ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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「やったねアミリア!家族が増え…」

「おいばかやめろ。」


幕間 秘密の部屋〜アズガバンの囚人
新しい日常


三人がアミリアの家に着いた後、

おかえりパーティー(エミリー主催)をする前に、

ラウラの目の説明と

アイギスの説明をすることになった。

 

「…それで、秘密の部屋の中で魔法に失敗して、

なんでかわからないけど石になっちゃって…

この時にバジリスクの自由だった部分の

魂が宿ったのが…いや、

なんか違うかな…とにかく、

バジリスクが生まれ変わったっていう

感じで、アイギスがその時に人間になったの。

それでこの目なんだけど、目が覚めたら

なぜか弱めだけどバジリスクの目と同じだって、

アイギスが言ったんだ。アミリアとアイギスが、

もしかしたら魔法を使った時に

魂が混じったんじゃないかって…」

 

「実際、私もラウラの目を見て

数分気絶しましたし…」

 

「まあ…そんなことが…」

 

「不思議なこともあるものだな…

私も生まれてから魔法界にいるがこんなことは

聞いたこともない…」

 

「わら…私がラウラに無理を

させてしまったのじゃ…です…」

 

「いや、アイギス…だっけ?

君は気にしなくても…あれ?エミリー?」

 

「ラウラ…」

 

エミリーは静かにラウラに歩いて行った。

 

「お、お母さん?」

 

「どうしてお母さんたちやアミリアに

相談しなかったの…

私たちにも手伝えたかもしれないのに…」

 

「で、でも、こんな話…」

 

「大丈夫…私たちは信じられるから。

ここにラウラの言うことを

信じない人はいないわよ。

だからどんなことでも相談しなさい…

絶対に信じるからね。私たちは。」

 

そう言いながらエミリーは

ラウラを優しく抱きしめた。

 

「お母さん…ありがと…

心配かけちゃって、ごめんなさい…」

 

「うん…それで〜アイギスちゃん、だっけ?」

 

「…なんじゃ…ですか?」

 

「ああ、普段の口調で大丈夫よ〜。

さっきから無理してるみたいだしー。

それで、これからどうやって過ごすつもり〜?」

 

「ああ、エミリーさん、そのことですが…」

 

「その…アイギスも一緒に住んじゃダメ?」

 

「無理を言っているとはおも…」

 

「あら〜、いいわよ〜。家族が増えるわね〜。」

 

「…うん、エミリーだもんなぁ。

そうなると思ったよ。

じゃ、色々と手続きとかしに行かないと…」

 

「え?え?」

 

次々とまとまっていく話に、

アイギスは戸惑っていた。

 

ポン

 

その時、アイギスの後ろから

アミリアが肩を叩いた。

 

「…む?アミリア?」

 

「これからエミリーさんに振り回されると思うが…

ラウラとランディさんと一緒に頑張るんだぞ。」

 

「…え?」

 

 

それから数日、それぞれの両親が

仕事でいない時、三人でアミリアの家で

雑談をしていた。

 

「アミリア…エミリーさんは

どうにかならんのかの…

常識を教えてもらうはずの妾が

教えるはめになっておるのじゃが…」

 

「だから頑張れと言ったんだよ。

もうわかったと思うがエミリーさんの行動は

まったく読めないからな。」

 

「ラウラも…エミリーさんを

なんとかできたりせんのか?」

 

「なんとかなるならとっくにしてるよ…

十三年間一緒だからね…あれでもましに

なってるってお父さんが言うぐらいなんだよ?」

 

「…諦めるかの…」

 

「うん、そうしたほうがいい。

どうしようもないことだから諦めるのは

早いほうがいい。」

 

「ああ、そういえばアミリア、

ロンがハリーの家に電話しようとしたんだって。

今朝ハーマイオニーから郵便で手紙が来たよ。」

 

「ロンが?電話のことを知ってたのか?」

 

「ハリーが去年の夏休みにロンのお父さんに

教えたみたい。

…ダールトさんは教えてなかったのかな?」

 

「まあ、部署が違うからなぁ…

休憩とかで会って話す時は、電話とかの前に

他の話をしていて時間がなくなるらしい。

ハリーにゴムのアヒルはどんな機能があるのか、

とか聞いてたぐらいらしいしな。」

 

「ゴムのアヒル?なんじゃ、それは。」

 

「音がなるただのおもちゃだよ。」

 

「浴槽とかに置いてることがあるんだ。

浮かべて遊ぶだけの単純なものだよ。」

 

「…それ、意味あるのかの?」

 

「うーん…癒し?」

 

「い、癒しか…」

 

「ああ、そういえばロンの電話の話は

どうなったんだ?」

 

「それは…ロンがやりかた間違えたみたい…」

 

「何をしたんだ?」

 

「電話に向かって大声で叫んだみたい…

遠くにいるからそうしないと

ダメだと思ったみたいだって。」

 

「うわ、それはきついな…」

 

「電話ってあれのことかの?」

 

「そうだ。マグル界の遠くにいる人と

話ができる機械だよ。割と便利だから

覚えておいて損はないと思うぞ?

