ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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いい加減話を進めないと…
多少ご都合主義?


ラウラの趣味

クリスマスの夜になり、

大広間ではささやかながらに

クリスマスパーティが開かれている。

しかし、そんな中グリフィンドールの

談話室には3人の生徒がいた。

 

「反省した?」

 

「…すまんかったと思っている…」

 

腕を組んで椅子に座るラウラの前には

床の上で正座しているアミリアがいた。

アイギスは暖炉の前のソファに座っている。

 

「その辺りで良いのではないか?

アミリアだってもう十分反省したじゃろう。」

 

「うーん…まあそうだね。アミリア、

私にも楽しみにしてたのはわかるけど

みんなのお皿から食べ物を

取ろうとするのはダメだからね?そもそも

無くなったそばから補充されるのに、

それを待ちきれないのがおかしいけど…」

 

「何故あんなにものを食べて体型が

崩れたりしないのかも不思議なのじゃがな。」

 

「頭をよく使ったりとか

運動をしたりとかすれば維持なら十分だろう。」

 

「それでカロリー消費とか

間に合ってるのかな…あの量食べてて…

まあ実際間に合ってるから

体型が変わんないんだろうけど…」

 

ラウラはアミリアが同じ人間なのか

微妙に気になったが、

アミリアはアミリアだし、と思い

特に気にしないことにした。

 

「とにかく気をつけてね。

アミリアが幸せそうにご飯食べてるのは

見ていたいけど、人のものを勝手に

食べたら泥棒になるんだから。」

 

「いけないことだとは

わかっているんだがどうしてもな…

これでもマシにはなってると思っているが…」

 

「マシ…?」

 

「あー…アイギスはあまり知らないと思うけど

確かにあれでもマシにはなってるよ。

一年生の時とかは酷かったから。

微笑みながら黙々と口に食べ物を運んでたり。」

 

「…ふむ…それは不気味じゃな。

まだアミリアと付き合いが短い時ならば

近寄らんでくれと頼みたくなったじゃろう。」

 

「随分辛辣だな…」

 

「まあ、何も知らない人からすれば

不審すぎるだろうから仕方ないね。

私でも初めてあの状態見た時は引いたし。」

 

「ラウラまで…まあ自覚がないわけじゃないが…

…ところでまた食べに行ってもいいか?」

 

「ダメ。」

 

「そんな…」

 

涙目になりながらアミリアは

ラウラの方を見つめた。

 

「もう…そんな目で見なくっても…

ちょっと待っててね。はい。とりあえずは、

少しとっといてあげたからこれで我慢してね。」

 

「ラウラ…ありがとう!」

 

アミリアは嬉しそうに

ラウラが持ってきていたケーキを頬張った。

 

「…餌付けすればアミリアはなんでも

言うことを聞いてくれるのではないのかの…」

 

「…思ったことはあるけど

餌付けとか言わないであげて…」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「「いや、なんでもないよ(ぞ)。」」

 

「そうか、それならいいが。しかし、

やはりホグワーツの料理は一級品だな♪

なにをしてでも、もっと欲しいものだ♪」

 

「…もう餌付けでいいや。」

 

満面の笑みでケーキを食べているアミリアに

ラウラの呟きが届くことはなかった。

 

 

「あ、おかえり、ハリーにロン。

さっきはアミリアがごめんね?」

 

談話室に帰ってきた、最も被害が

多かったであろう2人にラウラが謝った。

アミリアはまだ幸せそうにケーキを食べている。

 

「ううん、大丈夫だよ。

すぐにお皿に食べ物は出てきたし。」

 

「それに、アミリアがスネイプの皿に

手を出しかけたところでラウラが

連れてってくれて助かったぜ。

スネイプのことだから連帯責任とか言って

僕たち全員に罰則とか

言い出してたかもしれなかったし。」

 

「どうだろ。言っても私だけ思うよ?

