ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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結局亀更新タグは
不定期更新タグにしておきました。
書きたくなった時に
描くのが一番いい気がします。


飛行訓練

いよいよ生徒たちが楽しみにしていた

飛行訓練の日がやってきた。

スリザリンと合同授業という知らせを

知った時はグリフィンドール生はガッカリ

していたが、文句を言うものは少なかった。

アミリアとラウラも、いつものように

朝食を食べていた。

ラウラがふと、天井のほうを見る。

 

「あれ?誰のフクロウだろ?」

 

「ん?」

 

ラウラのその呟きにアミリアも

天井からフクロウが入ってきたのに気づいた。

そしてそのフクロウは

ネビルの元に小さな箱を落とした。

 

「どうやらネビルへの届け物らしいな。」

 

2人が話していると、ネビルが中から

ビー玉より大きいガラス玉を取り出した。

 

「アミリア、あれなんだと思う?」

 

ラウラがアミリアにそう聞いた時、

ネビルがそのガラス玉を見ていた所、

その中に赤い煙が立ち上っていた。

 

「ん?ああ、あれは思い出し玉だな。

何かを忘れている時にあのように

ガラス玉の中が赤く光るようになっている。」

 

「へぇ〜、そうなんだ。でもそれって

何を忘れたかも教えてくれないの?」

 

「残念ながらな。

まったく、便利なんだか不便なんだか…

まあ、魔法界ではそんな商品はたくさんあるし、

気にすることでもないさ。」

 

アミリアとラウラはそう言って席を立ち、

いつものようにリューナクにミルクをあげて

飛行訓練が行われる校庭へ向かった。

 

 

「おはようございます皆さん。」

 

白髪を短く切りそろえている

飛行訓練の担当のミセス・フーチが挨拶し、

生徒もそれに挨拶を返す。

 

「何をボヤボヤしてるんですか。

さあ箒のそばにたって!さあ、早く!」

 

と、挨拶もほどほどにして

生徒達をせかして、箒のそばに立たせ、

箒の浮かばせ方を教えていく。

 

「いいですか?右手を箒の上にかざして、

『上がれ!』」

 

フーチが手本を見せるとともに、

生徒達も『上がれ!』と叫びだした。

 

「上がれ!」

 

「上が、うわっ!っと!」

 

アミリアの箒は一言だけですぐに

浮かび上がって手に収まる。

ラウラの箒は上がれと言いきる前に

箒が飛び上がって手に収まった。

アミリアとラウラ以外は、

ハリーとドラコしか一度で浮かび上がらず、

ハーマイオニーですら苦戦していた。

そして、全員が箒を掴むと、フーチは

箒の握り方を確認していった。

そして、確認が終わった後、いよいよ

箒に乗る時がやってきた。

 

「では、私が笛を吹いたら地面を

強く蹴ってください。そして、2メートルほど

浮上して前屈みになってから、

すぐに降りてください。笛が鳴ったらですよ!

では、1、2のー」

 

そこまでフーチがカウントした所で、

突然ネビルの箒がネビルを乗せたまま

浮かび上がって行った。

 

「こら!戻って来なさい!」

 

先生のその声や他の生徒の

制止もむなしく、ネビルの箒はそのまま

上昇していき、そして勢いよく飛び出した。

そしてそのまま壁に激突し、ネビルは

その衝撃で箒から、嫌な音と共に

地面に落ちてしまった。

 

(しまった…!不意で魔法を使えなかった…!)

 

アミリアは為す術なく落ちるネビルを見て、

自分自身に悪態を吐き、その隣では

ラウラが顔を青くしていた。

そして、ネビルにフーチが近づき、

怪我の様子を観察する。

 

「…手首が折れてる…

さあネビル、大丈夫、立ちなさい。

この子を医務室に連れて行きます。

その間箒に乗らず地面に立ってなさい!

さもないとクィディッチの『ク』を

言う前にホグワーツから出て行って

もらいますからね!」

 

ネビルは泣きながらフーチとともに

医務室へ向かっていった。

そして、フーチが見えなくなった所で

ドラコが話を始める。

 

「あの大間抜けの顔を見たか?

