ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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亀更新と言ったな?あれは嘘だ。
えー、はい、すいません。
亀更新タグをどうするか非常に
迷っているヴァニフィアです。ストックが
なくなっても書きたくなると
逆に止まらなくなるんですよね…
2016,5/16改訂


授業開始◆

ーやめて、やめてよー

 

ーふざけんなー

 

ーそうだ、そうだー

 

ーお前の蛇せいであいつは怪我したんだぞー

 

ーこの化け物ー

 

ーッ、違う…あれはレーヴァのせいじゃ…ー

 

ー何をしている、貴様らー

 

 

ラウラは目を覚ました。

その目には眠気からではない涙が浮かんでいる。

ラウラが起きると同時に、

眠そうにアミリアも

目を覚まし、ラウラを見ていた。

 

「…ラウラ?大丈夫か?」

 

「え?あ、うん。大丈夫だよ。」

 

「…また、あのことを…?」

 

「大丈夫、大丈夫だから。

今はアミリアもいるし、ね?」

 

「…辛ければちゃんと言うんだぞ?」

 

「ミ〜」

 

「ほら、リューナクも慰めてくれてるぞ?」

 

「ありがとう、アミリア、リューナク。」

 

アミリアと、ラウラの白い子猫、

リューナクに慰められ、

ラウラはいつもの元気を取り戻す。

2人はホグワーツの制服に着替え、

朝食を食べるために食堂に向かった。

食堂にはすでにちらほらと

人が座り、朝食を食べていた。

アミリアとラウラも席に座り、朝食を食べ始める。

しばらくすると、何羽かのフクロウが

食堂の天井付近の窓から入り、手紙や荷物などを

届け先の生徒に落としていく。

その中に、特徴的な白と赤の羽を持つ

アミリアのフクロウ、ルニルが

アミリアとラウラに手紙を落とす。

 

「あ、お母さんからだ。」

 

「私は父上からのものだな。

ありがとう、ルニル!」

 

ルニルはその言葉にホーと鳴き、

飛び去った。2人が手紙を確認すると、

それぞれ家からの連絡だった。

 

「ふふ、お母さんったら心配性だなぁ〜。」

 

「私の父上もどうやらエミリーさんと

同じようだな。まったく、

要件が同じなら家が隣なんだから

まとめて書いてくればいいものを。」

 

「まあまあ、いいじゃない?こういうのも。」

 

「…まあ、そうだな。」

 

2人は笑顔になりながら手紙を読み、

朝食を食べ終わった後、授業に向かった。

 

 

「急げ、ラウラ!

初めの授業から遅刻など冗談じゃない!」

 

「ハァ、ハァ、分かってるけど、

ちょっと、もう、無理 …」

 

アミリアとラウラは走っていた。

というのも、この学校では

動いたり、突然途中が消える階段、

特定のところをくすぐらないと開かない

扉など、例をあげればキリがないほどの

生徒からすれば迷惑極まりない魔法のせいで

アミリアとラウラは迷った結果、

授業に遅刻しそうになっていたからだ。

 

「父上があまり朝食に

時間をかけるなと言っていたのは

こういうことだったのか!」

 

「ちょ、ちょっと、待って…」

 

そうしてアミリアはラウラを

引っ張りながら廊下を走っていく。

最後の方はほとんどアミリアが

背負って全力疾走していた。

 

 

初めの授業は『妖精の魔法』だった。

アミリアとラウラは授業開始時刻ギリギリで

間に合ったが、教室には半分ほどの生徒しか

いなかった。

 

「なんとか…間に合ったか…」

 

「アミリア…私もう、限界…」

 

間に合いはしたものの走ってきたため

2人はしばらく肩で息をしていた。

 

「ラウラは、最後の方は…

背負われてただけじゃないか…

ふう、そういえばハリーがいないな。

私たちと同じ目にあってなければいいが…」

 

「あはは…」

 

アミリアの言葉にラウラは

苦笑いを返すことしかできなかった。

授業が始まってからも少しずつ

生徒が遅れて入ってくるが、

先生が厳しくはないからか、または

毎年のことだからか、あるいは両方か、

特に怒ることもなく先生は生徒を

着席させ、生徒達の前でどのような魔法を

教えるのかを実演していた。

 

 

1年生のグリフィンドール生たちは

ある部屋で自分たちの寮監の先生である、

マクゴナガルの話を聞いていた。

 

「ー変身術はここで学ぶ

呪文の中で最も危険なものです。

いい加減な態度を取るものは

二度とクラスに入れることはありません。」

 

