ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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あけましておめでとうございます。
今年もできればよろしくお願いします。
頑張ってアズカバンは早めに終わらせて
話を進めていくつもりです。


手がかりは空から

約束の時間になる前には

ちゃんとアミリアも帰ってきて、

みんなで合流してさっそくハグリッドの

小屋まで向かった。近くまで来ると、

小屋の外に大きな影が見えた。ハグリッドだ。

 

「久しぶり、ハグリッド!今日はどうしたの?」

 

「僕の話が聞きたいんでしょ?ね?」

 

「いや、すまねぇがそうじゃねぇ。

ロンの話はもう全部聞いちょる。

俺が話してぇのは…

まあ、とりあえず上がってくれ。」

 

ロンは少し不服そうだったが、ひとまずは

促されて、六人ともが小屋の中に入った。

そこにハグリッドも入ると、かなり

狭苦しくなってしまっていた。

一番に入ったラウラの目に初めに入ったのは

ベッドの上で餌のスカンクを食べている

バックビークだった。

 

「あ、バックビークだ。元気だった?」

 

ラウラが声をかけると、

バックビークは視線を向け、軽く頷いた。

ラウラは特に物怖じせずに

バックビークの頭を撫でたりした。

 

「それで、どうしたんだ?ハグリッド。

…というか、ハリー達はここに通っていたんじゃ?

裁判についての話はしていたんだろう?」

 

「ごめん、僕クィディッチの練習が忙しくて…」

 

「ふむ、それもそうじゃな。

妾達はともかくハリーの練習量は

とても多かったから学校の勉強と

クィディッチのことで手一杯じゃったろうの。」

 

「それもあって意見交換ということか?」

 

「まあそういうこった。

ロンとハーマイオニーが頑張ってくれてな…

ホントなら、俺が一人でせにゃならんことで…」

 

「気にしないでよ、ハグリッド。

僕たち、友だちじゃないか。」

 

「その通りだ。立場が許さないとしても

人間は一人では生きられないんだ。

今周りに咎める人物もいないのだし、

頼れる時は頼った方がいいと思うぞ。」

 

ロンとアミリアの言葉に、

ハグリッドは軽く目元を抑えていた。

 

「あ、それでどんな進展があったの?

私たちもクィディッチの練習とかで

今まであんまり調べれてないんだけど…」

 

バックビークに抱きついていたラウラは

そう言って話を切り出した。

バックビークの方は特に気にした様子もなく

スカンクを食べ続けている。

ラウラのローブに羽根がついているが、

本人はおかまいなしだ。

 

「えーっと…まず、ロンに色々な魔法生物が

裁判を受けた時の記録を探してもらったの。

私も宿題が多くてどうしてもそういう

数を調べないといけないのはできなくて…」

 

「でも、調べてみても元々事例が少ないし

その上、書かれてた裁判の結果も

魔法生物が暴れて裁判にならなかったとか、

まともな結果が書かれてるのはなかったんだ。」

 

「うーむ…魔法生物が勝訴となった裁判があれば

それを元にして弁護の文でも考えられたのじゃが…」

 

「そう思ったから、私は文章を考えたわ。

ロンに調べてもらったことを中心に

色々書いておいたの。これよ。」

 

そう言いながらハーマイオニーは

数枚のメモを取り出してハグリッドに渡した。

 

「確かに、ハグリッドは

口が上手い方ではないし緊張しやすいから、

少しでもそういうのがあれば

多少は話せるようにはなるだろう。」

 

「裁判の間、バックビークが

暴れたりしないようにするのは?

ハグリッドがそんなことさせないと思うけど、

もしそうなった時、心証が最悪になっちゃうよ。」

 

「確かに、ハリーの言う通りじゃな。」

 

「ああ、少しでも不安材料は

残しておくべきではないからな。…そうだな…

ラウラのマフラーでも巻きつけておくか?

何故だか知らんが随分懐いているからな。

ほら、今だって普通なら

振り落とされたりすると思うし。」

 

「ああ、うむ、一理あるかもしれんな。」

 

「うーん、それぐらいで効果あるかなぁ?」

 

「ラウラ、自覚ないの?