とばっちりが来るのは。

授業でわりかし迷惑かけちゃってるから。

鍋の中身が爆発したり動き出したり…」

 

「ああ、あれは嫌な事件じゃったな。

襲われそうになった時は

もう生きた心地がせんかったぞ。」

 

「あはは…その件は本当ごめん。」

 

「まあ、珍しいものを見れた気もするし

別にいいのじゃ。アミリアが助けてくれたしの。」

 

「ん?私がどうかしたか?」

 

ケーキを食べ終わったアミリアが

4人が話しているところに来た。

 

「ああ、おかえりアミリア。

少し前に私が鍋の中身を謎の生物に

しちゃった時の話をしてたんだよ。

あとほっぺにクリームがついてる。」

 

「ん?どっちの…」

 

アミリアは右、そして左と

頰を触ったが、何もついていなかった。

 

「あははっ、冗談だよ。」

 

「…そうか…ああ、2人ともパーティーは

もう終わったのか?

ハーマイオニーは帰ってないようだが。」

 

「マグゴナガルと話があるってさ。」

 

「そっか。なんの話だろうね。」

 

「…もしかしたらあれじゃないか…

ファイアボルト…結局贈り主が誰かは

わかってないんだろう?」

 

「そんな!」

 

そのアミリアの言葉にハリーとロンは

気分を悪くした。ハーマイオニーが

ハリーの心配をしているのは

2人ともわかってはいるが、それでも

あのファイアボルトに乗れると思っていたのに

それがお預けで、最悪もう返してもらえない

かもしれないなんて考えたくなかった。

実際の持ち主でないロンでも、

その気持ちはよくわかった。

 

「…ねえアミリア。私が作ったあれ、

使えたりしないかな?」

 

「…それで安全だと保証されても

信じてもらえるかはわからないぞ?」

 

「2人ともなんの話?」

 

ラウラとアミリアの話では

結局何をしたいのか側から聞いているだけでは

わからなかった。アイギスも首を傾げている。

 

「えっと、私の趣味でね?魔法を使った

便利アイテムを作ってみたりするんだよ。」

 

「それでこいつが安全だって証明できるの?」

 

「もちろんだよ!」

 

ロンがファイアボルトを指差しながら

ラウラとアミリアに聞いてみると、

ラウラが胸を張って宣言した。

 

「それで、どうなのじゃ?アミリア。」

 

いまいちラウラの反応だけでは確信を

持てないアイギスはアミリアに話を振った。

 

「ああ…まあ、なんというか確かに

その箒がどういう状態かは全てわかる。

ただ、かなり面倒くさいな。箒を調べるなら。」

 

「何故じゃ?」

 

「ラウラの言う便利アイテムは調べるものに

掛けられている魔法を文字通り全て写し出す。

しかし、箒ともなると何重にも安全の為に

魔法がかけられているからその数は膨大だ。

その上、何故そうなってしまったのか

全くわからない欠陥もあってな…」

 

「あ、ちなみにこれね。

ラウラ印の便利アイテム124号!」

 

どれだけ作ってるんだと、事情を知らなかった

アミリア以外の4人は心の中で思いながら

その手に持っているものを見ると、一見すると

どこにでもあるような普通の手鏡だった。

裏には、ラウラの言った124という数字が

針か何かで刻まれていた。

 

「少しここにあるフォークに魔法をかけた。

アイギス、触ってみてくれ。」

 

「うむ?….っ!」

 

アミリアの持つフォークに触ると、

静電気が起きて反射的に手を引っ込めた。

 

「と、このように電気が流れる魔法をかけた。」

 

「酷いのじゃぁ…」

 

「悪い悪い。これにこの手鏡を当てると…ほら、

鏡に文字が浮かび上がってきただろ?」

 

「elektriciteit…?スペルが違うと思うけど

これってちゃんとした英語?」

 

「いや、これはオランダ語だな。

電気、という意味だ。」

 

「どうしてオランダ語に?」

 

「そこがこれの欠陥でな…」

 

「オランダ語で表記されるのかの?」

 

「…だけならよかったんだが…

言語がランダムなんだ。」

 

「どうしてだろうね?」

 

こっちが聞きたいとラウラ以外の全員が思った。

 

「えっと…つまり?」

 

「オランダ語の他にもドイツ語フランス語

アラビア語ギリシャ語スペイン語中国語日本語…

果てには今は使われてないはずのラテン語とか

そういうのまで表記されることがある。」

 

