「ここが畑です、ここがこの前線基地を支える重要な区画になります」
「畑、と言いつつ田んぼもあるのは仕様?」
「仕様です」
とりあえず、ドヤ顔決めて解説してみせたが、本当にこれで大丈夫か?俺。ちなみに、その畑では初雪トラクターと望月コンバインが天龍姉妹たちの手によって駆られてせっせと仕事をこなしており、ほかの畑ではニンジンやらじゃがいもやらを収穫している川内型が見えたが、ここの開放的な環境に慣れたのか、ずいぶんとラフな格好をしている。特に那珂ちゃんなんか、完全に農家のおばちゃんスタイルであり、アイドルってなんだっけと本気で考えてしまう。ここへ来れば、毎朝「髪を下した下着姿の那珂ちゃん」を好きなだけ拝むことができるのだが、イマイチそそられるものがない。っていうか、だらしない姿に失望したので那珂ちゃんのファンやめます。
「ねぇ、綾波ちゃん。今ものすごく失礼なこと考えてなかった?」
「何がですか?っていうか、毎朝下着姿で徘徊するのやめてください。曲がりなりにもアイドルなんですから身だしなみは整えてもらわないと……」
「なっ!!「曲がりなりにも」ってどういう意味さ!!」
「だって「解体のアイドル」じゃないですか」
「解体じゃなくて艦隊だよー!!か・ん・た・いーッ!!」とムキになって訂正する那珂ちゃんをなだめつつ、俺は頬を土で汚した川内と神通を見やる。見ると、川内は収穫したばかりのニンジンをぼりぼり頬張っており、お前は馬かと突っ込みたくなる。神通はそんな姿を見て呆れかえっており、フリーダムな姉と妹に挟まれた次女の苦労が垣間見える。っていうか、三姉妹ってだいたいこんなものなのか?
そんな川内型三姉妹に別れを告げ、俺は新しくなった前線基地をあちこち三笠提督とともに見て回ることにする。そういえば、やたらトーチカだらけだったような……とか考えつつ見て回ったが、やっぱりトーチカだらけだった。しかも妖精さん曰く、「ヒトマルの
その後もトンネルがきれいになっていることに驚いたり、開拓された畑専門の島を見て唖然としたり、漁業を始めたのはいいが、いつ漁船――しかも、船体は綾波にそっくり――を作ったのかと突っ込んだりと何かと大忙しな一日だった。
………これで地下都市があったら、帰る前に建てた予想が全部大当たりになるんですが……
マジでジオ・フロントもどき作ってやろうかと考え中。