「さて、近海まで来てみたはいいけど、ここからどう行こうかなぁ……」
うちの菊月が妙に肩入れする綾波とやらに会いに来たはいいが、半ば要塞と化した島を見てどう行こうかと悩んでいると、どこからともなく数台のミニカーが現れ、こちらに襲い掛かってくる。どうやら、これを撃退しない限り、島へは入れそうにないらしい。若干の面倒臭さを感じつつ、空中を走るミニカーを迎撃しようとすると、六人の艦娘たち――確か、長良型とか言った――にそれを阻止されることとなる。
「ご同行願います、抵抗はなさらないでください」
右手にグリップした主砲を構えて威嚇する艦娘――彼女がネームシップの長良だというのはあとで知った――の誘導に従い、島まで案内される。艤装をすべて取り上げられ、バイラルコアの入ったアタッシュケースは艤装とともにあちら側に渡った。後ろ手に縛られてはいるが、この程度の拘束ならロイミュードである私なら造作もなく破って抜け出すこともできる。だが、それをしてはここまで来た意味がない。私は
しばらく無言のまま連れまわされ、どこか狭く小さい部屋へと入れられる。島に入れたのはいいが、肝心の
「捕らわれた川内がいるのは、ここで間違いないのか?」
「はい、こちらで間違いありません。ですが、面会は三笠提督の許可がないと……」
「もう取ってる」
「………5分です、それ以上は通報します」
外で何やら言い争いが起こっていたようだが、ここへ入ろうとしていた艦娘が「わかった」とだけ答え、中へ入ってくる。………どうやら、こちらから出向かずども来てくれたようだ。脱獄する手間が省けたというものだ。なぜなら、その「入ってきた艦娘」というのが、今回ここへ来た理由である綾波だったからだ。わざわざ出向いてくれるとはご苦労なことだ。
「こうして相対するのは初めて、になるのかな?仮面ライダー」
※遅ればせながら報告※
海鷹様より「俺、綾波になりました。」と「番外編:鎮守府の日常・後編」に挿絵を描いていただきました。