ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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相変わらずの後書きの長さ


それぞれの朝

朝日が部屋に差し込んできた頃に

ラウラは目が覚めた。

 

「ふあぁ…っと…朝かぁ。そろそろ起きよ。

…ロンと霊夢は起きてるのかな?」

 

もしもロンと霊夢が

寝ている時のことを考えて、そろりそろりと

それぞれの部屋の襖を開けてみたところ、

霊夢は寝ていたが、ロンは起きていた。

 

「おはよ、ロン。起きてたんだね。」

 

「あ、おはよう、ラウラ。

ちょうど目が覚めたところだよ。」

 

「霊夢はまだ寝てるみたい。どうしよう?

せっかくだから掃除ぐらいはしてようか?」

 

「そうだね…泊めてもらったんだから、

それぐらいの手伝いはしとこうか。」

 

ラウラとロンは社の裏にある物置から

箒をとってきて、境内を掃いていった。

季節はもうすぐ冬になるくらいだったので、

かなりの落ち葉があった。だが、

上を見上げればまだ、赤や黄色の葉が

木の枝に綺麗についていた。

 

「どこにいても紅葉って綺麗だね…

ここに来ちゃったのって事故だけど、

きっといい思い出になるよ。

友達も増えたしね。」

 

「うん、確かにそうかも。

それに、僕の家の近くには

こんなところないから、こんなの

見られるのは貴重かもしれない。」

 

「そういえば、隠れ穴の周りって

あんまり木がなかったっけ。

私の家からなら、近くの公園にいいところが

あるから、小さい頃からよくアミリアと

家族で出かけたりしたんだ。」

 

「へぇ、そうなんだ。

僕はそんなの行ったことないなぁ…」

 

「でも、ロンは魔法界のことなら

いろんなところを見てるでしょ?

アーサーさんが魔法省の人だし。

それに、私が特に羨ましいと思うのは

お兄さんがドラゴンの研究とかも

してるって言ってたことだよ。ドラゴンの研究を

近くで見る機会があったってことでしょ?」

 

「確かにあったよ。

噛みつかれそうになったり焼かれそうに

なったりしたけどね…」

 

「それもいい思い出なんじゃない?

ロンもドラゴンは嫌いじゃないみたいだし。」

 

「うーん…そう言われれば確かにそうかも。

ドラゴンに興味はあるしね。」

 

「あーあ、いいなぁー。

身近な人がドラゴンを研究してるって。

ドラゴンに会う機会があったら

とりあえず乗ってみたいな。」

 

「すごく危ないと思うけどね…」

 

そんな色々雑談をしながら

境内の掃除を進めていった。しかし、

ちょうど木枯らしが吹くような季節なので、

掃いても掃いてもキリがなく、

結局ある程度で終わらせて、

その後、廊下の掃除をすることにした。

 

「そういえば、魔法は使わないの?」

 

「神様を祀ってるところだし

せっかくだからね。

手でやった方がご利益があると思うんだ。」

 

「あー、なるほど。ウン、

確かにその通りかもしれない。

…ラウラって結構神様だとか神話とか好き?」

 

「好きっていうか小さい時に本で

たくさん読んだことがあるから興味があるんだ。

小さい時の私って引っ込み思案で、

家で本を読んだりすることが多かったからね。」

 

「家にそんな本があるの?」

 

「どうしてかわかんないけど、

お母さんがどこからか買ってきたりしてたんだ。」

 

「…なんで?」

 

「それが、なんで買ってきたか聞いても

『どうしてかしら〜。

全然覚えがないわ〜。』って言ってね。

まあ、本を持って帰ってくるくらいなら

我が家では日常茶飯事だから

誰も気にしないよ。」

 

「…なんていうか、本当に

変わったママなんだね…」

 

「本当はそんなこと言われたらお母さんのことを

悪く言わないで、とか怒るべきなんだろうけど、

自分もそういう認識だからなぁ…

否定できる材料が全くないや。」

 

そんなことを話しながら、

倉庫に箒と一緒に入っていた雑巾で、

廊下の水拭きをしていった。

 

 

「おはようございます、アミリア。」

 

「ああ…おはよう、咲夜…」

 

