ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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夏休みの変わった日常

「む?アミリア、何をしておるのじゃ?」

 

次の日、珍しく休憩時間を入れたアミリアの

していることに、アイギスは疑問を持った。

 

「何って…見ての通りここ最近の新聞を

読んでいるのだが?余裕がないと思って

暇を取っていなかったがアイギスが

頑張ったからな。余裕ができたから

この間からためてしまっていた新聞を

読んでいっているんだ。」

 

「新聞を読んでいるということはわかるが…

いや、本当に読めておるのか?

一枚を数秒程度しか見ておらぬが…」

 

「ああ、アミリアの文字を読むスピードは

すっごい早いからね。しかもそれを

ほぼ丸暗記できるんだから羨ましいよね〜。」

 

「私だって昔からこうだったわけではないぞ?

文字をたくさん読めば自然と読むスピードは

早くなるものだ。覚えるのだって、

頭の中のことを整理しながら読めば、

そこまで難しいことでもないさ。」

 

「いや、そうは言うけど

普通にスピードがおかしいからね?」

 

「ラウラはもっと本を読んだほうが

いいと思うのだがな…ん?」

 

その時、アミリアがとある記事を見つけた。

 

「ラウラ、手紙を書く用意をしたほうが

いいかもしれないぞ?」

 

「え?誰に?」

 

「ロンに、だ。ほら、ガリオンくじに

アーサーさんが当たったらしい。

家族でエジプトに行ったそうだぞ。

お祝いの手紙を書いておいたらどうだ?

私も書きたいし。」

 

「おお、それはめでたいのう。

ロンというのはハリーともう一人いた子で

あっているのかの?」

 

「ああ、そうだ。あの赤毛で背が高い男子だ。」

 

「ああ、そういえば秘密の部屋の時、

蛇になってアミリアの服の中に隠れて外の様子を

わくわくしながら見てたって言ってたっけ。

ねー、アイギスー。」

 

「わ、わくわくなどしておらんかったぞ!」

 

「はいはい。」

 

「ふふ、それにしても楽しそうだ。

この写真を見てると、どうしてこういう家に限って

お金がなかったりするのかと疑問を持つな。」

 

「なんかわかる気がするよ。

思いつく中でマルフォイ家はお金持ちだけど

嫌な人ばっかりだしね。」

 

「ずいぶん評価が低いものじゃな。」

 

「いや…あそこの家は時代遅れも

いいところだしな…私も好きにはなれない。

自分たちは純血だから立場が上だと思ってるんだ。

今時そんなこと言ってもどうしようもないし、

純血であろうとなかろうと、

その者自身が何か変わるわけでもない。

気にするだけ無駄なことだ。

そんなこと考える暇があるなら教科書の

一つでも読んでるほうが有益だよ。

…ということで、再開しようか。

はい、二年生用の薬草学の教科書を開いてくれ。」

 

「もう始めるのかの?」

 

「私が新聞を読み終えたからな。」

 

「いや、アミリアが読むスピードじゃ

休憩時間がすごく短くなっちゃうよ…」

 

多少文句を言いながらも

アイギスはテキパキと準備をして

勉強を始めた。それを見たラウラは、

本当に追い抜かれるかもしれないと

少しだけ危機感を覚え、

隣で見てるだけのふりをしながら

しっかりと教科書を読み込もうとしていた。

 

(私は一応アイギスのお姉ちゃんになったんだから

頑張らないと…アイギスがこんなに

真面目だったなんて…これじゃあ

他の人にダメな姉とか思われちゃうよ…

…あれ?こんなこと習ったっけ?んん?)

 

 

その日の夕食の時間、

アイギスとラウラがアミリアに

戦慄していたところで、

アミリアがラウラに話しかけた。

 

「どうして最近はアイギスよりも

ラウラのほうが疲れているんだ?」

 

「え?あ、ああ…私も頑張ろうと思ったら

気合いが入りすぎちゃって…

というかあんなの習ったっけ?

