ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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タグが少し仕事します。
ラウラにそっちの気があることに
なってしまったが後悔はしていない…
反省はしています。


嵐の後で

アミリアかアイギスのどちらかが

ラウラの近くにいないと心配だという話に

なったので、夕食の時間になった時は

食べ物をアミリアが大量に部屋に持ち込み、

風呂も交互に入ったりして

常にどちらかが隣にいるようにしていた。

実際、両方が離れようとしたときには

ラウラがアミリアの手を握ったりして

引き止めたりしたのもあってのことだった。

夜も遅くなってきて話すことも

無くなってきた時、アイギスが小声で話しかけた。

 

「アミリア、ラウラが寝ておるうちに

少し話したいことがあるのじゃが、よいかの?」

 

「ラウラには聞かせたくないことなのか?」

 

アミリアは、アイギスがラウラと秘密を

共有することはあれども、

ラウラに秘密を作ることは

珍しいことだと思った。

 

「なんというか、ラウラは友人のこととなると

無茶や無理をするかもしれんからの。

一年前のことのようにな。

…というのも、誰もいない観客席の上に、

黒い影が見えたのじゃ。妾の考えすぎかも

しれんが、死神犬というものかもしれん。」

 

「なるほど、ハリーが占い学で

取り憑かれていると言われたあれか。

確かにそれを聞いたらラウラが

色々と心配するだろうな。」

 

「ハリーはそれを見たと思うかの?」

 

「どうだろう…見た、かもしれないな。

スニッチを追いかけていたとはいえ、

ハリーも寒さを感じて周りを見ただろうし、

その辺り過敏になっていてもおかしくない。」

 

アミリアはラウラの方を見た。

特におかしな様子もなく、

静かに寝息を立てている。

 

「まあ、確かにラウラに話すのは

やめておいたほうがいいだろうな。

怪我人もなく、異常も特になかった。

伝えるのはそれでいいと思う。

もちろん試合やハリーの箒は残念だがな…」

 

「そうじゃな…ところで疑問なのじゃが、

ディメンターは何故競技場に

来てしまったのじゃろうか?

妾があの生物の特性を知らんから

わからないのかもしれんが…」

 

アミリアはわかりやすく話すなら

どうすればいいか考えながら話を始めた。

 

「ディメンターはプラスの感情を吸い取る、

前にそんなことを言ったと思うが、

要するにそれが餌なわけだ。

だが、校長はしばらくそいつらを校内に

入れるのを拒んでいたから飢えたんだろう。

生徒にそんなのをさせるわけにはいかないし、

仕方ないことではあるがな。

そんなところにクィディッチという大観衆の

興奮が渦巻いている場所…

まあ、人間でいえば断食してる目の前で

高級料理のフルコースが

並べられていくようなものだ。

耐えられるものではなかったのだろう。」

 

「例えがアミリアらしいの。

まあ、そう言われれば、確かにそうなるのも

仕方ないこととわかるがな。

…それと、質問ばかりで悪いのじゃが、

アミリアとラウラが二人で落ちている時に

アミリアが何やら魔法を唱えておったが

あれはなんなのじゃ?

白い霧のようなものが出た魔法じゃが…」

 

「…あれを見ていたのか…ディメンター対策に

練習していた魔法だ。校長も

使っていただろ?あれだよ。」

 

「そうなのかの?

ずいぶん見た目も違うような

気がしたのじゃが…」

 

アミリアは少しバツが悪い様子でつぶやいた。

 

「あー…まあ、なんだ…私の方は未完成だから

あの程度だっただけでだな…その…

正しいのは校長の使ってたやつだ。」

 

「アミリアが未完成な

魔法を使うとは珍しいの。」

 

「どうすればうまくできるのか

知らないんだよ…他の呪文なら

だいたい覚えているが小さい頃の私は

この呪文を使う気なんてなかったから

本で見ることすらほとんどしていなかった…

いや…まあ、この話はいいじゃないか…

とにかくアイギスも休むといい。疲れただろう?」

 

「露骨に話を変えたのは

置いておくが、それはアミリアもじゃろう?

