の日々だった。

同時期に入った中には、過労によって死に至るがいた。あるいは、功績が建てれず処刑される者もいた。

偶然にも体格と力があるガイラは何とかしてやり遂げていた。しかし、彼は恐怖していた。

後から次々と『新入り』として軍に入ってくる者たちが、1ヶ月も経たずに死んでいく様を、国に住む者が無残に殺される様を…それを見て、いつか自分も殺されるのでは無いか、自分の家族も殺されるのでは…その不安を抱き続ける毎日だった。

 

 

 

 

「その時の俺は、ただ死にたくなかったという思いだった。役に立たなければ殺される、ならば殺されない為には死ぬ気で働かなければならない、と…な」

 

秦羅はかなり訝しげな顔をする。最初会った時、ガイラはかなり根気良い印象があった。そのような彼が、そんな残酷な過去を持っているとは全く思わなかった。

 

「そんな俺に手を差し出した者がいた。『お前が望むのは何か』『望むならば力を与えよう』と…」

「それが…リヴァルか」

「そうだ。当時、リヴァルはとある局の研究者らしくてな。その腕ゆえに基地に送られたそうだ。そして、何故かは知らんが俺に力を与えた。人体改造というものによって」

「人体…⁈」

「あぁ、サイボーグというものを聞いた事があるだろう。肉体に金属などを埋め込んで強化された人間のことだ。それを受ければ、村を支配している輩を倒せる力が得られる、とな」

 

1つだけ、謎が解けた。リヴァルの異常な体の硬さは、人体改造によるものだった。

 

「…まさかと思うが……その時の恩で、アイツに力を貸している、と…?」

 

これまでの話を合わせると、ガイラはリヴァルのお陰でその強力な体を手に入れた、という事になる。となると、その時の借りでリヴァルの下についた、と考えられる。

 

だが、実際はそうではなかった。

 

「いや…そうでは無い。そんな綺麗な話では無い。この後があるのだ」

 

この後…つまり、人体改造を受けた後の話だ。一体何が起こったのか、秦羅はその話をただ聞いていた。

 

 

 

 

「これで、すべての工程は終わりだ」

 

リヴァルによってガイラは改造手術を受けていた。プロセスを何度かに分けてじっくりと操作を行う。その方が、成功率が上がるからだ。そして今、全てが終わった。

 

「すまんなリヴァル。世話になった。お前には借りが出来たな」

「その様な事は言わんでいい。ただ、お前には可能性があったから手を加えただけのことだ」

「あぁ、本当に感謝する。俺もやる事を終わらせたら何時でもお前の助けになろう」

「そうか、その時を楽しみにしてるよ」

 

体には違和感は無い。いつも通りに動かせる。だが、これまで以上の力を得ている、という実感もあった。

 

(これで、村を救える…)

 

長く苦しい生活から、村を漸く救えるという事に期待を抱き、ガイラは剣をとった。

 

 

 

 

 

 

 

「そう、お前には可能性があるのだ…

 

 

俺のコマになる可能性がな」

 

 

 

 

 

 

 

「ぐああ!」

「この…バケモノが!」

 

ヴィルケスに戻り、其処にいる軍隊を次から次に薙ぎはらっていく。リヴァルによる研究のお陰で軍隊1つでは彼を倒すに至らない。

 

「この勝負に勝って…村を返して貰うぞ。お前らに支配される時代は、もう終わった」

 

猛獣が発するような威嚇、威厳…そして覇気。圧倒的な力と勢いに、軍員は恐怖の一色に染まり

 

「か…解放される…?」

「俺たちが…自由に…」

 

支配されていた者らは解放されるかもしれないという期待に喜びを抱き始めた…

 

 

 

「………か………

 

 

 

 

勝ってくれぇ!!ガイラ!」

 

 

 

「蹴散らしてくれ…!俺たちを食い物にしてきたこいつらを!」

「ワシらに…希望を…見せてくれ!!」

「俺らは…あんたに着いて行く!」

「やってくれぇ!!獅子王!」

 

 

 