全然覚えてないんだけど…」

 

「疲れるのは今まで勉強から逃げてたツケだな。

それによく考えてみろ。ラウラは

授業を受けてなかったじゃないか。」

 

「え?いや、私がいくら勉強が嫌いでも

抜け出したりはしてな…あっ…」

 

「ラウラは石になっておったな…」

 

「…私も勉強しないといけないってことか…」

 

「まあ、よかったじゃないか。

こんなことにならないとラウラは

勉強しないだろうからな。」

 

「そうかもしれないけどさ…」

 

「アミリア、この後は何を勉強するのじゃ?」

 

「やる気じゃないか。何かあったのか?」

 

「ほんとだよ。どうしてそんなに

やる気が出るの?」

 

「やること全部が新鮮じゃからな。

教えられることで退屈することなんてないの。」

 

「ああ、そういうことか…

なんかそう思えるのって羨ましいような…」

 

「では真っ暗な洞窟の中で独りで何十年も、

何百年も過ごしてみるかの?」

 

「やめてください死んでしまいます…」

 

「ラウラはもう少しやる気を出そうな?」

 

「うーん…なんかね、教科書のやつを

そのままやるのって面白いと感じないんだよね…

なんていうか結果が分かってるっていうかさ。」

 

その答えにアミリアはため息をこぼした。

 

「あのな、ラウラ。そういうのは

しっかりと安全に魔法を使えるように

なってからにしろ。小さい時に

父上の杖を持って適当に振って

どうなったか覚えてないのか?」

 

 

「ねーねー、ダールトさん、

この杖触ってみてもいい?」

 

「ああ、構わないよ。」

 

「ラウラ、何をする気なんだ?」

 

「なんだか魔法を使えるのって、

憧れるなぁって思って。

ほらこうやるんでしょ?えーい!☆ミ」

 

ポンッ!フヨフヨ…

 

「ん?これはいったい…」

 

「なんだ?私の杖から光の球が…」

 

キィィン…ドゴォォォォン…パラパラ…

 

「「…え?」」

 

「あ、あれれ?…なにが起きたの?」

 

 

「あの魔法のせいで父上がずいぶん

魔法省の人に怒られていたんだからな。」

 

「あ、ああ、あのことね…

でも、あれがあったから一年生の時

助かったんだし…」

 

「それとこれとは話が別だ。

そもそも魔法というのは下から

積み上げて上達するものだというのに…」

 

「ラウラはとんでもない魔法を作っておったが…」

 

「ああ、前のアイギスの一件のことか。

普通はありえないはずなんだがな…

聞いた規模を考えるとおそろしく高難度な

魔法になっていると思うし、

闇の魔法と言っていたしな…

正しい心というか、ラウラはそういうのを

持っていると私は思っているのだが、

どうしてしっかりと

効果を発揮できているのか甚だ疑問だよ。」

 

「うーん…なんとなくでやったら

できちゃったから、どうしてと言われても…」

 

「これは魔法を舐めてるとしか

思えん発言、というものかの?」

 

「いや、アイギスもあんまり人のこと言えないよ?

いくら楽しくても二週間足らずで一年生のやつ

だいたい覚えてるって…早すぎるよ。」

 

「私からすれば二人とも

すごいと思うのだがな。」

 

「「一番おかしい人が

何をいってるの(じゃ)…」」

 

「いや、私は努力しているだけだし…」

 

「私よりたくさん魔法を使えて!」

 

「早いと言われた妾より、

さらに早く教科書を理解する!」

 

「こんなのでおかしくないとは!」

 

「絶対に言わせんぞ!」

 

「なんだそのチームワークは…」

 

「私たちは仲良しだからねー。」

 

「ねー、じゃ。」パチーン

 

「アイギスはずいぶん変わったものだな…

まあ、いい傾向なんだろうが。」

 

「ああ、みなさんここにいましたか。」

 

わいわいと三人で喋っていると、

少し早足気味でマクゴナガルが

大広間に入ってきた。

 

「前に言っていた変身術と魔法薬学の実習ですが、

明日の午前と午後に分けて一度

行うことにしました。朝食を食べたら、

まずは変身術の教室へ来てください。

理論はちゃんと教えてもらいましたね?」

 

「おそらく大丈夫じゃと思います。」

 

「ミス・フラム、どのあたりまで

変身術の勉強は進みましたか?」

 

「一年生の分はあらかたと、

二年生の分に少し入ったぐらいまでです。」

 

「そうですか…わかりました。

では、準備をして待っています。

勉強をするのはいいですが、くれぐれも体調を

崩さないように気をつけるように。

あなたたちの両親や友達も心配しますからね。」

 

マクゴナガルは心配する様子を滲ませながらも

早口にそう言って、大広間から出て行った。

 

「先生、もう行っちゃったね。」

 

