ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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何?サブタイトルがない?逆に考えるんだ。
(新話を)あげちゃっても
(なくても)いいさと考えるんだ。


第66話

太った婦人の事件から数日は

シリウス・ブラックの話でもちきりで

真面目な生徒でも自由時間だけでなく

授業中で話しだすほどだった。

 

「…って話があるんだって。」

 

ラウラが授業中に聞いた噂をアミリアと

アイギスに話していた。シリウス・ブラックは

木に変身できる、などの噂だった。

 

「あまり凄いようには思えんが。」

 

「アニメーガスの応用のようなものだから

真実ならば凄いと思うぞ?

あまり実用的ではないだろうがな。」

 

そんな話をしながら

寮の入り口、最近のグリフィンドール生たちの

悩みのタネの前に三人はたどり着いた。

まず、アミリアが合言葉を言った。

しかし、その守りを任された

絵の中の人物は通してくれる気配はない。

 

「ガドガン卿、通してくれ。

合言葉はさっき言った通りのはずだが?」

 

「汝らはこれから出すわが問いに答えよ!」

 

太った婦人の絵に変わり

グリフィンドール寮の入り口には

ガドガン卿の絵が置かれていた。

彼は1日に最低でも二回は合言葉を変えたり、

そもそも合言葉ではなく謎かけのような

問答までしてくるので

グリフィンドール生たちは人によっては

寮に入れないと困っていたのだった。

アミリアはそんな彼の謎かけに答えて

三人は寮に入っていった。

 

「アミリアが答えてくれたけど

さっきの答えってなんだったの?」

 

「『三冊の本があるが

最も人気のある本が一番売れていない。

それはなぜか?』という問いじゃったが

妾もまだピンとこないのじゃ。」

 

「何も難しい話でもないさ。

アイギスはあまり書店で本を探すことを

したことはないからわからないかもしれないが。」

 

「う〜ん…私もなかなか

思い浮かばないなぁ。実際に起こる話なの?」

 

「そうでなければ謎かけにならないだろう。」

 

しばらくラウラは唸りながら考えていた。

 

「…だめ、降参!このままじゃ気になって

寝れもしないし答え教えてよ。」

 

「もう少し頭を柔らかくしないとな。

まあ、単純な話で、その三冊が

シリーズ物だったというだけだ。

途中から読む人や最後だけ

読む人は少ないし、そういう人であっても

初めから読みたいと思うだろう?起承転結の

結だけを読んでも話がわからないからな。

だから売り上げは基本的には

第1巻が伸びるようになっているし、

クライマックスが一番人気が出るだろう?

今回は三冊という問いだったから、答えとしては

『上中下巻にわかれている三冊の本だったから』

というのが答えになる。」

 

「なるほど。教科書でいえば

一年生用のものから三年生用のものまでの

くくりということじゃな。

確かに一年生用のものから学ばなければ

二年、三年用の教科書はわからないのじゃ。」

 

「その通りだ。アイギスの場合は

夏休みにやったしその例えがわかりやすいな。

わかったか?ラウラは。」

 

「うん、説明聞いたら確かに

そうだなって思ったよ。」

 

そんなことを話しながら、ラウラは

さりげなく外を見た。

 

「…なんだか、天気悪くなってきてるね。」

 

「初めてのクィディッチの試合の頃をピークに

天気が悪くなっていくらしい。

私たちのデビュー(仮)は大雨だろうな。」

 

「まあ、天気というものは妾たちに

操れるものでもなし、仕方のないことじゃな。」

 

そんな話をしていると、

ハリーが寮に入ってきて三人に声をかけてきた。

 

「ああ、三人ともここにいたんだ。

ちょうどよかったよ。」

 

「どうしたの?」

 

「これ、グリフィンドールチームの

ユニフォーム。マクゴナガル先生が

受け取ってくれてたみたいで、

渡すように頼まれたんだ。」

 

「そういえば、こればかりは

借りるわけにはいかないからと

注文しておったのじゃったな。」

 

「時期的にまずいかと思ったが

なんとか間に合ったようで一安心だな。

これで練習もしやすくなる。」

 

「汚れるのも気にしなくていいしね。」

 

「確かにそうだね。じゃあハリー、ありがと。

とりあえずサイズが合うかとか

確かめたいから部屋に行くよ。」

 

「合わなかったりしたら?」

 

「私が少し裁縫するつもりだ。

多少なりとも出来ないことはないからな。」

 

「そうなんだ。

それならよかった。じゃあ、また後で。」

 