「あら?元気がないわね?」

 

「…すまない、紅茶をくれないか?」

 

「え?ええ、わかったわ。はい。」

 

「…ありがとう…少しはマシになった…」

 

「どうしたの?」

 

「朝はどうも弱くてな…いつも母上か

友達に茶をいれてもらっているんだ…

それで目がさめるからな。」

 

「それなら、目が覚めてないなら

私のお茶はまずいということかしら?」

 

「いや、そういうわけではないんだ…

質のいいものを使っているし

いれ方もとても上手いということはわかる。

ただ、やはり慣れた味のほうが

目は覚めるような気はするな。

習慣のようなものだし。」

 

「なるほどね。

ああ、朝食はどうするの?」

 

「そうだな…軽くいただこう。」

 

「じゃあ、トーストでも用意しましょうか。

何枚ぐらい欲しいかしら?」

 

「5枚ぐらいかな…」

 

「え?」

 

「え?」

 

……………

 

「…昨日の夕食もだったけど、

本当によく食べるのね。」

 

「食事の面でも迷惑かけてすまない…」

 

「別に大丈夫よ。お嬢様が頭を抱えるだけだし。」

 

「そうか。…いや、問題だろう。」

 

「私の秘蔵コレクションが増え…ゲフンゲフン。

ま、まあ、少しは問題はあるかもしれないけど、

そもそも食費はここではほとんど

かかってないのよ。」

 

「そうなのか?」

 

「ええ。住人のほとんどは妖精とかだし、

お嬢様たちは支給されるから。

かかっている食費は美鈴と私の分ぐらいよ。

ああ、そういえば今日は図書館に行くと

言ってたかしら?」

 

「調べたいことがあるからな。

おそらくは見たことない本ばかりだろうから

何か使えるものはないかと思ったんだ。

それに、フランとも約束したしな。」

 

「あら。妹様と会っていたのね。

…ここに来たのが今なのは運が良かったかも。」

 

「それはどういうことだ?」

 

「何年か前まで、妹様は気が触れていると

判断されていて、地下に495年もの間

閉じ込められていたらしいの。

実際、出てきたばかりの時は

ずいぶん暴れたらしくてね。

霊夢と魔理沙が苦労したそうよ。

私はその時お嬢様に付き添って

博麗神社を訪れていたのだけれど。そういえば

最近は魔理沙とはよく遊ぶみたいね。」

 

「そうだったのか………

…さっき言った霊夢と魔理沙というのは

この場所の結界の管理者と

森にいる魔法使いだったか。

異変を解決しに行くのは大体

その二人だそうだな。

魔法使いの方はよく来るのか?」

 

「泥棒としてね。図書館に忍び込んでは本を

よく持ち出していくのよ。パチュリー様の

胃が心配になってくるわ。」

 

「確かに自分の本を

勝手に盗られていくのは嫌だろうな。

その気持ちはよくわかる。

私からも会ったら言っておくべきかな。」

 

「徒労だと思うけどね。

魔理沙はこの件に関しては全然反省しないから。

反省したって数日だけのことよ。

こっちはこっちで、毎回ぶち破る壁の

修復とかで苦労するのだけどね…」

 

「…いろいろと苦労が絶えないんだな…

そういえばハーマイオニーは?」

 

「まだ寝てるわ。やっぱり疲れてるのね。」

 

「そうか…咲夜、改めて礼を言わせてほしい。

ハーマイオニーを見つけてくれてありがとう。

 

「気にしなくてもいいわよ。

通りかかった偶然だから。

まあ、そうね。無理に理由をつけるなら

寝覚めが悪くなるから、

ということにしておくわ。」

 

咲夜は手をひらひらさせながら

廊下を歩いて行った。

 

「…素直ではないな。」

 

 

「「「いただきます。」」」

 

「朝もキノコ鍋なのじゃな。」

 

「昨日の分のあまりだけどな。

まあ美味いからいいだろ。うん。」

 

「うん、とっても。」

 

「少々不安はあったが、

本当に美味しいのじゃ。

怪しいキノコを使われたらどうしようかと…」

 

