特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

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※これは悪いロリコンの見本です。


俺、七光り提督に詰め寄られます。

 前線基地活性化のための交渉のため、鎮守府に来て二日目、前世基地よりだいぶ北のほうに位置するこの鎮守府では日の出が遅いらしく、いつも通りに起きたはずなのに太陽が顔を出してないことに疑問を抱き、そして今本土の鎮守府にいることを思い出す。日の出見られるかな、と期待し、客室を出て埠頭へと向かう。向かう途中で早朝ランニングの途中だった吹雪に追い越され、夜通し起きていたのであろう川内さんとすれ違い、水平線を一望できるポイントまで来て、夜明けを待つこと30分。ようやく水平線の向こうに暁の空が見えてきて、よくわからない感動にひとり浸る。そうして暁の水平線に謎の感動を抱いていると、後ろから誰かに声をかけられる。

 

「おはようございます、綾波さん。随分と早起きなんですね」

「ええ、あの前線基地では日の出が早いので、だんだん習慣になっちゃったんでしょうね。たぶん、いいことなんでしょうけど」

 

 その返答に、「そうですね」と微笑みながら返す神通さん。そうしてしばらく神通さんと談笑していると、総員起こしの起床ラッパが鎮守府各所に設置されたスピーカーから響く。もうそんな時間か、とスマホで時間を確認すると06:00、もうこんな時間だったのか。早く行かないと朝食を食い損ねそうだ。そう思い、俺は神通さんを連れて食堂へと向かい、空いている席を確保する。すると、席を確保してくれた礼のつもりなのか、俺の分の朝食まで持ってきてくれていた。ホント、義理堅いことで。そして、神通さんとふたりでBLTサンドを仲良く頬張って――これは、綾波が「朝食に白米ばかりも飽きた」と愚痴っていたため、「できれば、パン系が欲しい」と頼んだらこれを持ってきた――いると、だんだん食堂が混みだしてくる。随分、のんびり食ってたんだな、お互いに。

 

「そちらのほうも、少しずつ賑やかになってきたんじゃないですか?」

「ええ、少しずつですが、メンバーも増えて賑やかになってきています」

「長門秘書艦の説得については、任せてくれていいわ。あの人、義理人情に厚い性格だから、仲間を助けてくれた恩人を見捨てるようなマネはしないと思うわ」

「恩人、ですって?ヘマやらかして死に掛けた第三水雷戦隊の旗艦様は頭のネジが何本か吹っ飛んでるみたいですね~」

 

 前線基地の話題になり、長門秘書艦の話題に切り替わった途端、横からどこか嫌味ったらしい言い回しの声が聞こえてきてそちらに視線を向ける。そこにいたのは球磨型軽巡洋艦――もしかすると重雷装巡洋艦かもしれない――の大井と北上が朝食のトレーを抱えて「とっととそこどけよ」とでも言わんばかりの視線をこちらに投げかけてくる。だが、別にどかなくとも席は空いているんだから勝手に座ればいいだろうにと思っていると、いつの間にかすぐ隣にいた北上が椅子の脚を蹴ってネチネチと「そこどけ」アピールを繰り返す。おかしいな、原作のブラウザゲームのほうではこんなにネチネチした性格ではなかったし、もっとマイペースかつフレンドリーで、北上LOVEな大井のフォローに回ったりと、周囲に気配りのできる子だったはずだ。どうも、この北上は――ほぼ改悪に等しい――大井の悪い点『だけ』を共有しているらしい。そんなことを考えていると、椅子の脚を蹴る北上が「どいてくんない?そこ、あたしと大井っちの場所なんだけど」と言い出す。

 

「いつからここは北上さんと大井さんの占有スペースになったんです?別に椅子や机に名前が書いてあるわけではないんですから、誰が使おうと自由でしょう?」

「うっさいなぁ……大井っちがそう決めたからそうなの。ほら、駆逐艦(ゴミ)はとっととどいたどいた、朝ごはんまずくなるじゃん」

 

――さっきから黙って聞いていれば、言いたい放題言ってくれて……鬱陶しいことこの上ないですね、この二等巡洋艦は――

 

 どうやら、黙って聞いていた綾波にはかなりイライラする内容だったらしく、今にも殴りかかりそうな心境でいる。だが、殴らんでくれよ?今後のイメージに関わる問題なんだから。もっとも、綾波は相当侮辱でもされない限り堪忍袋の緒が切れることはないので、その点では安心だろう。「ソロモンの鬼神」をキレさせて、無事で済むと思ったら大間違いだ。そう思い、残っていたBLTサンドを放り込み、前線基地の砂浜で死して尚大井を庇い続けた北上との違いに失望しながら立ち去ろうとすると、俺を呼び出す放送が食堂に響く。おそらく昨日の話の続きか何かだろうと思い、執務室に向かうと、そこには――自分の担当している鎮守府にもかかわらず――居心地の悪そうな提督と不愉快度MAXの長門、そしてソファーに偉そうにふんぞり返る見知らぬ男がいた。男のほうは、服装からして軍のお偉いさんといったところか。

 

「すまないな、まだ朝食の時間だったろうに。私も長門も大して用はないんだが、そちらの提督がここへ来るなり貴官を出せとごねて聞かなくてな」

 

 なるほど、つまり俺はその提督とやらに呼び出されたのか。後で知ったことだが、この提督――面倒なので以降は高官提督と呼ぶ――はここの鎮守府の提督より階級が高く、いつも高圧的な態度で接してくるため、苦手だったらしい。そして、その高官提督が偉そうに人払いを命じ、提督と長門が出て行ってしばらくすると、その汚い本性を露にする。どうやらこの高官提督、筋金入りの幼女愛好家(ロリコン)らしく、ねちっこい気持ち悪い視線を投げかけてくる。提督も昨日、品定めするような視線で俺を見てきたが、そこに不快感はなく、ただ緊張しかなかった。だが、この男は違う。まるで、狙っていたご馳走を見つけた蛇のような気持ち悪い視線で俺を見てくる。

 

――………なんなんですか、この気持ち悪い感じは……まるで、幼女に性的暴行を加えようとしてる悪質なロリコンじゃないですか――

 

 俺もまさか、この綾波のボヤきが現実になると思っておらず、楽観視していると、突然男が両手を伸ばして綾波の幼い胸部装甲を服の上から揉みしだく。そして、そのまま抵抗してこないことをいいことに、自分のほうに抱き寄せて綾波の全身を気持ち悪い手つきで撫で回す。特に、脚に関しては入念に愛撫され、ロリコン提督の唾液でローファーもハイソックスも巻き添えになる形でベトベトになっていた。………この汚れたハイソックスとローファーどうしようか……と見当違いなことを考えていると、右足に何か硬い感触を感じる。見ると、ロリコン提督が自身の単装砲に綾波の右足をあてがい、何かしていた。足コキか、そう淡白に考えていると、次の瞬間ロリコン提督が信じられない行動に出た。綾波のスカートの中に隠されている鉄壁の装甲に手をかけて外そうとしたのだ。これには綾波も我慢ならなかったらしく、身体の制御権を奪還して目一杯の力でロリコン提督を蹴り上げ、怒りのままに吐き捨てる。

 

「触るな!!変態(クズが)!!」




青葉「何やらスクープの匂いがしますね」

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