と、説教にも似た授業内容、『変身術』についての

説明が終わり、手本として机を豚に変え、

再び元の姿にもどした。何人かの生徒は

感激し、その後の授業を聞いていた。

そのあと、課題として

マッチ棒を針に変えるという課題が出された。

 

「うーん…どうしても尖らないなぁ…

微妙に色もなんだか変なような…

アミリアは出来た?」

 

「…」

 

「アミリア?」

 

「ん?なんだ?」

 

「いや、針にはなったのかなって。」

 

「まぁ、それは出来たよ。」

 

「え、出来たんだ。じゃあ何してるの?」

 

「裁縫用の針が少なくなっていたから

今持っていたマッチを授業の確認がてら

一通り針に変えておこうと思ってな。」

 

「そんなことをしてたんだ。

…って、それ何本ぐらいあるの?」

 

「今23本目が出来たところだ。」

 

「よくちゃんとできるね…」

 

「理論がわかれば問題ない。

向こうでハーマイオニーもできたようだぞ?」

 

「あ、本当だ。」

 

「ミス・フラムも出来たようですね。」

 

「ああ、マクゴナガル先生。

ええ、なんとかできましたよ。」

 

「何本もあるようですが…

一本、借りていきますね。」

 

マクゴナガルは2人の針を生徒に見せ、

その2人に微笑みを見せた。

 

「あとで使うようですからお返しします。

前に私が言っていたことを

実践しているようで安心しました。」

 

「できることは多いに越したことは

ありませんからね。」

 

「ええ、その通りです。

この調子で頑張りなさい。

それでは次の授業もあるでしょうから

そろそろ向かいなさい。」

 

「はい、わかりました。行こう、ラウラ。」

 

「え?あ、うん。」

 

アミリアとラウラは教室を出て

次の授業に向かった。

 

「アミリア、いつマクゴナガル先生と

会ってたの?私は見た覚えないんだけど…」

 

「前にラウラのとこの店を

手伝った時にな。あの時は、

ラウラは違う客席のところにいたから

見なかったんだろう。」

 

「ああ、そうだったんだ。」

 

 

その後も、敷地内にある温室での

『薬草学』や、唯一担任がゴーストであり、

話し方のせいか、とても退屈な『魔法史』、

水曜の夜には星の動きを

観察したりする『天文学』など、

様々な授業を受けていった。

そして、少なくない生徒が楽しみに

していた『闇の魔術の防衛術』の

授業がやってきた。しかし、

その教室にアミリアとラウラが入る時、

ただよう異臭に顔をしかめた。

 

「う、アミリア、なんだかここ臭いよ。

教室間違ってないよね?」

 

「あ、あぁ、間違ってはいないはずだが…

これはにんにくの匂いか?それに

あそこの壁に魚の頭が引っ掛けているな。

…もしかして吸血鬼対策か?」

 

「え?どうして?」

 

アミリアの予想にラウラは根拠を聞こうとする。

 

「吸血鬼はにんにくの匂いが嫌いだそうだ。

また、日本ではイワシの頭は魔除け、

特に鬼に対して強力な効果を持つという

言い伝えがあるらしくてな。

にんにくの匂いが苦手で鬼という名をもつ

生物は私の知る限りでは吸血鬼くらいだ。」

 

「へぇ〜、そうなんだ。

よく知ってるね?そんなこと。」

 

「私の家はさすがにこの学校ほどでは

ないがかなりの本が置いている。

身を守る為に怪物の特徴や

弱点は知る機会があるなら

知っておいたほうがいいと思ってな。」

 

「でも、あのダンブルドア校長のいる

この学校に侵入するぐらいの吸血鬼に対して

効果ってあるのかなぁ…?」

 

「…おそらくないな…」

 

そんなことを2人で話していると、

授業担当のクィリナス・クィレルが

前に立ち、どもりながら説明を始めた。

アミリアとラウラもだが、

担当の挙動を見て残念そうにする

生徒はかなり多かった。

その授業中、ラウラは

じっとクィレルを見ていた。

 

「…」

 

「ラウラ?一体どうしたんだ?」

 

「いや…うん…なんだか

クィレル先生には

逆らっちゃいけないような

そんな気がして…なんだろう…」

 

「逆らってはいけない?どうして?」

 

「わからないよ。矛盾しているようだけど、

私自身は全然そんな気はないんだよ?」

 

「まぁ…先生の言うことを無視するのも

アレだからそれでいいんじゃないか?」

 

「うーん…まあ、そうだね。」

 

 

「今日の始めの授業はなんだったっけ?」

 

「…『魔法薬学』…だそうだ。」

 

