ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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いくつかのレポート+テスト+風邪→俺は悪くねぇ!(現実逃避)
遅くなってしまって申し訳ありませんでした!


第76話

少し涙目になりながら扉を開いた

ハーマイオニーは、三人に近づいてきて

一枚の手紙を見せた。

 

「…バックビーク…裁判に負けたって…

ハグリッド、少しは話せたって言ってたけど…

マルフォイのお父さんが一言言うと…」

 

それを聞いてラウラは泣き出してしまう。

 

「…」

 

「…そう、か…やはりの…

アミリアの懸念していた通りということか…」

 

「アミリア…アミリアは平気なの?

だって…バックビークが…!

マルフォイのお父さんの一言だけで…!」

 

「…平気なわけがない。

だが、私たちにやらなければある。」

 

「…バックビークの救出、じゃな?」

 

「それと控訴だ。ルシウス・マルフォイが

口を出してきたのなら覆すことは

難しくはなると思うがやるだけやらないとな。」

 

「…わかった。ハリーとロンにも、

この手紙見せてくるわね。二人も辛いだろうけど

見せないといけないから…」

 

ハーマイオニーはそう言って、

手紙を持って部屋を出ていった。部屋の中には

ラウラの泣く声だけが残っている。

 

「…ラウラよ、気持ちはわかるが…」

 

「ストップ、アイギス…」

 

ラウラはアイギスの言葉を止める。

目を軽くこすりながらもそちらを向いた。

 

「大丈夫だよ。何を言いたいかはわかってるから…

前を向かなきゃいけないのはわかってる…

ただ…落ち着くまで、少し時間ちょうだい…?

泣きたくなくても、泣いちゃダメだって、

思ってても涙は出てくるんだ…」

 

「…ラウラがバックビークのことが好きなのは

私たちもわかっている。それで落ち込むのもな…

今は好きなだけ泣いておくといい。

その方がスッキリするだろう。」

 

ラウラの言葉に、アミリアは

隣に座りながら優しく語りかけた。

 

「クヨクヨするな、とは言わんのじゃな?」

 

「人は簡単に感情を割り切るなんてことは

できないからな。…それに、悔しさや悲しみを

知るのは悪いことじゃない。

今は時間をかけてもいいさ。

まあ、なんだ…一人で立ち直れない時は

いつでも頼れ。…私たちはここにいる。」

 

「うむ、妾たちはラウラを一人にして

置いて行ったりせん。安心するのじゃ。」

 

「…ありがとう、アミリア…アイギス…」

 

隣に座ったアミリアに頭を撫でられながら、

弱々しくも、ラウラは二人に微笑んだ。

 

「まぁ、その前にテストがあるわけだが。」

 

その言葉にラウラは軽く固まった。

 

「今言わんでも良いじゃろうに…

色々と台無しなのじゃが…」

 

 

三人がハグリッドに話しかけに

いくことはしなかった。ハリー達には

会いにいってもらったが、自分たちも

話をしにいっては裁判のことを何度も

思い出させてしまうだろう。それに、

バックビークを密かに脱走させる

計画のことをハグリッドに知られるわけにも

いかないというのもある。ハグリッドほどでは

ないにしてもラウラは隠し事ができるような

性格ではない。話をしているうちに

ボロが出てしまうのは避けたいことだった。

数日そんな日が続いた後のある日、

占い学の授業中に、ラウラはぼーっとしながら

アミリアに話しかけた。

 

「占い学って必要あるのかな〜…正直さ、

私にとっては眠くなるだけの時間なんだけど…」

 

そこまで小さい声ではないが、

今は各々で水晶玉を見つめている

時間なので特にお咎めはない。

 

「人によってはないだろうな…占い学は多分に

才能による。才能が少しでもあれば伸ばせるが

ない人にはどうかはわからない。」

 

「1を10に育てられても0を1にするのは

無理かもしれんということじゃな。」

 

「 …というか占い学については

アリシアさんに聞けばいいんじゃない?」

 

「母上か?」

 

「だって、マグル界の方でも魔法界の方でも

よく当たるってその手の人には有名でしょ。」

 

「ふむ?そうなのかの?」

 

「まあ、有名ではあるのだが母上本人は

本格的な予言ができなくて

目先のことしかわからないと言っていた。

だからこそ現実味があって人気なんだろうが、

一週間ぐらいのことしか

わからないのが不満らしい。」

 

「…ここだけの話、それでも

トレローニー先生よりよっぽどマシじゃない?

