あなざー ~もしも夜見山北中学3年3組に「現象」がなかったら~   作:天木武

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 聞けば見崎の家の別荘はこのすぐ側にあるらしい。それで丁度彼女は海の方に出てきていたところだったそうだ。なんという偶然だろうか。いや、さっきの僕の考え方からすれば運命……違うな、それはいささか大仰だ。ともかく僕はこの幸運に素直に感謝することにした。

 

「まさかこんなところで会うと思わなかったよ。……で、何してるの?」

「ヒトデ」

「……それは見ればわかるよ」

「かわいいなって」

 

 ……答えになってない。まあかわいいからいじりまわしていた、ということはよくわかった。

 

「泳いだりしないの?」

「得意じゃないし。……そういう榊原君こそいいの? 皆と遊びに来たはずじゃないっけ?」

「今昼食中。見崎は食べた?」

「食べてきた」

「そっか……。重労働して僕……と厳密には桜木さんと風見君で作った焼きそばがあったんだけどね」

 

 それを聞くとヒトデをいじっていた見崎の手が止まった。そして彼女は立ち上がる。

 

「……それ、まだある?」

「え? ……あるかな? おかわりする人用にある程度は残しておいたけど、勅使河原辺りが食べてそうな気もしないでもないかな」

「そっち、行ってもいい?」

 

 なんと、僕が誘う前に彼女の方からそう切り出してきた。これは予想外で僕は一瞬固まってしまったが、すぐ大きく数度頷く。

 

「勿論。……でもいいの? 両親に連絡とか……」

「夕方ぐらいまでに適当に戻れば、多分大丈夫。それにどうしても心配なら探しに来るだろうから。……霧果は、そういう人だし」

 

 そう言って、「早く行きましょ」と見崎は僕の前を歩き始めた。見崎と会えたことは嬉しかったが、なんだか……彼女と霧果さんの距離が後退してしまったような気がして、少し残念だった。

 この間、今回の旅行を誘いに行った時、彼女は霧果さんに敬語を使わなかった。そして「あの人」とは言ったものの、「霧果」と名で呼ぶことはなく、極力「お母さん」と言っていたように感じた。その前に話した霧果さんとの話も相俟って、少し仲が進展したのかなと思っていたのだ。だがやはりそう簡単なことではなかったらしい。あるいは、僕が前回の時に勝手に思い込んでいただけかもしれない。

 

 まあそれは置いておくとしよう。今は素直にこの偶然……あるいは運命に心から感謝したい。「この場にいて欲しい」と願った彼女が、目の前にいるのだから。

 僕が1人で走っていったのに人を連れて戻ってきたことに皆も気づいたらしい。おそらくあの中でもっとも視力がいいであろう勅使河原が「あれ? サカキといるの見崎じゃねえの?」と叫んだのが聞こえた。次いで「ええ?」とか「ほんと?」とか驚きの声の中に「ああ!?」というなんだか聞いてはいけない声も。……今の赤沢さんの声だった気がするけど……聞かなかったことにしよう。

 

「うお、本当に見崎だし。なんでここにいるんだ?」

「別荘がこの近くなの。そこに両親と着てたから、たまたま」

「別荘って……。お前んち金持ちなのか?」

 

 勅使河原の質問に見崎は淡々と「どうだか」と答えた。他にも誰か何か聞いてきそうな雰囲気だったが、「それより」と珍しく彼女の方から会話を遮った。

 

「……お昼に食べたっていう焼きそば、まだ残ってるの?」

「あ、わりい。俺が残り全部食っちまった」

 

 これまた珍しく、露骨にショックを受けた表情を浮かべ、「そう……」と言って彼女は俯いた。そんなに食べたかったのかな……。

 そこで僕はあることを思い出して「あ」と意図せず声に出していた。いやでもそれはまずいというかあまりよろしくないというか……。

 

「どうしたの?」

「……見崎、そんなに焼きそば食べたかったの?」

「うん」

 

 またまた珍しく即答。そこまで食べたいならいいか、と思うことにした。

 

「あんまり残ってないし僕の食べかけでよければまだあるはずだけど……」

「食べたい」

 

 はい、わかりました。ここまではっきりと物を言った見崎を見たのは初めてだ。そんなに食べたいなら僕の残りを譲ろう。……正直言うと腹6分目もいってないから後で絶対お腹すくだろうけど。

 幸い僕の焼きそばはまだ残っていた。日陰のパラソルの影に紙皿に乗った焼きそばがある。

 

「榊原君のって、これ?」

「そうだよ。今違う割り箸持ってくるから」

「いいよ別に」

 

 いけません。僕は彼女が食べ始める前に箸を取り上げた。不満そうな視線を受け流しつつ、新しい割り箸を持ってきて、割ってから彼女に渡す。それを受け取るが早いか、彼女は焼きそばを口に運んだ。

 