早く寝たほうがいいのは。今日

一番頑張っておったのはアミリアじゃよ。」

 

「少しの間ラウラを見てあげたいんだ。

多少疲れていても放ってはおけない。」

 

「それなら、もういっそのこと

ラウラと同じベッドで寝てはどうじゃ?

側にいればラウラも安心するじゃろうし。」

 

「あー…まあ、確かにそう思うが…いや、でも…」

 

アミリアは腕を組んで少し唸った。

 

「…?なんじゃ?何が不都合があるのかの?」

 

「最後にラウラと一緒に寝たのも

もう何年も前の話だしな…この歳になって

それはどうなのか…」

 

「夏休みに一度あったじゃろう?」

 

「あれはそっちから入ってきたんじゃないか。

自分から入りに行くのとは違うだろう?」

 

「…全く何を今更…アミリアとラウラは

付き合ってるのではないかという

噂すら流れておるというのに…

それが少し事実に近づくだけじゃ。」

 

「なん…だと…⁉︎」

 

アイギスの言葉にアミリアは目を見開いた。

 

「そ、それはどういう…⁉︎

それにアイギスはどうしてそんなことを

知っているんだ⁉︎」

 

「妾にも独自に情報網ぐらいは

ある。散歩がてらにパイプを通って

他の寮にいったりの。この話はちょっとした

与太話のようなものとはおもうが、

アミリアとラウラの二人は

仲が良すぎるのではないか、

という話があるのじゃよ。」

 

「確かにいつも一緒にいるがそれだけで

そんな認定を受けるとは思えないのだがな…」

 

「うーむ…確か、ラウラの

トランクを漁っていたとか…」

 

「それはアイギスのせいじゃないか!

弁明するのが大変だったんだぞ、あれは…

実際にローブが一着なくなっていたし…」

 

去年度のことを思い出しながら

アイギスに文句を言った。

 

「ラウラが石になった時には

虚ろな目になっていて怖かったとか…」

 

「それは…ま、まあそうだが…」

 

それについては自覚もしていたので

否定することはできなかった。

 

「それがまるで恋人が

石にされたような心配の仕方に見えるとか…

まあ、とりあえずそういう話は

置いておくにしてもアミリアが

隣に居ればラウラも安心するじゃろうて。」

 

「割と置いておいていい話ではなかったが…

まあ一理あるにはあるか…

…というか、どちらかといえば

アイギスが一緒に寝たいだけだろう?」

 

「なんだかんだ言っても

よくわかっておるではないか。

ん、たまにはそういうのもよかろう?」

 

そう言いながらアイギスは

アミリアから見てラウラの後ろに入った。

 

「では、お休みじゃ。」

 

「…ふぅ…全く…」

 

口では不満だらけでも、

まんざらでもない様子で、アミリアも

ラウラの横に入った。

 

「…?…ぇ、へへ…」

 

すると、程なくしてラウラが

寝ぼけながらアミリアを

ペタペタ触った後、抱きついてきた。

 

「…本当に、全くだな…」

 

アミリアはやれやれと思いながら、

薄っすら微笑みながら目を閉じた。

 

「…むぅ…」

 

一人でラウラの後ろで寝転ぶような

状況になったアイギスは、ラウラに

背中を向かれたことに不満だったので

少し無理やりラウラに抱きついて眠った。

 

 

「…なんだこれ…」

 

いつものように一番早く起きたラウラは、

両隣から抱きつかれている状況で、

少し思考が混乱した。

 

(えーなにこの状況なんだかすごく幸せだけど

どっちに抱きつけばいいんだろうアミリアも

アイギスも可愛いなこうして見ると特に

二人とも髪とか綺麗だしいい匂いするし

ドキドキするなもう今日はずっとこのままで

いいかないやだめだよね授業あるもんね

そんなことより今はこの状況をどうすれば

もっと楽しめr…)

 

「…いや、なんか私の思考も色々おかしいな…

どうして私はそんなことを考えているんだろう…

二人とも起きて?もう朝だよ。」

 

「う…ん……ん…?」

 

ラウラに抱きついた格好のまま、

アミリアは固まって動かなくなった。

 

「む…おはようじゃ、ラウラ…んん?

