俺、大淀たちをお迎えに行きます。
シマカゼと別れた次の日、俺は大淀たちを迎えに行くためにドックへと向かっていた。せっかく新しい仲間をお迎えするんだ、俺が行かずに誰が行く。そんな思いとともに、ドックへの道のりを歩いていると隣に誰かが並走していることに気付く。ん?ああ、ヒトマルか。
「ああ、私も会ってみたいのよ。今日来るっていう仁淀のお姉さん」
「ああ、俺よくよく考えてみたら大淀にあったことがないんだよな。本土にいるっていう大淀はすでに病床に伏した後だったみたいだし」
あっちの大淀がぶっ倒れてからだいぶ経ってるみたいだけど、そろそろ元気になってるかな?なんて考えつつ、ドックへ向かうと、入港許可を求めているらしい船が待ちぼうけを食らっているようだった。工廠長、入港許可を出してやれ。
「わかりました、にゅうこうをきょかします」
入港許可が下りてから数分後、大淀たちを乗せているであろう船が接舷。中から降りてきたのは大淀型軽巡洋艦のネームシップ、大淀と、工作艦明石、そして給糧艦の間宮と伊良湖が降りてきて、これで終わりかと思っていたのだが、こちらへのあいさつを始める前に二列に整列して登舷礼を始めたので、いったい誰が降りてくるのかと身構えていると、こちらの予想をはるかに上回る
「敷島型戦艦一番艦、敷島。よろしく頼む」
「よ、よろしくお願いします」
「そう硬くならなくてもいいわよ。私は二番艦の朝日、よろしく」
「同じく三番艦の
………そりゃあ、大淀たちも自分らのあいさつなんざほっぽりだすわな……なんてことを敷島型の面々を見つつ、今もまだ寝ているであろう三笠提督を起こしに行こうかと考えていると、その必要はないことを知る。その今まさに起こしに行こうと考えていた三笠提督が、呆然とした表情でこちらを見ていたのだから。
「お、お姉ちゃん……」
「………お姉ちゃん……?」
あれ?三笠提督ってこんなキャラだっけ?もしかして、俺が知らないだけで、素の三笠提督ってこんな感じ?………まぁ、三笠提督はお姉さん達に任せるとして、こっちは大淀達の案内でもしよう。
「とりあえず、軽く基地の中を案内しますね」
とりあえずそうは言ったものの、「軽く」案内できる場所といえばかなり限られてくる上、機密保持の関係上見せられない箇所──たとえば、核融合炉のある発電島とか──も多々あるため、正直どこから回ろうか悩んでしまう。
「そうですね、まずは工廠から見せてもらえませんか?」という明石の提案により、一同揃って工廠へ。とりあえず、来たついでに建造と開発も回しとこう。いつも通り、何が出るかわかんねー開けてビックリ玉手箱状態なんだけど。
そうして、工廠の中をブラブラと見て回って時間を潰していると、建造と開発が終わると同時に感動の再会に浸っていたであろう三笠提督たちと合流する。さて、誰をお迎えしたのかと見に行って……どう見ても陸自の
「AH-64、アパッチ。ちなみに、あたしはD型のロングボウ。よろしくね」
戦車娘にヘリ娘、もうここまで来たら戦闘機娘が来ても驚かんぞと心中で盛大にフラグをぶっ建てつつ、誰をお迎えしたのかと見に行ってみると……案の定戦闘機娘が来ていた。
「こんにちは、Fー2です。バイパーゼロって呼んでね♪」
明るいトーンで空自式の敬礼と共にあいさつする、洋上迷彩の眩しいジェット戦闘機娘と森林迷彩の目に優しいヘリ娘を伴い、次に開発を確認する。敷島型戦艦の艤装が四つ、気象電探がふたつ、対空電探がふたつ、C-5が2機。
敷島型戦艦の艤装は、姉妹全員が揃ったお祝品かなにかだろうが、ここで気象電探が来てくれたのは嬉しい。これでようやく天気がわかるようになった。さっそく、対空電探と共に設置しよう。
もっとも、目下の問題はパイロットのいない輸送機よりも、三笠提督を除く敷島型戦艦の面々の役職をどうするか、であるが。
せめて、毎週投稿はできるようにはなりたい。