三人は自分たちの部屋に戻って、

それぞれユニフォームを着てみた。

 

「私とアミリアのはちょうどいいけど

アイギスのは少し大きいかな?」

 

「これは…妾が小さいということなのかの?」

 

ほんの少し泣きそうになりながら

アイギスはアミリアに聞いてみた。

 

「ああ、そういうわけじゃない。

私とラウラの服のサイズはわかっていたんだが

アイギスのは知らなくてな。

今までラウラのお下がりを着てたし。

測ってから注文すればよかったと

今になって思うが忘れてしまっていてな。

だから大きめを注文してもらったんだ。

少し袖や裾を直せばすむしな。正選手が

三人も怪我したりして先生方も忘れてることに

気がつかなかったんだろう。」

 

アミリアはそう話しながらベッドの上に置いた

ローブの裏から取り出したメジャーと

まち針でどの辺りを縫うかなどの

目印をつけていっている。

 

「よし、じゃあ脱いでくれ。」

 

「その一言だけ聞くと

アミリア捕まりそうだね。」

 

「どうしてそんなことを言うんだ…」

 

「ま、まあとりあえず

ユニフォームは任せるのじゃ。

妾たちに何か手伝えることはあるかの?」

 

アミリアは少し考え言った。

 

「そうだな…紅茶をいれてほしいかな。

二人の紅茶を飲み比べるのも悪くない。」

 

「そのぐらいならお安いご用だよ。」

 

そうしてアミリアは裁縫をしながら

三人で落ち着いた時間を過ごした。

 

 

クィディッチの最初の試合まで

ほんの数日になり、最後の練習も終わって

アミリアたち三人は寝る前に話し合いをしていた。

 

「…それで、私達はどう動くべきなのかな?」

 

「スリザリンからハッフルパフに

対戦相手が変わってしまったが

どういう違いが出てくるじゃろうか?」

 

「…とりあえず、私たちが

警戒していたラフプレーはほとんどないと

思ってもいいだろう。

悪天候下でプレイしたくないからと

あんな子供騙しの理由でごまかす

スリザリンに比べればな。」

 

ドラコの腕が治っていないと言った

スリザリンチームにアミリアは

嫌悪感を募らせていた。アミリアだけでなく

誰もがそれが嘘だとわかっていたからだ。

 

「じゃあ作戦というか戦術は?

相手が変わったけど変更するの?」

 

「いや、あまり変更するつもりはない。

相手がどのチームでも、話していた通り

パス回しは最低限にするつもりだ。」

 

「何故なのじゃ?」

 

「天気が荒れるらしいから滑ったり、

視界も悪くてパスも通りにくいだろうし

基本、固まって攻めるほうが

いいと思うんだ。離れていては

ユニフォームの色すらわからない可能性もある。」

 

「そんなに大雨になるの?」

 

「ああ、そうらしいぞ。

だからこそスリザリンは

試合をしたくないのだろうしな。」

 

「前が見えなくなるほどの

雨が降ることもあるものなのじゃな。

妾はまだ見たことはないが…」

 

「そっか。ずっと部屋の中だったもんね。」

 

「実物を見る機会はほぼ無かったから

そうなるのか。まあ、そういうのも

これから知っていけばいいさ。よし、

クィディッチの話はここまででいいか。

結局やることはあまり変わらない。

それぞれの選手についても

練習の時に教えてもらったしな。」

 

アミリアはそう言って、特に何を書くことも

無かった机の上の紙をしまった。

 

「私たちでなんとかなればいいねぇ。」

 

「そんなに心配するな。

こちらもあちらも同じ人間だ。

…まあ、アイギスは少し特殊かもしれないが。」

 

「確かにそう考えられるの。

練習量が負けているのは確実じゃが…」

 

「そこはチームワークで

なんとかするんだよ。私たちが

力を合わせれば誰が相手でも怖くないよ。」

 

「ラウラらしいな。まあ、とりあえずアイギスは

はじめは様子を見ておけばいい。

動くのは大雨と大勢の人に見られるのに

慣れてからでも遅くはない。」

 

「それまでは私たち二人なの?」

 

「今日も雨は降っていたが

さらに悪くなるらしいしな。

ちゃんと乗り慣れていないと

手を滑らせでもして

落ちたりすると危ないからな。」

 

「では、お言葉に甘えるのじゃ。

確かに今日の練習では危ない場面もあったしの。」

 

「じゃあ、それで決まりだね。

私たちでなんとかしてみるよ。」

 

話し合いが終わって、

少しの間宿題を片付けたりした後、

三人は眠りについた。

 

 

(ね、ね。闇の魔術に対する防衛術って

ルーピン先生の担当だったのに

どうして今日はスネイプ先生なのかな?)