バックビークにとっても懐かれてること。」

 

「え?そうだったの?」

 

少しの間小屋の中は沈黙に包まれた。

 

「…なんというか、ラウラは

昔から動物からの好意には鈍いからな…」

 

「いや、だってだいたい

どの子もおんなじような反応だから

これぐらいが当たり前なのかなって…」

 

「普通ヒッポグリフはそんなことされたら

襲いかかってくるぞ?」

 

「そうなの⁉︎」

 

それぞれが違う驚きを覚えながらも

それから先はグリフィンドールが

クィディッチで優勝できそうか、などの話をした。

バックビークの件で落ち込んでいる

ハグリッドの気も、多少なりとも晴れたようだ。

 

 

夕食の後、いつものように少し遅れて

三人が談話室に戻ると、壁にある掲示板に

人だかりができていた。

 

「あれ?なんだか人が集まってるよ?」

 

「今週の週末はホグズミードだって。」

 

すぐ近くにいたロンが三人にそう言った。

ハリーとハーマイオニーも近くにいる。

 

「…妾たちには関係ないようじゃな。

今日はもう眠いし、妾は部屋に戻るかの。」

 

「今日は随分早いな。まあ、

私も読みたい本があるから部屋に戻るか。

ラウラも夜ふかしはほどほどにな。」

 

「私も宿題があるから部屋に戻るわね。」

 

そもそもホグズミードに行けない

アミリアとアイギスはすぐに部屋の方に向かい、

ハーマイオニーも宿題がかなり

あるようでそれに続いて歩いていく。

 

「…あれ?そういえば前のホグズミードの時、私たちハリーを見てなかったと思うんだけど

どこ行ってたの?」

 

ラウラは自分も帰ろうかと思った時、

なんとなく思い出したことを二人に聞いた。

ハリーとロンは顔を見合わせて、

ラウラを誰もいない壁際に呼んで

小声で話し始めた。

 

「実は、前の時ハリーは

ホグズミードに来てたんだ。」

 

「…それ、どうやったの?いろんなところに

見張りとかいてすぐに止められるんじゃないの?

当たり前だけど許可なんて出ないよね?」

 

「フレッドとジョージがいいものをくれたんだ。」

 

そう言って、ハリーが懐から一枚の

真っ白な紙を取り出した。

 

「紙切れ…それが?」

 

「見てて。我、良からぬことをたくらむ者なり。」

 

ロンがハリーと一緒に紙を持ってから

小声でそう唱えると、なんの変哲もなかった

紙に線と文字が浮かび始める。

 

「これって…地図?」

 

「うん。忍びの地図っていうんだ。この辺りに…

ほら、名前が書いてるんだ。僕たちのもあるし、

アミリアやハーマイオニーのもある。」

 

「…あ、動いてるんだ。誰が

どこにいるか、この地図ならわかるってこと?」

 

「学校の中ならね。

この地図は学校の中だけのやつだから。」

 

「それも抜け道が外にいくつかでてる…

でも、絶対にまずいよ。

もしかしたら校長先生は全部お見通しかも…」

 

「もしそうなら、ハリーを止めるんじゃないかな?

だから、きっとかのダンブルドアでも

これに関しては気がついてないと思うよ。」

 

「でも…危険なのは変わらないし…

私は心配だよ?ホグズミードに行きたいって

思ってるなら私は止めたいけど…

ほら、お菓子が欲しいならアミリアに頼めば

いくらでも出してくれるからさ…

もしたくさん欲しくなっても

アミリア換算で後二年分は保存してるし…」

 

「…アミリアらしいね…」

 

「それに、いくら場所がわかるって言ったって

ずっと地図を見てるわけでもないでしょ?

何かを見てたり待ってたりする間に

誰かに見つかるかもしれないし…

それに、ほら、ブラックがロンを襲ったり

した事件もあったし、なおさらだよ。

そう考えると、やっぱり私は心配だな…」

 

「ううん…言われてみればそうかもしれない…

ハリー、どうする?