村人らの声援が上がり、ガイラの士気が高まっていく。力が無い者が、前に立って戦ってる自分を労う。期待、希望…それを脇立たせる力が、既にガイラには持ち合わせていた。

一方の軍員は更に不利な状況になっていく。勢いつき始めた獅子王を、誰も止められる気がしなかった。そして、村人は目の前の男に味方している。この場で長引くと、村人も自分らを襲いかねない。総力戦になれば、負けになる可能性がかなりある。目の前の男は、周りを奮い立たせる事が可能だから。

 

 

 

 

 

 

「腰抜けどもが、何をビクビクしてやがる」

 

 

 

だが、怪物は…ガイラ1人では無かった。

 

 

 

 

《ヒュオ!》

「…!チッ…」

 

 

 

軍隊とは、多くの兵が纏まり、任務を遂行するもの。それが烏合の衆にならない理由とは…

 

彼らの上に、かなりの力を持つ化け物がいるからだ。

 

 

 

 

「…貴様がこの頭か。貴様を倒せば、この戦は勝ったも同然ということだな」

「調子に乗るな、裏切り者。何をして力を得たのかは知らんが、ソコソコ戦地に出たことの有るだけの者が、幾多の戦場を打開してきた俺を倒せるはずもない」

 

 

その男は、かなり優秀だった。あらゆる死地を乗り越え、あらゆる戦地を勝利へと導いた。この男の実力は、其処らの兵の比では無かった。

 

 

 

「フッ…そうでなくては面白くない。では行くぞ!」

 

 

だがガイラは、そういう相手こそ血がたぎるというのを感じていた。武力と武力がぶつかり合い、相手の武力をへし折ったことで得られる完全勝利。それに誇りを持つ彼は、決して戦意を削いだりしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それでは…始めようか。実験………開始』

 

 

 

 

 

その武力を嘲笑う、圧倒的な力が、姿を見せるまでは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウッ…!?ガァ…アアア!!

 

 

 

 

アアアアアアああ!!!!!!!!」

 

 

 

 

突然胸を抑えて苦しみだす。その様子に、村人たち、そして対峙している軍員までもが動揺する。

 

 

 

 

「一体…!何が………!?」

 

 

 

 

 

 

彼らが最期に見たのは

 

 

 

天を覆い尽くすほどの巨体を持つ化け物だった。

 

 

 

 

 

 

「…な……なんだ…これは…」

 

 

 

意識を取り戻した頃、彼が見たのはあらゆる物が破壊された荒地だった。そこには、対峙していた軍隊だけでなく、村人までもが1人残らず葬られていた。

 

 

 

「な……なん…で……」

 

 

 

 

 

 

 

「戦闘力倍加は思った以上だな。精々そこらの人間を皆殺しにするレベルだと踏んだが…まさか村1つを消し炭にしてしまうとは。加えて、変異が終了した後遺症は残ってないか。脳は正常に機能している。まぁ、あの時の記憶は全てないようだがな」

 

 

 

 

あっけからんとする彼に近寄る男が1人いた。それは、ガイラを改造した張本人…

 

 

 

 

 

「…リヴァル……!」

「御機嫌よう、ガイラ」

 

ガイラの頭に憤りが走る。リヴァルが来たことで、この現状がどうして起こったのか、分かってしまった。

 

「俺の研究成果はどうだった?圧倒的な力が手に入っただろう。例え幾多の戦地を駆け抜けた者であっても、その力の前では無力だ。お前がこの破壊を齎した。そう考えると、大層気持ち良くなるだろう?」

 

 

…違う

 

こんな無差別な力が欲しかったんじゃない。こんな不条理な力が欲しかったんじゃない。こんな…

 

 

 

 

 

 

無益な勝利を望んだんじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………!!!リヴァァルゥゥゥゥウウウアアア!!」

 

今まで出した事のない大声で、今まで発した事のない殺意で、リヴァルの首を取りに行く。これが彼の…『人間として』唯一の殺意だった。

剣を思いっきり振る。怒りのあまり力任せに振ってしまい、大きな隙が出来る。その隙を、リヴァルが見逃すはずもなかった。

 

