ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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秘密の部屋も今回でほぼ終わりました。
かなり設定に無理があると思いますが…
まあ、見逃してください。


目覚め

…あの声が聞こえたのはこちらの方か?

早く見つけて話を聞かなければ…

ロンを手伝って道を開くのもしないといけない。

ずいぶん開けたところに出たな…

ん?この床の模様…

 

「…ずいぶん古いようだが…血、か?」

 

「そうじゃ。ラウラのな。」

 

「なっ…⁉︎」

 

いや…振り返ってもいいのか?

いくらマンドレイクができたとはいえ

こんなところで石になったら…

 

「ああ、別にこちらを見ても大丈夫じゃよ。

もう妾にそんな力はないのでな。」

 

「…そうか。それで、君があの手紙…の…?」

 

「うむ、妾が元バジリスクじゃったモノじゃ。」

 

「…え?」

 

「え?」

 

いや、これはどんな冗談だ?

だって、今目の前にいるのは黒髪で、

ブカブカのグリフィンドールのローブを着た…

 

「…ちんまい女の子?」

 

「なっ、ちんまい言うな!

妾とてこんな姿になるなんて

思ってなかったのじゃ!

姿はそのままだと思っておったのに…」

 

そうは言われてもな…

手紙を書いてたから人型には

なってるんだろうとは思っていたが

これは予想の斜め上だぞ…

いや、でもこんなとこにいるんだから…

 

「信じられんなら妾の目を見ろ。」

 

「…!」ゾクッ

 

なんだ…この寒気は…

 

「人を死なせてしまわないこの目でも

まだ少しは力が残っておる。

意識しないと何も起こらんがな。」

 

これは信じるしかないのかな。

…というか何故ローブを持ってるんだ?

 

「ああ…まあ信じるが、

そのローブはどこから持ってきたんだ…?」

 

「む?これか?

少しラウラのを借りておる。」

 

「…まさか、あれはお前が犯人だったのか!

あの時は割と大変だったんだぞ!」

 

 

「ラウラのトランクが開いている?

…あれ?ローブが足りないんじゃないか?

ラウラ…また無くしてたのか?」ガサゴソ

 

ヒソヒソ

 

「ん?」

 

(やだー、アミリアがラウラのトランクを

漁ってるわよ…)

 

(いくら仲がいいからってあそこまでは…)

 

「や、ちがっ、これは、

ま、待ってくれ!話を聞いてくれー!」

 

 

「私が誤解を解くのにかなり

時間がかかったんだからな!お前が

ローブをとってなければ、ラウラの

トランクの中を見ることもなかったのに…!

犯人も見つからないから余計にタチが悪い…」

 

「あー…それはすまんかった。」

 

「ハァ…それで?本当のことを教えてくれるのか?」

 

「いや?妾からは教えられんよ。」

 

「じゃあどうしてここに私を呼んだんだ?」

 

「まず一つは説教じゃ。」

 

「説教?」

 

私は何か怒られるようなことをしたか?

 

「ラウラは危険な目に会わせたくないと

手紙で書いたはずじゃがな…

どうしてあの森に行ったのじゃ…」

 

「…どうして知ってるんだ?」

 

「まだ少し力は残っておると

言ったじゃろう?アミリアなら

ピンときてもいいと思うのじゃがな?」

 

あの森で起こった出来事…

あの、アクロマンチュラ…ハリーはアラゴグと

言っていたか…それと話をして…

蜘蛛たちに囲まれて…

 

 

いつまで経っても飛びかかられない…?何故だ?

 

蜘蛛はまだ動き出していない…

…何かに怯えているのか?

 

『蜘蛛が逃げるのは前触れ』

 

 

「そうか…あの時近くにいたのか…

知らない間に助けられていたんだな…」

 

「ラウラを悲しませんようにな。

あそこでアミリアに何かあれば

ラウラが泣いて悲しんだじゃろうて。」

 

助けたいと思うばかりで

自分のことを気にしていなかったな…

 

「それから、ここを見せたほうがラウラも

説明しやすいじゃろうし、妾も直接

ラウラの様子を見にここから出たいと思うてな。」

 

「…いや、それは無理じゃないか?」

 

生徒じゃないのに

うろついてたらかなりまずいだろうに。

 

「ああ、アミリアさえよければ

そこはなんとかなる。」

 

「…?あれ?どこに…小さな蛇?」

 

しかし、少しだけ普通の蛇と違う?