「……おいしい」

「そう? よかった」

「やっぱり榊原君って料理上手なんだね」

「これは炒めて味付けただけだから、別に腕は関係ないと思うよ。……味付けたの桜木さんだし、目分量でソースお願いしただけだし」

 

 ふうん、と相槌を打ちつつ彼女は食べる手を止めない。本当はお腹減っていたのだろうか。

 

 チラッと皆の方を見るとどうやら海といえば恒例のスイカ割りをやるらしい。そういえば食材の中にあったっけと思う。割る役はなぜか望月らしい。勅使河原がいいように適当に誘導して混乱を招いているのが見える。

 

「見崎さん、別荘がこの近くにあるんですか?」

 

 と、そこで輪の中から抜けてきたのか、桜木さんが見崎の隣に座りつつそう問いかけてきた。思わず反射的に皆の方に目を移すとやはりというか、風見君の視線が彼女を追っている。……あ。危ない少年、よそ見してると望月に殴られるぞ。

 

「まあね」

「でもよかったですね。見崎さんも興味はあったみたいだし。榊原君もその方が嬉しいでしょうから」

「あ……。えっと僕は……」

 

 思わず言いよどんでしまった。一旦誘ってるんだから何も動揺する必要はなかったじゃないか。

 

「……いいの? 桜木さん、私なんかに構ってて。スイカ割り、終わっちゃうよ?」

「花より団子、って杉浦さんだったら言うのかしら? 食べられればそれでいいので。……さらに言えば、そんな非効率的にスイカを割るぐらいならちゃんと等分で切った方が可食部は増えるでしょうし。まあイベントとしての側面が強いんでしょうから、楽しんでる皆に水をさす必要はないんで黙ってますけど」

 

 実に現実的と言うか、達観した物の見方だ。大人びてるというか、それを通り越して悟ってるとも思えてしまう。

 

「……まあ非効率的だからと一概に否定する気はないですけど。今輪を抜けてきたのは叩く役が望月君じゃ命中するまで時間がかかるだろうし、したところで一発じゃ無理だろうと思ったからと言うのと、そこにかこつけて日陰に入るついでに見崎さんと少しお話したかっただけですから」

「私なんかと話しても、楽しいことなんかないと思うけど」

「そんなことありませんよ? 現に榊原君は楽しそうですし、今の私もそうだから。……近づかない方がいい、とかって言われた人間に近づけただけでも、ね」

「……根に持つタイプ?」

 

 見崎の問いにクスッと笑って桜木さんは応えた。冗談だ、という意味だろう。見崎に通じてるのかは疑問だが。

 

「……あ、叩く役が勅使河原君に代わるみたい。今度は割れると思うんで、行って来ますね。見崎さんも焼きそばそろそろ食べ終わるんだし、榊原君と来たらいいと思いますよ」

 

 そう言うと桜木さんは立ち上がった。本当に話をしに来ただけのようだ。クラス委員として見崎を心配したから声をかけにきたのかな?

 見ると見崎は焼きそばを食べ終わったようだった。去っていく桜木さんの背中を見送った後で何やら視線を落として手で胸の辺りをポンポンと叩いている。

 

「……どうしたの?」

 

 別に驚かせようというつもりは微塵もなかったのだが、なぜか見崎は僕の問いかけにビクッと体を震わせた。

 

「……なんでもない」

 

 その時、輪のほうから歓声が聞こえた。どうやらスイカは見事に割れたらしい。じゃあ行こうかなと思う僕より先、意外にも見崎が立ち上がった。

 

「スイカ食べたい。……あと、焼きそばおいしかったよ」

 

 それはありがとう。でも……見崎って意外と食い意地が張ってるのだろうか。とにかくせっかくだから僕もスイカを食べようと、日陰から立ち上がった。

 

 

 

 

 

 スイカの食べ方と言うのは人それぞれだ。赤沢さんや桜木さんのように特筆すべきことなく食べる人。勅使河原のように一気に口に頬張った後で迷惑にも種を吐き出す人。中尾君のように塩を重視する人。杉浦さんのように神経質気味に種を全部取ってから食べる人。

 

 そういう意味で言うと、食べ終わってからの海の満喫の仕方も人それぞれだった。とりあえず海に来たのに1度も水に入っていないのもどうかと思って僕も適当には泳いだ。医者に何か言われていた気がしたが、あまり無理をしなければいいだろう。見崎も誘ったが、眼帯が濡れるからか、いいと断られてしまった。

 あまり泳ぎすぎて体に負担をかけて気胸が再発、となっては洒落にならないので、望月と適当にじゃれ合いはしたが、それもほどほどに僕は陸に戻ってきた。見崎が1人で孤立してしまうのではないかという心配もあったからだった。だがそれは杞憂だったらしい。そういえばいつの間にか他に泳いでる人がいなくなったなと思ったら、勅使河原と中尾君と風見君は海釣りに興じているらしく、女子はそれを見ているようだ。

 