ラウラの言う通りではあると思うけど…」

 

「…行きたいのは山々だけど、

確かにラウラの言う通りだ…

うん、今回は我慢するよ…」

 

諦めはしたが、やはり、ハリーは

少し落ち込んでしまい、少し俯いた。

 

「気を落とすなよ。ホグズミードの

いろんな話するからさ。」

 

「それ、逆に行きたくなるような…

あー、でも、私も興味あるから聞こうかな?」

 

「うん、いいよ。もしハリーが

今度ホグズミードに来たら行きたかったのは、

ゾンコの店の他には叫びの屋敷っていう…」

 

「あ、でもその前にその地図一回見せてよ。

やっぱり気になっちゃってさ。」

 

「ああ、うん。いいよ。」

 

そうしてラウラはハリーから

地図を貸してもらった。

 

「へぇ…すごいなぁ…

あ、アミリアが今お菓子とったね。

…ふ…ふぁ…クチュン!」

 

地図を見て、微妙に移動した

アミリアの様子をラウラは見た。しかし、

あろうことか、近くに窓がある

このタイミングでくしゃみをしてしまい、

手を離してしまった。くしゃみに押されて

その地図は偶然にも、そして無情にも

窓から外に飛んで行ってしまった。

 

「あぁーっ!」

 

「あっ!ラウラ⁉︎」

 

「そんな!」

 

各々が絶叫しつつ窓から外を見てみるが、

すでに風に流されてしまったのか

どこにも見当たらない。

ギギギ…と、ぎこちない動きでラウラは

ハリーとロンの方に顔を向けた。

 

「ほんっとうにごめん!

あの、弁償とかでも、何かするから…その!」

 

「…ううん、別にいいよ。

忍びの地図はすごく残念だけど…」

 

「…うん…ラウラだから、まあ仕方ないかな…

本当に残念ではあるけど…」

 

「うぅ…本当にごめん…」

 

ラウラに地図を飛ばされてしまい、

二人は不機嫌にはなったがさすがにここまで

平謝りされては怒るに怒れないので、

なんとも言えない表情になりながらも

泣きそうなラウラを慰めた。

 

 

「ううん…次の授業は…」

 

おおよそ同じ時間、

闇の魔術に対する防衛術の教室の奥、

教師の私室でそこの主であるルーピンは少し

部屋の中の換気をしようと窓を開けながら

教科書を開いて次の授業の課題を

何をテーマに、どう教えるかを考えていた。

 

「…さすがに冷えるね…空気の入れ替えは

これぐらいでいいかな?…ん?」

 

ルーピンが窓を閉じようと近づくと、

一際強めの風とともに一枚の紙切れが落ちて来た。

咄嗟にそれを掴んだあと、ひとまず

窓を閉めてからなんとなくその紙を見る。

 

「これは忍びの地図じゃないか。

…また懐かしいものが出てきたなぁ…

これを使ってたイタズラ好きの誰かが

落としたのかな?フィルチさんがまだ

保管してたなら、これが外に出ることを

許すわけな、いし…ね…?」

 

そう呟きつつ、その紙から文字を消す

一言を唱えようとしたところで、ルーピンは

その地図にありえない名前を見つけてしまった。

 

「…ピーター・ペティグリュー、だって…⁉︎」

 

 

