特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

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超久々の投稿、すまぬ。


番外編:歯車の忍者・前編

 レ級eliteが無断出撃した次の日、そのレ級eliteが二人の存在に蹂躙されている姿を冷めた目で見つめるひとりの存在がいた。その存在の名は川内、だが、厳密に言えば川内ではない。それは人工的に造られた機械生命体、ロイミュード。そして、この場所にいる()()()()の存在がそのロイミュードで、人間はひとりとして存在しなかった。

 

「何やってるのさ!!「例の艦娘(あの子)は要監視対象だから手を出すな」って、前に言ったでしょ!?」

「しかもル級改flagshipとタ級flagshipを無断で使って!!コアが無事だったからいいようなものの、破壊されていたらどうしたんです!?」

 

 どうやら、あの二人もまた、例の監視対象の抹殺を危惧していたらしく、レ級eliteの弁解を一切無視して一方的な蹂躙劇を繰り広げている。さすがにこの蹂躙劇を眺めているのも飽きてきた、ここにいる()()()艦娘、菊月の顔でも見に行くとしよう。彼女とは、話していてなぜか飽きない。行き倒れに近い状態の彼女を気まぐれに拾い、現在に至るわけだが、私たちロイミュードには、艦娘のことを勉強できる貴重なサンプルだ。

 

「なんだ。珍しいな、お前が来るとは」

「まぁ、ね。レ級elite(あのバカ)のお説教風景を眺めてるのも飽きてきたし、こっちに来たほうが楽しそうだったからね」

 

 それを聞いて、ふぅん、とでも言いたげな表情を浮かべ、左手の裂傷痕を撫でる菊月。川内はその傷が気になったが、あえて聞かずに放っておく。あまり根掘り葉掘り聞いて、地雷を踏むのはお互いに嫌なはずだ。彼女を拾って、一ヶ月以上くらいにはなるが、そこまで関係が進展したとは思えない。そんなことを考えていると、彼女は何を思ったのか唐突に立ち上がり、私の肩を掴んで耳元で囁く。

 

「お前たちロイミュードが艦娘や深海棲艦を模倣しているように、私たち艦娘もまた、人間を模倣したに過ぎない。人間と艦娘、その両方を勉強したいなら綾波に肩入れしてみろ、その意味は()()()()()()()()()

「気味の悪いこと言うね、アンタ。手ぶらで行くのもなんだし、そうだね……三種類のバイラルコアでも手土産にあの子のところに行ってくる。あの子、ロイミュードには興味津々って感じだったから喜ぶとは思うね」

 

 「あの周りを遅くする能力は使うんじゃないぞ」と菊月に釘を刺されはしたが、ぶっちゃけて言うと、重加速(どんより)を使ったほうが探しやすいのだ。それに、変身できる人材はそう多くない、数は絞り込めるはずだ。

 

「今から行くよ、仮面ライダー」




川内ロイミュード「私の進化態ってなんだろ……」

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