ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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後書きの駄文を忘れてて
投稿日が遅れました。
…遅れるくらいなら、
駄文、いらないかもしれないですね…


大図書館

「これは…すごいな…」

 

アミリアは巨大な本棚が立ち並ぶ

その部屋に圧倒されていた。

 

「この蔵書量はそこらの図書館などと

比べ物にならない…

それどころか学校の何倍も…

しかも見たこともない本ばかりだ。」

 

近くにあった本を手に取ろうとした時、

その手を横から掴まれた。

 

「勝手に見ようとするのは

やめておきなさい。

死にたいなら話は別だけど…」

 

「…君は?」

 

紫色のゆったりした

服に身を包んだ少女は、

無表情のままアミリアを見つめていた。

 

「私はこの図書館に住んでる魔女よ 。

一応ここの本は私のものだから

勝手に手に取ろうとはしないでほしいわ。」

 

「ああ、すまない。見たこともない本が

こんなにあったから、

つい手に取ろうとしてしまった。

ここの本が君のものということは

君がパチュリー・ノーレッジということか?」

 

「パチュリーと呼んでくれて構わないわ。

こっちもあなたのことはレミィから聞いてる。

本を読みたいなら、そのあたりにいる

小悪魔に一度聞いてからにしておきなさい。

発狂したり閉じこめられたり

するかもしれないから。」

 

「小悪魔…ああ、あの子のことか。」

 

アミリアがなんとなく見つめていると

ふらふらと本を運ぶ小悪魔らしき子が躓いて

転び、本を落としてしまっていた。

 

「あ…」

 

「はぁ…従順でいい子なんだけど

少しドジなのが玉に瑕ね…」

 

「…なんだかラウラみたいだな…

どこか抜けているというか…」

 

「まあ、仕事については信用できるから

そこは安心してちょうだい。

見たい本があるなら小悪魔に聞けば

ちゃんと持って来てくれるわ。」

 

「パチュリーはどうしているつもりなんだ?」

 

「私は普通に本を読んでるだけよ。

あまりあなたに興味があるわけでもないし。」

 

「そうか。何か参考になりそうなことが

聞けないかと思ってたんだが仕方ないか。

では、ありがたく本を見させてもらうよ。」

 

パチュリーは、元いたところに戻って

また本を開けた。アミリアは、

小悪魔が本を拾うのを手伝った。

 

「すいません…」

 

「いや、構わないさ。

ところで、本を探しているんだが…」

 

「え?あ、お客様でしたか。

パチュリー様から聞いてます。

アミリアさんですよね?

なんの本を探してるんですか?」

 

「私のことは呼び捨てでいいよ。

…っと、探している本のことだな…

猛毒についての本はあるかな?

できることなら少し調べたくてな。」

 

「毒…ですか…?

それっていったいどんなのですか?

種類によって本も変わりますし…」

 

「そうだな…実物を見てもらったほうが早いか。

えっと…あった、これだ。」

 

アミリアは、幾重にも包まれていた

小さめの小瓶を取り出した。

 

「ずいぶん仰々しく包まれてましたね…」

 

「まあ、酷い毒だからな。

気体になっても毒性が残る可能性も

これをしっかり

調べないことには否定できないから

このようにしている。」

 

小悪魔は小瓶の中の液体を

まじまじと見つめ、顔をしかめた。

 

「これは…確かにすごい毒みたいですね…」

 

「まぁ、多少は劣化しているはずだ。

ずいぶん時間が経ってから採集したものだからな。」

 

「劣化していてこれですか…」

 

「元々のものは体に入れば数分と

持たないと言われている。」

 

「こんなのが直接体に入ったら、

種族によっては人間じゃなくたって死にますよ。

どうしてこんなの回収したんですか?」

 

「化け物の対策、かな…

よくわからない存在がいてな。

これで撃退だけでもできないかと

思って復元しようとしているんだ。

それに使えなくてもこれの抗体でも作れるなら

作っておいて損はないだろうというのもある。」

 