先生は何も見えてない気がするんだけど…」

 

「…校長も何か理由があって

先生をここに置いているんだろう…」

 

「ところで今日は水晶玉の占いだけど…

アミリアは何か見えたりしてる?」

 

「ん?いや、よくわからないビジョンは

見えるが何を示しているかはわからない。」

 

「ほう、何か見えておるのか?

それで、どんなものが見えておるのじゃ?」

 

興味津々といった様子で

アイギスは水晶玉を見るアミリアに尋ねる。

 

「なんだろうな。優勝カップ…ではないか…

何か大きな杯から青い炎が出ている…ような

そんな映像が見えている…

ん?炎の色が変わった…炎から紙が?」

 

「…よくわからぬな…」

 

「うーん…それだけじゃ思い当たるような節も

これといってなー「いい加減にしてよ!」」

 

三人がそんな話をしていると、

少し離れた席のハーマイオニーが

大きな声でトレローニーに叫んでいた。

またしてもハリーに対して死神犬の話を

したことに怒ったようだ。しばらく言い合った後、

ハーマイオニーはそのまま荷物をまとめて

教室から出ていってしまい、

気まずい雰囲気は授業終了まで続いた。

 

「ハーマイオニー、怒ってたね…」

 

「占い学に必要なものが備わってない、

こんな俗な心を持つ生徒に会ったことはない…

そんな言われ方をされればだれでも怒るだろう。」

 

「そんなこと言われてたの?」

 

「それならば当然といえば当然じゃな…」

 

「もうハーマイオニーは占い学来ないのかな?」

 

「ああ見えてなかなか頑固だからな。

まあ来ないんじゃないか?

私はその方がいいとは思うがな。」

 

「授業数の関係かの?」

 

「課題の数も大変なことに

なっているだろうからな。

焼け石に水というやつかもしれないが、

少しでも少ない方がいいだろう。」

 

「あれで睡眠時間は取れておるのかの?」

 

「それに関しては一応私からの

提案で解決しているようだな。

ハーマイオニーを言いくるめるのは大変だったが。」

 

「でも、ハーマイオニーは宿題を

いつも夜遅くまで頑張ってるから

夜はあまり寝てないよね?

いったい、いつ寝てるの?」

 

「それは秘密だな。私がハーマイオニーと

先生の約束事を勝手に解釈しただけだから今は

あまり知ってる人が多いとまずいんだ。

特に、ラウラには話せない。」

 

「どうして⁉︎」

 

「だから今は話せないと言ってるだろう?

まあ、夏休みあたりになら先生から

何も言われなくなると思うから

それまでは待っていてくれ。」

 

「いや、そうじゃなくてどうして

私にはってことで…ああ、もう、わかったよ…

その時はちゃんと説明してよね。」

 

 

イースター休暇に入ったものの大量の

課題のせいで誰もがのんびりというわけにも

いかず、熱心に課題に取り組んでいた。

そんななかで、図書館の一角で珍しくラウラも

一生懸命に本を横に広げながら

羊皮紙に文字を書き込んで休暇中の課題を

少しでも早く終わらせようと奮闘していた。

 

「ふぅ、やっと一教科終わった…」

 

「頑張っているな。」

 

ラウラが一息ついていると、

小さめの声でアミリアが話しかけてきた。

 

「あ、アミリア。アミリアも

宿題やってるところ?」

 

「いや、私はバックビーク関連の調べ物だ。

計画を練るのは大事ではあるが、

そちらも少しぐらい手伝っておきたいからな。」

 

「そっか。私も早くやって手伝わないと。

ハーマイオニーは占い学をやめたっていっても

たくさん宿題があるから手が回らないだろうし。」

 

「さっき向こうにいたロンに声をかけたが、

控訴についてはそっちで引き継ぐらしい。」

 

「あ、そっか。ハリーはクィディッチのことが

あるから暇がないもんね。

わかった。じゃあ宿題終わったら

ロンのとこに行ってやることないか聞いてみる。

とりあえず今は宿題を終わらせるよ。

ところでアイギスはどうしてるの?」

 

「ん?ああ、そういえば私たちが起きるより

早くに図書館に行っていたようだから知らないか。

季節外れの風邪を引いたらしくてな。

そこまでしんどくはないようだが

微妙に喉が痛くて鼻水が止まらないらしい。

一応部屋でゆっくりしている。」

 

「大丈夫なの?」

 

「特に問題はない。一応先生にも話したが

薬を飲めばすぐにでも治ると言われた。」

 

「医務室に行かなきゃいけないほどじゃ

ないってことみたいだね。それならよかった。

でも、心配だし見に行ってみるよ。」

 

「ああ、不安そうにしていたし、

そうした方がいいだろう。休憩がてら

今から行って来たらどうだ?」

 

「うん、そうする。

あ、教科書とか見ててもらってもいい?

