東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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おはようもしくはこんにちはもしくはこんばんは
黎「こいつ何言ってんだ?」
いよいよ魏音戦
この闘い…とんでもないものになってます
是非楽しんで下さい
ゆっくりしていってね


33 黎人vs魏音 ①

前回のあらすじ

刄燗が殺されかけたところを黎人が助ける

魏「これは何だ?」

いや…前置きと言う名の茶番

魏「……帰っていいか?」

ちょ、乗ってくれよ!

黎(大丈夫かこれ……)

 

 

 

 

 

「うお‼︎」

 

高速で迫ってくる拳や蹴りを間一髪で避ける黎人

黎人は感じた

速い、と……

「火」の速度で躱されることはよくあったが

「火」で攻撃する間もないほど全くついてこれないのは初めてだ

ものすごく変則的で、次の動きが全く読めない

回転しながら蹴りを放ったり、低姿勢から突きをかましたりと、メチャクチャなのだ

本当に獣か何かと戦ってるような気がした

 

 

 

「腰抜けが」

 

 

 

それが耳に入った瞬間異変に気付く

魏音の足元が変異したのだ

爪が変化し、足が細くなり、爪先立ちになる

確認した瞬間、胸元に衝撃が走った

魏音が黎人を押しながら加速している

 

 

ーードゴォォォン!

 

 

やがて、大木に激突する

かなり飛ばされたようだ

 

 

「……はッ!がは‼︎」

 

黎人は胸を押さえている

肺の一個が潰れてもおかしくない

 

 

「あれだけでかいこと言っておきながら、躱してばかり……やはりその口からは出るのは、有りもしない幻想か」

「く…」

 

黎人は双剣を構えなおした

 

(考えろ…あのスピードをどう攻略するか)

 

黎人は策を練る

そして、一つの策が思いついた

 

「火符『フレイムウァールプール』」

 

 

 

黎人は双剣を水平に持ち、回転する。

そして、炎の弾幕が渦巻き状に展開された

スピードが出てても、全方位攻撃なら対処できると思ったのだ

それは、本当に「全方位」なら間違ってない推測だった

 

 

 

「……」

 

魏音は再び変化した

すると、魏音の背中から、黒い翼が現れた

 

 

そして、上空高く飛び上がった

 

 

 

 

「な…⁈アイツも飛べるのか⁈」

 

 

黎人は上空にいる魏音を見た

フレイムウァールプールは、水平方向しか弾幕が展開されないので、上空には対処できない

 

 

 

 

魏音が急降下してくる

 

不味いと感じた黎人は「土」に変わり、

魏音の蹴りを受け止めた

 

 

ーードゴッ

 

 

そのまま動かずに耐えている黎人に、魏音も動揺を隠せずにいた

そして黎人はその足を掴み、地面に投げつける

 

 

「…‼︎」

 

そのまま魏音は転がって体制を立て直す

その後も黎人は攻撃の手を緩めずに追撃

「火」になり攻撃を仕掛ける

 

 

「ドリャア!」

 

 

顔を目掛けて剣を振る

ところが…

 

 

魏音は後ろに倒れかけて回避

 

 

(…!何を)

 

 

黎人が警戒するも遅く、その勢いのまま後転の感覚で蹴り上げた

 

 

「グハッ」

 

 

黎人は後ろに倒れた

 

 

 

アクロバティックな動きに異常なスピード、そして威力

完膚なきまでに翻弄される黎人

 

 

(クソ‼︎どうすりゃいいんだよ!)

 

 

地団駄を踏む黎人

惣一とはまた違う戦闘能力の差に

手段が全く思いつかない

 

 

「諦めろ。お前に勝ち目は無い」

 

魏音は両手を開く

すると、先ほどの巨大な爪が現れた

 

「一瞬で終わらせる」

 

魏音は爪で攻撃を仕掛ける

黎人は後ろに飛んで回避

 

 

すると、足元が地割れを起こした

 

 

 

 

(あんなの食らったら、一溜まりもねぇな)

 

黎人は寒気を感じてた

一瞬の迷いが取り返しのつかないことを招く

 

(時間はかけられねぇ…仕方ねぇ)

 

黎人は「金」の姿になった

最も殺傷力があるためできれば使いたくなかったが、止むを得ない

そして、黎人はスペルを発動

 

「金符『風神の鎧』」

 

すると、黎人を覆うように風が吹き始めた

そして高速で魏音に迫り、斬りかかる

 

魏音はそれを飛んで躱す

そしてそのまま落下して、攻撃する

そして、それが黎人に届きそうなところで

 

ーーバチィン!

 

破裂音が響き渡った

 

「……‼︎チィ…」

 

魏音は咄嗟に後転する

戻した右手からは血が出てた

 

(風の…いや、斬撃の弾幕を纏わせてたのか)

 

直ぐにその正体を把握した

すると、黎人が剣を振りかぶっていた

 

「…‼︎」

 

魏音は後ろに飛んで回避しようとした

 

 

ーーズバン

 

 

すると、背中が斬れた

 

 

(…ッ!斬撃の風か)

 

 

一瞬後ろを向いた

その瞬間を、黎人は見逃さなかった

 

 

 

「貰ったァァァ!」

 

黎人は剣を振った

そして、剣先が魏音の肌に触れた

 

 

ーーギャリン‼︎

 

 

 

 

 

黎人は違和感を感じた

その音はおかしい

太刀音ではない

何かと擦れた音だ

 

 

 

 

 

 

「……‼︎鱗⁉︎」

 

 

斬った魏音の肌は青色の鱗があった

 

 

「残念だったな」

 

 

そして、魏音は黎人を蹴り飛ばした

 

 

「ガハッ」

 

 

黎人はそのまま壁に激突

そのままもたれかかった

 

「斐川といったな…貴様の摩訶不思議な能力、そしてその運動神経…並大抵の人間には持ってない、特殊ではあるだろう。だがお前では俺には勝てん。もう分かりきっているだろう」

 

魏音は黎人に近づく

 

「いいことを教えてやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

殺意のない人間が持つ武器ほど、役に立たないものはない」

 

 

見抜かれてた

黎人がそれを躊躇っていたことを

 

「ついでだ。見せてやろう。殺意の持つ者の戦い方を」

 

そう言って、魏音は両手を握る

 

 

「獣爪『紅斬手』」

 

 

そして、先ほどの巨大な爪が現れた

しかし、今度は爪が赤い

 

 

そして、魏音はそれを黎人に振るった

 

 

(ヤベェ!)

 

黎人は咄嗟に危険と判断

回避を試みるが、先端が掠った

すると…

 

 

 

ーージュウウウゥゥ…

 

 

「ぐぁ⁉︎あっつぅ…グアア!!」

 

 

傷口から煙が出た

途端に黎人はその熱さに苦しむ

 

 

「いい判断だ。喰らえば熱いでは済まねぇぞ」

 

先端は高熱を帯びている

斬撃に加え、熱による攻撃によって、どんな耐久力を持とうと苦痛から逃れる手はない

 

「出来る限り逃げることだ。せいぜい殺されないようにな」

 

 

 

(こいつ…)

 

 

 

 

絶体絶命の窮地

黎人が助かるか否かは

運命のみ知る

 




書いて思ったこと
魏音つえー…
ここまで一方的になるとは…
果たして黎人は無事帰れるんでしょうか?


ちょっと補足
黎人の発動した「金符『風神の鎧』」は黎人が半径を指定し、そこを斬撃の風が回るものとなってます
鎧要素は何処に…は言ってはいけません(命令)


次回も是非楽しみにしててください

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