俺、騒動に巻き込まれます。
長月を無事保護した次の日、今日からテンリュウたちと演習を通じて親睦を深める予定だったのだが、それは最悪とも言えるかたちで始まってしまった。ありていに言えば、向こうの吹雪が伊19に対して
「おい、伊19!!いったい何があった!!」
「あ……あやな…みさん……」
見ると、真っ青な顔をして両手で
「伊8、伊168!!
「
「ええ」
「伊58と伊401は入渠の済んだ吹雪の監視!!またやらかされたらかなわん」
「わかったでち」
「綾波さん、伊19は?」
伊401の質問に対し「俺が面倒見る」とだけ答え、なんとか伊19とふたりっきりになる状況を作る。これなら、伊19も幾分か話しやすいだろう。俺はとりあえず伊19の私室のドアを閉めて伊19をなだめすかして落ち着かせ、なんとか話せる状態にまで持っていく。彼女の言い分によると、事の次第はこうだ。
いつも通りに寝て、いつも通りに起きようとすると、普段と違う慣れない感覚が自分の上にあったのがわかり、眠い目をこすってそれが何かを確かめると、そこに獲物を捕らえた肉食獣よろしく両目をギラつかせた吹雪が馬乗りになって豊満な胸部装甲を揉みしだいてきたという。それだけならまだよかったのだろうが、あろうことか吹雪はそのまま舌なめずりして顔をその揉みしだいていた胸部装甲の間に挟んできたらしい。これにはさすがの伊19も我慢できず、ベッドサイドに転がしておいたL.ホークを咄嗟に掴んで吹雪にありったけの砲弾を叩き込んだとのことだ。哀れだが吹雪、今回はお前を擁護できない。
「綾波さん、伊19は汚れたのー……」
「汚れたって大袈裟な……」
「綾波さん、着替えさせてほしいのー……」
「俺に伊19の胸部装甲やヴァイタルパートを触れと?まぁ、いいけどさ……」
その後は騒ぎを聞いて駆け付けたテンリュウに事情を説明するのに大変だったことだけは併記しておく。
伊19「怖かったの……」