「田んぼはできたし、農業用の機器はそろったし、食料に関しては心配いらないな」
――あとは資材だけですね、遠征で資材を集めて充実化させましょう――
妖精さんに案内され、できたばかりの田植え用や稲刈り用のトラクター、脱穀機や精米機を見てまわり、暇になった俺は綾波と談笑する。この島で不要なものといえば現金くらいなもので、あとはこの島の活性化に必要不可欠なものだ。畜産業を始めるのもいいが、そのための仔牛や仔豚、ヒヨコをどこから連れてくるかが問題だ。その辺に勝手に
――一時の方向、距離、5,000と推定。重巡洋艦の五人と駆逐艦ひとりが敵に囲まれ苦戦しているようです、どうします?――
「助けなきゃまずいだろ、行くぞ、綾波。陽炎、不知火、出られる?」
「出撃?いつでもいけるよ」
「いつでも出撃命令をください、深海棲艦を駆逐し、艦娘を助けましょう」
「決まりだな、行くぞ」
俺はそう言い、陽炎と不知火を引き連れて深海棲艦に囲まれている重巡洋艦のもとへ向かう。開幕雷撃で敵艦隊の過半数を屠り、残った敵を順々に叩く。そして、周辺に敵がいないことを確認してこの艦隊の旗艦と思われる筑摩に声をかける。
「ご無事ですか?」
「無事……ではないわ。カタパルトが不調でなければこんなことにはならなかったんだけど……」
………カタパルトが不調なのは利根ねーさんだけにしてくれ、と言いたくなったが、それは当の本人が目の前にいたため言えずにいた。どうやら、筑摩たちはこの周辺の海域を調査のために調査に向かっていたところ、敵の艦隊と偶然会敵し、波状攻撃で全員大破するまで追い詰められていたそうだ。全員大破という意味では誰もがまずい状況なのだが、一番ひどいのが島風で、もうデコピン一発ですら致命傷になるんじゃないかというほど全身をボロボロにしていた。
「ともかく、私たちのところへ来てください。補給と修理、入渠が最優先です」
俺はそう言い、筑摩たちの反論を無視して前線基地に連れて行き、艤装を引っぺがして修復材を溶かした湯船に放り込む。見張り役は天龍姉妹が引き継いでくれたため、大丈夫だろう。………って、今日のデイリー建造まだ回してない……
「今日は誰が来るんだ?」
――戦艦のような気がしてならないんですよね……――
そして、その綾波の予想が大当たりし、中から戦艦ふたりが現れる。
「私は愛宕、もうひとりのほうと間違えないでね」
「こんにちは、高雄です。海に浮けるって、気持ちいいわ」
………こいつら、赤城の妹になるはずだった未成艦のほうか。そう感心して前線基地を案内しようとすると、妖精さんから修復材が底をついたと報告が入る。………今度三水戦か南雲機動部隊あたりに修復材を申請しておこう。そう思い、俺は拾った重巡洋艦艦隊の様子を見に行くため、入渠施設へと向かう。
………なんかこの手のイベント多すぎじゃない?
妙高が編成にいなかった理由:風邪で寝込んでた