「ここも妖怪がいたりで

危ないと思ってましたけど、

外の世界もなんだか大変なんですね…」

 

「何故かは知らん…というか、

何故今なのかという感じなんだが、

私たちの学校では二年前から

事件が続いて起こっていて…

いや、二年前のは事件とは

言いにくいかもしれないが…

それで、今年は脱獄した囚人騒ぎがあってな…

さっき言った化け物はそのせいで

学校に配置されたし…

私はただ、友達とのんびり

過ごしたいだけなんだがな…

はぁ…どうしてこう巻き込まれたりするのか…

あ、すまない。初対面の相手に

愚痴を言ってしまって…」

 

「いえいえ。私も聞いていて楽しいですから

大丈夫ですよ。むしろ聞きたいぐらいです。

事件というのは、何があったんですか?」

 

……………

 

「そんなことがあったんですか…

アミリアさんにとっては

見逃せないことだったんですね。」

 

「確かに今思い返すとそうなるか…

去年のなんて特にな。」

 

「身近な友達が石になる…

そんなことがあるなんて恐ろしいですね…」

 

「ああ。もしもあのままだったらと考えると

まだ怖い。…身体が震えてくるよ。…ん?

私はなんの話をしていたのだったかな…?」

 

「あ、すいません。毒についての

本を読みたいんでしたよね?

私も話に夢中で忘れてました。

少しだけ待っててください!」

 

小悪魔は羽を使ってパタパタと飛んで、

本棚の上の方から何冊か本を持ってきた。

 

「一応は、私の知っている中でこの毒との

類似点がありそうなのが

載ってる本を持ってきました。

ただ、この毒にどこまで

対応しているかはわかりませんけど…」

 

「いや、大丈夫だよ。

多分、少しずつでも情報を探して

かき集めればおそらくは

自ずとこれのこともわかってくると思う。

ありがとう、小悪魔さん。」

 

「…うーん…あんまり私のことを小悪魔って

呼ばないでほしいかも…

小悪魔って種族の名前ですし…」

 

「ああ、それもそうか…

なんて呼べばいいかな…」

 

「じゃあ、こあって呼んでください!

小悪魔よりも、そっちの方がかわいいですし。」

 

「それは君の名前なのか?」

 

「名前は秘密ですよー。

悪魔には色々と決まりがあるんです。」

 

小悪魔は人差し指を口に当てて

ウインクしながら言った。

 

「そういうものなのか。

ああ、そういえばこれはどこで読めばいい?

立ちながらでも別に構わないが…」

 

「ああ、一応向こうに

長椅子がありますからそこでどうぞ。

何かあったら呼んでくださいねー。」

 

その後、しばらくアミリアは本を読み続けた。

 

 

「お、見えてきたぜ。あれが博麗神社だ。」

 

「けっこう大きいんだね。」

 

「あの建物か。…しかし寒いのう…

空を飛んでいるから余計じゃが…」

 

「そろそろ冬だからな。

アイギスは寒いの苦手なのか?」

 

「むー…どうしても昔から苦手なのじゃ…

できることなら冬眠したい…

むしろさせてくれ…」

 

「そっか。ある意味運がよかったかもな。

だいぶ前に、春になっても

冬が終わらない時があったし。」

 

「…そんなの考えたくもないのじゃ…

今でもこれじゃというに…」

 

そんな話をしている間に

三人は、神社の前に降り立った。

 

「霊夢ー!来たぞー!」

 

魔理沙が大声で神社の中にいるであろう

霊夢の名前を呼んだ。

少しして不機嫌そうな顔の霊夢が出てきた。

 

「うるさいわね…そんな大声出さなくても

ちゃんと聞こえてるわよ。」

 

「聞こえないよりはいいだろ。

まぁ、とりあえず昨日の二人を連れてきたぜ。

じゃあお邪魔しまーす。」

 

