連装砲ちゃんに搭載されたコア・ドライビアの研究をシマカゼ本人からもらったはいいが、肝心のその連装砲ちゃんにいなくなられてしまっては話にならない。そこで連装砲ちゃんを探すことにしたのだが、どうやらシマカゼも行方がわからないようで、手分けして探す羽目になってしまった。
「どこ行ったんだ?連装砲ちゃんは」
――それがわかれば苦労しませんよ、自立稼働型の連装砲なんて持ってませんから――
『――それも気にはなるんですが、シマカゼ、いつもさみしそうなんですよね。やはりここが自分の世界じゃないせいでしょうか?明日でちょうど一週間になりますし――』
連装砲ちゃんのほうにばかり意識が傾いていたため、アヤナミに指摘されてはた、と気が付く。確かに、言われて見ればシマカゼは表面上は明るく振舞ってはいたものの、その瞳の奥が全くといっていいほど笑っていなかった。おそらくは、寝言でつぶやくほどの思い人であろう朝潮が原因だろう。何か約束でもあったのだろうか、などと思いつつ、俺は連装砲ちゃんを探す。さて、どこにいるんだ……?
そんなことを考えつつ連装砲ちゃんを探していると、背中から誰かの視線を感じる。神通のようだが、どこか違和感がある。おそらく、
「お前、誰だ?何が目的でここに来た?」
「私は神通、ここに捕らわれている姉さんを取り返しに来ました」
どうやら、ロイミュードの神通で間違いないらしい。だが、
「悪いですが、そうも言っていられません。こちらも時間がないのです」
「随分、そちらさんも切羽詰まってるみたいだな。何に焦ってるのかは知らんが、俺は連装砲ちゃんを探すのに忙しいんだ。遊ぶなら後にしてくれ」
「連装砲ちゃん……?ああ、あの自立軌道砲台ですね。こちらの要求を呑んでいただければ、すぐにでもお渡ししましょう。ですが、拒否した場合は……わかってますね?」
神通ロイミュードがそう言って微笑んだ瞬間、周囲一帯の時間が遅くなる。
「悪いね、あとで言って聞かせとくから」
「とんだ妹だな、これじゃあもう一つ下の妹も心配だな」
「ん?ああ、那珂ちゃんは大丈夫。せいぜい歌って踊ってるくらいだから」
それなら安心だな、と神通ロイミュードのコアを回収する
手に入れたコア・ドライビアは今後ロイミュードの建造やシフトカーの開発に使うとして、今は友達を増やすのが先決だ。
「ああ、もしもし。明日到着予定の支援物資なんだけど、ちょっと頼みたいものがあるんだ」
北上「珍しいね、向こうから注文なんて」