東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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どうもみなさん、お久っ!!
ハーメルンの存在忘れてたわけじゃないんだからね。勘違いしないでよね///
黎「うっぷ…気持ち悪りぃ。」
ちょっひどすぎない?

はい、投稿遅くてすいません。
リアルの私結構忙しくて、小説がなかなか書けなかったんです(言い訳)
許して、何
黎「もうそれ飽きてると思うぞ」
ショボーン

そして、この話で一章の本編は最後です。
今回戦闘なしの日常編です。

それでは、ゆっくりしていってね。


26 バイト再開

前回のあらすじ

黎「あの野郎(ディル)をぶっ飛ばす‼︎」

どうもありがとう

黎「どうでもいいがいよいよ面倒臭くなったか?」

 

 

 

 

「いよし、久々だし配達をやってもらうか。」

 

久々の霧雨店。

休みが終わり、黎人はバイトを再開する。

 

「このメモの所にこれを届けてくれ。まぁ、ついでに挨拶でもしといたらどうだ?」

 

店長から商品とメモを受け取った。

メモには2軒の届け先が書かれていた。

 

「了解。んじゃ、行ってくる。」

 

黎人は店を出て、配達を開始した。

 

 

 

 

 

「この家…か」

 

地図に書かれていた家の前。

黎人は扉をノックした。

 

「ん?誰だ。」

 

中から声が聞こえた。

声からして大人の女性だろうか。

 

「どうも、霧雨店だ。」

「おぉ、そうか。ちょっと待ってくれ。今開ける。」

 

黎人が声をかけると、中から足音が近づく。

 

ーーガチャ

 

扉が開けられた。

向こうには、青い服に帽子を被った女性がいた。

黎人は店長からもらった商品を渡した。

 

「おぉ、すまんな。…というか、君は…」

「霧雨店のバイトをしている斐川 黎人だ。最近幻想郷に入った。」

「あぁ、そうか。アイツいよいよ若手が入ったのか。わざわざありがとな。私は上白沢 慧音(かみしらさわ けいね)。寺子屋の教師をやっている。」

 

慧音が自己紹介する。

 

 

 

 

 

「ところで…君とはどこかで会ったか?」

 

突然予想してなかった質問がきた。

 

「?いや、あんたとは初対面だが…」

「そうか…いや、どこかで見たような気がするのだが…」

 

考え込んでしまう慧音を見て、首を傾げる黎人。

すると、

 

「おーい、慧音‼︎そこで何してんだー⁉︎」

 

後ろから大声をかけられた。

振り向くと、白い長髪に赤いズボンとリボンの女性がいた。

 

「ん?妹紅。何しに来たんだ?」

「あぁ、筍のおすそ分けだよ。あっちで結構取れたからな。」

 

妹紅と言われた女性は、袋から筍をこれでもかと出した。

床に筍がゴロゴロと転がる。

 

「おすそ分けじゃなくて、押し付けに来たんだろ…」

「まぁ、言うなって慧音。で、そいつは…」

「あぁ、霧雨店でバイトをしている斐川黎人さんだ。今ここに配達しに来たんだ。」

「へぇ、あそこがバイトを…ん?お前どこかで…」

 

妹紅が黎人の方を向いて少し考えると、急に思い出したように叫んだ。

 

「あぁ‼︎こいつ、人里の近くで倒れてたやつじゃねぇか。」

 

「…は?」

 

 

 

 

 

 

「そうか…私も思い出した。あの時大妖精が見つけた人間だったな。夜が近かったから驚いたぞ。」

「…あぁ、あの時か。」

 

慧音の言葉に黎人も思い出した。

紅魔館の帰り、「木」の副作用によって倒れたことがあった。

 

「てことは…あの時永遠亭に運んだのはあんたらか。」

「あぁ、そうだ。私は藤原 妹紅(ふじわら もこう)。しがない焼き鳥屋の店主だ。」

 

(焼き鳥屋って…さっき筍持ってきたじゃねぇか)

 

床に転がっている筍を見ながら黎人は思った。

 

「しっかし、あんなところで何してたんだ?人里の外で堂々と倒れて…あそこだと妖怪の格好の餌食だぞ。」

 

妹紅が顔を顰めていった。

夜になった時、外では妖怪がうろつく。

中には人間を食べる妖怪もいるので、夜が近づくと人間たちは家に帰ろうとする。

だから外で倒れてた黎人が不気味でしょうがない。

 

「まぁ、ちょっとな…」

 

黎人はこれまでの経緯を説明した。

 

「ふーん…『五行を司る程度の能力』ね。またまた珍しい能力だな。」

 

妹紅が感心したように聞いていた。

 

「まぁ…もともとは違うがな。」

 

黎人はあまり乗り気では無い。

気に入らないだけなのだ。あの男が…

 

「ま、気にするな。折角だしお祝いもしときたいのだが、まだ配達があるのだろう?またいつか今度は寺子屋にでも来てくれ。」

 

慧音は笑って言った。

 

「分かった。それじゃ、またな。」

 

黎人は慧音の家から出た。

 

