特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

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毎日投稿続けとったのに、何やってんだ俺……


俺、今度こそ基地案内をします。

 どっかの変態潜水艦が全裸タックルをかましてひと騒動あった次の日、俺は昨日一日かけて考えた「三笠提督前線基地案内マップ」を眺めていた。どこをどう巡るかによっても、ペース配分を考えねばならず、巡る順番によってはそれだけで一日が終わってしまう。この前線基地を支える工廠や畑は見てもらうとして、ほかにどこを見てもらおうか。俺はそんなことを考えつつ、三笠提督を迎えに行くことにした。

 

「前線基地の案内?ああ、昨日やろうとしていたアレのことね」

「昨日は伊19のせいでお流れになったので、今日一日かけて回ろうかと思いまして」

「そうね、まずは工廠ドックから見せてもらいましょうか」

 

 まずは工廠から……か、案内ルートには組み込んであるし、出だしとしては十分な場所だろう。そう思った俺は、三笠提督のリクエストに応えるべく、工廠ドックへと彼女を案内する。ここはこの前線基地を支える重要な区画だ、まずはここを知らねば艦隊運用もマトモにできないだろう。それに、昨日あいさつしに来る予定だったため、ここへ来るのは一日遅れ、ということになる。交渉を担当する工廠長に挨拶し、俺は三笠提督を案内する。

 

「騒がしくもなければ、静かでもない。ここの工廠はいつもこんな感じ?」

「ええ、いつもだいたいこんな感じですが……」

 

 もともとこの前線基地、攻略艦隊を停泊させることに主眼を置いていたのかどうかはわからないが、どちらかといえば娯楽施設にお金をかける予定だったのだろう。やたら入渠施設の娯楽室が広かったのを覚えている。だが、そのしわ寄せがここにいる艦娘に全部行くのではたまったものではないだろう、今まで艦娘寮だと思っていたところが全部客室で、本来の艦娘寮は基地の外れのほうにあった。なにもこんなところに建てずともいいだろうに……

 何やらライダーベルトを楽しそうに改造している妖精さんを横目で眺めつつ、俺はドックをフラフラと見て回っている三笠提督を捉まえて次の場所へと案内する。次はこの前線基地の食糧事情を支える畑だ、だがここから畑まで、となると少々距離がある。赴任したばかりの新任提督をリヤカーに乗せて荷物よろしく運ぶわけにはいかないし……と悩んでいると、後ろからクラクションの音が響く。誰だ?っていうか、車なんてあったか?この基地に。だが、聞こえてくるエンジン音はどちらかといえば2サイクルエンジンの音なので、バイクだろう。どちらにせよ、この前線基地にはないものだ。いったい何のバイクが……とそちらに向き直ると、白とマゼンダのツートンカラーの……マシンディケイダーか。俺としては嬉しいが……

 

「………ここの妖精さんに作れないものはないのね……」

「………何が作れないのか本気で知りたいですよ……」

 

 ………この調子じゃ人工クラック発生装置とか重加速発生装置とかポンポン量産しそうで怖いんですが……




もっと頑張らんと……

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