まあ、魔法界の人はあまり使わないと思うが。」

 

「条件が揃ってれば、フルーパウダーを使えば

直接会いに行けるからね〜。」

 

「ああ、今日の朝エミリーさんと

ランディさんが使ってたやつじゃな?」

 

「うん、そうそう。

…アイギス、私たち、もう家族なんだから

お母さん、お父さんって呼んでもいいんだよ?

アイギスは、もうアイギス・ブライトフォード

なんだから。遠慮とかいらないんだよ?」

 

「ううん…何というか…

お父さん、お母さんと言うものが

妾にはあまりわからなくての…

ずっと一人じゃったし、親のことなど

何も知らん。知っててももう忘れておるし…」

 

「そうなっちゃうのか…なんか、ごめん…」

 

「…もう一人じゃないからな。

私たちがいるのだから。」

 

「…ありがとう。」

 

「そういえば、結局アイギスはどうやって

学校にいるの?私といたいって言ってたけど…」

 

「ああ…うむ…それは…」

 

「…実際、どうすればいいんだろうな…

また隠れて過ごしていくのか?」

 

コンコン、ホー

 

窓から聞こえたその音に、

三人はそちらを見た。

 

「む?なんじゃ?」

 

「あ、ルニルだ。」

 

「ああ、新聞か。ん?手紙も届いたのか?

ありがとう、ルニル。ゆっくり休んでてくれ。」

 

「ホー。」

 

アミリアは新聞と手紙を受け取って、

ルニルをカゴに戻した。

 

「…ホグワーツであんなことがあったが、

まあ、解決済みの事件だし

ほとんど書かれてないな。

ほら、こんなに小さく書かれてる。

事実もほとんど書いてないしな。」

 

「本当だね。」

 

「とはいえ、学校としても大々的には

広められることでもないじゃろ?」

 

「まあな。ただ、平和だなと思ってな。

ほら、見出しはガリオンくじのお知らせだ。」

 

「それ見て今思ったけど、どうして魔法界は

物価が安いんだろうね?

ほら、マグル界のお金に換算すると

杖の値段でも、50ポンドかからないでしょ?

基本的には一生使うものって考えると

ずいぶん安いよね?」

 

「そうなのかの?」

 

「まあ、50ポンドでは一ヶ月暮らすのも

無理だなぁ…食費だけでも足り苦しいし…」

 

「だよね。」

 

「そんなに違うものなのじゃな…確かに、

ラウラの言う通り、

どうしてそこまで差が出るのじゃ?」

 

「あまりわからないが、おそらく魔法界のほうが

色々と便利だからじゃないか?

何かを作る時も魔法で終わりだからな。

人件費も多くはかからないだろう。

まあそれだけではないと思うが。」

 

「へぇ…そっか、今考えれば

魔法界って電気とかもないから

その辺のコストもないんだよね。」

 

「まぁ、だいたいそういうことだと思う。

ただ、ガリオン『金貨』だからな。

マグル界に持っていけば一ヶ月で

すまないだけの価値があるだろう。

法に引っかかるとは思うがな…

ああ、そういえば手紙が来てたな。

いったい誰宛のものだ…私とラウラ?」

 

「え?私たち?でも、ロンやハーマイオニーが

いつも使うような手紙じゃないよ?」

 

「誰からの手紙じゃ?」

 

手紙の差出人を見たアミリアは

そこに書いていた名前を何度も読み返した。

 

「…校長から…?」

 

「え?」

 

「校長…あの白い髭をした爺様かの?」

 

「ああ、秘密の部屋から出た後に

あった人だ…しかし、いったいなぜ?」

 

「とにかく、中を見てみようよ。

私たち宛なんでしょ?」

 

「ああ、そうだな。」

 

そうして、三人は机の上に

手紙を広げてそれを読んだ。

 

『二人とも夏休みは楽しんでおるかの?

といってもこの手紙が

着くのはかなり最初の頃じゃろうが。

まあその話は一旦置いておこう。

早速じゃが、今回手紙を書いた理由は…

わしがこの手紙を書いてる時はまだ

名前がわからなくての。君たち宛にしたのじゃが…

君たちが助けたあの子は、君たちと

一緒にいたいそうじゃの?

ホグワーツで魔法を学ぶというのはどうじゃ?

そうすれば一緒にいられるし、

友達も増えるじゃろう。

なに、過去に何者であったかは問わんよ?

わしの情報網によると、

あれは本人の意思とは無関係らしいからの。

それに、ホグワーツでは学びたい者には

分け隔てなく入学してもいいと決めておる。

来るもの拒まず、じゃよ。

それと、ラウラも大丈夫じゃったかの?