「なんか僕と望月しかいないと思ったら皆ここだったんだ」

「勅使河原が『釣りやろうぜ』とか言い出してね。全然やり方わからないのに無理矢理やらされてるんだ」

 

 とかなんとか言いつつも、風見君としては大物を釣っていいところを見せたい、とかってところだろう。他2名もそうかもしれない。

 

「で、何か釣れた?」

 

 無言で赤沢さんは勅使河原の側にあったバケツを傾けてこっちに見せた。中には何も入っていない。

 

「坊主よ」

「骨折り損のくたびれ儲けね。適当なところでやめた方がいいわ」

「ひでえぞ杉浦! そういうこと言ってると釣れてもわけてやらねえからな!」

「いいわよ。どうせ釣れないし」

 

 そう決め付けて杉浦さんが立ち去ろうとした時。「おおっ!?」と勅使河原が興奮気味に声を上げた。どうやらかかったらしい。

 

「こいつは大物じゃねえか!?」

「嘘? マジで……?」

「……嘘から出た誠、かしら」

「来た来た……! うおりゃあ!」

 

 気合の声と共に勅使河原は一気に釣り竿を引き上げた。そして釣り上がった物が赤沢さんの頭の上に乗る。

 

「……何よこれ」

 

 頭から垂れてきた緑色の葉っぱ状の物を掴んだ赤沢さんの手がわなわなと震える。彼女の頭には昆布だろうか、海草の類がカツラのように乗っかっていた。というか、昆布って釣るほうが難しいんじゃ……。

 

「何が大物よ! しかもよりにもよって私の頭の上に! 馬鹿にしてんの!?」

 

 そして彼女はその水を含んだ海草を全力で勅使河原へと投げ返した。「ぶぺっ!」とか間抜けな声を上げて彼はその直撃を受け、卒倒する。うわ、足元岩場だったけど受け身取れたかな……。

 

「……身から出た錆の方だったか」

 

 僕の心配をよそに、それを見た杉浦さんは「自業自得」という意味の辛辣な一言で締めたのだった。

 

 

 

 

 

 それからもしばらく遊び倒す時間は続いた。また泳いでみたり、望月を砂で固めてみたり。その後流れ的にビーチバレー……のようなものということになったが、一応体のことがあるので僕は遠慮しておいた。男子対女子のような形になっているが、杉浦さんのスパイクがえげつない。さっきから何度勅使河原が顔面を狙われているかわからなかった。一方の「遅れてくるアタッカー」はさすがに女子相手に本気は自重しているのか、鋭く打ち込んでいるものの杉浦さんに拾われることが間々あるようである。……まあ遠慮無しの女子と一応気を遣ってる男子だから、総合的に女子の方が有利かもしれない。というか、望月がなぜか女子側だし、杉浦さんが完全に独壇場だ。涼しい顔してなんて身体能力だ……。

 ともかく、あそこに入るのはちょっとためらわれたので、ビーチパラソルの陰で早くも一杯始めた怜子さんのところにでも行こうかと思った。だがその前に辺りを見渡すと、見崎がなにやら砂山のようなものを作っているのが目に入ってくる。考える間もなく、僕の足はそっちへと向かっていた。

 

「何してるの?」

 

 僕の問いに彼女は一度だけ、僕の顔を見てからまた砂山の方へと顔を戻した。

 

「別に。ただ、なんとなく作ってるだけ」

 

 その「なんとなく」に僕もつきあわせてもらおうと思う。砂を集め、頂上付近へと持って行って固めていく。見崎は一瞬驚いたように体を震わせたが、すぐ元の様子に戻り、僕と一緒に砂山を作っていった。

 

「僕達はこの後夜もここで食べる予定だけど……見崎は別荘に戻る?」

「一旦戻って、もう1回来る予定。あの人達と食べるより、クラスの皆との方が……楽しいし」

 

 楽しい、か……。以前の見崎じゃ、そんなことは言わなかったような気がした。霧果さんが言ったとおり少し変わって来ているのだろうか。

 でも、やはり家族仲はあまりうまくいっていないらしい。そこまで首を突っ込むのはでしゃばりとわかってはいたが、少しその話題に触れてみることにした。

 

「今回お父さんが帰ってきてるから、だったよね? 何してる人なの?」

「さあ。この間言ったとおり世界を飛び回ってる、ぐらいしか知らないし、興味もない。……それでたまに帰ってきて、こうやって家族サービスっていうの、家族の真似事」

「真似事って……」

「結局、私とあの人たちは繋がっていないから」

 

 特に何の感慨も無さげに、見崎はそうあっさりと言った。そして沈黙が広がる。……やっぱりこの沈黙って物は苦手だ。

 

「でも見崎は……藤岡さんとは繋がってると思ってるんでしょ?」

 

 どうやら彼女は山を作るのを終わり、今度はトンネルを掘り出したらしい。僕の方からもそれに合わせて採掘作業を始める。

 

