東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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どうも、ゆっくり狼牙です。
まず皆様にお伝えしときたいことがあります。
いつも1500字の小説を投稿してるのですが、今回4千字弱です。
というのも、いろんな方の小説を見て、余りにも自分の小説は短すぎるなと思いましたので…
今回からこのような長さになると思います。
それではゆっくりしていってね。


13 紅魔館へ

前回のあらすじ

さ・く・や・さ〜〜ん♪

黎「もうあらすじですらねぇ‼︎」

 

 

 

「ここが『紅魔館』ですわ。」

霧の湖にて、黎人が咲夜の説明を受けていた。

「結構赤いな。目がどうにかなりそうだ。」

黎人が目の前にある館を見ながら呟く。

見た目は洋館らしいが、色が血のように赤いのだ。

吸血鬼が住み着くぐらいだから、血をベースにしたのか?

頭の中で黎人は思考を巡らす。

 

 

 

余談だが、ここには黎人と咲夜しかいない。

数刻前の話

「お嬢様は『斐川 黎人』だけ連れてくるように言われたのよ。つまり、霊夢や魔理沙は連れてきちゃダメな訳。」

咲夜は霊夢と魔理沙に説明した。

因みに咲夜は霊夢達にはタメ口のようだ。

「ちょっと!一体どういう事よ‼︎」

霊夢は先ほどの咲夜に抗議した。

しかし咲夜は澄ました顔で

「申し訳無いけど、お嬢様の意向は知らないわ。私はただ、命令に従うだけよ。」

と言った。

「だからと言って…」

「落ち着けよ。」

怒る霊夢を肩を叩いて落ち着かせる黎人。

「お前の気持ちは分かるが、ここで喧嘩してもどうもならないだろう。折角紅魔館に行けるのに、ここで行けなくなったら勿体ないだろう。なに、心配は要らないさ。用事済んだらとっとと帰る。」

黎人は霊夢に落ち着かせるように呟いた。

「……」

霊夢は納得してはないが、一歩下がった。

(あれ?霊夢の奴、もしかして…)

一部始終みた魔理沙はにやけている。

「それでは、ご案内しますね、黎人様。」

咲夜と黎人は紅魔館に向かった。

 

 

 

「……ハァッ」

博麗神社に残された霊夢は、ため息をついた。

「心配なのぜ?あいつが」

「うわっ‼︎魔理沙、いつの間に。」

「最初からいたんだがな…」

後ろから声をかけられ驚く霊夢と、いない扱いされて落ち込む魔理沙。

「そういえば私と戦っていた時も結構焦ってたよなー。いよいよお前にも『春』が来たってことかー。」

魔理沙は頭の後ろで手を組みぼやく。

「ちょっ、変な事言わないでよ。」

霊夢は魔理沙の言葉を否定しようと試みるが

「そんな赤くなって言っても、説得力ないぜ。」

「……!!」

その通り、霊夢は赤くなっていた。

「ま、気持ちは早めに伝えとけよーー…」

魔理沙は箒を飛ばし、自宅に帰った。

 

 

 

ーー心配してる?

 

ーー私が、あいつを?

 

ーーー顔もそんなにいい訳でもないし

 

ーーー口調も少し乱暴なのに…

 

 

 

 

ーーーーー「無事か?霊夢」ーーーーー

 

 

 

ーーーあの言葉が嬉しかった。

 

ーー私を見ようとする男はいなかった。

 

ーーまして、気にかける奴なんてもっといなかった。

 

 

ーーあいつは、それをやった。

 

ーーあの時から、あいつのことを思うたびに

 

 

ーーーすこしボーッとして、胸が苦しくなる。

 

 

ーーもしかしてこれが…

 

ーー「恋」ってやつなのかしら?