「そんなの誰が読めるのさ?」

 

「そこは大丈夫だ。一応私は全て読める。

…多少面倒だし時間が少しかかるが…」

 

「アミリアって本当になんでもできるんだね…」

 

「私に不可能はない、といつか言えるように

なりたいと思っているからな。

…まあ、そういうことだから箒を持ってきてくれ。

今から少しでも進めておこう。」

 

 

「…これは…いや、後付けの魔法ではなくて

デフォか。それでこっちは飛行関係の魔法で…

滑らない魔法…空気抵抗を抑える魔法…」

 

「ミス・フラム?何をしているのですか?

ミス・フラム、答えなさい。

………ミス・ブライトフォード、

説明していただけますか?」

 

「えっと…はい、さっき少し話をしてて、

ハーマイオニーがきっと心配してこの箒のことを

言いに行ったんじゃないかって

話になったんです。でも、やっぱり

ハリーとしては手放したくないだろうから、

自分たちでなんとか出来ないかって

話し合って箒にかけられた魔法を

調べようって話になって…

いまその途中です…私の道具を使って…」

 

「友人を想う気持ちも分かりますが

何故あなたはいつも相談もなく

このようなことを始めるのですか…

もし刺激して発動するような

魔法がかけられていたら…」

 

アイギスの件を知っているマグゴナガルは、

ラウラの道具を元に始まったこの作業に

軽く頭を抱えながら嘆息した。

 

「…ようやくできた…」

 

その時ちょうどアミリアが箒と手鏡を置いて

机に突っ伏した。

 

「終わりましたか?ミス・フラム。」

 

「え、あ⁉︎マグゴナガル先生⁉︎

あ、えっと、これは…」

 

「もう先ほどミス・ブライトフォードから

聞きました。いまいち信憑性は薄いのですが、

結果を教えていただけますか?」

 

「あ、えっと…少し待ってください…

この箒にかけられていた魔法のメモです。

箒にかかってはいけない呪いの類は

見た限りではありませんでした。」

 

そう言いながらアミリアはマグゴナガルに

羊皮紙を差し出した。

ビッシリと細かい字が丁寧に書かれている。

それを見てマグゴナガルは驚いている。

 

「これは…公開されてないような

製造所がオリジナルでかけている魔法まで

しっかりと書いているようです…そんなことまで

調べられるならそのミス・ブライトフォードが

作ったという魔法を検知するアイテムは

正確であると判断できるかもしれませんね…

…ミス・フラム、そのメモと箒を預かっても

よろしいですか?明日には返します。」

 

「それはハリーに聞いてほしいのですが…

ハリー、どうなんだ?」

 

「本当に1日で返してくれるんですか?」

 

「ええ、1日です。これが無ければ

危険かどうか調べるのに次の試合までに

間に合うかどうかだったでしょうが、

これだけの情報があれば

後は少し確認するだけで済みますからね。

あくまで念のためです。」

 

「それぐらいならいいんじゃないか?ハリー。」

 

「うん、そうする。先生、お願いします。」

 

ハリーがファイアボルトを預けると、

マグゴナガルは談話室から出て行った。

 

「ハリー、ごめんなさい。

あなたたちのことだから相談しても

渋って預けようとしないだろうと思って

勝手に話しに行って……あー、その…」

 

「別にいいよ。ファイアボルトを

何週間も預けたりするなら腹も立ったかも

しれないけど、アミリアたちが

なんとかしてくれたからね。」

 

ハリーとハーマイオニーが話していると、

不意に後ろからクルックシャンクスが

ファイアボルトに飛びかかろうとした。

 

「あ、コラ!この馬鹿猫!ハーマイオニー!