「……私の『半身』だから、ね」

「つまり繋がってるっていうのは、血、ってこと?」

 

 ゆっくりと見崎は首を横に振る。

 

「そういうことじゃないの。藤岡の叔父さんや叔母さん……私にとって本当の父母とは別に繋がっているとは思わないし」

「じゃあ精神的に?」

 

 掘り出したトンネルは崩れることなく、順調に掘り進められていく。見崎は僕の問いに少し考えから「かもね」と返した。

 

「でも四六時中そんな風に繋がってるのって疲れるじゃない。それに……もしその繋がりが途絶えてしまったら……。それはそれでもっと辛いだろうから」

 

 ひょっとしたら僕は自分の気づかぬ間に「ああ」と声をこぼしていたかもしれない。藤岡さんのことだとわかったからだ。彼女は白血病だと言っていた。もしかしたら命すら危うかったかもしれない病気だ。そこで彼女が「半身」を失ってしまっていたのだとしたら……。

 

「前も言わなかった? 結局今のクラスだって1年で皆バラバラになっちゃう。学校というくくりで見ても3年経てば同じ。……だったら、無理に繋がらなくたっていい。たとえ繋がってもいずれそれは途切れてしまう……」

「だから見崎は……」

 

 そこまで言って僕は続きを言うことをやめた。埒の明かない僕の勝手な推測に過ぎないからだった。

 だが続けるなら、こうだ。「だから見崎は、『近寄らない方がいい』なんて言ったの?」。

 彼女が思わせぶりな行動をしているのはまあ個性というか癖のような部分はあるのだろう。でもその中の一部、本能的に他人を寄せ付けないようにそう振舞っているのだとしたら。繋がりが途切れてしまうことを怖れるあまり、わざと遠ざけるような言動をしているのだとしたら。

 

 いや、やめようと僕は目を閉じて頭を軽く左右に振った。それこそ埒の明かない妄想だ。なぜなら、本当に繋がることを拒絶するなら、僕とこうしていること自体が矛盾すると言っていいからだ。

 

「見崎は……繋がることが嫌なの?」

 

 聞くべきか迷った挙句、結局僕はそう尋ねた。一瞬間を挟み、彼女は首を横に振る。

 

「全部が全部じゃない。でも、親だから、とか友達だから、って理由でずっと繋がってるなんて、やっぱり疲れるし嫌だって私は思う。……あ」

 

 そこで、僕の手は彼女の手に触れた。両側から掘り進めて行ったトンネルが通った、と言うことだ。

 

「……繋がったね」

 

 見崎が言ってる意味合いと違うとはわかっている。でも僕は、あえてそう言った。それに対して彼女はゆっくり頷く。

 

「たまには、繋がってもいいんじゃないかな。……いつも、っていうのは嫌なのかもしれないけどさ」

「……そうね。たまには、ね」

 

 そう言うと、見崎は触れていた僕の指先を軽く握ってきた。以前も感じたことのある、人形などではない、確かに血の通った人間の手。

 

「私は人形じゃなくて心がある人間だものね。繋がれるのは……心が無くては出来ないもの」

「うん。そう思うよ」

 

 と、そこで少し大きな波が僕達が作った砂山を流して行ってしまった。「ああ……」と思わず僕は落胆の声を上げる。見崎もひとつため息をこぼしたが、なんとめげずにまた作り出すようだった。

 

「まだ作るの?」

 

 無言で彼女は頷く。そういう創作作業は美術部だから慣れているのだろうか。さすがに僕はもう1度付き合おうという気にはどうしてもなれず、少し日陰に行くことにした。

 

「ちょっと疲れたから、日陰に行ってるね」

 

 再び彼女は無言で頷いた。それを確認し、僕はビーチパラソルの方へと踵を返す。そこで怜子さんが見慣れない男性と話しているのが目に入ってきた。無精ひげを生やし、髪も特にこだわった様子はない。男性にしては小柄な体格だと思う。親しげな様子から、おそらく今回の被害者、と言ってもいい松永克己さんだろうと推測した。

 

「お帰り、恒一君」

 

 怜子さんの足元にはビールの缶が既に1本転がっている。もう2本目か、と思わず僕は苦笑を浮かべていた。

 

「へえ、君が怜子の甥っ子か」

「榊原恒一です。松永さん……ですよね?」

「おう、そうだ。よろしくな。……で、今回のこの無茶振りの張本人は君かい?」

 

 それに対しても再び苦笑。確かに怜子さんに話を通したのは僕だが、そもそもの発起人は勅使河原だ。

 

「そんなの誰だっていいじゃない。……それより聞いてよ恒一君。マツってば久しぶりに私に会うなりなんて言ったと思う? 『お前本当に怜子か?』だってさ!」

「んなこと言ったってよ。俺が知ってるお前は絵にしか興味が無いような野暮ったい奴だったからな……。あの時は全然パッとしなかったし。それがこうも化けるとは驚きだぜ。イノヤの姉ちゃんには敵わないけど、お前のお酌なら喜んで受けるぞ」

