東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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今回はほとんど戦わないと言ったな……
あれは嘘だ
ものっそい戦ってます
因みに今回新設定入ってます
それでは、本編
ゆっくりしてね


35 黎人vs魏音 ③

前回のあらすじ

黎人が死ぬ気で策を披露

黎「もうすでに身体が

 

A-Chi-Chi-A-Chi‼︎

 

なんだけど」

何そのご○さん感

 

 

 

 

肩から胸元にかけて

大きな切り傷が生じた

血しぶきが上がる

とてつもない威力だ

少なくとも、今までの攻撃で……

 

 

 

最も殺気のあるものであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グアアアアアアア ア ア ア!!!」

 

悲鳴とともに傷口から大量の血が溢れ出る

常人なら切り裂かれそうな威力だ

魏音の耐久力により、真っ二つになることは避けれた

 

「……!ハァ…」

 

黎人は体勢が崩れた

さっきは勢いで動けたが、身体は限界のようだ

自分の限界を知り、そのまま意識を手放した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチッ

ーー何休んでんだよ

ーーまだ終わってねぇだろうが

 

ーーしょうがねぇ

 

 

 

ーー少し身体借りるぜ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ…アア!ハッ……」

 

魏音は膝まづいた

最後の最後に反撃を食らうとは思ってなかった

思わぬ反撃に魏音は初めて危険を感じた

そして、本能的に察した

 

目の前の男は近いうちに脅威となる

 

そして、紅斬手を発動し、黎人を引き裂こうとした

 

 

 

 

 

 

ーーガキィィ…ン

 

 

 

それを黎人が剣で防ぐ

 

「…ッ⁉︎」

 

魏音は違和感を感じた

今までと黎人の雰囲気が変わったことに

黎人は下を向いている為、表情は見えないが

何故か一瞬、顔に歪みが見えた気がした

 

 

 

そう思った矢先

 

 

 

 

 

 

ーーシュパーーン!!

 

 

 

爪を弾かれ、身体を斬られた

 

「…グ、!」

 

後ろに崩れ、黎人の方を見た

相変わらず顔は見えない

そして、更に追い討ちをかけられる

 

ーーガギン!

 

その剣を受け止め、魏音が耐えている状態だ

 

(こいつ、本当にさっきまでの奴か?)

 

さっきまでと桁違いの強さ、そして異常な殺気

先ほどの黎人とは全く違う人物に見える

 

 

 

それもお構いなしに、黎人は魏音を蹴り飛ばした

 

「ガハッ」

 

後ろに崩れかける

その隙を逃さず、胴を切り裂いた

 

「……グ!」

 

追い討ちをかけるように次から次へと攻撃する

爪で受けようとするも、相手のスピードについてこれず被弾

鱗を出す暇もない為、攻撃を受け続ける

 

後ろに大きく吹き飛んだ

 

追いかけるように黎人が走り込んだ

 

 

 

 

「大概にしろ……獣声『大咆哮』!」

 

 

魏音がスペルを発動した

そして、大きく息を吸い、

 

 

荒々しい声で吼えた

 

 

 

すると、黎人は何かの衝撃を受けたように後ろに吹き飛ぶ

そして、木に激突し、そのまま倒れこんだ

 

 

 

 

 

 

(今ハッキリとした。この男は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最も危険な奴だ)

 

魏音は爪を出す

情けをかけるつもりは無い

今、ここで殺さなければ、後に厄介なことになる

そのまま、黎人に向かって走り出した

 

 

 

 

「ダメェェェェ!!」

 

その時、突然魏音の目の前に黒い帽子をかぶり、緑色の長髪と黄色の服、若草色のスカートの少女が現れた

それをみた瞬間、魏音は足を止めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……俺は、一体?)

 

気が付いた黎人

一瞬気を失っていたようだ

だが、さっきまでいた位置と違う為、違和感を感じていた

目の前を見ると、魏音とその前に立っている少女がいた

 

「何をする、古明地。お前ごと引き裂かれたいか」

「違うよ!全く!急に居なくなったと思ったら人を襲っているなんて」

「居なくなったのはテメェの方だろうが」

 

少女は頬を膨らませている

黎人はそれを見て

 

(…子供に説教されてら)

 

と思ってしまった

 

「そんなにギャーギャー言うんだったら、お姉ちゃんに言いつけるよ!」

 

その途端、魏音は顔を顰めた

現在彼が最も苦手な人物

それに告げられたら面倒な事になりそうだ

 

「チッ…分かったよ」

「はいはーい。よく出来ましたー」

「子供扱いすんな!」

 

急に魏音はどっかに行こうとした

その足は一旦止まった

 

「斐川…今回はここで終わりにするが、次は無い。今度会った時は覚悟しておけ」

 

そう告げた後、再び歩き出す

そのまま姿が見えなくなった

 

 

「ゴメンね、魏音はあんな感じなの。許してあげて」

「あ、あぁ…」

 

少女に謝られる

それに何となく違和感を感じる

 

「ところで、あんたは…」

「あ、私は古明地 こいし(こめいじ こいし)ていうの」

「…俺は」

「知ってるよ。斐川 黎人でしょ?」

 

名前を当てられた

 

「どうして俺の名を」

「うん、だって…

 

ずっと付いてきてたんだもん」

 

「あぁ、そうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ええ!!?」

 

 

 

 

 

黎人、反応遅い

 

 

 

「いや、え?ずっといたの?」

「うん、アリスだっけ?その人と話してる時から」

 

(……じゃああの時の気配はこいつか)

 

そこまで聞いてずっと感じてた違和感の正体を掴んだ

 

 

 

 

「それじゃ、私は帰るから。またね〜」

 

そして、こいしがスーッと消えていった

 

 

 

 

 

(終わった…か)

 

黎人は戦いの終わりを感じた

今までの中で激戦だったのかもしれない

ダメージも疲れも一番大きい

 

(……やべ、意識、が…)

 

黎人はそのまま瞼を閉じた

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

とある大穴の中

魏音は翼を広げて下っていた

その間魏音は考え事をしていた

 

 

それは、黎人の豹変さだ

 

 

まるで別人のようになり、気配も全然違う

あそこまであからさまに変わるのはあり得ない

 

(……まさか…)

 

魏音は一つの仮定が思いついた

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目を開けると、見たことがある天井があった

その場所を黎人は知っている

そう、ここは永遠亭

 

「あ、起きたようね」

 

横から声をかけられる

起き上がって振り返ると、そこには鈴仙がいた

 

「鈴仙」

「あぁ、ちょっと待ってなさい」

 

そう言うと、鈴仙が部屋を出た

自分の記憶が正しければ、人里近くの森で倒れてたはず

ということは、誰かが永遠亭に運んだということ

そして、ここまで運んでくれたのは恐らく…

 

ーーガチャ

 

扉が開く

そこには、鈴仙と…

 

 

霊夢がいた

 

 

「霊夢……」

 

黎人は、霊夢に言っておかなければならないことがあった

それは、霊夢を傷つけた事に対する謝罪だ

許してもらえるかではなく

 

 

 

そうしないと黎人の中が壊れるから

 

 

 

「すまない。キツイ言い方しちまった」

 

率直に謝り頭を下げる

すると、霊夢が黎人に近づき、

 

 

 

ーースパァァァァ……ン

 

 

黎人の頬を思いっきり引っ叩いた




どうでしたか

黎人の豹変なんですが、UA1000突破記念の時に少し絡んでます
だから今回載せようと思って使いました
詳しい話は後ほどに分かります

再び永遠亭へ
黎人と霊夢の間で何が起こるのか
是非とも楽しみにしてて下さい

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