授業が始まってから3日ほどたち、

ある程度学校に慣れてきた日の朝、

アミリアとラウラは朝食を食べながら、

その日の授業の予定を話し合っていた。

 

「どこの部屋を使うの?」

 

「スリザリン寮の近くの地下牢だ。」

 

「少し遠いね。リューナクにミルクも

あげたいし、そろそろ一度部屋に戻ろう。」

 

「ああ、そうするか。」

 

そうして2人は早めに朝食を切り上げ、

一度部屋にもどり、リューナクに

ミルクをあげてから地下牢に向かった。

 

「なんだか怖いところだね…」

 

「大丈夫だ、ラウラ。地下牢とはいえ

ゴーストが出たとしても

この学校では珍しくもないだろう?」

 

地下牢の中には様々な植物や生物の干物が

ぶら下げられていたり、

ガラスの筒の中に何かの生物が浮いていたりと、

地下牢の不気味さをさらに際立たせていた。

そして、しばらくして、地下牢の入り口の

木の扉が音を立てるほど強く開かれ、

授業担当のセブルス・スネイプが

教壇に立ち、出席を取る。

教室にはグリフィンドール生と

スリザリン生が座っている。

 

「ハリー・ポッター…

我らが新しい、スターだね…」

 

と、ハリーの名前を呼ぶ時に

そのようにスネイプが言った時、

スリザリン生から冷やかしの笑い声があがる。

出席をとりおわると、スネイプは

授業の説明を始める。雰囲気に

あてられてか、喋るものは誰もいなかった。

 

「ー我輩が教えるのは名声を瓶詰めし、

栄光を醸造し、死にすら蓋をする学問である。

ただし、君達が今まで私の持ってきた

生徒より君達がマシであれば、だが。」

 

そこまで言って少し間を置いた後

スネイプは大声でハリーを呼ぶ。

 

「ポッター!

アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを

煎じたものを加えると何になる?」

 

ハリーは全く分からない様子で、

隣に座る赤毛の男の子に目を向けている。

 

(アスフォデルの球根にニガヨモギ…?

これは高学年…たしか6年生で

習うものではなかったか?)

 

答えが分かったアミリアは疑問を持つ。

アミリアのすぐ後ろではハーマイオニーが

高々と手を挙げている。

 

「わかりません。」

 

「では、ベゾアール石を見つけるには

どこを探せばいい?」

 

スネイプはハーマイオニーを無視して

1年生では習わないことについての

質問をハリーに続けていく。

 

(スネイプと言ったか…

ハリーがいくら有名でもホグワーツの

教師ならばマグルの中で過ごしていたのは

知ってるはずだが…なにか恨みでもあるのか?)

 

アミリアはそのように考えていた。

ちらと隣を見ると、首を

傾げ続けているラウラがいる。

後ろのハーマイオニーに、当てられない

だろうから手を下ろせと、ジェスチャーで

合図するが、ハーマイオニーは

下ろす気は無いらしい。

 

「ーとウルフスベーンとの違いはなんだね?」

 

その後も相変わらずハーマイオニーを無視し、

スネイプがハリーに質問を続ける。

 

「わかりません。ハーマイオニーが

わかってると思いますから

彼女に聞いてはどうでしょう?」

 

「…座りたまえ。」

 

すでに椅子から立った状態で手を挙げていた

ハーマイオニーを座らせ、

スネイプは問題の答えを話していく。

 

「ーとはトリカブトのことだ。

…諸君、なぜ今のをノートに

書き取らないのかね?ポッター、

無礼な態度でグリフィンドール1点減点。」

 

理不尽に点を引かれたハリーは

少しショックを受けるが、気にする様子もなく、

スネイプは生徒を2人組にしていき、

おできを治す薬を作らせる。

アミリアとラウラはペアになり、

薬を作るために材料を計ったりしていた。

 

「ええっと、次は干しイラクサ6グラムを

鍋に入れる?」

 

「9グラムだ。 それと、

その蛇の牙はもう少し細かく砕け。」

 

「砕けるわけないじゃない!

これでも私頑張ったんだよ⁉︎」

 

「ラウラ…気持ちはわかるが

薬の調合に蛇を使うことは

結構多いんだぞ?今のうちに慣れないと

それこそ調合ができなくなる。」

 

「うう〜…でもぉ〜…」

 

ラウラは泣きそうになりながら、

蛇の牙を砕いていく。

その後はアミリアとラウラは

順調に調合を進めるていくが、

ハリーの席の近くのペアの鍋から

緑色の煙があがる。

その様子をみると、列車でカエルに

逃げられていたネビル・ロングボトムが

鍋から溢れた液体を被り、

全身におできを作っているのが見えた。

 

「バカ者!大鍋を火から降ろさないうちに

ヤマアラシの針を入れたな?