 

 

 

「閃光『ボルトフラッシュ』」

 

 

 

剣が彼に届くか届かないかスレスレのところで、リヴァルの指先から雷が直線上に広がる。それは、ガイラの腹を貫いた。

 

 

 

 

「グッ…!ガァァア!」

 

 

腹を貫かれた感覚と痺れにより、ガイラは手に持つ剣を落としてしまう。

 

 

 

「フム…体を如何に硬くしても、炎や雷は無効化出来ないのか。これは研究の見直しが必要だな…」

 

ガイラの前でリヴァルは、彼のコンディションを解析している。呑気に立っている彼を、ガイラは倒すことは出来なかった。

 

 

 

「さて、ガイラ…貴様には俺の下について貰うぞ。俺の大望を果たすためにな。おっと、質問も拒否権も無い。答えれるのは『はい』だけだ。まぁ逃走してもいいが、その時は…お前の自我を失わせることは難しく無いと分かるだろ?」

 

ガイラはこの時初めて知った。自分がとんでも無い選択をしてしまった事を。もう少し焦らず考えてみれば、人の為に人体改造するなどあり得ないと分かっていたのに。

 

ガイラは、この時、全てを失った感じがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「滅ぼすだけの力では人を救うことなど出来ない。そんな当たり前のことに気付けなかったのだ。そうして俺は、村を消滅したのだ」

 

秦羅はここまで聴いて、ガイラの抱く闇を理解した。彼は、翔聖と同じ『守るために』力をつけた人間だった。その想いをリヴァルに利用されたということだ。

どれほど屈辱だろうか。自分の想いを利用されるのも、自分の弱みを握られるのも…自分が守りたいと思ったものを自分の手で破壊してしまうのも。

 

「ヴィルケスの者らは俺を決して許してはくれないだろう。1度泥に落ちた者は元の道には戻れない。だから…俺は2度と人間には戻れないだろう。いや、素より人間に戻るつもりも無い。ただ…」

 

ガイラは剣を構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()最期に遂げたい思いはある。貴公のような、強き戦士と戦うことを」

 

その目には曇りは無かった。ガイラの言った言葉には続きがある。『最後』ではなく『最期』というのはそういう事だ。その内容を、秦羅は理解した。それを咎めたり、責めたりはしない。戦士の決意は、そんな物でひっくり返したりはしないのは分かりきっている。

 

 

「ガイラ…お前が選択したその道を…僕は責めたりはしない。ただ…僕も貫きたい信念くらいはある。それが、お前の背後にあるなら…僕はお前を倒す」

 

秦羅のその言葉に、ガイラは笑った。

 

「上等だ!お前の信念と俺の信念、どちらが勝つのか、正々堂々と勝負しようでは無いか!」

 

声高に叫ぶガイラの発言を合図に、再び戦闘が始まった。秦羅は一瞬でガイラの懐に入り、その腹に刃を当てる。斬ろうとしても、ガイラの硬さでは弾かれかねない。だから、その刃を滑らせた。

 

「な!?」

 

刃と肌が滑る事で生じる摩擦により、一筋の線が入る。だが、ダメージを与えるに至らない。

 

(…ダメだ!もっと早く…もっと鋭く…)

 

 

力では圧倒的にガイラの方が勝っている。ならば、秦羅は速さを軸に戦うしか無い。刀を振る速さを上げていき、鋭さを高めていく。

先ほどよりも速い抜刀、今度は先ほどより手に感触があった。何かが斬れた感覚が。見るとガイラの肩に血が出ている。今度は肌を斬ることが出来たようだ。

 

(この勢いだ…!いや、もっと速く動かせば…!)

