ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

46 / 76
学年末のテストって明確に
日数とか書いてましたっけ…
まあ二次創作物ですしすでに
なかったことも追加されてるので
その辺りは気にしないでください。



特別試験

「遅くなってしまって申し訳ありません。

ただいま戻りました。これからここを拠点に?」

 

「ああ、そうだ。急に場所を

移してしまってすまないな。

…見てこれたか?」

 

「はい。」

 

「では、やつをどう思った?

何か他の人と変わったところはあったか?」

 

「いえ、普通の人間と違いはないかと…」

 

「そうか。…では、彼女、

ラウラを見てどう思った?」

 

「特には、何も。

…何かを感じるべきだったでしょうか?」

 

「いや、お前がそう思うならそれでいい。

お前とラウラは違うのだから。

…まあ、本題に戻ろう。

見ればわかったと思うが、やつは

かなりの手練れだと思う。今のお前では

捕縛は難しい。おそらくは殺してしまうだろう。」

 

「彼女には聞かなければならないことが

ありますが手加減ができるかどうか…」

 

「そうだ。わかっているならいい。

我々の計画は来年からだ。それまでは…」

 

「はい、あの方のために頑張ります。」

 

「ああ、期待しているよ、俺の娘。」

 

 

「「くしゅん!」」

 

大広間で朝食を食べていたアミリアとラウラは

同時に大きなくしゃみをした。

 

「ん?二人とも風邪かの?」

 

「いや、そんなことはないと思うけど…」

 

「誰かが噂でもしてるんだろ。

ラウラがしっかりとやってるかとか。」

 

「うーん、心配されてるかもってのは

否定できないね〜。」

 

「父が心配でもしておるのかの?

それともまた母が何かをやらかして、

どうしてこんな時にラウラはいないんだ、

とか嘆いていたりするのかもしれんの。」

 

「それもまた否定できないことだな…

ランディさんは無事だろうか…

いや、今はそれは気にしないでおこう。

どうだアイギス。今日のテストはいけそうか?」

 

「問題はないはずなのじゃが、

さっきから少し震えが止まらなくての…」

 

「緊張してるとちゃんとした実力を出せないよ?」

 

「それはわかっておるが…」

 

「今までやってきたことをすれば大丈夫だ。

私たちが保証するさ。とりあえず

深呼吸でもしてみればいい。」

 

「スー…うむ、少し落ち着いたのじゃ。」

 

「あまり気負わないで。

アイギスなら大丈夫だよ。」

 

「…ありがとう、二人とも。

では行ってくるのじゃ。」

 

「ああ、昼に大広間で待ってるからな。

まずは午前中のテスト、頑張ってこい。」

 

「当たり前だけど、応援してるからね。」

 

アイギスはその言葉を受けて席を立ち、

二人に微笑んで大広間を出て行った。

 

「…アイギスってかわいいんだけど、

綺麗とは表現できないんだよね…

すっごく子供っぽく見えるから。

…あれ?そういえば

アイギスって羽ペンとか持って行った?」

 

「忘れたのかラウラ。テストでは

カンニング防止羽ペンを使うから

こっちで用意しなくてもよかっただろ?」

 

「あ、そっか。杖だけでいいのか。」

 

「ああ。…とりあえず、こちらも勉強するか。」

 

「…え?私?」

 

「ああ、当たり前だ。」

 

「で、でも、もうアイギスはテストに

行ったし、私だけやる必要も…」

 

「相変わらず魔法史はひどいじゃないか。

この教科だけは確実にアイギスのほうが

成績がよかったんだぞ?それに、

夏休みの宿題もあるだろう。

ラウラは魔法史の宿題、終わってるのか?」

 

「………ちゃんとやったもん…」

 

「なんだその間は…まあ、やってるなら

別にいいさ。今なら手伝ってやってもいいと

思っていたが、終わってるなら別に見る必要も…」

 

「ごめんなさい、嘘をつきました。

どうか手伝って下さい。」

 

ラウラは机に頭をつけた。

 

「はいはい。じゃあとりあえず私は

もう少し食べてから戻るから

準備でもして待っててくれ。」

 

「…まだ食べるんだね…

いや、予想はしてたけどさ。」

 

 

「…まずい、少し食べ過ぎたな…」

 

アミリアはお腹を押さえながら呟いた。

 

「珍しいね。アミリアが

配分を間違えてるなんて。」

 

「アイギスのことが気になってな。

そちらに気を取られていた。」

 

「教え子っていうと少し変だけど、

やっぱりそういうの気になるよね。」

 

「緊張で文字が大変なことに

なってなければいいがな…知識として

文字の書き方を知っていても、

アイギスは私たちほど文字に

慣れていないからな。それでも

最近は綺麗になってきているが。」

 

「そういえば、最初の頃にもらった手紙、

よくよく見返してみるとけっこう

ひどい字だったらしいね。」

 

「ああ。それを思えば十分に

早く慣れてきてはいるがな。

それで、宿題の準備はできてるのか?」

 

「ああ、うん、大丈夫。それで、まだできてない

手伝って欲しいのはこの部分なんだ。」

 

ラウラは机の上に数枚の羊皮紙を広げ、

それを見たアミリアは驚いた表情をした。

 

「ラウラが宿題をある程度自分でしていたのか?