医務室に連れて行け。」

 

スネイプが苦虫を噛み潰したような

顔をしながらネビルのペアの

トーマス・フィネガンに指示を出し、

 

「ポッター、なぜネビルに

注意をしなかった?

グリフィンドール1点減点。」

 

と、授業開始の時よりも

遥かに理不尽な減点をハリーに言い渡す。

 

((これはひどい))

 

アミリアとラウラは同じことを思った。

 

 

魔法薬学が終わった後は授業がないため、

アミリアとラウラは図書館で

自習をする事にした。

 

「うー、あー…聖マンゴ魔法疾患障害病院の

設立者…ええっと…」

 

「マンゴ・ボナムだ。

わからなくなるなら授業で

寝なければいいだろうに。」

 

「いや、ビンズ先生の授業は

寝ずにはいられないよ…どうして

あんな喋り方で授業するんだろ…」

 

「さぁな。

まあ、やらなければいけないことは

後回しにするべきではないぞ?」

 

「それはそうだけど…

あれ?アミリアは何読んでるの?」

 

魔法史の勉強をしていたラウラが

アミリアをみて、読んでいるのが

本ではない事に気づく。

 

「ん?ああ、『日刊預言者新聞』だよ。

時事的な事は覚えておいて損はない。

若干眉唾なところがあったりするがな。」

 

「うーん、まあそうだね。

何か気になる記事はあった?」

 

「そうだな…」

 

アミリアはラウラの質問に

答えようと、それぞれのページの

見出しを軽く読み流していく。

 

「は?これはどういう事だ?」

 

「え?どうしたの?」

 

アミリアがある記事をみて動きが止まり、

ラウラがその様子を見て、

何が書いているかを聞く。

 

「この記事だ。『グリンゴッツ侵入さる』。

世界一安全な銀行と言われている

グリンゴッツで侵入者がいたらしい。」

 

「え、嘘でしょ⁉︎だって、あそこの警備は

凄く厳重だし、ドラゴンとかも

いるはずでしょ?それで、何を取られたって?」

 

「あぁ、ちょっと待ってくれ。

…ん?何も取られてない?」

 

「え?」

 

アミリアの予想外の答えにラウラは疑問を返す。

 

「侵入者がいたが、忍び込まれた金庫の

中身は侵入された日に空になっていたらしい。」

 

「侵入された当日に?」

 

「あぁ。かなり不自然だな。

…ん?7月31日に起きた?

ラウラ、7月31日に私達がどこにいたか

覚えているか?」

 

アミリアは事件の日付を見て、

ある事に思い至った。

 

「え?うーん…あ!漏れ鍋!

私達がハリーと初めて会った日だ!」

 

「ああ、そうだ。そして、ハリーが

いままでマグルの中で過ごしてきたことを

考えると私達と別れたあと銀行に

行っているはずだ。あれは昼頃だっただろう?」

 

「ハリーに聞けば何かわかるかな?」

 

「どうだろうな…まあ、次の木曜の

飛行訓練の後にでも聞けばいいだろう。

とにかくラウラは、今はもう少し

魔法史を頑張ることだ。

テストで苦しい思いをしても知らんぞ?」

 

「うっ…わかってるよぉ…

それにしても飛行訓練かぁ…

アミリアといつも草原で遊んだよね〜。」

 

「ああ。まあ、初めの頃は

お前はよく木に突っ込んで

父上に助けられていたがな。」

 

「あ、あれは仕方ないよ!

アミリアが乗れるようになるのが

早過ぎるんだよ!」

 

「母上の名にかけて

私が乗れないというのは困るからな。」

 

「あー…うん、まぁそうだけど…」

 

「どうした?」

 

「いやぁ…アミリアのお母さんの

アリシアさんが箒に乗った時を思い出してね…」

 

「…あれは…うん、忘れよう。

母上は私たちの練習中に

箒に乗ることはなかった。いいな?」

 

「そうだね…」

 

遠い目をしながら二人は魔法史の勉強に戻った。

飛行訓練をラウラは楽しみにしているが、

ラウラだけでなく、横にいるアミリアも

同じように楽しみにしていた。




授業が始まりました。
とはいえハリーポッターでは
事件がないと物語は始まらないのです。
日常風景をどこに差し込むか、
または番外編を作るか、これから
決めなければなりませんかね…

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