「ちょっと最後の聞き捨てならないわね? こんな美人を目の前にして言う台詞? 恒一君からも何か言ってやりなさい」

 

 何か、といきなり振られても困るのだが、松永さんに教えておいた方がよさそうなことは教えておこう。

 

「知ってるかもしれませんが……。イノヤのウェイトレスさん……知香さんはあの店のマスターと結婚を前提に付き合ってるらしいんで……。口説いても無駄かと……」

 

 露骨に松永さんが衝撃を受けた顔をした。そして項垂れる。……知らなかったのか。

 

「……だよなー。あんな美人が相手いないわけないよなー。そこで迂闊なこと言ってこの事態招いちまってるし……。あーもうあの店行くのやめようかな……」

 

 それは困る。僕がイノヤの営業妨害をしたみたいじゃないか。

 

「よしよし、私が夜慰めてお酌してやるから。それで我慢しなさい」

「……そうする。まあイノヤには世話になってるし、話し相手としても飲み屋としても最高だからなあ。結局行くのはやめられねえだろうな」

 

 ため息をこぼしつつ、松永さんはそうぼやいた。まあ何はともあれ、これで僕が営業妨害したということはなくなったようだ。

 

「そういや、甥っ子君も美術部かい?」

「いえ、僕はこっちに転校したばかりなんで……」

「姉さんが陽介さん……旦那さんにくっついて、大切なひとり息子を私達に預けてインドに行っちゃったのよ。それで今年夜見山に来たの」

「ああ、そうなのか。てっきりこいつの甥だし美術部なのかと」

「考えていなくはないんですが……。もう3年の夏でもうすぐ2学期ですし」

 

 今言ったとおり美術部自体に興味はあった。が、結局後に後にと回していたらこの時期になってしまっていた。なのでもう部活は諦めるつもりでいた。

 

「別に本当に入りたいなら、いいんじゃないの?」

「え……?」

 

 ところが、怜子さんはあっさりとそう告げてきたのだった。まさかそう言われるとは思ってもおらず、僕はその声の主を見つめ返す。

 

「どうせ文化祭に展示するもの作ればそれで活動になるからな、あの部」

「出たよ、幽霊部員め」

「……松永さん幽霊部員だったんですか?」

「言うほどじゃないぞ。ちゃんと週に1回は顔出してた。……毎日のようにあのボロ部屋に行ってたこいつが異常なだけだって」

 

 そう言いつつ、松永さんは怜子さんを指差して見せた。それに対して彼女は不満そうに頬を膨らませる。

 

「あんたは不真面目すぎたでしょうが! それで夏休み明けて、しかもしばらく経ってからようやく文化祭の作品に手つけはじめて。それでギリギリ間に合わせたんでしょ?」

「お前そういうどうでもいいことほんとよく覚えてるな。……まあ今こいつが言った通りでな。だから、夏休み明けてからだって作品制作は間に合うぞ? 立体で粘土細工お勧めだ。形整えて固めて色塗っちまえば終わりだからな。俺はそれで制作だけなら実質1週間で仕上げた。何作るかで散々迷ったが」

「コラ! 恒一君によくないことを吹き込むな!」

「じゃ、じゃあもし僕が本当に美術部に入部したい、ってなったら、夏休み終わってから入部させてもらって、作品を作って展示することも可能なわけですか?」

 

 怜子さんは数度目を瞬かせた。もし可能なら、短期間でもいいから美術部に所属してみたい。それで作品を作って展示する、そういうのも悪くないと思っていた。

 

「マツって前例があるし、確かに油絵とか時間かかるのは厳しいかもしれないけど……。短期間で作れる作品なら可能よ。……でもいいんじゃない、とか言った私が言うのもあれだけど……大丈夫? クラスでの出し物もあるわけでそっちにも時間割かれるし、あまり短期間だと部内の人間関係もうまく作れないかもしれないわよ?」

「クラスとの兼ね合いはなんとも言えませんが……。人間関係は多分大丈夫です。望月も見崎もいますから」

「……なるほど。その2人目が狙い、か」

 

 いやそんなことは……。ないとは言い切れませんが……。

 

「まあいいわ。それは恒一君の問題だから。すぐ結論出さないで、まだ夏休みなんだしもう少し考えて、その上で出しなさい。ね?」

「はい。そのつもりです」

「いいから入っちまえって。そして俺の後輩になれよ甥っ子君」

「ちょっとマツ! 変な勧誘しないでよ!」

 

 肯定も否定もせず、僕は松永さんに渋い笑みを返した。今から部活に入るのも悪くないかもしれない。夏休みの間に考えておこう。ついでにもし入ろう、と思ったら作るものまで決めておくといいかもしれない。