 

初めて傷を与えた事に、秦羅は若干希望が見えた。

 

 

 

 

「ほう…なかなかやるではないか」

 

だが相手もそう簡単にやられてくれない。秦羅に向かって剣を振り下ろす。秦羅は刀を受け止めてしまい、押し合いの形になってしまった。

 

「まず…い…!!」

「行くぞぉぉ!!!」

 

ガイラは剣に力を入れて秦羅の体勢を崩した。崩した瞬間に生じる隙、ガイラはそれを狙っていた。

腕を引き、前屈みの姿勢になる。それはどう見ても突進の構えだろう。

 

「くらええぇぇ!!!」

 

ガイラが勢いよく前進する。体勢が崩れた秦羅はそれをモロにくらってしまい、後ろに吹き飛んだ。

真後ろに吹き飛んだ秦羅は柱に激突してしまう。柱が崩れ、煙がモウモウと上がる。

 

「ふっ…まだこれだけで終わるはずも無いだろう」

 

ガイラは秦羅が吹き飛んだ方向に向かう。すると、彼は異変に気付いた。

 

「……⁉︎なんだ、この桜の花びらは…」

 

突如現れた桜の花びら。ガイラはそれを不可解に思い、意識がそれてしまった。それが、勝敗を決する大きな隙になった。

 

「聖桜『桜花散乱』!」

 

絶神力を宿した秦羅が俊足でガイラに迫り、斬り捨てる。これは、秦羅のスペルカードで、桜吹雪を出して断ち切る大技だ。更にこれは、相手が大きければ大きいほど威力が大きくなるため、ガイラにはかなり大ダメージな技である。

刃がガイラの肌を斬り、大きな斬撃を与えた。

 

「がっ…⁉︎あああ!!」

「トドメだ!」

 

ガイラが傷で苦しんでる間、秦羅は大きく空に飛んだ。そして、剣先をガイラに向ける。

 

「聖輝『マテリアルセイバー』」

 

剣先から極太レーザーが出て、ガイラを呑み込む。レーザーが地面に堕ちた事で、大きな轟音が響く。

 

 

 

 

 

「ぐ…がはぁ…!」

 

レーザーをモロにくらい、流石にダメージがデカかったようだ。倒れこみ、ピクリとも動かない。

 

「…フッフフ…見事…!この俺を…倒すとは…!」

 

形式上ではガイラが完敗してる。だが、ガイラはそれにも関わらず、笑っていた。

 

「さぁ…トドメを刺してくれ…!敗者に情けはいらん…!」

 

動く気配も無くトドメを促す。

 

「…考え直す気は…無いのか…」

「無いさ…行っただろう…今さら人間に戻ろうとは思わん…ただ、戦士として最期に…貴公のような強き戦士と戦い…敗れる事と…」

 

これ以上の話し合いは意味無い。秦羅は一歩ずつ、ガイラに近づいていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん?なんだ…獅子王のやつ、敗れたか」

 

 

空飛ぶ船の上で、黎人らと戦いながらリヴァルは戦場でガイラが敗れたことを知った。

 

「…!秦羅か…」

「やった…流石だ、秦羅…!」

 

黎人も翔聖も、秦羅が勝ったことに歓喜していた。

 

 

 

 

 

 

 

「仕方あるまい。()()()()()()()()()()、これも定めだ」

 

 

だがリヴァルは、何も感じること無く、手を上にあげ、親指と中指を合わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ目醒めよ、『レオード』」

 

指に力を入れ、スライドさせて音を鳴らした。一体何が起こったのか、空に飛んでいる彼らは未だ知らない。いずれ、分かることになるが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…⁈ガァ…アア!」

 

 

倒れこむガイラが突如苦しみだす。その様子に、先ほど敵として戦った秦羅が心配するほどだ。

 

 

 

「ま…まさか…リヴァル…貴様ァ…!」

 

 

ガイラの体までもが変化し始めた。髪が金色になり、肌も茶色となっていく。目の色も赤く染まり、体格がだんだんと大きくなっていった。

 

 

 

 

「なに…⁉︎あれ…」

 

大きくなっていくにつれて塔が崩れていく。空飛ぶ船を作動しているコンピュータのみのこして、殆どが崩れた。その元凶は、近くにいた霊夢達にもハッキリと見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…コロ…セ……オレヲ…コロセ……!」

 

 

塔までも小さくほど巨大な怪物が、砦に現れた。

 




ガイラが巨大な怪物になりました。この後の展開はどうなるんでしょうか?

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