珍しいな…槍でも降るんじゃないか?」

 

「私だって、少しは成長するもん。」

 

「それで、本当のところは?」

 

「お姉ちゃんとしては勉強が

できるところをアイギスに見せたかった。

それで宿題をやっていってて

わからないところがあって困ってたら、

アイギスが苦笑いしながら

『できないことがあってもラウラのことは

尊敬してるのじゃ。むしろラウラが

完璧だったら困る』って言われた。」

 

「…そうか。…勉強、頑張ろうな…」

 

「…うん…」

 

 

「アミリア先生、ありがとうございました。

おかげで先生に怒られずにすみます。」

 

昼になって大広間についたアミリアとラウラは、

アイギスを待ちながら雑談していた。

 

「完璧にしろとまでは言わないが

いい加減にレポートをちゃんと

書けるようにならないと後々困るぞ?」

 

「そうは言っても、そもそも課題が

難しくて自分の考えとか出てこないもん。

魔法史で、どうやったら種族間の衝突を

防げたかとか聞かれても、

そこにいたわけじゃないのに

わかるわけないじゃない。」

 

「色々あるだろ。譲歩を考えるべきだったとか。」

 

「だいたい、なんで衝突が起こるまで

それぞれを毛嫌いするのかがわからないよ。

仲良くしたほうがいいって私は思うんだけど。」

 

「種族によっては矜持や伝統が

あったりするし、ある程度は仕方ないこと

でもあるさ。もちろん、仲がいい方が

いいとは私も思うがな。

しかし、人間もそうだが他の種族でも

その者によって考え方も違う。

それに、他の種族と仲良くすると言っても、

人間にとっての吸血鬼のように、

捕食、被捕食の関係だってある。

それはさすがに毛嫌いしたって仕方ないだろ?

そもそも言葉が通じないのだっているしな。」

 

「はぁ…やっぱり難しいよ。

私たちとレーヴァやアイギスみたいに、

仲良くできたらいいのに。」

 

「それは難しいことさ。

どう頑張ったって、すべての者たちが

仲良くすることなんてできないよ。

同じ種族間でも嫌いな奴はいるものだしな。」

 

「もう…アミリアって夢がないなぁ。

もっと夢を見たっていいじゃない。」

 

「そう言われても私は私だからな。

考え方を急には変えることはできないよ。

まぁ、魔法なんてものが存在しているのに

夢がないなんて、君は何を言ってるんだと、

マグルの人には笑われるかもしれないがな。」

 

「まぁ、魔法は夢だからね。

私たちは普通に使ってるけど。」

 

そこにアイギスがやってきて

空いていた席に座った。

 

「待たせてしまったの。

遅くなってすまなかったのじゃ。」

 

「あ、アイギス、一旦お疲れ様。」

 

「午前のテストはどうだった?

ちゃんと文字は書けたんだろうな?」

 

「あー、うむ、多少荒れた気はするが

読める字ではあるはずじゃ。

テストの方はアミリアが言っていたところが

しっかりと出てきておおよそは

ちゃんと答えられたのじゃ。」

 

その答えにアミリアとラウラは胸をなでおろした。

 

「それならよかった。午後からは

実技が多くなるんだったっけ?」

 

「うむ、魔法薬学と変身術両方あるの。」

 

「それなら両方とも安心できるな。

どちらも得意教科だったろう?」

 

「居眠りしててもできるぐらい

得意だったよね。」

 

「いや、それはまずいじゃろう。

まさかラウラ、やっていたのではないじゃろうな?」

 

「まっさかー。ものの例えじゃない。」

 

「魔法薬学であろうと変身術であろうと

居眠りなんてしたら最悪死ぬぞ…

本来それぐらい危険なものだからな。」

 

「わかってるってば。いくら私でも

実技の時は寝はしないよ。」

 

「ということは座学では

寝てるということじゃな…」

 

「う…」

 

「今に始まったことでもないさ。」

 

「あー!バラさないでよ!