 

【何を惚けておるんじゃ。】

 

これは…

 

動物もどき(アニメーガス)?】

 

【まあ結果的にはそうなるが

どうしてできるのかは知らん。

妾に人と同じ魔力でも宿ったのかの?

まあ、この大きさならアミリアが

我慢してくれれば服に隠れることもできると

思うのじゃが…】

 

【…まあ、今まで色々助けてもらっているしな…

そのぐらいなら構わないさ。そういえば、

これからどうやって過ごすつもりなんだ?】

 

【ラウラが許してくれるなら一緒に

いたいのじゃがな。初めての友達じゃからな。】

 

(そうか…ラウラはお前も救ったんだな…)

 

【?…何か言ったかの?】

 

【いや、なんでもないさ。ところで

秘密の部屋の最奥部にはどうやって

行けばいいんだ?ハリーを助けなければ…】

 

【残念じゃがあの入り口からでは、

最奥部には、アミリアたちが

おった道を通るしかないのじゃ。

ちょうどあのあたりから一本道での。

パイプは繋がっておるが、鉄格子が

はめられていたりして結局通れんのじゃ…】

 

【…そうか。ではロンのところに戻るか。

じゃあ適当に隠れてくれ。】

 

【うむ、わかった。】

 

じゃあ戻るか…ロンは岩を崩せただろうか…

それにハリーのことも心配だ…

 

 

「ロン!」

 

「あ、アミリア!道は見つかった?」

 

「いや、こちらは行き止まりだ。

岩の様子はどうだ?」

 

「もう少しで隙間が空きそうなんだけど、

重くてなかなか動かないんだ…」

 

ううん…かなり大きな岩だな…

しかしこれをどかさなければ通れないな。

なにか使えそうな魔法は…

 

「そうだ、ぴったりの魔法があったんだった。

…ハリーが一人で行ってしまう前に

思いつけばよかった…」

 

「…アミリアって焦ると結構

頭が回らなくなるよね…」

 

「う…痛いところをつかないでくれ。」

 

「魔法?君、今魔法と言ったかい?」

 

ああ…そういえばいたんだったな…

 

「ハハ、魔法なんてあるわけないじゃないか。

そんなものがあるなら、私はこの場で

気絶でもしてみせるよ。」

 

「ステューピファイー麻痺せよー!」

 

「フグッ」ドサッ

 

「本当にそうしてもらおう…

対応に疲れてくる…」

 

「…あ、はは…

ま、まあとりあえずこの岩だよ。

お願いしてもいい?アミリア。」

 

「ああ。大丈夫だ。レデュシオー縮めー」

 

よし、上手くいったな。

これで人が通れるくらいの大きさの隙間はできた。

 

「すっごいなぁ。これなら

ハリーも十分通れるよ。ハグリッドだって

通れるんじゃないかな?」

 

(…む?アミリア、アミリア。)

 

(こんなところで話しかけないでくれ…

独り言を言ってたら怪しまれるだろうが。)

 

(ではそのままでいい。

妾の半身でもあったのじゃが、

どうやらバジリスクは死んだようじゃ。)

 

バジリスクが死んだ?

しかし、バジリスクはこいつ自身では…

 

(細かい説明はラウラから聞いてくれ。

その説明をするのは妾だけでは出来んと思う。)

 

「アミリア、どうする?

ハリーのところに行った方がいいかな?」

 

バジリスクが死んだということは、

おそらくは安全だろう…

この先は一本道らしいがパイプが繋がっている

ということは城内の

いろんなところに行くのだろう。

 

「…いや、ハリーはここで待っててと

言っていた。私たちが入れ違いで私たちが

いなければハリーは心配するだろう…

大丈夫、ハリーならきっと無事だ。」

 

「ううん…」

 

「…それに、こんなやつでも

置いていくわけにもいかんだろう。

エネルベートー活きよー」

 

「…ふぁっ…ううん…ここはどこ?私は何を…」

 

「この様子では

自身で動くこともできんだろうしな…」

 

 

「ロン!ジニーは無事だ!ここにいるよ!」

 

帰ってきたか…よかった、無事で…

 

「ああ、夢じゃないだろうな…ジニー、

いったい何があったんだ?」

 

まあ、水を差さないでおこう。

ハリーも無事で…

 

「…ハリー、どこでそんな生物を拾ってきた?」

 

「いや、僕が拾ったわけじゃないけど…

ダンブルドアの鳥だよ。」

 

「ああ、それなら納得だ。

不死鳥なんて生息地などわかってないからな。」

 

「ハリー、その剣はなんだい?

