特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

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まだ6時台だからセーフ……だよね?


綾波、基地拡大編
俺、新しい島を探します。


 筑摩艦隊を助けてから一夜明け、今日で18日目となる朝を迎えた。昨日は入渠が済むなりとっとと帰ろうとする筑摩艦隊を引き留めるのに苦労したり、島風がVOBを欲しい欲しいとごねてなだめすかすのに苦労したりと、何かと苦労させられる一日だった。そういえば、ここ最近あの浜辺に行ってないな、と思い、俺は暁の水平線を眺めつつ今の自分の始まりとなった場所へと向かう。何か見つかるなら、それでいいし、何も見つからないなら、それでもいい。

 

――珍しいですね、艦隊も充実してきましたし、あそこへ行く必要性などないでしょうに――

 

「なに、ただ俺が行きたくなっただけで、特に何かを探しに行くわけではないよ」

 

 俺も意外とセンチメンタリズムなところあるんだな、とどこか他人事のように考え、この世界で初めて目を覚ました場所へたどり着き、腰を下ろす。この世界に来て、まだ18日なのか、もう18日なのか、それは俺には分からない。ただ、いずれにせよこれもまたひとつの運命なのだろう。ふぅ、とひとつ息をつき、その勢いのまま寝転がって大の字になる。思えば、この世界に来ていろんなイベントが起こった。ハイパーズの埋葬、工作艦の救助、正規空母との邂逅、第三水雷戦隊の援護、島の開拓。はじめての建造、潜水艦の保護、鎮守府への出向、ロリコン提督からのセクハラ、長いような短いようなこの18日の間に本当にいろいろとあった。

 

――願わくば、あなたとは司令官として出会いたかったです――

 

「確かにな、こんなこと言うのもなんだが、綾波とは司令官として出会いたかったよ」

 

 珍しいことを言うもんだな、と綾波のボヤキに感心していると、不知火が浜辺に来て海を眺めていた。何かを探すわけでもなく、ただ水平線を眺める。これもまた珍しいことだ。

 

――艦隊が増えたのはいいんですが、資材も食料もだんだん今の状況ではカツカツどころか火の車ですよ。せめて、周辺の新しい島を探すくらいはしないと……――

 

「それもそうだな、みんなには悪いが、俺たちだけで探索、ってのも悪くないんじゃないか?」

 

 「それもそうですね」と笑う綾波につられ、俺も笑う。今から、俺たちは周辺の新しい島を見つけるために海に出る。ここのような島はないにせよ、なるべく大きな島を見つけたいものだ。できれば、前線基地でもあればラッキーなのだろうが、そんなにポンポン建てられているわけではなかろう。そう思った俺は、久々にワクワクできそうだと思い、艤装を工廠ドックから持ち出し、海へと出る。島を探すついでに、綾波とのデートでも楽しもう。

 

――次のデートは、もっとムードのあるところへ行きたいですね――

 

「すまんな」

 

 「ムードがない」と愚痴る綾波に謝りつつ、俺は新しい島を探す。そうして探すこと数十分、俺たちは新しい島を見つけた。前線基地があるかどうかはわからないが、とにかく新しい島は見つけた。これからこの新しい島を探索しよう。




第二の島には何があるのやら……

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