対処法が見つかることを祈っておるよ。

それでじゃが、二人が一緒にいないと

初めは不安じゃろうから、

三年生として編入する、ということにしてもいい。

しかし、そうすると勉強が遅れて

しまうのでな…あの子がホグワーツで学びたいと

言った時は、八月に入ってすぐぐらいには

三人で学校まで来てくれんかの?

ああ、それまでに学用品を用意するのも

忘れんようにな。三年生用の教科書リストも

同封しておいたから三人ともそれを見て欲しい。

先生方も忙しいから、二人にも

手伝ってもらって勉強をしてもらうでな。

来れないときは一年生からになるがどうするかね?

その時のために一年生のリストもある。

もちろん、ホグワーツで

学ばないというのもありじゃよ。

その時も、わしからは何も言わんのでな。

お忍びで来るのも大丈夫じゃ。

このことは、出来るだけ早く

返事を出して欲しいから

フォークスに七月中旬過ぎには一度行ってもらう。

その時に手紙を渡してほしい。

忙しいかもしれんがお願いしますぞ。

 

アルバス・パーシバル・ウルフリック・

ブライアン・ダンブルドア』

 

「…ハイ⁉︎」

 

「どうしてダンブルドア先生、

アイギスのことを知ってるの⁉︎」

 

「それになぜ妾が

何者なのかまで知っておるのじゃ⁉︎」

 

「…いったい、いつこんな情報を…

…あ、もしかして私たちの部屋…

まさか小さな絵でもあったのか…?」

 

「絵?どうしてそれだけでわかるのじゃ?」

 

「ああ…ホグワーツの絵は動いてて、

どういう仕組みか知らないけど

何故か絵と絵は繋がってるみたいなの…

私たちはまだ入ったことないけど、校長室に

ハリーが入った時、たくさん絵があったって。

歴代校長か誰かだろうって言ってたけど。」

 

「まあ、そういうことだ…それで、

アイギスはどうしたい?これは…アイギスが

自分で決めなければならないことだろう。」

 

そのアミリアの問いに、

アイギスは間髪入れずに答えた。

 

「…行く。何があっても行くのじゃ。」

 

「あれ?そんなにすぐ決めてもいいの?」

 

「当たり前じゃ。ラウラたちと一緒に

いれる時間が減ってしまうのは嫌なのじゃ…」

 

「そうか。よし、

じゃあとりあえず手紙の返事を書こう。

ああ、そうだ。学用品も買い揃えないと。

エミリーさんとランディさんにも

ちゃんと言わないといけないな。」

 




「え〜、予想はできてた人はいたかも
しれないが、今回からアイギスも
この後書きに登場してもらう。」

「というわけでアイギスじゃ。
よろしく頼むぞ」

「正直な話をすると主人公というか、
メインキャラってことだよね。
ここに来るってことは。」

「まあメタい話そうなるな。」

「元バジリスクの一般人じゃがな。」

「それは一般人とは言わないよ。
魔法はできなくても、アニメーガスだし。」

「まあ厳密には違うような気もするが、
そのあたりどうなんじゃろうな。」

「とりあえずそれは置いといて
少し今回は言う事があるんだよ。」

「説明?」

「ああそうだ。本文にあった
ポンドのレートのことだが、まあ、
50ポンドと言われても日本人からは
パッとこないだろうし、1990年代だから
そのあたりもずれてるからな。」

「ああ、確かにわかりにくいの。」

「そうは言っても作者はそこまで
ちゃんと調べたわけではないが、
適当に調べた結果、90年代当時は、
1ポンド=250円程度だったらしい。
間違えてるかもしれないがな。」

「それで、魔法界のお金との
差を私たちは話してたんだよね。」

「ああ。1ガリオン=5.14ポンド…
だったらしいな。まあ5ポンドぐらいだと
思ってくれ。それで、杖の話をしたが、
例としてハリーの杖を出そう。
これは7ガリオンで買っていたそうだ。」

「では、少し高めに見積もっても
40ポンドぐらいということじゃの?」

「ああ。そしてそれを
日本円に換算すると一万円だ。
まあ、物価が違う可能性もあるが、
もし現代で一万円だけでは、
一ヶ月過ごすのもしんどいだろう?」

「うん、日本円はあんまりわかんないけど、
40ポンドじゃ無理だと思う。」

「ま、そういうことだ。
そこまで細かくは調べてないから
このぐらいで説明は終わりだ。」

「じゃあ今日から三人で
最後の挨拶になるんだね。」

「妾もこれから
しっかりと挨拶するぞ。」

「「「見てくれてありがとうございました!
次回も見てね!」」」

「…ねぇ、アミリアもアイギスも
口調おかしくない?」

「わざわざ違いをかっこで表すと
読みにくいだろ?仕様だから気にするな。」

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