どうしてそんなの持ってるんだ?」

 

「それはここを出てから説明するよ。

それで、ロックハートは?」

 

「ああ、少し気の毒なことになって

あそこにいるよ。」

 

なんの歌かは知らんが鼻歌を歌っているな。

よくこんなところでできるものだ。

 

「僕の杖が逆噴射したみたいなんだ。

記憶が全部飛んでるんだよ。」

 

「ところで、どうやって上に行くか考えてた?」

 

あっ…しまった。ここを開くのと

こいつとの話でそんなこと忘れていた…

そういえばかなり滑り降りたんだったな…

 

バサバサ

 

「あれ?フォークス?」

 

「捕まれって言ってるように見えるけど…

大きくても鳥が持ち上げるにはこの人数は…」

 

「いや、そうでもないかもしれないぞ。」

 

「うん、フォークスは普通の鳥じゃないよ。

みんなで手を繋がなきゃ。

ジニー、ロンの手に捕まって。

アミリアはジニーのもう片方の手で、

ロックハート先生は…「君のことだよ」

ありがと、ロン。先生は

アミリアの空いてる手に捕まって。」

 

不死鳥か…見るのも初めて…

いや、見たことがある人のほうが珍しいか。

まさかこんなところで見れるとはな…

 

「じゃあ行くよ。」

 

…!体が軽い?これはすごいな。

 

「すごい!まるで魔法のようだ!」

 

割と耳元で叫ばれるとうるさいんだが…

感動するのはわかったから少し静かにしてくれ…

 

 

「…マクゴナガル先生、いらっしゃいますか?」

 

私はハリーたちがトイレから出ていく前に、

ラウラが心配だからと言って、

マクゴナガル先生の部屋の前に来ていた。

ラウラとこいつとだけで、話がしたかったからだ。

今この学校で一番偉いのは

マクゴナガル先生だからな。

お願いすればラウラも

運んでくれるかもしれないし。

おそらくは部屋の中には誰もいないだろう。

談話室でみんなで寝たと思うしな。

 

「…ミス・フラム?こんな時間に

どうしたのです?寮からは出ては

いけないと言ったはずですが…

しかしその格好はどうしたのですか?」

 

マクゴナガル先生が私を見ながら

そんなことを言った。

…まあ、あのバカみたいに長いパイプを

滑るうちにベトベトになってしまったしな…

ん?アーサーさんにモリーさんも来ていたのか…

 

「ロックハート先生の手伝いで

秘密の部屋の中に…ハリーとロンも一緒でした。」

 

「…!なんてことを…無事だったのでしょうね!」

 

「はい、大丈夫です。ジニーも、ハリーが

助け出してくれました。」

 

「それは本当かね、アミリア!

ジニーは…娘は無事なのか⁉︎」

 

「はい、アーサーさん。」

 

「それで、他の皆さんは?」

 

「ああ、もう少しでここに来ると思います私、

少しお願いがあるので、

先にここまで来たんです。」

 

「そうですか…それでお願いというのは?」

 

「ラウラのことです。

もう薬は飲ませたと思うので、

元に戻ると思うのですが、どうしても…

どうしても二人で話したいのです…」

 

「それは…しかし…」

 

「マダム・ポンフリーからはわしが言っておこう

ミネルバ、ラウラを運んでやってくれんかね?」

 

「校長…?いついらっしゃったので?」

 

「なに、ついさっきじゃよ。

なぜかわしを辞任させた理事たちから、

ホグワーツに戻ってほしいと言われての?