 ……それより何より、この松永さんという人は本当に陽気な人で、そして怜子さんと仲が良かったんだなという方が驚きだった。「お互いにお相手募集中ですよね?」とかおちょくってみるのも面白そうだったが、さすがにそこまでの危ない橋を渡るだけの勇気はなかったので、僕は大人しく2人の仲良さそうなやり取りを眺めることにした。

 

 

 

 

 

 その後、日が傾き始めた辺りで夕食ということになった。時間としては少し早いが、皆はしゃいだためにお腹が減ったのだろう。夜はバーベキューということで、材料を切るといったような下ごしらえの準備は昼同様僕と桜木さんでやったが、焼くのは風見君、中尾君、杉浦さんと複数人交代で行ったので、僕は焼いてるだけで食べられない、という事態はなんとか避けられた。感謝の言葉を述べたら「まあこのぐらいは俺にも出来るからな。まかせろ」と中尾君に言ってもらった。やっぱりなんだかんだ根はいい人のようだ。

 なお、見崎は一度別荘に引き返して両親の許可を取ってきたのだろう、一旦姿を消した後で水着ではなく私服に着替えて再び戻ってきていた。メンツを見れば普段の昼食会のようだが、違う場所でやっているということもあるのだろう。皆会話が弾んでいる様子だった。

 

 食事が終わった後は部屋に荷物を移し、再び砂浜に出てきて花火という、まあ海に来たらお約束といってもいい流れとなった。だがその途中で見崎は霧果さんから電話があったらしく「戻って来いって言われちゃった」と少し寂しげに言って去っていってしまった。「じゃあ前の約束の通り、今度は合宿でね」と言い残して。

 残念ではあったが、すぐ赤沢さんやら勅使河原やらに絡まれて仕切りなおしたので、一応は気は紛れた。ちなみに勅使河原が「虎の子の打ち上げ花火だ!」と意気込んで火をつけた花火が予想以上にあっさりと終わってしまったため、「虎は虎でもそれじゃ張子の虎ね」と杉浦さんに辛辣に突っ込まれた場面もあったりした。

 

 そんなこんなで予定の日程を終え、まだ9時前だというのに部屋に入った僕達は疲れからほぼダウン状態だった。用意された中部屋は和室、ロケーションは今は夜だからわからないが、日中ならかなりいいものとなるのだろう。本来は布団を敷かれていてもおかしくはないのだが、さすが格安裏口プランということで布団は自分達で敷くこととなった。皆だるそうに布団を敷き、そこに倒れこむ。このまま寝てもおかしくない状況だ。

 

「やべえ……。マジで眠い……」

「まだ9時とかだけど……もう寝ちゃう?」

「……いや、待てサカキ! それは勿体無いぜ! だって合宿は咲谷記念館だろ? あそこ確か宿泊の客室は相部屋が多かったはずだ。となるとこんな風に野郎共大人数が集まって駄弁るなんて出来ないってことになる」

「勅使河原君……なんでそんなこと知ってるの?」

 

 望月のその発言には同意だった。しかし知らなくていいことまで知ってるのがこいつなわけで。僕はそのことに大した疑問は抱かなかった。そして勅使河原も取るに足らない質問と捉えたらしい。

 

「そこでせっかくなんだ、こういうときのお約束と行こうぜ!」

「それって……怪談ってこと?」

 

 怯え気味に望月が尋ねる。美少年は怖い話が苦手なのかな。

 

「……あ、お前にはその方がいいかもな。お前にとっちゃそれ以上に興味がないことだろうからな」

「何それ? どういうこと?」

「枕投げだろ」

「はい中尾君、お手つき1回目だ。……修学旅行とかの夜は女子の話って相場が決まってるだろ? しかも今日は胸四天王の3人が降臨されて水着をご披露なされたんだ、反省会も兼ねてそれを俺たちは話さなくてはならない! ……そういうわけで、三神先生とか知香さんとかにしか興味のないお前は蚊帳の外だ、ってこと」

「と、知香さんは関係ないでしょ! 一応血が繋がってるんだし……」

「甘いぞ望月! 世の中には兄妹だろうとイチャイチャしてる張りに仲がいい連中もいるんだ! 小椋を見ろ、あんなダメ兄貴……って小椋に聞かれたらすげえ怒られるだろうけど、ともかくそんな兄貴にベタベタして街中歩いてるんだぞ? 見かけたこっちが気を遣って見つからないようにするとかどんだけだよ。まあそんな例もあるってことだ。……とはいえ、腹違いでそれやると洒落にならない場合あるけどよ」

 

 だったら言うなよ、と僕は心の中で突っ込んだ。それに望月の場合「お姉さんが好き」というより完全に「年上の女性が好き」という趣向なわけで、小椋さんの例とは違うだろう。

 

「まあいい。早速反省会だ。……まずは1日前の発言を撤回して参加した風見()、桜木の水着が見られたんだ、来てよかっただろ?」

 

