今完全に夏バテです。
キンキンに冷えたコーラがほしい…
それでは、ゆっくりしていってね。
前回のあらすじ
黎人は自殺志願者だった。
黎「ちげぇしそこを取り上げるんかい!」
博麗神社の一室にて、黎人は霊夢から、幻想郷についての説明を受けた。
幻想郷には外の世界から、忘れ去られたものたちが流れ着く場所。
人だけでなく、妖怪や吸血鬼など多くの生物が共存している。
霊夢は幻想郷の中で、博麗大結界の管理を行い、人を襲う妖怪を退治する、博麗の巫女である。
「なるほど、理解はした。だがどうしてああもお賽銭がないんだ?」
「随分率直に言ってくるわね。」
黎人は博麗神社に着いていた時に、霊夢に御賽銭していったら?と言われた。
よく分からずに賽銭箱の前に立つと、その中には硬貨が幾つかあるだけで、箱の底が見えてしまうほど少なかったのだ。(因みに黎人は10円だけ入れた。)
「妖怪がここに住み着いてるという噂が人間たちの中で広まっていってね…ここに来ようとする人なんてあまりいないのよ。」
「お化け屋敷かよ。」
お化けが出るぞ〜とか言われて、誰も近寄らないマンションか何かかと思ってしまった。
「だがなんでそんな噂が?」
「それは…」
「こういう風に妖怪が来るからね☆」
急に後ろから声がして振り返るとそこには、
「ウオオオオ⁈突然人間が⁉︎」
境界の割れ目みたいなものと、紫色の服装をした金髪の女性がいた。
「…紫〜」
「あらあらそうカリカリしないのよ、霊夢。」
霊夢が紫を睨みつけて、紫はのほほんとしている。
そして、紫が黎人に向き直った。
「初めまして。私の名前は八雲紫(やくも ゆかり)よ。面白そうだから覗きに来たのよね。」
「…斐川黎人だ。」
突っ込みたいことが山ほどあるが、気にしないことにした黎人であった。
「いちいち覗く必要ないでしょう。大体その理由はなんなの?」
「まぁ、私は面白そうなことは見ておきたいのよ。」
なんか妙な奴だなと黎人は思った。
突然、紫は表情を変えた
「黎人?その服を脱ぎなさい。」
黎人は少し動揺していたが、隠すことではないと思い、服を脱いだ。
当然、胸には五芒星の紋章がある。
「…ちょっと、何よそれ」
「その紋章…誰に刻まれたの?」
霊夢はその紋章が何なのかを問い、紫はその紋章を刻んだ人物を尋ねた。
「…そういや言ってなかったな。俺がなんで此処に来たかを。」
黎人は自分の身に起こったことを話した。
突然驥獣というものが自分の世界を崩壊させた事、謎の男が自分を助けた事、その男が自分にこの紋章を刻んだ事、そして、幻想郷にたどり着いたこと…
「そう…その傷はその時に?」
霊夢は左目の傷を指しながらそう言うと、黎人は首を振って
「これは別のもんだ。関係ない。」
と言った。
気になってはいたが、霊夢はそれ以上聞こうとしなかった。
「じゃあ、それを刻んだのは誰なのか分からないってことね。」
紫は紋章を指差してそう言った。
「あぁ、全く意味わかんねぇよ。ろくすっぽ説明もしねぇしよ。」
黎人はしかめっ面だった。そうとうイライラしているらしい。
「ま、とにかくそれについては後で調べておく必要があるわね。ところであんた、どこに住む気なの?」
霊夢はどこに住むか当てがあるのかを聞いた。
「いや、特に考えてない。そこも教えてくれなかったからな。」
黎人は頭を抱えていた。
「それじゃあここに住むといいわ。部屋ならここに貸してあげるから。」
「は⁈」
黎人は驚愕した。
「いや、住ませてくれるのはありがたいが、女と同居ってのは」
「何言ってんの。外来人の保護も私の仕事よ。言っとくけどなんかしようとしたらぶっ飛ばすからね。」
「いや、何もしねぇよ。」
紫はセンスで口元を隠し、笑っていた。
外来人の救出は入るかもしれないが、保護は博麗の巫女の仕事ではない。ということは…
(少し興味を持ったのかしら?霊夢…)
紫はこれ以上何も言わなかった。
「それじゃあ私は帰るから、あとはよろしくね〜♪」
紫は外に出た。
「それじゃよろしくね、黎人。」
もう腹をくくるしかなさそうだ。
「あぁ、よろしくな、霊夢。」
外で紫は考え事をしていた。
あれはおそらく魔力によるもの。
人にそれを刻むことができるのは…
「少し会ってみるかしらね。『彼』に」
紫は境界の割れ目であるスキマの中に入り、スキマを閉じた。
如何でしたか?
黎「あいつ、羞恥心というものが無いのか。」
まぁまぁ、君は彼女に感謝しないといけないよ。
黎「そうだな。住む場所をくれたわけだし。」
あと、紫さんは黎人の紋章に思い当たりがあるようです。
黎「一体何をするつもりなんだ?」
是非とも期待してください。
それでは、次回までゆっくり待っててね。