それで、どうじゃ、ミネルバ。」

 

「なるほど…そうですね。

もう半年近く話してないのですものね…

いいでしょう、今からすぐに運びましょう。

あなたたちの部屋でよろしいですか?」

 

「はい、お願いします。

…本当にありがとうございます、先生。

前もお見舞いに行かせてもらえて、

こんなお願いまで…」

 

「いえ、いいのですよ。では、行きましょう。」

 

「おお、そうじゃ。ミネルバ、

わしがいなかった間のことも

聞かないといけないから

できるだけ早く帰ってきておくれ。」

 

「わかりました。では他の子が

帰ってくる前には戻るようにします。」

 

 

そうして、私は部屋で、

ラウラが目覚めるのを待っていた。

石になっていた時と違い、

すぅすぅと寝息を立てていた。これを見て、

私はなんとも言えない安堵感を覚えた。

まだ真夜中だが…薬が効いているから

すぐにでも目をさますだろう。

 

「ハァ…ハァ…うう…

蛇のままでいるのが、ここまで疲れるとは…」

 

「何があったかは知らんが

ベースは人間になってるんだな…」

 

「まあ…別に構わんが…もしもまた、

こういう時があったら少しまずいかもしれんの…」

 

「ああ、ラウラと一緒にいたいと

言っていたな。まあ、学校に忍び込むなら

増えてしまうかもしれないな。」

 

「う、ううん…痛た…体が…」

 

「…!ラウラ?」

 

「あ、れ?この声、アミリア?」

 

目覚めたラウラを、私は抱き締めた。

ラウラが目覚めた時にかける言葉は決まっている。

 

「おかえり、ラウラ。」

 

「アミリア…うん、ただいま!」

 

「よかった…よかった、本当に…!」

 

「あはは、痛いよアミリア。」

 

「ああ、すまない。」

 

「…心配かけてごめんね。アミリア。」

 

「ああ、ほんと、う…に…?」

 

…なん、だ?これは…ラウラ…?

 

「どうしたの、アミリア?」

 

「ラ、ラウラ…どうしたんだ、その目は…?」

 

ラウラの右目が…金色に光って…?

 

「?目って何のこと?」

 

…っ⁉︎何だ、これ、は……意識…が…

 

……………

 

ドサッ

 

「え?アミリア⁉︎」

 

どうしてアミリアは倒れたの⁉︎

 

「…!ラウラ!その目は…」

 

え?…えーっと…

 

「…誰?」

 

「妾じゃ、バジリスクじゃよ…って今は

それどころではない!目を見せるのじゃ!」

 

「え⁉︎バジリスク⁉︎なんで人間に…

あ、でも喋り方が…」

 

「いいから見せるのじゃ!」

 

…あれ〜?どうして人間に…いや、

それよりもアミリアはどうして…?

バジリスクは私を見ても平気みたいだけど…

 

「これは…

力は弱いがバジリスクの目と…同じ…?」

 

「え?」

 

「…混ざってしまった…?」

 

「う、ううん…」

 

「あ、アミリア!」

 

「少し待つのじゃ。

とりあえずこれを右目に巻いておくのじゃ。」

 

「え?そうすればアミリアは

気を失ったりしない?」

 

「おそらくじゃが…」

 

「ぐ…ラ、ラウラ…」

 

「あ、もう少し待って、アミリア!」

………うん、多分もう大丈夫。」

 

「…ラウラ?なんだその包帯は…」

 

「…すまぬが、アミリア。

説明しなければいけないことが

少し増えたようじゃ。」

 

「増えた…?説明しなければならないことが…

あ、ラウラ、何をしたか話してくれるのか?」

 

「え?知らないの?」

 

「ラウラは妾に言ったじゃろう?

自分で話すから言わないで、と。」

 

「えっと…ごめん、起きたばかりで

まだあんまりはっきりしないの…」

 

えっと…私はどうして石になって…

 

「ラウラ、初めから話してくれないか?

そうすれば思い出してくるかもしれない。」

 

「…うん、そうしてみるよ。

えっと…まず私がしたかったことは

バジリスクを助けてあげたかったんだけど…」

 

「むぅ…名前がないと不便じゃな…」

 

「まあそれは落ち着いたら決めよう?」

 

「いつから気がついたんだ?