 

 

 

博麗神社で、霊夢は一人で考え事をしていた。

 

 

 

 

 

 

再び紅魔館

黎人が門の前に立つと、異様な光景を目にする。

門の前で、緑色のチャイナドレスをした長く赤い髪の女性が、立ったままで寝ているのだ。

すると、隣にいた咲夜が懐からナイフを取り出した。

何をするのかと黎人が見ていると、女性に向かって思いっきり投げた。

 

スコオーーー…ン

 

なんとナイフは、女性の頭に直撃。

そして女性はそのまま倒れこんだ。

(……エェ⁈)

黎人は、驚くなんてものじゃないくらい驚愕した。

目の前で殺人事件が起きた。

死因: メイドによるナイフ

動機: 昼寝?

どっから突っ込めばいいのかと考えてる黎人を他所に、咲夜は口を開く。

「いつまで寝てるの?美鈴(めいりん)。とっとと起きなさい。」

すると、先ほどの女性…美鈴が起き上がった。

(生きてた⁈)

黎人が驚いていると、美鈴は口を開いた。

「だからと言ってナイフを思いっきり投げないで下さいよ〜」

頭に3本ほどナイフが刺さっている。

治療しなければ重症となるだろう。

咲夜は美鈴に近づいて…

 

顔面を蹴り上げた。

 

(おいおいおいおい⁈)

黎人はさらに引きつった。

「あなたがきちんと仕事をしないのがいけないんでしょう?それとももう10本がお望み?」

咲夜は更にナイフを取り出した。

「ヒィィィィ‼︎それだけは勘弁を〜」

美鈴は両手を挙げて震えていた。

(…この世界じゃ、メイドによるパワハラでもあるのか?)

冗談抜きで黎人はそう思った。

「ホラッふざけていないで、とっとと起きなさい。お客様よ。朝にお嬢様が言ってた。」

美鈴が黎人の方を向くと、立ち上がって挨拶する。

「あ、どうも。あなたが黎人さんですね?お嬢様から話は聞いてます。私はここの門番をやってます紅 美鈴(ほん めいりん)です。」

(門番だったのか…)

黎人は呆気にとられていた。

居眠りする門番にパワハラメイド長。

自分の感覚がおかしいんだろうと無理やり納得させる。

「ま、聞いてるかもしれねぇが、斐川黎人だ。」

とりあえず挨拶は返す。勿論黎人はポーカーフェイスだ。

「それでは黎人様。中にお入り下さい。」

咲夜と黎人は紅魔館の中に入った。

「……無事なら良いけどな…黎人さん。」

ボソッと美鈴が呟いた。

 

 

 

「お嬢様。黎人様を連れてきました。」

紅魔館の一室の前、咲夜がノックすると、

「入っていいわよ。」

中から声がした。

ドアを開けた時、黎人は呆気にとられた。

(…子供?)