30分ぐらいで帰ってくるから。」

 

「別に急がなくても問題ないぞ。

少しの間アイギスについていても構わない。」

 

「ん、ありがとう。」

 

ラウラはアミリアに任せて部屋に向かった。

 

 

「ただいまっと。アイギス、だいじょう…」

 

「おお…ラウラか…妾は、もうダメじゃ…」

 

扉を開きつつラウラが声をかけると、

アイギスが弱々しく返事をしてきた。

 

「…大丈夫じゃなさそうだね…

朝より体調悪くなっちゃったの?」

 

今にも死にそうな顔をしているアイギスに

ラウラは心配そうに話しかけた。

 

「変わっておらん…」

 

「アミリアは症状は軽いって言ってたけど…」

 

「そんなことないのじゃ…しんどいのじゃ〜…

今までこんなことになったことはないのじゃ…」

 

「そういえば風邪引いたの、

人間になってからは初めてだっけ。

あらら、鼻水が…えっと、ティッシュは…」

 

初めてのことに深刻に考えすぎているだけだと

わかったラウラは少し安心しつつ、

アイギスのベッドの近くに転がっていた

ティッシュをアイギスの横に置いた。

 

「ラウラ…妾は大丈夫なのかの…?

このまま体調が悪くなって

死んでしまったりなどは…」

 

「心配しすぎだよ。

風邪ってだいたいそんな感じだから

それぐらいなら深刻に考えなくても大丈夫だよ。

ちゃんとお薬も飲んだんでしょ?」

 

「しかしじゃな…」

 

「大丈夫だってば。ほら、薄手の毛布。

汗をかかない程度にあったかくして

眠るといいよ。アミリアが汗を

かき過ぎるのはよくないって言ってたし。」

 

「うむ…眠れば治るかの…?」

 

「治るよ。寝るまでは手を握ってあげるから。」

 

そう言ってラウラはアイギスの手を握った。

 

「…暖かい…妾の方が本当の歳は上じゃが、

こうしておると落ち着くものじゃ…」

 

「歳上だとか気にすることないよ。

私たちは家族なんだから。それに、

歳は確かにそうだけど人間としてなら

すごく短いんだから。経験がないことが

怖いのは仕方ないことだよ。」

 

「…そういうものかの…」

 

「そうだよ。…さてと、話はこれぐらいにして

そろそろゆっくり寝た方がいいよ?

子守唄でも歌ってあげようか?」

 

「…妾はそこまで子供ではない…子供では…ない…

………………お願いするのじゃ…」

 

「はいはい。」

 

ラウラは風邪のせいか恥ずかしいからか、

顔を真っ赤にしたアイギスの横に座り、

少し苦笑いしながら歌を歌いはじめた。




「えー、どうも、アクシャル・スターンです。
覚えてくれてる人はいるんですかね?
まあ、いいですけれども…今回の後書きは
とりあえず私が担当することになりまして、
前書きにも書いていた遅れたことへの言い訳と
いいますか、それについてです。
まあ、シンプルですけどね。
『忙しかった』、これに尽きるそうです。」

「一週間で3つレポートが重なった時は
もうダメかと思ったらしいぞ。」

「あ、ちょっとアミリアさん、今日は
私担当だって言ってくれてたじゃないですか。
今更出てきたオリキャラだから少しでも
覚えてもらえるように出番をくれるって…」

「いや、暇だったのでついな…」

「アミリアが出たなら私も〜…」

「エミリー、ストップ!
私たちが出たら余計にややこしくなるわ!
ダールト、あなたも手伝って!」

「え〜、別に、いいでしょー!」

「くっ、なんて力だ!おいランディ!
エミリーの暴走を止めてくれ!」

「あぁっ⁉︎俺が飲み物取りに行ってる間に
なんでこんなことになってんだ⁉︎」

「…」

「落ち込まないで、アクシャル。
ほら、お母さんはいつもああだから…」

「…ラウラさんまで出ると
私の出番がさらに減るんですけど…」

「あ…」

「あ、じゃないんですけど…
え、ちょっと待ってくださいよ。
まさかこんなグダグダなまま終わっちゃいます?
結局私あんまり喋れてないんですけど?
あの、アミリアさん、さっきから
時計を気にしてますけど、あの…」

「…すまない、アクシャル…」

「…あんまりですよ…」

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