バジリスクが秘密の部屋の怪物だと。」

 

「あれは…そう、あの壁への文字が見つかった

時の声だよ。あの時に聞いたのが

蛇の声だって、私わかったの。

アミリアはそこまで得意じゃないし、

ハリーはそもそも蛇と話すのと人と話すのは

区別してなかったみたいだから、

わからなかったんだと思うよ。」

 

「それで、どうして助けたいと思ったんだ?」

 

「声が、何度思い返しても、

正気の声じゃなかったんだ…

無理やり言わされて、苦しんでるみたいだった…

苦しんでるなら、助けたいと思ったんだ。」

 

「しかし、それだけではバジリスクだと

わからないだろう?」

 

「ああ、それはね…えっと、

そのすぐ後ぐらいに、朝早く図書館に

行ったの、覚えてる?」

 

「…あの時に調べていたのか?

何か特別な…少なくとも生物を

石に変えるほどの力を持った蛇を。」

 

「うん、そういうこと。

それで、ロンが秘密の部屋のこと言ったでしょ?

あの壁への文字にも書いてたし。

それで、ビンズ先生が怪物が

閉じ込められてるって言ってたから、

その部屋を探したの。」

 

「私が寝てる間にか?」

 

「まあ、アミリアがっていうよりは

みんながってかんじだけどね。

それで、運良くすぐに部屋を

見つけられて、中に入ったんだ。それで、

入ってすぐぐらいのところで、声が聞こえた…」

 

 

【うう…妾は…またあの時のように…】

 

その声は、泣いていたんだ。

ちゃんとした感情がこもった声で…

 

【こんばんは。少しお話しできるかな?】

 

【…誰じゃ?妾に話しかけるなど…継承者か?】

 

【…私?うーん、一応資格はあると思うけど

そんなことしたくないんだ。

それに今この学校には、きっと

私を入れて2人か3人…少なくても

2人はいるはずだから。

ずいぶんな偶然だけどね。】

 

【なぜこんなところに来たんじゃ?

妾のところに用もなく何をしに来たのじゃ?】

 

【あなたは?どうしたいの?】

 

【…いきなりじゃな…しかし、妾に

ここまで普通に話しかけてきたのは

お主が初めてじゃなぁ…

妾がしたいこと…自由に、過ごしたいかの…

あんなこと…妾はしたくないのじゃ…】

 

【………そう、やっぱりね。

聞いてて思ったよ。普通じゃなかったって。

でもあなたは何故従うの?】

 

【妾は縛られたのじゃ…生まれてすぐに…

スリザリンと言う人物が、妾に…

闇の魔術で魂に刻んだのじゃ…

継承者の言葉は絶対…

遂行の為に理性はいらないと…】

 

【…そうなの。さすがは設立者、だね。】

 

【…結局聞いてなかったがお主は

そんなことを聞いて何が目的なのじゃ?】

 

【え?私の目的?それはね…

あなたを自由にしてあげたいんだ。

あんな声を聞かされて…心が痛くなったの…

だから、あなたを助けたい。自由にしたい。

それで、できれば友達になってほしいんだ。

どうかな?あなたにも条件はあるけど

悪い話じゃないと思うんだ。多分だけど…】

 

【…そんな…ことを…妾に…

…妾に、そんなことを言ってくれるものなど

いなかった…妾でよければ、友達になってほしい。

本当にそんなことを言われて…嬉しいぞ…】

 

【…ホント⁉︎ありがとう!】

 

【しかし…】

 

【え?何?…】

 

【妾のこの状態をどうするのじゃ?

悪意を持って妾に話しかけたものがいれば

それだけで妾は理性を失うのじゃぞ?】

 

【まあ色々大変だと思うけどなんとかするよ。

それまでは辛い思いをさせるかも

しれないけど…できるだけ早く

準備を終わらせてみせるから。待っててね。】

 

【…妾に、何もできないのがもどかしいの…】

 

 

「それが、私とバジリスクの出会いだったの。」

 

「そんな魔法が存在したのか…?

