かき氷食べました。(宇治金時)
最近抹茶が好みなんですよね。
そんなことよりおうどん食べたい。
黎「いやどっちだよ。」
それではゆっくりしていってね。
前回のあらすじ
驥獣を倒した黎人を霊夢がブッ飛ばす。
レ「これまた派手にやったわね…」(in 蚊帳の外)
咲「驥獣の時よりも力がこもってません?」(in 蚊帳の外)
霊「外でゴチャゴチャうるさいわよ‼︎」
「さて、覚悟はよろしくて?」
「よくない…です。」
ここは永遠亭。
永琳の前で傷だらけの黎人が冷や汗をかいて座っていた。
なぜそうなっているかというと、
「勝手に外に出た挙句、怪我人を連れて、更に貴方はボロボロになって帰ってきたんだもの…どう『落とし前』つけてもらおうかしら?」
…ということである。
勿論言い訳はあるが、それは爆弾発言であると分かるため、黎人は黙っている。
「まぁとりあえず、怪我を治さないとね…この薬を飲んで寝なさい。他の患者の手当てもしないといけないしね。」
永琳は、黎人に瓶を渡し、部屋を出て行った。
(なんか、あっさりだったな。)
あっさり許してくれたことに対して驚きはしたが、怪我を治すため薬を飲んで横になった。
すると、
ーービリビリビリビリ
「ぐあああああぁぁぁ‼︎」
身体中に激痛が走り出した。
「あの声は一体何なの…?」
治療を受けている霊夢が尋ねると、
「薬よ。1時間で完治する優れた薬品。その間激痛に苦しむけどね。」
澄まし顔で永琳が答える。
やはりタダでは許してくれなかったようだ。
「報われないわね、アイツ…」
流石のレミリアも、同情したようだ。
約8時間後
「酷い目にあった…」
目が覚めた黎人はげっそりしている。
1時間も激痛に耐えたのだ。無理もない。
「失礼しまーーす。」
扉から兎の耳をしたブレザーの少女が入ってきた。
「あんたは…?」
「私は鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん・うどんげいん・いなば)よ。鈴仙でいいわ。師匠から貴方の様子を見るように言われたの。」
(師匠…永琳のことか)
「凄い事したらしいわね。治療途中で抜け出すとか…そんなことしたら生きた心地しなくなるわよ。」
「…善処する。」
確かにその通りだ。
あんな薬飲まされてはたまったもんじゃない。
ここではおとなしくしとこうと心に決める。
「あんたなんかまだ良い方よ…私なんか薬の処置を間違えてしまって、とんでもない薬飲まされたんだから。子供になってしまう薬や動物になる薬。酷い時には下痢が1日続く薬まで飲まされたわよ…もう、私の身体がおかしくなりそうで夜も眠れないわ…」
「………」
大変だなこいつも…と同情してしまった。
「調子どう?黎人ーー…」
扉から霊夢と咲夜が入ってきた。
咲夜は左目に眼帯をしている。
ふと、黎人は気になることがあった。
「…?レミリアは?」
「お嬢様はもう帰られたわよ。今外は朝だし。私はその後ここに寄ったの。」
咲夜が説明した。
外を見ると日が照っている。
吸血鬼なら帰らないと色々不味いだろう。
「あんたが寝てる間にみんな帰っちゃったってわけ。あんだけ寝ればそうなるわよ。」
霊夢が呆れ顔で言ってると
「正確には黎人と霊夢以外が帰ったんだけどね。」
咲夜が訂正を行う。
「ちょっ、変な事言わないでよ///」
「黎人が寝ている間、ずっと様子を見てたじゃない。結構心配してたみたいよ。」
「咲夜っ‼︎」
(…そうか…心配かけたのか。)
咲夜の説明で、黎人は霊夢に申し訳なく思い、
「…ありがとな、霊夢。」
感謝の言葉を言った。
「〜〜〜‼︎べ、別にいいわよ。///勝手に心配しただけだし…」
霊夢はそのまま顔を背けた。
それを見た黎人は…
(……?なんか不味いこと言ったか?)