部屋に入れとけって言ったじゃないか!」

 

ロンはいつもペットが酷い目にあってることも

あってカンカンになってハーマイオニーに

クルックシャンクスの文句を言った。

 

「ロン、猫って気まぐれだとか

言われてたりするから、言い聞かせても

聞かなかったりすることがあるから仕方ないよ。

ハーマイオニーを責めちゃだめ。

うちのリューナクはそうでもなかったけど。」

 

「でも、スキャバーズが…」

 

「スキャバーズがクルックシャンクスに

何かしている訳ではないだろうが…

何故だろうな?ハーマイオニーが

ちゃんと餌をやってるところも見てるから

空腹で追いかけてる訳でもないと思うし…」

 

「おいでー、クルックシャンクスー。」

 

「ラウラ、いきなりどうしたんだ。」

 

「いや、なんかジッとこっちを見てきてたから…」

 

ラウラがしゃがみながら手を伸ばすと、

クルックシャンクスはすり寄ってきた。

 

「あれ、すんなり来たよ?あはは、小指を

舐めないでよ。くすぐったいからさ。」

 

「バックビークの時といい、

ラウラは動物に好かれやすいのかしら?」

 

「確かにそういうところは昔からあるな。

まあ、無邪気というかなんというか、

そんな感じだからじゃないか?

動物はそういう所敏感だって聞くし。」

 

「そんなものかの?」

 

「う…っく…ごめん、クルックシャンクスのこと

そろそろ引き離してくれない⁉︎

本当にくすぐったくなってきた!」

 

ラウラが笑いをこらえながら叫んだのを見て

ハーマイオニーは部屋に

クルックシャンクスを連れていった。

 

「はぁ…はぁ…クルックシャンクスったら

ずっと私の小指ばっかり舐めてきて…

ケーキでも付いてたかな?」

 

「猫はケーキを食べないと思うぞ。

食べるのもいるかもしれないがいくらなんでも

身体には悪いだろう。いや、それは

どうでもいいじゃないか。

まあ、ロンもあまりハーマイオニーを

責めすぎないように気をつけてな?友達だろ?」

 

「…ああ、そうだね。

できるだけ気をつけるよ。

ごめん、ハーマイオニー。」

 

「ううん、私もちゃんとクルックシャンクスに

言い聞かせれるように頑張るわ。」

 

「よし、じゃあ今日はもう解散でいいだろう。

明日からも3人はバックビークの件を

調べるんだろ?早く寝たほうがいい。

あ、ハーマイオニーは少し話したいことが

あるんだがいいか?」

 

「ええ、いいけど…」

 

「僕たちは行ったほうがよさそうだね。

行こう、ハリー。箒の手入れする道具

運ぶの手伝うよ。」

 

「ありがとう、ロン。」

 

「アミリア、私たちも部屋に戻っとくよ?」

 

「うむ、さすがに眠くなってきたしのう。」

 

「ああ、そうしてくれ。

そこまで長く話すつもりはないから大丈夫だ。

あ、一応126号貸してくれ。」

 

「?…はい、なんに使うかは知らないけど。」

 

そういうと、ラウラはポケットから

虫眼鏡のようなものを取り出して渡した。

男子2人は部屋に戻っていき、

ラウラとアイギスも帰っていった。

談話室には2人の女子が残った。

 

「それで、話ってなにかしら?」

 

「少しそのまま立っててくれ。」

 

アミリアはラウラから受け取ったそれ越しに

ハーマイオニーを眺める。

 

「な、なに?」

 

アミリアの目にはハーマイオニーの

姿の影に二つの光を見た。

 

「…やっぱりか…ハーマイオニー、

長く起きているのなら長く寝たほうがいい。

私のいいたいことがわかるか?」

 

「…どうしてわかったの?

…いえ、ラウラのその道具よね。

魔法がかけられてるものでも見れるの?」

 

「そういうことだ。杖とかもな。

別に法律で禁止されてる訳でもなし、

先生がそうしたらいいと言ってるだろうから

例のアレを使うな、とは言わない。

だが、いくらなんでも無理しすぎだ。

周りはあまり気づいてないみたいだが、

私から言わせれば酷い顔をしてるぞ?」

 

「でも、そうでもしないと…」

 

「私が協力する。授業がある日に

うちの部屋を使って昼ぐらいの時間に眠るといい。

その間私たちは何があっても部屋には

帰らないようにする。幸い、

クィディッチの練習は放課後か、

休日だけと決まっているから箒を取るときは

昼以外の時間になるだろうしな。

例外があっても前日には話しておく。

それならアレの規則も破らずに寝れるだろ?」

 