次のホグズミードの日の夜、

みんながワイワイと自分たちの部屋に

戻り始めた頃、アミリア、アイギス、ラウラが

自分たちの部屋で談笑していたところに

ハーマイオニーが話をしにきた。

それを聞いてアイギスはもらっていた

クッキーを落とし、アミリアは

ただ黙って目を閉じ、ラウラは泣き始めた。




「こちらで話すのもなかなか久しぶりだ。
一先ずはあけましておめでとうだ。」

「おめでとー!まあ、久しぶりなのも無理ないよ。
三回分はお母さんたちが後書きの話を
してたからね。実時間的には一ヶ月以上だよ。」

「そう考えると最近の投稿速度が遅いのが
よくわかるのう…はじめのうちは週一で行こうと
しておったのじゃろう?」

「それが少し遅れて次に二週間、月に二回って
少しずつ長くなって今に至るね。
その結果が去年の間ずっとアズカバンの囚人が
終わらなかったっていうことだけど。」

「それで、今日は何の話をするんだ?
愚痴だけ言って終わるわけにはいかないぞ?」

「じゃあ、私がチラッと言ったアミリア換算の
お菓子の量についてとか?」

「…それは正直どうでもよくないか?」

「妾は気になるから聞いてみたいがのう。
やはり普通の人よりは多いのじゃろうが。」

「うん、やっぱり多いよ。
アミリア換算1日分が…まあだいたいだけど
蛙チョコ五つにカップケーキ三つとかかな?
まあ日によって結構変わるけど、
量的な平均はそれぐらいだよ。
あ、百味ビーンズは八割ぐらい選別の時に
弾くからその分は入れてないよ。」

「相変わらず蛙チョコが大好きじゃな。
あれのおまけカードはどうしておるのじゃ?」

「せっかくだからコレクションはしている。
たまにトレードをすることもあるな。」

「まあ、すごい数がダブってるし
トレードを頼まれるのも当たり前だよ。少し前も
ロンが新しいのが手に入ったって喜んでたね。」

「全種類もう集まっているがな。」

「カード収集って意味では
もう蛙チョコを楽しめないよね…」

「そうは言っても美味しいからな。
まるで体力が全回復するぐらいに。」

「蛙チョコで体力が全回復…
どこかで聞いたような話じゃな…」

「多分気のせいだよ。
現実にそんなことあるわけないし。
あ、でもそういうのがあっても面白いかも。
アミリア、作ってみる気とかない?」

「ないな。薬品は無味であるべきだ。」

「どうして?」

「不味かったら飲むのをためらうし、
美味しくても、切羽詰まった時だったら
味に気を取られたりして
大変なことになるかもしれないじゃないか。」

「前者はともかく後者はあまり
ないような状況と思うがの。」

「まあ、いつも通りだよ。
アミリアは変なところ警戒心強いから。」

「ラウラはなさすぎる気がするがな。
…ん?何の話をしていたんだったか…?」

「あー、お菓子の話だったのに
なんかいつの間にか脱線してたね。
まあ、雑談だしそんなこともあるよ。」

「むしろそれがあるから
雑談とも言えるかもしれぬな。」

「私たちが部屋で話していても
ずいぶん話が変わることも多いからな。
真面目な話が趣味の話になったりするし。」

「あー…バックビークについての大事な話し合いが
いつの間にか私の魔法生物の魅力語りに
なったのは謝るよ。うん。」

「別にそれだけを指したわけでもなかろう。
アミリアがお菓子の話を始めたこともあったしの。」

「お菓子も含め、食は人間の作り出した
最も偉大な文化だと、私は思っている。」

「あ、ストップ、ストップ。
その前置きから話が始まったら
30分はかかっちゃう。」

「いつもより文字数が少ない今回のうちにだな…」

「本文より後書きが長くなってしまうのは
いくらなんでもおかしすぎると思うのじゃ…」

「というか大事な解説とか
かなりすっぽかしてない?結構
重要な話あったよ?今回。」

「私のお菓子を食べる量の話題を
はじめに出したのはラウラだぞ?」

「こんなに長くなっちゃうって
思ってなかったから…」

「まあ、わからんところがあれば
おそらく質問してくる人もおるじゃろう。」

「そんなものかな?うーん、
まあとりあえず後書きが長くなり過ぎるのも
やっぱりおかしいから今日はこの辺りで
終わりにしとこうよ。じゃあ、せーの!」

「「「最後まで読んでくれてありがとう
ございました!次回をお楽しみに!」」」

「あ、言うのを忘れていた。
最近決まったことだがグダグダ過ぎるんじゃ
ないかと思い始めたようでな。
私たちが雑談を思いつかなくなると
後書きのキャストが変わって出番が減るぞ。」

「えっ。」

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