 

ラウラは静かにアミリアに話しかけた。

クィディッチの試合の前日の

闇の魔術に対する防衛術の授業で、

いつもはルーピンがいる所には

この日はスネイプが立っている。

 

(さあ?まあ、さっき

ハリーが聞いたときに答えた通り

体調不良の代役なんだろう。

わざわざ嘘を言うこともあるまいし。)

 

ほとんど口を動かさずに

アミリアは答えた。

 

(しかし、アミリアはよくそこまで

口を動かさずに喋れるの。

見よう見まねでやってみてはいるが

そこまで上手くできん。)

 

(いや、アイギス十分上手い…)

 

「ミス・ブライトフォード。

我輩が何を言いたいかわかるかね?」

 

「…はい。」

 

「グリフィンドール2点減点。」

 

スネイプに隣に話しているのがばれて

減点され、ラウラはしょんぼりした。

普通なら点を減らしたラウラを

生徒は睨むはずだが、今回は

それまでハリーやハーマイオニーが

理不尽に点を減らされたり、

ロンに処罰が与えられたりされていて

嫌悪感を募らせていたのでスネイプを

睨みつけている。

そんなときに授業の終わりを告げるベルが鳴り、

生徒たちは荷物をまとめて教室を出ようとした。

 

「待ちたまえ。各自レポートを書き、

我輩に提出するよう。人狼の見分け方と

殺し方についてだ。羊皮紙二巻、

月曜の朝までに提出したまえ。

このクラスはそろそろ

誰ががしめてかからねばならん。

ウィーズリー、残りたまえ。

処罰の仕方を決めねばならん。」

 

教室から出てしばらくすると、

生徒たちから不満の声が上がった。

 

「いくらなんでも言い過ぎだよね〜…

確かに授業って知識を得るために

するもので遊びではないけど、

楽しみながらの方が絶対頭に残るよね?」

 

「珍しいな。ラウラが

そんなにまともなことを言うのは。」

 

「ひっどいなぁ…

私だってその辺りはちゃんとわかってるよ。」

 

「まあ、それはともかくとして、

確かにスネイプ先生の態度は

生徒たちには不満じゃろうな。

嫌がらせしているようにしか見えんし。」

 

「…まあ、気にしなくてもいいだろう。

嫌なことは忘れたほうがいいぞ?

授業内容は覚えておいたほうがいいと思うが。」

 

「人狼…まあ要するに

満月の日に〜ってやつだよね?」

 

「重要なことなのかの?」

 

「場合にもよるかもしれないが

確かに存在しているものだから

覚えていても損はない。

以外と身近にいるかもしれないしな。」

 

「ううん…そう考えると少し怖いね。」

 

「そう考えると、このレポートの

見分け方というのは理にかなっておるのかもな」

 

「スネイプ先生は特に

グリフィンドールにあの態度をとるから

嫌われてしまっているだけで

優秀な先生なんだが…

…まあ、とりあえず大広間だな!

早く夕食を食べに行こう。」

 

アミリアはいつものように

意気揚々と大広間に歩いて行き、

二人も苦笑いしながらついて行った。




「色々とある回だがだからこそ
サブタイトルが思いつか無かったとか。」

「それでも救いはないね。」

「ま、まあそれはともかくとして
次回でいよいよクィディッチじゃな。」

「とはいえ、大雨の中だから
本来の動きはできないかもしれないがな。」

「拙い描写の予防線?」

「そこまでのメタ発言は
遠慮したほうがいいと思うのじゃ…」

「まあ、作者の表現力など
底が知れているからな。正直、
なぜこの程度の表現力で
小説を書こうと思ったのか…」

「思い浮かんでもちゃんと文字にできないと
小説じゃわけがわからないしね…」

「まあ、そんな作品でも
見てくれている人もいるのじゃ。
一人でもいてくれる限りは
せめてこれ以上のクオリティで
書いて欲しいものじゃがな。」

「とりあえずその話は
いいんじゃないかなぁ…
今から良くしようとしてすぐに
なんとかなるものじゃないし…」

「そうだな。さて、
今日はこの辺りで終わろう。」

「あれ?今回文字数少なくない?」

「投稿時間が遅れつつあるから
仕方なく、だな。話も
一応は落ち着くところではあったし。」

「そうなのか。」

「それならば仕方ないのう。
では、また次回じゃな。」

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