なんじゃこれは?ふっふっふ…」

 

「いや、こ、これは違う…違うんだ…」

 

いたずらっ子のように笑うアイギスに

アミリアは何か言おうとしたが、

すでに色々と手遅れな気がした。

 

「なんだかんだ言ってもアミリアは

ラウラのことが好きなのじゃな…

噂は本当じゃったと広めようかのー?」

 

アイギスは誰にでもわかるぐらいの

棒読みでそんなことを言ったが、

寝起きであることも加え混乱もしている

アミリアにはそれが嘘であると見抜けなかった。

 

「それだけはやめてくれ…!」

 

「う、噂?」

 

「どうしようかの〜?」

 

なんの話かわからないラウラも、

アミリアの取り乱し方をみていると

さすがに少し嫌な予感がしてきた。

 

「くっ…オブリビ…」

 

「待ってアミリア!

その魔法は友達に使っていいものじゃないから!」

 

【すまんすまん。アミリアならば

このぐらいのことは冗談だと

わかると思ったのじゃがな〜。】

 

アミリアがラウラに止められている間に

蛇に変身してベッドの下に潜り込んでいた

アイギスは、流石に危機感を覚えたので

本当のことを話し始めた。

 

「ほら、アミリア落ち着いて?

噂が何かは知らないけどさ、

いくらなんでも取り乱しすぎだよ。

ほら、一回深呼吸して。」

 

「くぅ…冗談が過ぎるぞ…

寝起きにパニックになったら

正常な判断など出来ないだろうに…」

 

「まあ、ふざけ過ぎた妾も悪かったの。

うむ。本当に正直すまんかった。」

 

「全くだ…」

 

「ところで噂って?」

 

「アミリアとラウラが付き合っているという

噂があるのじゃ。」

 

「…」

 

それを聞いたラウラは無言で赤くなった。

 

「…ラウラ…その反応をされたら

私はどういう顔をしたらいいんだ?」

 

「…これは、両想いかの…」

 

「いや、恥ずかしいだけだから!

もう、なんでそんな邪推するの?

子供なんだからもっと純粋でも…」

 

「あっ…」

 

アミリアは止めようとしたが時すでに遅く、

その言葉はラウラから放たれてしまった。

 

「…これでも妾は千年近く

生きておるのじゃがな…そうか、子供か…」

 

遠い目をしながらアイギスはつぶやいた。

ラウラは盛大に地雷を踏み抜いたようだ。

 

「あ、ごめん…」

 

「…いや、怒ってはおらんよ…ふぅ…」

 

アイギスは一目で落ち込んでいるのがわかる。

少しの間気まずい沈黙が続いた。

 

「…朝食、食べに行こうか…」

 

「うん、そうだね…」

 

「…うむ…」

 

あまりにも気まず過ぎたので

ひとまず三人は朝食に向かうことにした。

 

 

特に喧嘩になるわけでもなく

普段通りの調子を取り戻した三人は

朝食を食べている途中に

今日はどうするかの相談をした。

 

「特に用事もなかったと思うし、

ハリーのお見舞い行くのとかどうかな?」

 

「医務室の先生はその辺り、

かなり気にする人らしいからのう。

素直に入れてくれれば良いのじゃが。」

 

「怪我自体は無かったんでしょ?

それなら面会ぐらい大丈夫だと思うよ。

あ…でも、昨日のでハリー、

落ち込んでるだろうな…

アミリアはどうしたらいいと思う?」

 

アミリアは昨日のアイギスの話を思い出した。

 

「…そうだな…少しの間はあまり触れない方が

いいかもしれない…面会にはハーマイオニーを

始めとしてみんな行ってるだろうし、

私たちにハリーの気持ちの全てが

わかるわけではないからな…ハリー自身が

色々整理をつける時間は必要だと思う。」

 

「よいのか?」

 

「アイギスとは昨日話をしただろう?