身長は黎人の腰くらい、ピンク色のドレスにコウモリの羽、そして、青い髪。

パワハラメイド長を従えるくらいだから、よほど怖い人物なのだろうと思っていたので、黎人は腰を抜かしそうだ。

「あなたが斐川黎人ね。私はレミリア・スカーレット。ここの主よ。」

レミリアの言葉で我に帰った黎人は、レミリアに1番聞きたかったことを聞く。

「どうも、斐川黎人だ。早速だが何故俺を知っている?」

すると、レミリアは机の上の新聞紙を指差した。

「それはこれよ。」

その新聞紙を見るとそこには…

『赤き目の英雄、人里を救う‼︎』と見出しに書かれてあり、驥獣を倒した黎人の写真が載っていた。更には「斐川黎人」と名前まで載ってある。

「…いつの間に撮られてた。」

プルプルと手を震わせながら、黎人は呟いた。

「まぁ、その『文々。新聞』の執筆者兼カメラマンはシャッターは一流だからね。気づかないのも無理はないわよ。」

レミリアがフォローする。

見た目が園児の奴に慰められると余計に傷つくからやめてくれと黎人は思った。

「まぁいい。で?要件は何だ。」

今のことは綺麗に忘れることにした。

「そうね。さっさと要件澄ました方が良さそうね…なら咲夜、彼を案内しなさい。」

すると咲夜が「かしこまりました。」と言って扉を開ける。

「それでは黎人。咲夜についていって頂戴?」

レミリアが手を頬に添えて、黎人に言った。

ーー何と無く「命令」っぽいな

黎人は顔を顰めた。

黎人は上から目線を嫌う。

だからこそ「命令」されること、「軽蔑」されると腹がたつ。

本当はここで言い返してやりたいが、ここでやっておきたいことがあったため、いざこざを起こす訳にはいかない。

「了解した。だが一つ頼んでおきたい事がある。」

「それは何かしら?」

「パチュリーとか言う奴に会わせて欲しい。それも出来る限り早く、だ。そいつに聞いておきたい事がある。」

「パチェ、ね。じゃあそれが終わったら会わせてあげる。」

レミリアは手を振った。

それを確認した後、黎人は踵を返した。

「…さて、パチェに会う前に、あなたはその試練を乗り越えれるかしら?それが出来なければ…

 

死ぬことになるわね。」

残されたレミリアはクスリ、と笑っていた。

 

 

 

長い階段を下っていた。

恐らく、地下に当たるんだろうなと黎人は思った。

「黎人様、こちらです。」

扉の目の前で、咲夜が一礼する。

「私が案内できるのはここまでです。これから先はこの部屋に入って下さい。やるべきことはその内分かります。

 

……健闘を祈ります。」

 

「ん?は?どういうこ…」

咲夜の意味ありげな物言いにどういうことか聞こうとした黎人だが、そこに咲夜はもういなかった。

瞬間移動でも使ったか、はっきりとはわからない。

 

扉を開ける。

中にあったのは、ぬいぐるみがたくさん置いてある、幼い少女の部屋だった。

だがそのぬいぐるみは、原型をとどめていない。

首が落ちていたり、切り刻まれたりと、悲惨な状態だった。

 

「…誰?」

 

部屋を見ていると、後ろから声をかけられる。

振り返ると、そこには

レミリアと同じ容姿で赤いドレスをしており、7色の羽をした、金髪の少女がいた。

「俺は斐川黎人。レミリアとか言う奴からここに来いと言われた。」

黎人が自己紹介してると、その少女は黎人の側に来た。

「へー…お姉さまがねぇ。私はフランドール・スカーレット。フランでいいよ。」

「…お姉さま?」

「私はレミリアの妹よ。」

なるほど容姿が似ているわけだ、と黎人は思った。

「…ねぇ、ひょっとして、お姉さまが言ってた『遊び相手』てあなたのこと?」

しばらく考えてみたところ、その線が高い。

結局何をしろとは言われてないが、ここでできることといえばそれしかない。

「まぁ、そうだろうな。何して遊ぶんだ?」

(この見た目なら…ままごとか?あれ嫌なんだが…)

「弾幕ごっこ」

「…は?」

突然黎人のいるあたりが爆発した。

「っオオおおおお⁈」

咄嗟に「火」の姿になっていた為、回避に成功する。

「あはははは、避けた避けたーー♪」

フランは嬉しそうだ。

「…テメェ」

「まだ簡単に壊れないでよ、黎人?もっと私を楽しませてよ。」

 

紅魔館の地下で、思いがけない死闘が始まった。

 




如何でしたか?
黎「あいつ何なんだよ‼︎本気で殺す気か‼︎」
うーん…フランは無邪気に遊んでるだけなんだけど、やっぱりそうなるのね…
黎「俺無事に帰れるんだろうな⁉︎」
さぁ、「用事終わったら帰る」なんてフラグまで建てちゃって、どうなるかは言えないよ。
黎「チキショーーーー!!!!」

と言うわけで紅魔館メンバーのレミリア、美鈴、フランを出しました。
因みにパチュリーと小悪魔は別に出します。
まぁ美鈴はあまり良いように扱われて無いけど
美「ひどい‼︎」
(美鈴ファンの方申し訳ありません。)

後、前書きにも載せましたが、今回4千字弱です。多分これからこの量になってしまうと思います。コメントより、ご指摘、ご感想お願いします。

それでは次回までゆっくり待っててね。

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