なんというものを…使い方によっては

どんな者でも操り人形にしてしまうような、

そんなふざけた魔法だ…

しかし、今は大丈夫みたいだが、なぜだ?」

 

「私が考えたのは、魂をなんとかして

分けれないかと思ったの。」

 

「な…ラウラ、魂に手を出したのか…?」

 

「ううん…手を出したといえばそうなるけど…」

 

「…手紙で言っていた

闇の魔術に類する魔法とは…」

 

「そういうことじゃ。」

 

「しかし、そんなものどうやって…」

 

「閲覧禁止の棚に忍び込んで、

参考になりそうなのを探したの。

見てるだけで気持ち悪くなるのもあったけど…

それでその中に、チラッと魂を

分ける魔法が載ってたんだ。

だから、それを私がなんとかして

アレンジしたのを使ってみたの。」

 

「…よくそんな魔法を自分の目的に

近づけれたな…相変わらずすごいな…」

 

「でも、その魔法は未完成だったんだ…

そりゃあ、まともに練習もできないから

当たり前なんだけどね…魔法を使った後…

うん、確か…思い出したよ。」

 

 

魂を分けるなんて繊細なこと、

違う身体じゃ絶対に上手くいかない。

だから、同じものを作り出してから、

それに、命令を遵守しなければならないって

いう魔法の効果が作用してしまってる

魂をうつそうとしたんだ。

 

「アニマライズー魂よ分かたれよー」

 

でも、当たり前だけど、

ちゃんと上手くはいかなかった。

 

(………こ、これは…どういうこと?

……私にはやっぱり制御がまだ…?

でも彼女を自由にするためにも…まだ…!)

 

「…あっ…!きゃぁ!」

 

魔法を使った時に吹き飛ばされて、

私は地面に倒れたんだけど、その時には…

 

(……あ………はは…

やっぱり…だめだった…か…

…バジリスクの…目…石に、なるから…かな…

少しずつ…動けなく…なってくなぁ…

…私…石に、なっちゃう…のかな………)

 

私は動けなくなっていったんだ。

 

ーラウラ、ラウラ!ー

 

今思えば、これはバジリスクの声だったんだね。

普通の女の子の声だから、誰だかわからなくって、

 

(あ…れ…?

誰の声だろ…目も…もう開けれない…し…

…今は…誰でも…いっか…)

 

「お願…い…アミリアに…紅茶を…

淹れて…あげ…て……

でも…約束、破っちゃった…から…

このことは…いわ…な…い……で……

…自分の…口から…ちゃん…と…………」

 

『ちゃんと言うから』…そう言おうとしたけど…

 

(…あ、もう…口も、動かない……や……

こん…な…ところで……石になっちゃって…

さっきの、声…もし、空耳だった、ら……

誰か…助けて…くれるの…か……な……

………このまま、だったら……

……さみ……し…い……な………)

 

 

「…そうして、私は石になっちゃったみたい。」

 

そんなことが…あの血はその時に

使ったものか。

 

「そうか…バジリスクはその願いを、

私に手紙で伝えたのだな…」

 

「そういうことじゃ。

それで、ついさっき分かったことなのじゃが、

あの魔法の作用がラウラ自身にも影響を

与えてしまったのか…ラウラの右目に

バジリスクの目が宿っておる…

魂の奔流の中心にいたからかの…」

 

「バジリスクの…目が?」

 

目が変わるなんて…?

 

「バジリスクの目は物理的なものではないのじゃ。

見ただけで死ぬなど、ありえんからな。

魂そのものの影響なのじゃ。」

 

「つまり…魂が混ざってしまって、

少しだけラウラに影響が出た…と?」

 

「うむ…かなり弱まっておるが…

妾の寒気を与えるだけの、

この残された力よりは強いと思うのじゃが、

それでも数分気絶させる程度のようじゃ。

それも、意識したときのみその効果が

あらわれるのじゃろう。最初に

アミリアがラウラの目を見たときは

気絶せんかったが、ラウラが右目を意識した時に

アミリアが倒れたからの。」

 

「…この右目ってそんなかんじのなんだ…」

 

「どうしたんだ?ラウラ。」

 

「お揃いだって思うと、少し嬉しいなって。」

 

「そう言われると妾も嬉しいのう。」

 

「…私は除け者みたいじゃないか…?」

 

「ううん、そんなことないよ!」

 

ザワザワ…

 

「あれ?なんか外が騒がしくなってきたよ?」

 

「…はぁ、妾はパイプの中で隠れておるよ。

少し進めば人になれるスペースが

見つかるじゃろうか…」

 

「ああ、そうだな。そうしてくれ。」

 

…隠れてくれたか?