そういうことにしようって。」

 

「む?…ああ、忘れておった。」

 

昨日の夜のことを思い出して

アイギスは納得した。ハリーに会いに行くなら

死神犬の話が出るかもしれない。

 

「じゃあどうするの?」

 

「そういえばラウラは宿題は終わったのか?

防衛術、羊皮紙二巻だぞ?」

 

「えー、あれ〜?言い方悪いけどスネイプ先生が

勝手に出してきたやつじゃない…

習ってもない範囲のやつなのにさー。」

 

ラウラは不満顔で文句を言った。

 

「それでも、次の授業にルーピン先生が

戻ってるかわからないし、

知っておいて損なことではないから

やっておけばいいじゃないか。」

 

「面倒くさいな…やらないとダメ、かな…?」

 

ラウラはアミリアを上目遣いで見た。

 

「…そんな目で見てもダメだ。

…ダメだからな?…まあ、そこまで言うなら

書かなくてもいいが…少しくらいは勉強しよう。

それぐらいならいいだろう?」

 

「うん、みんなでするなら私も楽しいし

それならいいよ。じゃあ、行こっか!」

 

アミリアとラウラは席を立って歩き始めた。

 

「やはりラウラには甘いのう。

…冗談で言っておったが本当に

付き合ってるのではなかろうな…やれやれ…」

 

アイギスはその後を少し呆れながらついていった。

そうして自分たちの部屋でワイワイと

勉強会のようなものをして1日が終わった。




「さて、今日の後書きは何の話をしようか。」

「毎話あると話題も少なくなるよね。」

「では、守護霊の呪文、
エクスペクトパトローナスについて
説明してはどうじゃ?」

「そうだな…まあ、本文のこの時の私が
どの程度できているのか、というのは
最低でも言っておくべきだろうな。
ついでにエクスペクトパトローナムだ。
パトローナスチャームとも言うから
その辺りややこしいがな。」

「本来は守護霊にディメンターを
追い払ってもらったりするんだよね?」

「ああ。見た目的にはちゃんと
定まった霊が現れる。それぞれ
使い手によってモデルは変化するがな。」

「一方で、前回の話のアミリアが
使ったものは白い霧、と書かれていたの。」

「これは未完成であることの表現だな。
文字だけでは分かりにくいが、映画版を
見たことがある人はハリーが
特訓の時に初めて出せたのと同じか、
少し薄いぐらいと思っておいてくれ。
強さはディメンターが嫌がって近づきにくい、
という程度の効果しかないぐらいかな。」

「かなり貧弱な効果だね。」

「まあ、有名な呪文だから
ネタバレしてしまうが、幸せなことを
考えながら使う魔法だからな。
それを知らないこの時の本文の私では
ちゃんとした魔法になることはないわけだ。」

「当然といえば当然の結果ということじゃな。」

「ところでモデルって決まってるの?
アミリアがここまでできてるなら
これからの話に出てくると思うけど。」

「決まってはいるが、
一応はオリジナル要素だしそれについては
まだ秘密かな。まあ、これまでの話を
本当に全て見ている人はわかる可能性は
あるとは思うが、仮にイメージと
違うとしてもそこは許してもらうしかないな。」

「まあ、人によって変わるからその辺りは
致し方あるまい。では次の話じゃが、
少々危うい所があったの。特にラウラの思考が。」

「あー、あの辺りね。
まあ、タグには一応あるにはあるけど、
これまでほとんどなかったから
一応言っておかないとね。」

「ちなみに投稿前の下書きでは
もう少し過激なことを言っていたそうな…」

「その辺りは私は悪くないし…
まあそれはともかく、GL要素は
許して下さいって言うしかないよね…」

「ん、そうじゃな。ではこの辺りで
終わってしまうかの。後書きが
そこそこ長くなってきておるし。」

「そうだったか?
まあ、長すぎてもあれだろうしそうするか。
じゃあまた次回を楽しみにしてくれ。」

「キャラ付けがいるのはわかるけど
一応楽しみにしてくださいって言おうよ…」

「キャラ付けとか言うんじゃない…」

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