 

 

 

 

 

「随分続くな…この道」

 

人里から少し離れる方に歩いていく。

もう一つの配達先は少し離れたところにある。

 

そのまま、黎人が歩き続けていた時

 

 

 

「あやややや、斐川黎人さんですね。」

 

上から声をかけられた。

見上げると、白い服に黒いミニスカート、そして下駄を履いた女性が黒い羽を広げていた。

その女性は黎人の近くに着地した。

 

「どうも、清く正しい射命丸 文(しゃめいまる あや)です。取材お願いします。」

 

 

「射命丸…?」

 

黎人はその名前に聞き覚えがあった。

あれは確か、紅魔館で…

 

「さて、早速質問して宜しいでしょうか?」

「そうか…その前に一ついいか?」

 

黎人は一つ質問をする。

 

「え?いいですけど…」

 

文はキョトンとして言った。

 

「そうか、じゃあ…」

 

ーーガッ

 

黎人は文の首を掴んだ。

 

 

「何勝手に俺を新聞に載せてんだぁぁぁぁ‼︎」

 

 

 

 

 

「ぐあああああぁぁぁギブギブギブギブ‼︎落ち着いて下さい黎人さん。」

「うるせえ‼︎勝手に人をあんな堂々と載せやがって!命落とす覚悟は出来てんだろうな‼︎」

 

首根っこを捕まれ、鶏のような声を上げている文。

その言葉に耳を貸さず、文の首を絞め付ける。

 

「何やってるのよ…」

 

後ろから突然声を掛けられ、振り向くと霊夢がいた。

 

「霊夢?どうしたんだ。」

「どうしたんだも何もあんな大声を聞いたら何事かと思うわよ。」

 

『何勝手に〜』が木霊したようだ。

周りを見ると人がこっちを見ている。

意識してなかったが、とんでもないほどの大声だったようだ。

少し反省している黎人。

 

「ゲッゲホッちょっ…と、何絞めつけたままは…なしを、グアッ霊夢ざん、ちょっど…助け…て下さい。」

 

未だ締め付けられたままの文は、苦しそうな声で霊夢に救援を求める。

その時、霊夢は口を開いた。

 

 

 

「別にいいんじゃない?たまには痛い目見た方が思い知るし」

 

「酷くないですかそれ!!?」

 

 

 

 

 

「ハアッハアッ…窒息するかと思いました。」

 

首筋を抑えて過呼吸になっている文。

 

「うるせえ。勝手に新聞に載せたテメェが悪りぃ。」

 

黎人はまだ怒っているようだ。

あまり人の目がある所に居たくない彼は、新聞に載るのは少し嫌である。

 

「で?取材ってのは何だ。」

 

黎人はとっとと済ませろと言わんばかりに質問を急かせる。

 

「いやまぁそう焦らずに「焼き鳥になりてぇか」あ、すいません。じゃあ質問に入らせていただきます。」

 

この天狗、どうやら「焼き鳥」がトラウマワードのようだ。

 

 

 

 

 

「なるほどなるほど…」

 

ペンを動かしながら文は頷いている。

質問内容は、幻想郷に来るまでの経緯、黎人の能力、幻想郷の印象だった。

 

「もういいか?とっととバイトに戻りてぇんだが」

 

黎人はイライラしている。

もともと望んでない取材をしているのだ。

ストレスも溜まる一方である。

 

「まだです。肝心なことを聞いてません‼︎」

 

ビシッ!と音が聞こえるほどペンを突き立てる。

 

「それはすなわち‼︎『霊夢さんをどう思っているのか』です!」

 

 

 

 

ーーシーーー…ン

 

「あれ?霊夢さんは?ここ普通『あんた何て事聞いてるの⁉︎』て出るんじゃないんですか?」

「霊夢ならさっき帰ったぜ。『もう飽きたから帰る』だそうだ。」

「エェーーーー!!?」

 

途中から霊夢の声が無かった事には気づいたが、まさか帰ってるとは思わなかっただろう。

文は完全に滑ってしまった。

 

「で?結局何を聞きたんだ?」

 

黎人は話を元に戻す。

 

「あぁ、そうそうそう。霊夢さんをどう思ってますか?」

 

気をとりなおした文。

黎人はしばらく考えた。

 

「霊夢かぁ…最初会った時は印象良かったわけではないが…住む所を与えてくれたし俺を心配してくれたし…ま、感謝してもしきれないよな。」

 

とりあえず思ったまま言ってみた。

嘘はついてない。

 

「……………」

 

だが文は不満そうだ。

 

「あのー…そういう意味ではなくて、何かこう、甘酸っぱい何かは無いんですか?」

「は?何だそれ。」

 

(そうか…この人恋愛経験無しか)

 

イマイチピンと来なかった黎人を見て、文はがっかりしたようだ。

 

「分かりました。ありがとうございました。今日のところはここまでにしておきますね。それでは、今後も文々。新聞をよろしくお願いします。」

 

文は空に飛んで行った。

 

「はぁ…何だったんだ、ありゃ」

 

黎人は残った一つの配達物の目的地に向かった。

 

 

 

 

 

「……これか」

 

目的地、看板に「香霖堂」と書かれた家に着いた。

一つ気になったことがある。

 

「ここ…店だったのか。」

 

窓から内装を見ると、色々な品物が置いてある。

霧雨店と同じ、雑貨屋だろうか。

 

ーーコンコン

 

「はい、どうぞ。開いてるよ。」

 

ノックすると中から男性の声が聞こえた。

黎人は扉を開ける。

 

「やあ、こんにちは。何の用かな?」

 

机にメガネをかけた青い和服の男がいた。

右手に本を持っていた。

 

(まさか読書中だったか?)

