特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

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綾波「二等巡洋艦のくせに偉そうに……」


俺、ハイパーズに喧嘩を売られます。

 畑までのトロッコ路線が開通して次の日、どうやら俺が寝た後も妖精さんたちが夜通し作業していてくれたおかげでトロッコ路線が当初予定していた通りのルートで開通できる運びとなった。妖精さんには本当に頭が上がらないな、今日一日はゆっくり休んでもらおう。そう思った俺は、鎮守府に出ている間に造ってくれていたトースターに食パンを放り込み、焼けるのを待つ。妖精さんはみんな休ませているため、今日の食事当番は誰になるのだろうか、と考えていると、今まで退屈そうにしていた仁淀が立候補してきた。せっかく手を上げてくれたわけだし、彼女に頼んでみるのもいいだろう。

 デイリーの建造を二回回し、今回は天龍姉妹を迎え入れることができた。次は新装備の開発、といきたいところだが、あまり無駄遣いはできない。ここも最低値で回そう。綾波に相談したところ「10回なら許可する」と許可をもらったため、最低値でどんどんぶん回す。そうしてできたものは、どこかで見覚えのある超巨大ブースターが二基、四連装の巨大機関砲が二門、幾重にも砲身が畳まれた巨大砲、フジツボがくっついたような何か。ここまでは、艦娘が装備できそうなものばかりだったが、床を自動で掃除してくれるロボット掃除機や圧力鍋など、残る四つはどちらかといえば生活の役に立つものを作った感じがする。

 

「あやなみさん、おきゃくさんがきたのです」

 

「三水戦?」

 

「ちがうのです、おおいさんときたかみさん、だいろくくちくたいのよにんなのです」

 

 ………あの二等巡洋艦と第六駆逐隊の艦隊か。何の用だ?せっかく遠路はるばるお越しいただいたんだ、無下に返すわけにもいくまい。そう思った俺は、ハイパーズと第六駆逐隊を出迎えに行くことにする。

 

「ようこそ、前線基地へ」

「いや、歓迎のあいさつとかどうでもいいし。とっとと案内してよ」

「そんなこともわからないなんて、やっぱり駆逐艦(ゴミ)はゴミね」

 

 ………こいつら、好き勝手いいやがって……そう俺がイライラしている間にもバカ雷巡ふたりはドックのあちこちを見回って勝手にあれこれと物色している。気に入ったものがあれば艤装の中へ放り込み、気に入らなければその辺に投げ捨てる。お前らは物盗りに来たんか、この盗人どもが。ちょうどいい、この四連装機関砲二門の性能テストに付き合ってもらおう。標的艦として。

 

――さすがにやめたほうがいいのでは……本土の鎮守府側に知れたらどうするんです?――

 

「それはそれで面倒なことになりそうだな……」

 

 ………とりあえず、適当に案内して昼飯食ってもらって、それで帰ってもらうとするか。これ以上前線基地のものをパクられたら基地運営が成り立たなくなる。最悪の場合、こいつらのせいで前線基地が干上がる恐れもあるのだ。早急に帰ってもらわねば……




無理やり連れてこられた六駆隊が哀れでならない。

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