アイギスには内緒にしてたのにー!」

 

ラウラは顔を赤くして

アミリアに叫んだ。

 

「なに、予想はできておったから

そこまで気にせんでも別にいいのじゃ。」

 

「まあ、そうだろうな。」

 

「うう…酷いや…」

 

「…む、そろそろ行かないといけないか…」

 

「ああ、そういえば結構な強行軍で

テストを受けるんだったな。」

 

「まあ、もともと何日かに分けるテストを

二日で終わらそうって言うんだし休憩時間が

かなり短くても仕方ないね。」

 

「それも二学年分あわせてだしな。」

 

「本当なら一日に二、三教科ぐらいらしいが

一気に六教科分は受けていかねば

ならんからの。まぁ、これも二人と

一緒にいるためじゃ。

では頑張ってくるのじゃ〜。」

 

「行ってらっしゃいー。」

 

「実技でやらかすんじゃないぞ。」

 

そうして、アイギスは手を振って、

大広間から出て行った。

 

「…行っちゃったね。お昼、

そんなに食べれてなかったかもしれないね。」

 

「ああ!皿に料理が残ってるじゃないか!

アイギスめ…死ぬ気か…?」

 

「…いや、ご飯をたくさん食べなくても人間

そんなにすぐ死んだりはしないからね?」

 

 

それから三日後、アイギスのテストの

採点も終わり、結果が発表される時が来た。

結果を伝えに来たマクゴナガルの目元には、

うっすらとクマができていた。

 

「これが結果の紙です。よく頑張りましたね。」

 

アイギスが羊皮紙を広げると、そこには

たくさんの数字が並び、下の方に

合格という文字が書かれていた。

 

「よく頑張ったな、アイギス。」

 

「おめでとう!」

 

「アミリアが教えてくれたから当然じゃ。」

 

「うんう…ん?アイギス、私は?」

 

「ラウラは…ま、まあ励みにはなったのじゃ。」

 

「…」

 

「とにかく、アイギスにはこれを渡しておきます。

あと一週間でやっておきなさい。」

 

そうして手渡された紙には、

夏休みの宿題の範囲が書かれていた。

 

「はい、わかりました。」

 

 

「よかったね、アイギス。」

 

「うむ、これもアミ…二人のおかげじゃ。」

 

「それで、夏休みの宿題をしなければ

いけないのか。まあ、ラウラと一緒に…」

 

「もう終わっておるのじゃ。」

 

「え?」

 

「なんだ、そうだったのか。」

 

「いや、だってさっき渡されたばっかりじゃ…」

 

「ラウラが見ていた紙でだいたい範囲は

見たからの。できることはやっておいたほうが

いいと思ってやってたらいつの間にか

終わっていたのじゃ。」

 

「そんな…私はまだなのに…」

 

「そこまで難しくはなかったじゃろうに。」

 

「私には難しかったんだよ!

…もう魔法史なんて無くなればいいのに…

それに二人とももう終わってたなんて…」

 

「手伝うから気を落とさないでほしいのじゃ。」

 

「大丈夫だ。残りの量からすれば

今日中には終わるさ。」

 

「…なんていうか、妹に助けられるのも

複雑な気分がする…」

 

「ラウラは背伸びしても仕方ないだろうに。」

 

「…アミリア、少しひどくない?

いや、自覚はしてるけどさ…」

 

「あまり気にするでない。

純粋に姉妹とも言えないし、

生きている時間なら妾のほうが数十倍

長いのじゃからな。」

 

「それでも見た目がコレだからねぇ…」

 

「…何か、文句でもあるのかの?

喧嘩を売ってるなら買ってやるが?」ゴゴゴ…

 

「い、いや、なんでもないよ!」

 

「それならいいのじゃ。」

 

「とにかく、手伝ってやるから

とっとと終わらせて夏休みを満喫するぞ。」

 

「うん、ありがとね、二人とも。」




「ということで三年生として
アイギスには参加してもらう。
ま、メタ的な話をすると
作者が分けるのがめんどくさかったから
必然的にこうなったんだがな。」

「それでも一緒にいれるならいいのじゃ。」

「それで、今日の後書きはなんの話?」

「ああ、アイギスの絵を描いてみたらしい。」

「あー…あれか。」

「どんな感じなのかのー?」

「とりあえず載せようか。
この紙に描いている。」


【挿絵表示】


「ふむ、こんな感じなのか。
…ん?二人ともどうしたのじゃ?」

「…いや、私たちに比べてアイギスのは
丁寧だなーって思って…」

「ラウラはまだいいじゃないか…
一応色つきの絵も描いてくれてるんだからな。
私なんてこの男女はだれなんだって
ツッコミを入れたぐらいの絵しかないんだぞ…」

「…なんか、すまんかった…」

「「…」」

「こ、こんなお通夜のような雰囲気では
続けられんからここで終わるのじゃ!
では、また次回!
見てくれてありがとうなのじゃ!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。