 ニヤニヤしながら、勅使河原は風見君を覗き込む。彼は明らかに動揺した様子で眼鏡を直しつつ顔を背けた。……反応がわかりやすすぎる。

 

「な、何のことだ?」

「とぼけたって無駄だぜ、ムッツリ君よ。お前日曜に俺が誘ったときは『ただでさえ合宿があるのに、これ以上受験の夏に遊んでる暇なんてあるか』とか言ってたくせに、赤沢が桜木誘った瞬間にコロッと態度変えやがって。お前もクラス一のあのけしからん胸を拝みたかったんだろ?」

「お前と一緒にするな! 僕はそういうやましいことじゃなく、桜木さんが来るっていうから単純に……」

 

 ああ、少年よ、それは墓穴だ。だが勅使河原の反応を見るに、奴も薄々は気づいていたのだろう。「ほほう、やっぱりか」などと言っている。

 

「お前、桜木のこと狙ってるだろ?」

「ね、狙ってるとか……。そういう言い方……」

「いやいい、わかってる! 皆まで言うな! 腐れ縁の俺とお前の仲だ、2年の時に桜木と同じクラスになってからなんかお前が変わったなってのは気づいてたからな。今日ようやく確信が持てたぜ、まあ頑張ってあいつと一緒の難関学校目指してくれや!」

 

 愉快そうに笑いながら勅使河原は風見君の背中をバンバン叩いている。迷惑そうな顔をしていた彼だったが、「……そういうお前は」と反撃に出た。

 

「ん? なんだ?」

「赤沢さんにいいところ見せられたのか? 今回もいいようにあしらわれてただけな気がしたんだが」

 

 思わず「ぐ……」と勅使河原が言葉を詰まらせる。この反撃は効果的だったらしい。

 

「う、うるせえ! 大体最初の分乗の時点でおかしかったんだよ! 普通に考えたら自分の家の車に乗るものだと思うだろうがよ!?」

「……でも乗ってもらわなくてよかったぜ。乗ったら俺のせいでお通夜だった」

 

 文句まで今度は中尾君に遮られ、再び勅使河原は言葉を詰まらせる。

 

「中尾、お前は人が良すぎるんだよ!」

「でも事実だろ」

「だからって違う車で赤沢はそこのサカキと仲良くお話してたんだぞ? してたんだろ、望月?」

「……ごめん、どうだったか覚えてないや」

「……あ、そうか。お前ドライバーと話すことで精一杯だったもんな。ごめんな」

 

 ここに到着した時同様、白けた顔と棒読みで勅使河原はそう返した。「何それ!?」と望月が反論するが、奴は無視を決め込む。

 

「……ともかく、おそらく赤沢と、あと桜木とも仲良く話してたであろうサカキをどう思うよ、風見に中尾? やっぱ一発しめとかないか?」

「あ、あのさ……」

 

 まずい、矛先が向いてきた。なんだか面倒なことになりそうだな、などと思った矢先。ここで望月が会話に割り込んできた。

 

「なんだよ。クラス女子の話なんて年上趣味のお前にゃ関係ないことだろ?」

「それはそうだけど……。ってなんでそういうことになってるの!?」

「お前が見てるのは愛しの三神先生だけだもんな」

「う……。い、いやそうじゃなくて! 僕が聞きたいのは今の流れで風見君を誘うのはわかるけど、なんで中尾君も入ってるの、ってこと!」

「ハァ? お前見ててわかんねーのか? こいつ完全に赤沢シンパだろ? あいつに何か頼まれたら『はい赤沢様! 地の果てまででもお供しますぅ』って感じじゃねえか」

「……おい勅使河原、表出ろ」

 

 まあまあ、と僕は中尾君をなだめる。……いや、なだめるのはいいんだが、それで矛先が向いてくる可能性は十分にあるんだよな……。

 

「それは確かに中尾君と赤沢さんが一緒にいるのはよく見るけど……。僕はどっちかっていうと赤沢さんよりも杉浦さんがいるからだと思ってたから……」

「あ? どういうことだ望月?」

「だから……。中尾君って杉浦さんに気がある……っていうか、てっきりもう付き合ってるものだと……」

「あぁ!?」

「だってさ、割と誰に対してもドライで冷たい感じな杉浦さんだけど、中尾君にだけはやけに優しいじゃない。今日だって車での移動が終わった後、酔ってる時ずっと側で介抱してたわけだし。普段もなんだか他の人と違うように接してるように感じるし……」

 

 思わず中尾君は無言になって考え込み始めた。しばらく間があって「……まあ」と切り出す。

 

「俺もあいつも男女で違うとはいえ部活一緒だからよ。俺の乗り物酔い癖とかも知ってるし、クラスでの付き合い以上に部で話すことはあったが……。あいつが俺を? ……いや、そんなはずが……」

「……なるほど、こいつは面白くなってきた」

 

