特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

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文才と執筆速度が欲しい……


俺、妖精さんを説得に行きます。

 一航戦と五航戦が帰ってから一夜明け、俺は以前行ったあの鎮守府に行って妖精さんたちを説得することにした。あの鎮守府は設備も規模もここより大きく、指揮系統を置くには十分なだけの構成をしているだろう。だが、そのためにはあそこの妖精さんから艦娘不信の感情を取っ払わねばならない。誰か連れて行こうか、とも思ったが、現状では余計混乱するだけだろうと察し、俺と綾波だけでいくことにした。

 

――あの鎮守府の妖精さんを説得したとして、どうするんですか?――

 

「あの鎮守府は指揮系統を置いて司令基地とする予定なんだ、それに、広いから諸島全域の対空防御を担うVLSを地上用に転用しても十分効果を発揮してくれるだろう」

 

 「消費した資材に会うだけの効果があればいいんですが」と綾波がぼやくのを聞き、俺はあの鎮守府へと向かう。どうやら艦娘に対するわだかまりは消えたのか、俺が来てもおとなしくしている。資材は十分にあったはずなのに、建造しない理由を聞くと、「建造システムを前任の提督が壊して直せなくなった」らしい。おい、何やってんだ前任の提督。

 

――建造システムの修復は、妖精さんを派遣して直してもらいましょう。あのシステムはわからないことだらけです――

 

 確かに、あのシステムクジ引きよろしくランダムで艦娘が出てくるからなぁ、と考えていたのだが、よくよく考えたら条件が揃えば戦車も出てくるんだったな。うちのヒトマルは戦後世代の戦車、とんでもないイレギュラーだ。そのうちキューマルやナナヨン、ロクイチも出てくるんだろうか。そんなことを考えつつ、俺は妖精さんに声をかける。

 

「妖精さん、ちょっと私から頼みがあるんですが、いいでしょうか?」

 

「あやなみさん、なんですか?」

「われらにできることなら、なんなりと」

「けど、けんぞうはまってほしいのです」

 

「建造は頼みません、ただ、ここを本格的に鎮守府として再稼働させたいんです。そのために、妖精さんたちにも協力してほしいんです」

 

「ここのさいかどうですか?」

「ここにかちがあるんですか?」

「ほんどからのかんむすでなければかんげいするのです」

 

「本土でなければいいんですね?では、私のところの仁淀さんを派遣します。きっと、役に立ってくれることでしょう」

 

 大淀ほどではないにしろ、仁淀なら十分基地運営に一役買ってくれるはずだ。生活の拠点となっている前線基地、司令基地を担うことになったここ、発電を主な任務とする発電島を除いてまだ七つの未開拓の島があり、そちらもどうにかせねばならない。

 だが、どこをどう開拓するかで島の使い方も変わってくる。さて、どうしようか……




なんか一部で暗い暗い言われとるけど……この作品、そんなに暗い?

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