「そうかもしれないけど、

でもそれがアミリアにバレてたら…」

 

「話はここまでだ。私も寝たいからな。

ああ、私は時間を操るものなんて知らない。

ハーマイオニーは頑張ってどうにかして

全ての授業を受けていると私は思っている。

だからハーマイオニーが

気にすることは一つもないと思う。

じゃあ、そういうことだから、お休み。」

 

そう言ってアミリアは、少し驚いた顔のまま

固まっているハーマイオニーに背を向けて

談話室から女子寮に続く扉の方に向かった。

しばらく見ていたハーマイオニーは、

アミリアの姿が見えなくなる前に声をかけた。

 

「…ありがとう、アミリア…お休みなさい!」




「では、特に前置きもなく始めるぞ。」

「はい、質問があるのじゃ!」

「ん、ではアイギス。」

「なんで授業風?」

「まあ、別にいいじゃないか。
それで、どうしたんだ?」

「ラウラの便利アイテムとやらは
番号的に他にもあるのじゃろうが、
実際にそんなに作っておるのか?」

「ああ、私への質問だね。
えっと、ひとまず数だけでいうと、
そこまで作ってないよ。」

「では、あの番号はなんなのじゃ?」

「始めの数字がそのアイテムの目的を示して、
最後の一桁がその何番めかって感じかな。」

「まあ、今回出てきたのは三桁だし、
わかりにくいから補足説明しておくが、
124号は、12の部分がその用途を示し、
4の部分がその何番めかを示す。」

「12番は何を目的にしておるのじゃ?」

「簡単にいうと探知系かな?」

「ふむ、なるほどの。他には何があるのじゃ?」

「うーん、全部説明すると
時間かかっちゃうから一部だけにするけど、
例えば90代は高速移動用だよ。」

「その1番目である91号は残像が見えるほど
一時的に早く動けるようになるが、
その代わり私が使った魔法以上に
魔力を使うからあまり使えないな。」

「まあ、1番目のやつだからその辺りは察してよ。
小さな時に作ったやつだし。」

「一桁のものは?」

「ああ、武器の射出系だね。
といっても、これは一つしかないけど。」

「あれか。絶対命中のスリングショット。」

「うん、01号。私が初めて作ったやつ。」

「追尾をするのかの?それならば
すごいとは思うが。」

「でも、本当に軽いやつぐらいしか
打ち出せないんだ。
せいぜいピンポン球とかがいいとこだね。」

「それは道具としては使えんな…
して、一桁代は何故それだけなのじゃ?」

「アミリアがそういうのに興味を持ったから
共同制作したんだ。共同制作したのは
Xナンバーにしてるから一桁のはもうないよ。」

「護身用程度には使えるのもあるぞ。
ただし、使う時は要注意だがな。」

「何故じゃ?」

「作った自分が言うのは恥ずかしいけど、
絶対に何かしら欠点があって…」

「特に困らないものから致命的な欠点が
あるものもある。124号はデータが
多言語になることだな。」

「さっき言ってた91号は魔力の消費が
早い上にあまりの早さに衝撃波的な何かで
少しだけ皮がめくれちゃったりするよ。」

「ちなみにかなり痛い。
私の魔法で痺れた方がマシなくらいだ。」

「一応改修したのはあるけどね。
早さを抑えて怪我しないようにしたやつ。」

「魔力の消費は変わらないがな。」

「でも安全だから量産には向いてるよ。」

「それが売られていたとしても
なんのために使えば良いのじゃ…」

「えっと…不意をついて、高速移動して
何かの事件の犯人を捕まえる…とか?」

「却下だな。普通に麻痺呪文使った方が
早いだろうし、魔力を使いすぎるせいで
脱力感が酷いからな。
実用化なんて出来たものじゃない。」

「ラウラの道具は微妙に使えそうで使えないもの
ばかりという認識になりそうじゃのう。」

「使えるのはあるが大抵はな。」

「決まって欠陥が出るのはどうしてなのかな…」

「まあ、大まかにはわかったかの。」

「じゃあ今日はこのぐらいにしておこう。」

「そうじゃな。では、また次回ぢゃ。」

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