敷島型戦艦の面々と新顔のヘリ娘と戦闘機娘をお迎えして、さてこれからどうしようかと悩んでいると給糧艦の間宮と伊良子が「次は、食堂へ案内してもらえませんか?」と手を挙げたため、次は一同揃って食堂へ。そろそろ昼飯の時間も近いし、何か軽く作ってもらおうか、と思っていたのだが、ナナヨンとヒトマルの陸自戦車組が気合を入れて歓迎のための料理を作っていた。メニューは魚中心のようで、塩焼き、煮付け、竜田揚げとかなり豪華なラインナップとなっており、竜田揚げの彩を添えるサラダも、心なしか気合が入っているように見える。
「あの時、いろいろと立て込んでて三笠提督の歓迎会やり損ねたし。そのリベンジも兼ねて、ってやってたら結構豪華になっちゃって……」
「言われてみれば、三笠提督の歓迎会やってねぇな。ついで感覚で若干申し訳ない感あるけど、歓迎会やろうか」
三笠提督が着任してから、実に二週間以上経ってからの歓迎パーティーなので、割と今更感満載ではあるが、歓迎会がスタートする。各自が思い思いの面子と交流する中、ひと段落終えたであろうヒトマルに声をかける。
「ヒトマル、ちょっと相談があるんだ。いいか?」
「んー、基地運営のこと?それとも、また別のこと?」
やはり、藤永基地創設前から関わってきたからか、こういった話はどうもヒトマルに振りがちになる。しかし、今回は基地運営というよりは装備開発の類になるが、モノがモノなだけに、どうしても陸自組に頼らざるを得ず、今回こういった形でお鉢が回ってきたわけだ。
「どっちかっていうと、装備開発関連になるかな。携帯性と保存性に優れた戦闘糧食の開発をそろそろ進めたくてな。サンプルと言っちゃなんだけど、戦闘糧食をいくつかもらいたいんだが、いいか?」
「なるほど、それでこのタイミングなわけね。とりあえず、ナナヨンにも話付けて
「ああ、APFSDSをデータ採集用に欲しいんだ。
「OK、このあとで必要なもの全部用意しとくね。とりあえず、本格的な開発は明日から始めるとして、まずは歓迎会、楽しんでいこうよ」
それもそうか、とヒトマルの提案に苦笑しつつ、俺は歓迎会の輪に戻る。明日から本格的な装備開発が始まろうとする中で、またやりたいことが増えた。
「今度、テンリュウの基地にでも遊びに行こうかな……」
※この世界のヒトマルは、2016年度以前の時間から召喚されたため、戦闘糧食Ⅰ型を保有しています。