 

コンコン

 

「?…誰だ?」

 

(あー、ネビルだよ。さっき

マクゴナガル先生が寮に来て、

秘密の部屋が解決したから宴が始まるって

言いに来たんだ。それで、先生が僕に

伝えに行ってって言ったんだ。

どうして男子の僕に頼んだのかはわからないけど…

ラウラの様子はどう?先生が

ここにいるって言ってたけど…)

 

先生は先生で少し浮かれていたのだろうか?

まあ、今はいい、か。

 

「ラウラ、行こうか。」

 

「…うん!」

 

「ありがとう、ネビル。宴は大広間か?」

 

「うん、そうだよ。」

 

「ネビル、久しぶり!」

 

「よかった、ラウラ。元に戻って…

ラウラが石にされて、学校中震えてたんだ。」

 

「そうなの?」

 

「あー、ラウラは純血だが石にされたからな。

マグル生まれは屑だとか言っていた

マルフォイもずいぶん怯えていたよ。」

 

「そうだったんだ。」

 

「まあ、今はいいか。

とりあえず宴だ!食べるぞ〜…」

 

「あはは、アミリアは変わらないね。」

 




「右目が…私の右目が疼くよ〜…!」

「なぜいきなり厨二病にかかっているんだ…
まあリアルに目が変わったのはあるが…
さて、今回も異様に長くなったが、
今回は予告通り、ラウラの絵があるぞ。」

「そうだった…
前のよりはマシだといいけど…」

「それでは…」


【挿絵表示】


「まあ、色付きだし、前よりはマシだろう。」

「相変わらず手書きだけどね。
しかも微妙に…いや、
かなりバランスおかしいような…」

「あまり気にしないでほしいところらしい。」

「あ、ハイ。」

「それで、今回の文字通り目玉と言うか、
注目点はこのラウラの目だな。
久々の本来の後書きの使い方を
しようかと思う。この目について。」

「ということは解説?」

「ああ。とは言っても本文で
効果は言っているし発動タイミングも
明かされてるがな。
書ききれてないことを言っておこう。」

「なるほどね。」

「まあ、メガネとかその辺りをつけた時の
効果なのだが、メガネほどの
透過率では普通に聞いてしまうらしい。
それに、そもそも目の形がおかしいから
かなり変な目で見られるかもしれん。
カラコンで隠そうにも、
おそらく効果は出てしまうだろう。」

「そうなのか〜。じゃあ本文の
私はこれからずっと包帯なの?」

「いやいや。本文でまた出るから
ここでは言わないが、私たちがいるのは
魔法界だぞ?そんな問題、
解決できて当たり前だよ。」

「そっか。まあ、ずっと包帯とか
それこそ厨二病だよね。対処できるなら
よかったよ。」

「まあ、ヒントというか、ほぼ答えだが
コードギアスというアニメを知ってるなら
その主人公が二期の時使っていた
コンタクトに似てるものを
使うと考えてもらえば分かりやすい。」

「コンタクトに細工して大丈夫なように
するってことだね。でもコンタクトかぁ…
目に入れるって怖そうだなぁ…」

「そうは言ってもバジリスクの目で
外をうろちょろしたら、
ラウラが通った道は死んではないが
死屍累々な状態になるからな。
そこは我慢してくれ。」

「仕方ないね。」

「さて、この辺りで終わりにしよう。
今回も本文と後書きで一万字超えたからな。」

「急に長くなって読みにくくなったり
してそうだけど大丈夫かな…」

「まあ、この作品は元々
作者が気まぐれで書いてるものだからな。
お気に入りに入れてくれる人がいれば
嬉しくて踊ってるが、いなくても
細々とやっていくだろうな。」

「作者の気まぐれねぇ…
何かのフラグじゃないのを祈ってるよ。」

「では、これで。」

「「見てくれてありがとうございました!
次回も見てくださいね!」」

「ついでに言うとラウラの目も作者の
気まぐれでできた設定だからな。」

「ええ⁉︎」

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