「さすがに客がいるときは確かな味の

オススメのキノコを使うに決まってるぜ。

本当は見つけたことないやつが

昨日採れてたんだけどな。」

 

そう言って、魔理沙は後ろから

毒々しい赤い色をしたキノコを取り出した。

 

「…さすがにそれは

やめたほうがいいと思うのじゃ。」

 

「ははっ、わかってるよ。

霊夢じゃないんだからこんなの食わないぜ。」

 

「昨日の女の子のこと?」

 

「ああ、昨日弾幕ごっこしてたやつだ。」

 

「なぜその霊夢なら

毒キノコでも食べると思うのじゃ?」

 

「普段は普通に生活してんだけど、

最近は人里で問題があったり、

妖怪が暴れたとかもないから

お祓いとか妖怪退治の依頼がないらしい。

だから、お財布事情が

やばいことになってるってよ。

居候もいることだし。」

 

「それでもただではすまんと思うのじゃが…」

 

「いやぁ、霊夢ならなんとかなると思うぜ。

その気になったら水と塩と日光で

半月は生きていけそうだからなぁ。」

 

「それはもはや人間ではなくて

植物だと思うのじゃ…葉緑素でも

持っておるのか?」

 

「まあ一応最低限生活できるだけは

支給があったりするらしいけどな。

あ、そういえば今日は

霊夢んとこに寄った後に、紅魔館に

行かないといけないんだ。

アリスにもあんだけ言われちまったしな。

どうする?一緒に来るか?」

 

 

朝食を食べた後、居間で三人は座っていた。

 

「ありがと、掃除をやってくれて。」

 

「ううん、泊めさせてもらってるし

それぐらいはお手伝いしないと。」

 

「倉庫みたいなとこから

道具は借りたけどよかったかな?」

 

「ええ、それであってるわ。

これからはどうしようかしら…

…そうね、とりあえずしばらくは

ゆっくりしてましょう。

魔理沙が多分あんたたちの知り合いを

連れてくると思うわ。

移動手段はあるらしいわよ。」

 

「そういえば、ハリーは箒を持ったまま

ここに来たんだろうな。

アイギスに色々箒の

説明してた途中だったから。」

 

「でも、アリシアさんが乗るならともかく、

箒って二人乗りとかできたっけ?」

 

「ハリーなら大丈夫なんじゃないかな。

ハリーだって、稀代の天才なんだから。」

 

「うーん…それもそっか。私たちの中では

アミリアとハリーが飛び抜けて

箒に乗るのが上手いし大丈夫だよね。」

 

「きっとね。じゃあ、

ハリーたちが来てくれるまで

僕らはここで待ってようか。」

 

「まあ、お茶でもいれてくるわ。」

 

「あ、霊夢、ありがと!」

 