 そこで目を光らせる勅使河原。本来なら、こいつにこういう話題を与えてはいけないのだ。

 

「俺としてはこの会議中に『てしなか同盟』を作ろうかと思っていたが、その必要もないかもしれないらしいな!」

「なんだそのだっせえネーミングの同盟」

「俺とお前の同盟だよ! ……このままじゃサカキに赤沢を取られかねない状況だからな。俺と中尾で同盟を組もうと思っていたんだが、お前が杉浦に流れるというのなら同盟をあきらめることもやぶさかではない!」

「勝手に決めんな。そして無理して難しい言葉使うな。……杉浦みたいだ」

「なるほど、結局気にしてんのな、あいつのこと」

 

 再び「やっぱ表出ろ」と中尾君が不機嫌そうに勅使河原に返した。それに対して同じように僕がなだめる役に入る。が、今回は同じ展開にはならなかった。やはりというかなんというか、勅使河原は僕に矛先を向けてきたのだ。

 

「……ところで、ここまで『我関せず』みたいな顔をしてなだめる役とかやってるけどよ、榊原君」

「な、何だよ……」

「よかったなあ! 一旦来ないってなったのに鳴ちゃんが来てくれて!」

「い、いや……別にそれは……」

 

 まずい、ついに来てしまった。どうにかこうにかうまいこと煙に巻くしかない。

 

「俺ご自慢の2.0の視力でも見つけられなかったのに、よくあの距離で見崎がいるってわかったなお前!」

「ま、まあ……なんとなく……」

「なんとなく! そりゃあれか、2人は運命的な赤い糸で云々とかってやつか!? それでお前は夏休み明けたら見崎がいる美術部にまで入部を考えてる、と!」

 

 ……待て待て! なんでこいつが僕と怜子さんが話していた内容まで知っているんだ!?

 

「ほんと、榊原君!? 美術部入ってくれるの?」

「まだ検討中……。それより勅使河原、なんで僕と怜子さんがその話してたの知ってるの?」

「俺の視力と聴力を甘く見てもらっちゃ困るな。ビーチバレーやりながらお前と叔母さんと、あと松永さんの会話はちょこちょこ耳に入れてたのさ。伊達に『帰宅部のエース』と言われてるだけのことはあるってことよ!」

 

 モンスターか何かか、こいつの身体能力は。それだけ高スペックなら何か部活やれよと言いたい。

 

「榊原君、美術部入ってよ。短期間でも文化祭に出展できれば大丈夫なはずだし……」

「怜子さんもそう言ってくれたんだけど……。まあまだ考え中かな。どっちにしろ夏休み明けないと入部も無理だろうし」

「是非来てよ。部長には僕の方から説得……しなくてもいいのか。とにかく粘土細工とかの制作ならそこまで時間もかからないだろうし、十分文化祭に間に合うだろうから」

 

 ああ、それはもはやある意味伝統化しているのか。松永さんと同じことを望月にも言われ、そんなことを思ってしまった。

 

「なんでもいいからお前は美術部に入れ。そうすりゃ鳴ちゃんと仲良くなって、赤沢はお前を諦めざるを得なくなって、俺もお前もハッピーじゃねえか」

「勝手に僕の学校生活を決めないでよ……」

「俺はお前のためを思って言ってるんだぜ? あと俺のためでもあるが。なあお前らもそう思うだろ?」

 

 そう言って勅使河原はしばらく発言のなかった中尾君と風見君の方に話を振ったが――2人からの反応はなかった。今日の遊び疲れが出たのだろう。もう既に寝てしまっていたのだった。

 

「寝ちゃってるね」

「……んじゃ俺らも寝るか。いい加減眠いし。続きは合宿の時か、そのうちイノヤででもやるか」

 

 続きあるのかと突っ込みたかったが僕はそれを飲み込むことにした。僕もちょっと今日ははしゃぎすぎて眠い。しかしなんとか勅使河原の言及は煙に巻くことはできたな、と思っているうちにだんだんと思考がまどろんでくる。そんな中、見崎に会えたということは嬉しく思いながら、眠りにつくのだった。

 

 

 なお、翌日の帰りは特に何もなかった。帰りの車は桜木さんと杉浦さんが入れ替わった形となったが、僕を含めた後ろ3人、いつの間にか寝てしまっていて気づいたら家の前に着いていた、ということを付け加えておきたい。

 




水着回がいつまで経っても終わらない疑惑が発生したので、最後の方はちょっと駆け足気味になってしまいました。加えた部分が多いのもありますが、そのせいで原作のアニメから削ったシーンも出ています。タコのシーンは残すべきだったかも……。
怜子さんと松永さんは原作でも仲良く話してた様子がありましたし、2人とも美術部という公式設定があるのでこういう感じにしてみました。

挿絵機能が実装されたので、次の話で使えそうならちょっと使ってみようか考えています。といってもキャラの絵を載せるとかは出来ないですが。自分絵は全然描けないので……。

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