「ちょっと待ちなさいよ。

外来人の子ならともかく、あんたまで

あげる気はないんだけど?」

 

「別にいいだろ。減るもんじゃあるまいし。」

 

「あんたが上がりこむと

ここの食べ物が消えていくのよ…

いっつも勝手にとっていくじゃない。」

 

「じゃあ今度キノコ鍋一緒に食おうぜ。

それでチャラでいいだろ?」

 

「あんたね…はぁ、もうわかったわよ。

勝手にしてちょうだい。まったく、

どうしてそんなにここがいいのかしら…」

 

「話し相手がいれば暇しないし、

霊夢が自主的に出掛けることなんて

そうないから無駄足を運ばないで

済む時が多いんだ。

そっちも暇しないんだしいいだろ。」

 

「ほぼ毎日来られると

ゆっくりする時間がなくなるわ。」

 

「別にいいだろ。隠居してるわけじゃあるまいし。

ま、とりあえず上がらせてもらうぜ。

行こうぜ、二人とも。」

 

呆れ顔の霊夢の横をそのまま

通って行った魔理沙に、

ハリーとアイギスはついて行った。

 

「二人って仲がいいのかな?」

 

「何も気にしなくても良い間柄のようじゃし、

たぶんいいのではないか?」

 

「アイギス!」

 

ハリーと話していて横を向いていたアイギスが

声がした前を向くと、すぐそこに

ラウラの顔があった。走ってきたラウラに

そのまま抱きつかれ、

ラウラよりも体格が小さいアイギスは

堪えきれず、そのまま押し倒された。

 

「ゲフッ!」

 

「無事で本当によかった!

大丈夫だった?怪我はない?」

 

「…今まさに…ラウラに飛び込まれて…

怪我をしそうになったのじゃが…」

 

「アイギス、大丈夫?」

 

「あ、ハリーも!」

 

「う、うん、ラウラも無事でよかった…

…えっと…そろそろどいてあげたら?」

 

「え?…あ。」

 

ラウラは急いでアイギスの上からどいた。

 

「うう…酷い目にあったのじゃ…」

 

「えっと…大丈夫?ごめんね?」

 

「とりあえず奥の部屋まで行ってくれない?

ここで道を塞がれたら入れないでしょ。

ほら、行った行った。」

 

「あ、霊夢ごめん。」

 

「ふう…全く、宴会でもないのに

ずいぶん大所帯になったものね…

それで、探してた子たちだったの?」

 

「うん、私たちの友達だったよ!」

 

「ここにいるのってラウラだけ?」

 

「ううん、ロンもいるよ。

でも、今は裏の倉庫に行ってるんだ。

朝に掃除してたんだけど、

雑巾を乾かしたから片付けにいったの。

そろそろ戻ってくると…」

 

「あ、ハリーじゃないか!

それにアイギスも!」

 

ロンがちょうど帰ってきて、

ハリーとアイギスに気づいた。

 

……………

 

「で、あんたたちの予想では後二人いるのね?」

 

「うん、きっとそのはずだよ。

私たちだけじゃなくてこっちの二人がいるなら、

同じ状況だった、後二人がいるはずなんだ。」

 

「ここのことはあまり知らないのじゃが、

霊夢と魔理沙は心当たりはないかの?

おそらくは妾たちがここに現れた

昼過ぎぐらいに、同じように

ここに来たとは思うのじゃが…」

 

「昨日の昼過ぎねぇ…

私はその時間…というか、一日中神社で一人

水をすすってたから何もないわね。」

 

「その辺りの時間は確か紅魔館に…

あ、しまった。悪い霊夢。これから

ちょっと紅魔館に行かなきゃならないんだ。」

 

魔理沙はその頃紅魔館で本を盗み…

もとい、借りたことを思い出し、

そのことに関する用事を思い出した。

 

「ちょっと、上がりこむだけ上がりこんで

私に全部押し付ける気?ふらっと来た

咲夜に愚痴を言われるのは私なのよ?

