特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。   作:刹那・F・セイエイ

105 / 121
今年も色々とあったね……


俺、「捕虜」の様子を見に行きます。

シマカゼとの自己紹介、藤永基地の案内から次の日、俺は川内ロイミュードの様子を見るため、シマカゼと共に独房へと向かっていた。()()したときの状況に関しては、現在連装砲ちゃんを抱きながら説明しており、シマカゼもだいぶ興味があるのか、黙ってその話を聞いている。そして、このまま何事もなく川内ロイミュードを紹介して終わればよかったのだが、そうは問屋が卸さないとばかりに邪魔が入る。要は重加速(どんより)の発生である。

 

「ちっ、こんな時に……って、あれ?」

 

俺にとっては三度目のどんよりなわけだが、どうも不自然な点がある。なぜかどんよりの中で平然と動けているのだ、()()()()()()()()()()。今抱いている連装砲ちゃんのおかげと言われればある程度説明はつくが、そうなると今度はこの連装砲ちゃんについて疑問が残る。連装砲ちゃん=シフトカーの図式が成立するのなら、連装砲ちゃんにはコア・ドライビアが搭載されていることになる。あとでじっくり話を聞きたいものだ。

だが、どんよりの中で動けたところで戦う手段がなければ意味がない。艦娘の艤装はどんよりに非対応なので徒手空拳で戦うしかない……と考えていたら、二台のシフトカーと共に、ふたつのアタッシュケースを載せたライドマッハーがこちらへ向かってくるのが見えた。そのうちのひとつは「SMART BRAIN」と刻印されており、おそらくはファイズ系統のベルトだろう。シフトフォーミュラを手にして、ようやく連装砲ちゃんを手放したシマカゼにアタッシュケースを渡し、変身するよう促す。ちなみに、シフトデッドヒートを手にした俺はマッハドライバー炎だ。

 

「まさかこんなことでライダーに変身することになるとはな……Let's、変身」

 

隣でファイズに変身したシマカゼを横目で眺めつつ、デッドヒートマッハに変身した俺は、川内ロイミュードを解放するため、独房へと急ぐ。いったいどこのロイミュードかは知らないが、おそらくは捕虜(川内ロイミュード)が目当てなのだろう。だが、そう簡単に引き渡してやる気はない。こちらにしてみれば、ロイミュードを研究できる数少ない貴重な生きたサンプルだ。もっとも、来たのが神通や那珂ちゃんなら少し考えはするが。

 

「おーい、綾波。ここ開けてよ、今回の襲撃者の目星はだいたいついてるから」

「目星がついてる?誰か、わかるのか?」

「うちのバカ、もといレ級elite」

「またあいつかよ、性懲りもなく……」

 

今回の襲撃者がだいたいわかったところで俺は思わずため息をついてしまい、それを見ていた川内ロイミュードが苦笑気味にこちらを見やる。おそらく、何とも言えないのだろう。そうして、レ級eliteロイミュード迎撃のために出撃しようとして川内ロイミュードに呼び止められ、彼女があることを告げる。

 

「次の戦闘でさ、私の進化態、見せてあげるよ」




皆様、どうかよいお年を。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。