このロングボトムの叔母さんが送ってきた

思い出し玉で箒の乗り方を

思い出せばああはならなかったろうに。」

 

ドラコは地面に落ちていたネビルの

思い出し玉を手に取りながら言う。

それにハリーは腹を立ててドラコに食いついた。

 

「マルフォイ、その思い出し玉を

こっちに渡すんだ。」

 

ハリーの静かな怒気に、

みんながおしゃべりをやめ、

その2人に目を向ける。

 

「じゃあロングボトムが後で取りに

来れる所に置いておくよ。屋根なんてどうだい?」

 

そう言いながらドラコは箒にのって

浮かび上がっていく。それに

ハリーも付いて行こうと箒に乗る。

 

「おい、待ー」

 

「ダメ!先生の話を聞かなかったの⁉︎

動いちゃダメよ!」

 

アミリアが、止めようとしたところで

同時にハーマイオニーも喋り始めたため、

途中で途切れてしまう。しかし、その

ハーマイオニーの制止の言葉も聞かず、

ハリーもドラコの所まで浮かび上がっていく。

アミリアとラウラの横では

ハーマイオニーがぶつぶつ言っていたが、

アミリアはハリーを見ていた。

 

(飛べるのか?初めて箒を握った

ばかりだというのに…?)

 

アミリアはそのように考え、

隣のラウラは心配そうにハリーを見上げている。

しばらくハリーとドラコは喋っていたが、

ドラコが突然、思い出し玉を校舎のほうに

放り投げ、すぐさま地面に戻って来た。

ハリーはその思い出し玉を追いかけていった。

その様子をみて、クラスの女子から

小さな悲鳴が聞こえる。

しかし、その心配が無用だったとばかりに、

ハリーは校舎ギリギリでそれをキャッチし、

地面に降りようとしていた。

 

(あれをとるか…!すごいな…

乗っているのは流れ星(シューティング・スター)にもかかわらず…か。

あれほどの乗りこなしかた、上級生どころか

クィディッチの選手ですら何人できるか…)

 

「わぁー!すごい!ねぇねぇ、

アミリア!見た⁉︎今の見た⁉︎」

 

「うわ、ちょっ、見ていたから

身体を揺するんじゃない!」

 

アミリアが静かに感心していると、

隣のラウラがアミリアの身体をゆすりながら

感動していた。

 

「ハリー・ポッター!

よくもまあ…こんな大それたことを…

ポッター、一緒にいらっしゃい!」

 

ハリーが地面に戻って来てすぐに

マクゴナガルがやってきて、

ハリーを連れて行こうとする。

ハリーの顔をみるみるうちに青くなる。

周りのグリフィンドール生が説明して

止めようとするが、抵抗むなしく

ハリーは連れて行かれた。

ハリーとマクゴナガルが見えなくなってから

ドラコは話を始める。

 

「これでポッターは退学だな!

見たか?あの顔。

2週間もせずに退学なんて

ホグワーツの歴史に残るに違いない!」

 

ドラコは嬉しそうに話を続ける。

ラウラは友達を貶されたことに怒り、

ドラコに近づいていく。

アミリアもやれやれ、とラウラと共に

ドラコに近づいていった。

 

「そんなこと言うなんてひどいじゃない!

もともとあなたのせいでしょ!」

 

「それにだ、マルフォイ。

おそらくハリーは退学にはならんぞ。」

 

ドラコは女子2人にそう言われ、

一瞬驚いたが、すぐに言い返す。

 

「なんだと?あの間抜けなポッターは

空を飛んだ。そしてそれをマクゴナガルに

見つかって連れて行かれたじゃないか!」

 

「それを言うならお前もだろう。

お前だって空を飛んでいたんだから

その考え方ならお前も退学だぞ?」

 

「ポッターはマクゴナガルに見つかったから

連れて行かれたんだ。僕は見つかる前にー」

 

「見つかる、見つからない、という話を

している時点でお前の負けだよ。

それ以上はお前の家の名にも泥を塗るぞ?