 

黎人は申し訳なく思った。

 

「霧雨店の店長から配達物だそうだ。」

 

黎人は荷物を渡した。

 

「あぁ、ありがとう。それにしても初めて見る顔だね…僕は森近 霖之助(もりちか りんのすけ)だよ。ここの店主をやっている。」

 

「斐川黎人だ。この前幻想入りとやらをした。バイトで霧雨店で働いている。」

 

黎人は霖之助に自己紹介を済ます。

 

「へぇ…霧雨店でね。ん?ひょっとして、君が…」

 

霖之助がなんか言いかけたところで

 

ーードゴオオオン

 

「グボハァ‼︎」

 

扉から超特急で何かが入っていって、黎人に直撃。

黎人は店の奥に吹き飛んだ。

 

「何で毎回ムチャな入り方するんだい?魔理沙」

「普通に入るんじゃ面白くないだろ?こーりん。『サプライズ』てヤツだぜ。」

 

魔理沙は立ち上がってスカートを払った。

 

「またテメェか…学習しねぇのかコノヤロウ。」

 

店の奥からヨロヨロといった感じで黎人が現れた。

 

私このシチュエーション2回も書いたんですがby狼牙

 

「ん?おお、黎人じゃないのぜ。」

 

魔理沙は黎人に声をかけた。

 

「おお、じゃねえぞ。少しはその登場の仕方改めろや。死にかけたぞ。」

「悪りぃ悪りぃ。次気をつける。」

 

ちっとも悪いと思ってない様子だ。

 

「ハァッ魔理沙がすまないね。お詫びとして一つ何かプレゼントするよ。」

 

霖之助は黎人に詫びとして店の中にある商品から一つあげるといった。

 

「まぁ分かった。じゃあそうする。」

 

黎人は店の中を見て回った。

見覚えのあるものばかりが置いてある。

 

「ところで黎人。お前何しに来たのぜ?」

 

魔理沙は気になったことを黎人に聞いた。

 

「あぁ、俺は「挨拶に来たんだよ。」」

 

黎人の言葉を霖之助が遮った。

 

「そっかぁ…そんなにマメなやつだったか?お前」

「失礼だよ、魔理沙。後八卦炉だったら店の奥に入ってある。取ってきていいよ。」

「お、そうか。じゃあお邪魔するのぜ。」

 

魔理沙は店の奥に入っていった。

 

「黎人くんだったね。あの娘の前ではバイトの事は言わないでくれるかな?ちょっと訳ありでね…」

 

霖之助は黎人に言った。

 

「…やっぱり、あいつ店長の」

「娘、だよ。ちょっと複雑でね…できれば、彼の事は言わないで欲しい。」

「…了解した。」

 

黎人は商品を見た。

 

「お、このお守りがいいな。これを貰う。」

「ん?お守りがいいのかい?遠慮はしなくていいよ。」

「いや、これが良い。他のは(あの神社じゃ)必要無さそうだしな」

 

黎人はお守りを持って外に出た。

 

「それじゃ、またね。今度は来たい時に来ればいいよ。いつでも開いてるから。」

 

霖之助が手を振って見送ってくれた。

 

 

 

 

「終わったぜ。店長。」

 

霧雨店で黎人は店長に声をかけた。

 

「そっか…じゃあ今日はもう終わりだ。お疲れさん。」

 

黎人は何も言わず店から出た。

 

 

 

 

 

「考えてみれば、ここに来てからもう半月たつのか…」

 

帰り道、黎人はここに来たばかりのことを思い出していた。

 

「色々あったな…主に面倒ごとだが」

 

今まで色々な出会いがあった。

そして今日、また新たな出会いがあった。

住んでみて、もといた世界よりも楽しく感じている。

 

「…守らないといけないな。俺の居るべき…いや、居たい世界を」

 

黎人は拳を握った。

 

 

未だ問題はある。

試練も関門も

だが、迷いは無い。

 

 

 

 

 

全て乗りきってやる。

立ちはだかるもの…全て

 




如何でしたか?
とりあえず色々キャラ出しました。
何とかして慧音、もこたん、あやや、こーりんを出したかったんです。
まぁ、慧音と妹紅は16話に登場してますが…

今回で一章終わりです。
とりあえず黎人の能力を出したかったんです。
この後、UA1000突破記念、番外編、設定②を投稿する予定です。
2章のタイトルは設定②で発表します。

次回までゆっくり待っててね。

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