頓珍漢なことを考えていた。
(…鈍い)
咲夜はその様子に呆れるばかりだった……
「それじゃあ、もう大丈夫よ。後は安静にしてなさいね。」
永琳から薬を貰い、博麗神社に帰る黎人と霊夢。
因みに数刻前に咲夜は帰った。
「それじゃあ気をつけて下さいね。帰り道はここを真っ直ぐです。」
鈴仙から帰り道を教えて貰い、黎人達は永遠亭から出た。
「世話になった。またな〜」
黎人は感謝の言葉を言って、出た。
「そういえば黎人。」
霊夢が気になったことを聞き始める。
「あの後パチュリーから何を聞いたの?その紋章について」
言われてみれば、紅魔館に行ってから霊夢とは話せてなかった。
そうなると、黎人の能力すら聞いてなかった。
黎人は霊夢にパチュリーから聞いたことを話した。
「五行を司る能力」の事、紅魔館で「木」を目覚めさせたこと、更に「木」のデメリットの事を話した。
「そう…じゃあ、『水』も?」
霊夢は、「水」にもデメリットがあるかどうかたずねた。
「あぁ、あの拳銃はどうやら、6発しか弾幕が放てないみたいだ。後部を引っ張れば補充はできるが…結構時間がかかる。使うときはなるべく外さないようにしないとな。」
なんで黎人がそれを知っているのか…
それは、先ほど鈴仙と話している時に、拳銃は6発しか弾がこめないことを話され、ひょっとしてと試したところ、6発しか打てなかったことから察したのだ。
「とはいえ、他の能力で補うことはできる。最近考えたんだが、これは5つ揃って始めて強さを発揮するものじゃないかと思ってな…そう懸念するもんじゃない。」
霊夢は、黎人にどうしても聞きたいことがあった。
「黎人…どうして闘おうとするの?ただ単に恨みで闘ってるんだったら、やめたほうがいいわよ。わざわざ命をかけてまでやる必要はー」
「違うな。」
霊夢の言葉を黎人は遮った。
「確かに最初はそうだったさ…俺らの世界を好き勝手にさせられるのがムカついたからな…だがな、今戦う理由はそんなんじゃない。守りたいからだよ。」
霊夢は黎人の顔を見た。
守りたいの言葉を聞いて
「お前もそうだろ?突然行方不明になった俺を探そうと心配だった。他人を心配する事に理由はいらないさ。守ることも一緒だ。おれが守りたいから戦う。それでいいんだよ。」
霊夢は立ち止まった。
「綺麗事に聞こえるかもしれねぇが、俺はお前を守りたい。お前だけじゃない。魔理沙や紅魔館の連中、もっと言えば幻想郷の奴らを守りたいんだ。そう思えば…何も考える必要なんて無いさ。」
黎人は霊夢の方を向き、止まった。
「そうね…守るのに理由はいらない…か。無駄な心配だったわね。」
顔を上げた霊夢は笑っていた。
もう大丈夫か、と黎人は前に振り向き歩き出した。
ーーズボオ‼︎
「ぬおおおお⁉︎」
すると、黎人は落とし穴に引っかかった。
「ちょっ、黎人⁉︎」
霊夢が穴の方に近寄り声をかけるが、穴を覗くと、底が見えない。
「ヤーイ引っかかった引っかかった。」
すると、前の方からピンク色の服をした兎の耳の少女ーー因幡 てゐ(いなば てゐ)が歩いてきた。
「全てを守るなんて物凄く上を目指すのはいいけど、たまには下を見ないと、こういう風に足元すくわれちゃうよ♡こんな間抜けにすくわれちゃ、助けられるのは耐えられないよ。」
霊夢が呆れて、てゐに近づこうとした瞬間
目の前に黎人が飛び出てきた。
「ちょ、黎人?」
黎人は「火」の姿になっている。
落とし穴脱出の際に変化したんだろう。
すっと黎人はてゐを睨み、
「ーーーーコロォス!!!」
大声で叫んだ。
迷いの竹林で、断末魔が木霊したという噂が、人里に広まるのはしばらく後の話である。
如何でしたか?
どうしてもギャグ方面に行っちゃいますね…本当はシリアスや恋愛など、色々な要素を入れたいんですが…
黎「野郎ぶっ殺してやらぁ!!!」
…はい、黎人君はてゐを締め上げるのに必死なようですね。
ちょっと解説
「水」は攻撃回数が6回と極端に低いです。
弾をこめる…いわゆるリロードは結構時間がかかります。
あまり戦闘向きじゃないかも。
どちらかというと探索や調査に使えそうな能力ですね。
さて、残りは「金」のみになりました。
これは、能力が能力だけにあの人を出そうかなと思っています。
一章終わりまで後僅か
是非お付き合い下さい。
それでは、次回までゆっくり待っててね。