それに、ハリーのあの飛び方、

しかも流れ星(シューティング・スター)なんて欠陥品での飛行だ。

あれの凄さがわからないなら、自分は

箒に乗ったことのない素人だと

大声で叫んでいるようなものだぞ?」

 

アミリアのその言葉についに

ドラコは怒り、杖を抜くが、アミリアは

その動きを見た瞬間、呪文を唱えた。

 

「リクタスセンプラ ー宙を舞えー !

スポンジファイ ー衰えよー !」

 

アミリアが一息に2つの呪文を唱えた。

ドラコは反応することもできず、

杖から出た1つ目の光にあたり、

垂直に吹き飛んだ。

2つ目の光が当たっていた

地面に落ちると、2、3回バウンドする。

ドラコはすぐに起き上がり、アミリアを

睨みながら、取り巻きのクラップと

ゴイルと共にその場から離れていった。

しかし、アミリアは

苦々しい顔をして、後悔をしていた。

 

(くそ…この呪文をネビルの

落ちる時に使えていれば…)

 

少し時間が経ち、周りの雰囲気が

落ち着いてきた所で、前回の魔法薬学で

ハリーとペアになった赤毛の男の子が

アミリアとラウラに近づいていった。

 

「うっわぁ、君すごいね!

マルフォイのやつ、いい気味だよ!

僕はロン、ロン・ウィーズリー。

君たちの名前は?ほら、今まで

あまり接点なかったから覚えれてなくてさ。」

 

「ん?ウィーズリー家の者か。

私はアミリア・フラムだ。よろしく頼む。」

 

「私はラウラ・ブライトフォード。

ラウラって呼んで?よろしく、ロン!」

 

アミリアの名前を聞いて、

ロンは少し驚いた表情を見せる。

 

「よろしく、アミリア、ラウラ。

ところで、フラムってまさかあのフラム?

ほら、闇祓いのダールト・フラムって…」

 

「よく知っているな。

それは私の父上のことだ。君の父上殿とは

同期だと聞いているよ。」

 

「知ってるに決まってるさ!

あのマッド・アイ・ムーディと唯一並ぶ

と言われるほどの闇祓いじゃないか!」

 

「やっぱりアミリアのお父さんは有名なんだね!」

 

そうして軽く自己紹介をすませると、

ロンは少し心配そうな顔をする。

 

「ハリー大丈夫かなぁ…

マクゴナガルは厳格だから

ホントに退学になるかも知れない…」

 

「おそらくその心配はないだろう。

私にはマクゴナガル先生は

嬉しそうにしていたように見えたぞ?」

 

その言葉にロンは安心したようで、

その後ロンはさらに興奮した様子で話を続ける。

 

「ところでさっきマルフォイのやつに

箒の話をしてたけどもしかして

2人はクィディッチをするのかい?」

 

「いや、一応箒は持ってるんだが

残念ながらおそらく

あれはしたことがあるうちには入らないな。」

 

「私たちはマグルの人たちがたくさんいる所に

住んでるからね〜。たまにアミリアと私の家族で

草原に出かけるときに一緒に箒に乗るんだけど

人数がいないからキャッチボールぐらいしか

できないんだよねー。」

 

「それでもすごいじゃないか!

この歳で箒に乗ってキャッチボールできる人なんて

そういないぜ?あ、そういえば

2人はお気に入りの箒とかある?

僕はなんといってもやっぱりー」

 

アミリアとフラムとロンはこうして

フーチが帰ってくるまで夢中で

箒やクィディッチの話をしていた。

 




書き忘れてましたが、
呪文や展開の設定は映画と小説を3で割って
残った3分の1にオリジナル要素を
加えるような感じになります。
それにしてもこの話、
小説だとたった13ページなんですよね…
賢者の石だけでもいつ終わるのか…
気長に読んでいただければ幸いです。

読み返したら小説8割だったんだぜ…

ちなみにシューティング・スターですが、
この世界では欠陥品もいい所な箒の
ようです。この箒を作った会社が
潰れているので。1つの会社を潰すほどの
クレームが鳴り響いたんでしょうね。

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