「ねぇねぇアミリアー。」

「ん?どうしたんだ?」

「アミリアは本を読んでるからいいけど
私はさっきから暇なんだよー…
なんの本を読んでるの?」

「闇の魔術に対する防衛術の教科書だよ。
後3ヶ月もすれば私たちはホグワーツに
入学するんだし、予習と復習はしておかないとな。」

「な〜んだ、勉強かぁ…
それは貸してもらっても
面白くもないなぁ…」

「ラウラは相変わらず勉強が嫌いなようだな。」

「さっきも言ったけど
面白くないんだもん。アミリアは
新しいことを知るのが面白いって言うけどさ…」

「なら、ラウラは何をしている時が楽しいんだ?」

「アミリアと遊んでる時とか
最近ならゲームしてる時とかかなぁ。
海外のやつをやってるんだけど。」

「ああ、そういえば、エミリーさんが
どこかから持って帰ってきていたな。
…旅行にも行ってないはずなんだが
どこから持ってきたんだ?」

「いつも通りわからないって。
それはいつものことだから気にしなくても別にね。
そういえば、シリーズの四つ目の
やつも出てるみたい。うちにはないけど。」

「Ⅲまでを持って帰ってきたらしいな。
少しずつ進めてたらしいが
どこまで進んだんだ?」

「一応、Ⅱまでクリアして
Ⅲは始めたばっかりぐらい。」

「そうなのか。戦ったりするゲームらしいが
敵は強いかったりするのか?」

「レベルが上がれば楽になるけど
序盤はどうしても厳しいよ。
最大HPが低いからほぼ固定ダメージになる
敵の攻撃魔法が出てくると、いつ
倒れちゃうかわからなくなってくるからね。
魔法使いと僧侶が何度倒れたか…
それに、Ⅱの…どの辺だっけな…
中盤かな?とある洞窟が本当に酷くてね…
大量に落とし穴があるし敵が強いしで、
やっと抜けたと思ったらエンカウントした
敵が自爆魔法を使ってこっちが全滅したりとか…
あそこはもう二度とやりたくないな…」

「色々大変そうだな。
現実だと魔法の防御の方法なんて
いくらでもあったりするんだがな。
ああ、話を戻すがラウラは魔法の練習は
本当にしなくてもいいのか?
杖なら貸してくれるだろうし、
杖が馴染まなくて問題が起きても
父上たちがなんとしてくれると思うぞ?」

「魔法の練習かぁ…
私は杖がなくても使えるしなぁ…
ほら。ルーモスー光よー」

「まあ、確かにそうだが
杖なしでは学校であまり
使わないほうがいいと思うぞ?
使うにしても、杖を振ってごまかしたりしてな。」

「そうなの?」

「ああ。授業の評価などになるわけでもないし、
変に目立つだろうからな。
奇怪な目で見られるのも嫌だろう?」

「それもそっか。」

「特に、姿現しなんかを使うと
何を言われるかわからない。
よっぽどなことがなければ
絶対に使うべきではないだろう。
その判断はラウラに任せるがな。」

「それは場所が
ずれたりするからまだ使う気はないよ。
使うにしても、もう少し練習してからのつもり。
あーあ、ゲームの魔法みたいに
知ってるところならどこにでも
行けたらいいのにな。」

「姿現しも似たようなものじゃないか?」

「難易度が違うんだよ。
今やってるやつだと、本当に初期から
使えるようになるし、
行ったことがあるならどこでも行けるよ。
頭をぶつけたりするけど。」

「まあ、姿現しの難易度が高いのは確かだな。
しかもかなり危ない。
たまに事故で大変なことになったと
新聞に載ることもあるし。
しかし、魔法界では
移動手段に困ることはないだろう?
姿現しを使えなくても、煙突飛行があるし。」

「まあ、そうなのかなー。
でも、どこからでも楽に行けたら便利だよ。」

「そうは言うがな…
そもそも、昔はホグワーツに行くのさえ
大変だったらしいんだぞ?汽車ができるまでは
生徒が直接向かうことになっていたが、
城は魔法で隠されてるから、
迷子になる人も多かったそうだ。姿現しだって、
どのような魔法か確立されてるし、
それを思えば私たちは恵まれてるんだから
そんなことを考えなくてもいいんじゃないか?」

「まあ、それもそうだね。
ゲームの中のことを
したいっていっても無い物ねだりだし、
練習して使えるようにしたほうがいいか。」

「そういうことだな。
まあ、どうしても暇だというなら
オリジナルの魔法でもつくってはどうだ?
レーヴァを呼び出すのも作っていただろう?」

「あー…それ面白そうだね。
達成感もあるだろうし…
うん、少しずつ考えてみるよ。」



「ということで、今回の番外編の
直接の原因にもなった、ラウラが
魔法で新しいものを作り出そうとし始める
きっかけの話だな。」

「これがきっかけじゃと考えると、
幻想郷に飛んでしまったのはアミリアが原因と
言えなくもないのではなかろうか?」

「でも、魔法を物にかけて、それ自体を
マジックアイテムみたいにしようって
思ったのは勧められてはいないしなぁ。
どうなんだろうね?
やっぱり私になるんじゃないかな…」

「誰を責めたところで現状が
変わるわけでもないし気にしなくていいじゃろう。」

「まあ、作者の中の幻想郷は平和だから
危険はあまりない。問題はないだろう。
さて、今回は過去の話の中に
必要があったのかもわからない
某有名RPGの話題もあって
かなり時間が押していてな。
ここで終わりにさせてもらおう。
それでは、また次回。」

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