「ああ、本当に忙しいみたいだからな。

特にマクゴナガル先生は副校長でもある。

来年の授業の準備だけでなく、

魔法を知らないマグルの子のところへ

説明をしに行ったりもするんだろう。

そういうのは他の先生方もやるだろうが、

立場的に、人数も多いだろうしな。」

 

「なるほどのう。

とりあえず、この後は変身術と魔法薬学の

復習をするということじゃな。」

 

「ああそうだ。とは言え、

ほとんど期間も空いてないから

まだ覚えてるだろう?だから復習もほどほどに、

先生も言っていたし早めに終わろうと思う。

体調を万全にして集中しないと

変身術と魔法薬学はかなり危ないからな。」

 

「そうそう、集中してないと

真逆の薬ができたりするからね。」

 

「なかなかそれはないと思うが…

いや、何が起こるかわからないという点では

それも正しくはあるか。

…まあ、今は夕食だしその話は置いておこう。

ローストビーフのおかわりはまだかな…」

 

「アミリアはいつか学費が高くなると思うんだ…」

 

 

午前に変身術、午後に魔法薬学の実習を

マクゴナガルが確認していた。

そして、アイギスが最後の薬品を手渡した。

 

「…なるほど、多少粗がありますが

それぞれ、薬品はできていますね。

完璧とは言えませんが、十分に及第点と言えます。

この調子であれば十分に間に合うでしょう。

それでは、私はやることがあるので

すみませんが失礼します…」

 

またしてもマクゴナガルは

そのまま実習をしていた地下室を出て行った。

 

「いやぁ…すごいね、アイギス。

マクゴナガル先生がああいうなんて。

先生厳しいからなかなか及第点、

なんて言われないんだよ。」

 

「ああ、今日一日後ろから見てたが

よくできていたぞ。」

 

「そう言ってくれると嬉しい。

やる気も改めて出てくるというものじゃ。」

 

「あはは、これ以上やる気出されたら

私が抜かされそうだけどね。」

 

「魔法史はアイギスのほうが出来ると思うがな。」

 

「そ、それは言わないでよ…」

 

「まぁ、とりあえず夕食だな。

お祝い的にたくさん食べるぞ。」

 

「いや、わかっておるとは思うが

アミリアほどは食えんからな?」

 

「そうか?まあ半分は食べられるだろう?」

 

「いや、それも無理だから…いったい

メインを何皿食べてるか覚えてないの…?」

 

「いや、せいぜいじ…」

 

「「言わなくていいよ(のじゃ)…」」




「二人とも、少し困ったことになった。」

「なになに?どうしたの?」

「本文の妾達かの?それとも後書きの?」

「ある意味本文だ。というのも、作者が
何をトチ狂ったのか、他作品との
クロスをしてやろうかとか考えてるらしい。」

「他作品って…このハリー・ポッター以外の?」

「ああ。番外編のようにするらしいから
タグには追加しないらしいがな。」

「しかし…クロスと言っても、
番外編としてやるだけなら妾達が
迷い込んだりする感じになるのではないか?」

「まあ、そうなるな。新しく
設定を考えたりはしたくないらしいし。」

「そうなると少しまずくないかの?
その世界と理が違うから、妾達が出来ること、
まあ魔法じゃが、それで間に合わない
世界とかじゃったら困る。」

「確かに…それとか魔法なんて全然
使えないとこでも困るよね…」

「しかし、そうはいっても作者が
やらかしてしまいそうだからな…
私たちはできるだけマシな世界に
飛ばされるのを祈るだけだ。」

「止めたりは出来そうにないのじゃな…」

「だろうねぇ…」

「ま、作者の気まぐれなんて今に
始まったことでもないさ。
だいたい、アイギスだって作者の気まぐれで
生まれてきたようなものだ。」

「いきなりのカミングアウトじゃな…」

「私たちに制御できるものではないんだ。
諦めるしかないさ。さて、
とりあえず今日はこれで終わろうか。
中途半端になってしまったしな。」

「「「今回もありがとうございました!
次回もお楽しみに!」」」

「ちなみに、読者のみんながやめろって
言うなら、もしかしたら止まるかもね。
もしかしたら…」

「二回繰り返したことで、もう諦めてるのが
バレバレじゃな…」

「私達はあくまで登場人物、
逆らうことなどできない…」

「アミリアは変に悟りを開いておるな…」

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