「前線基地の案内?」
「ええ、これから自分の運営する基地になるんです。その基地を知らないなんて恥ずかしいことこの上ないでしょう?」
俺にそう突っ込まれ、三笠提督は答えに窮したかのように黙り込む。ちなみに、三笠提督の今の服装はお堅い制服であるが、ここの空気に馴染むに従って次第にラフな服装になっていくのだろう。お堅い性格の仁淀でさえ、ここに馴染んでいくうちにだいぶだらけた姿をさらすようになってきた。だが、だらけすぎてありとあらゆるものをフルスロットルでさらけ出している様々な方向でダメになった誰かさんもいるにはいるのだが……
「綾波さん、おはようなのー」
「って、伊19!!お前また……へぶぁっ!!」
噂をすれば……というやつなのか、伊19がその豊満な胸部装甲も
「な、なんですかその破廉恥な格好は!!今すぐ提督指定の水着を着なさい!!」
「あれ胸がキツいから嫌なのー、それに提督指定の水着なんてすぐ捨てたのー」
三笠提督の叱責にものらりくらりといった感じで耳を貸さない変態潜水艦。っていうか、俺の理性マジで持たんからこの頭のネジ吹っ飛んだ潜水艦を引っぺがしてくれ。元ブラック鎮守府出身でいろんなしがらみから解放されて嬉しいのはわかるが、もうちょっと節度というものを持ってほしい。いくらここが妖精さんと艦娘しかいない女所帯の空間だったとしても、それなりにマナーとローカルルールはあるはずだ。こんなところに男連中を放り込んだら、人の目を気にしなくていいことを理由に違う意味で地獄絵図になっていたはずだ。人によっては桃源郷というべきか。だが、やはり俺にとっては地獄でしかない。やっぱりね、恥じらいとか背徳感とかいうスパイスがないとそそらないのよ、うん。
「綾波さん、今日はいっぱい海で泳ぐのー」
「それは水着を着てからにしなさい!!このド変態!!」
とりあえず、このどっかのド変態な大戦艦よろしく頭のネジが何本か吹っ飛んだ潜水艦をどうしようかで悩んでいると、突然アヤナミが身体の制御権を奪い返して伊19に鉄拳制裁を見舞う。殴られた伊19が「痛いのー……」と涙目で訴えてくるが、アヤナミはそれを無視して駆けつけた伊401に伊19を渡してひとつため息をつく。
………ってか、俺何しようとしてたんだっけ?伊19のせいで忘れたんだが……
次回、今度こそ基地案内。