壁の修理が大変だって。」

 

霊夢は不満そうな顔で魔理沙を睨んだ。

 

「そういうのじゃないって。

本当に今日はちゃんとした用事があるんだよ。

それに、探すんなら紅魔館にも

行ったほうがいいだろ。それのついでだよ。

紅魔館の用事は。」

 

「そう言えば昨日アリスっていう人に

念を押して言われてたね。」

 

「ああ、あいつね…

そういうことならいいけど…

まあ、確かに一晩過ぎてるからどこかで

寝泊まりしてるはずだし、

いるとすれば紅魔館に人里、

それに、最悪天狗のところに

捕まってるとかかしら?」

 

「だろ?だから箒がある私と、

後誰かが一緒に来ればすぐに

確かめられるはずだぜ。」

 

「あ、じゃあそこ私が行きたい!

ハリー、ニンバス2000貸してもらってもいい?」

 

その時ラウラが大きめの声で

ハリーにお願いをした。

 

「うん、いいよ。

…でも、壊したりしないでね?」

 

「どうしたの?いきなりやる気出して。」

 

「二人が心配だからね。」

 

「ラウラは、特にアミリアのことを

気にしてるんじゃないかな?」

 

「まあ、ラウラはアミリアに

ベタベタじゃからな。」

 

「えー、そんなことはないよ。

それを言うならアミリアの方だよ。」

 

ラウラは少し嬉しそうな顔をしながら

手を振って否定した。

 

「…そうじゃなー。

ラウラの言う通りじゃと思うのじゃー。

まあ、早く帰ってきてくれると嬉しいのじゃ。

待っておるからな。」

 

「アイギスも含めて、だと思うけどな…

ハリーもそう思わない?」

 

「うん、僕もそう思う。」

 

ハリーとロンは苦笑いをした。




「…アミリア、いい?もう一度言うけど、私は
絶対に…絶対にこれだけは譲れないんだよ。」

「それは私もだ。私だって
許容できることではない。
これは誰がなんと言おうと…
それがたとえラウラであっても私のものだ。」

「ダメ!アミリアにこれを渡すと、一つの
尊いもの…そう、生命とも言えるものが
この世界から失われちゃうんだよ!
それだけは許すわけにはいかないんだ!」

「しかし、本来の目的だ。
これもその方が喜ぶだろう…」

「こんなに可愛いものは
永遠であるべきなんだ!だから…!」

「本来の目的を全うさせることが
これを救うことになると
どうしてわからない!私は何度でも言うぞ!」

「「この飴細工だけは渡さない!」」

「だって、こんなに可愛い
蛇さんの形なんだよ⁉︎これを
食べようとするなんて!
それに、料理に関心がないって言われてる
イギリスで、こんなのいつでも
見れるものじゃないんだよ!」

「保存はできるさ。密閉して
乾燥剤を入れれば。確かに
一つの芸術としても機能するだろう。
ラウラが見ていたいのもわかる。
しかし、使われている材料は
最高級品ばかりを選りすぐっている…
つまり、見た目だけでなく、
味もまた追求されたはず一品だ。
それを食べない方が作った人に失礼だろう?」

「アミリアにはこの価値がわからないの⁉︎」

「それを言うならラウラの方こそ!」

「「…」」

「…アミリア、屋根裏部屋に行こう…
これ以上話しても話が進まないよ。」

「同感だな…では行こうか。」



「今日はここまでのようですね。
次回は後書きの中であるにも
関わらず三人称が入ります。
もはや後書きではないですね、これ。
これこそ番外編でやれって感じですけれども…
…え?私が誰か、ですか?そうですね…
私はあなたが思う通りの人物かもしれませんし、
そうでないかもしれません。
まあ、通りすがりのただの登場人物ですよ。
アズカバンの最後あたりか…
それともゴブレットか…
ふふ、いつかお会いできるかもしれませんね。
それでは、また次回をお楽しみに。」

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