ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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「あ〜出番がないと暇だなぁ〜…」

「ラウラ、もう始まるぞ。
というかここ、前書きだぞ。」

「え⁉︎早く言ってよ!」



『不幸であり幸福』

あの手紙から時間は遡るが、

バレンタインの次の日、いきなり

ハリーが朝食を食べている時に

私やハーマイオニーに言い出した。

 

「ハグリッドだったんだ。」

 

「いきなりどうしたんだ?ハリーは。」

 

「昨日ハリーがいきなり言い出したんだ。」

 

「ハグリッドが50年前に秘密の部屋の扉を

開いたんだよ!」

 

「ハグリッドが?」

 

いったいなぜそんなことがわかるんだ?

 

「あの拾った日記はトム・リドルの記憶が

込められていて、彼が、怪物を匿ってた

ハグリッドを捕まえたのを見せてくれたんだ。」

 

「…だがハグリッドか…」

 

「ハグリッドが困ったことに

怪物を飼いたがることがあるのを知ってるだろ?」

 

「確かにそうね…でも、

リドルは犯人を間違っていたのかもしれないわ。

別の怪物がみんなを襲ったかも…」

 

「勘弁してくれよ…ホグワーツに

一体何匹怪物がいれば気がすむんだ?」

 

「ハグリッドはホグワーツから追放されたって

僕らはもう知ってた。きっとハグリッドが

追い出されてから誰も襲われなくなったんだ。

そうじゃなきゃ

リドルは表彰されなかったはずだから。」

 

…私はハグリッドが追放されたということを

聞いていたかな…聞いたような気もするが…

まあいい。聞いたことがあるかどうかは

今はどうでもいいんだ。重要なことじゃない。

 

「ハリー、ハグリッドと夜の闇(ノクターン)横丁で

出会ったっていってたよね?」

 

「肉食ナメクジの駆除剤を買いに来てただけだよ。

ハグリッドは何も悪いことはしてないはずだ。」

 

夜の闇横丁か…闇の魔法使い御用達の店が

多い通りだな。だがあのナメクジの

駆除剤なら仕方ない。あれは危険だし。

 

「…ハグリッドに直接聞くのはどうかしら?」

 

「いや、ハーマイオニー、さすがにそれは…」

 

「そりゃ楽しいお客様になるだろうね。

『やあハグリッド、教えて?

最近城の中で毛むくじゃらの

狂ったやつをけしかけなかった?』…」

 

「いくらなんでもそれはまずいだろう。

ハグリッドはそもそもそんなこと

話したくもないだろう?」

 

「そうだろうけど、どうしても気になるよ。」

 

「…自分から言いだしたことだけど

ハグリッドには言わない方がいいわよね…」

 

「そりゃそうだろうさ。」

 

「でもハグリッドは秘密の部屋の場所を

知っているのかも知れないんだ。」

 

「では、ひとまずは継承者が誰も襲われなければ

聞かないことにしよう。

これ以上被害が出れば何か知っている

かもしれないハグリッドに

話を聞かなければならないが、内容が内容だから、

ハグリッドを犯人と決めつけて

聞くべきではないだろうしな。」

 

「…そうね。ハグリッドだと決まったわけでは

ないのに聞きに行くのは酷だわ。」

 

そうして私達は一旦ハグリッドには

何も言わないことにした。その後、

ハリーにも私にもあの声は聞こえなくなり、

しばらく時間が過ぎていった。

 

 

イースター休暇になり、

私たち生徒には一つ

考えなければならないことができた。

来年の選択科目を選ばなければならない。

本来ならそこまで迷うようなものでもないのだが、

今の私にはかなり重要なことになっていた。

 

「…うー…ラウラが受けそうな科目は…

魔法生物飼育学は当然として…うー…」

 

…というようにラウラがどの授業を

選ぶのかを考えていた。

ラウラの意識がないからラウラが

どの授業を受けたいのかわからないのだ。

もちろん、ある程度は予想はつくのだが、

やはり完全にはわからない。

私はラウラではないからな。

 

「あら?アミリアはまだ迷ってるの?」

 

「…ハーマイオニーか…」

 

「アミリアならどの授業を

受けても大丈夫だとおもうけど?」

 

「いや、私のことはどうでもいいんだ。

だがラウラのことを考えるとな…」

 

「ああ、ラウラと同じのを受けたいのね。

でも、それならアミリアがとった授業に

ラウラを誘えばいいんじゃないの?」

 

「いや、それはやりたくない。

ラウラの好きなようにさせたいからな…」

 

「アミリアは本当にラウラに甘いわね…

それでどの教科で迷ってるの?」

 

「ああ、占い学かマグル学かで迷っていてな…」

 

「もう一つは決まったの?少なくとも

二つはとらないといけないはずでしょう?」

 

「魔法生物飼育学はラウラなら必ず受ける。

それは確定していると思っている。」

 

「それで後一科目なのね。

古代ルーン文字学と数占い学は?」

 

「魔法史で苦労しているラウラが

古代ルーン文字のことを

学びたいと思うわけないし数占い学と占い学なら、

どちらかといえば占い学だと思ってな。

ラウラはあまり文字そのものが好きではないし…」

 

さて、本当にどちらを取るのだろうか…

…みんなのとる科目も聞いてみるか?

ラウラのことだからみんなで一緒に

いる方が楽しいとか言いそうだし。

…ん?私の考えていたことは

もしかして無駄だったのか?…まあいい。

とりあえず聞いてみよう。

 

「ハーマイオニー、ハリーとロンは

どの授業を受けるんだ?」

 

「ハリーとロンは占い学と魔法生物飼育学よ。」

 

「そうか…それなら占い学かな…

うん、そうしておこう。」

 

「じゃあ私はもう行くわね。紙を先に

出しておきたいの。忘れたら一大事だわ。」

 

「あ、ハーマイオニー…」

 

…行ってしまったか。ハーマイオニーが

受ける授業も聞いておきたかったんだがな。

 

 

また何日もたった。継承者による襲撃も

結局なく、 平和な時間が過ぎていた。

私にとってはラウラがいないからかなり

辛かったが…まあその話は一度置いておこう。

ハリーへの対応も、多少は軟化したようだ。

今は、真夜中になろうかという時間の談話室で、

さっき、夕食の後ウッドに練習だと連れて行かれた

ハリーが戻ってきたところだ。

疲れていたようですぐ部屋に行ったようだが。

私はハーマイオニーと一緒に座っていた。

 

「ハーマイオニー、もう古代ルーン文字の

勉強をしているのか?気が早くないか?」

 

「そんなことないわ。

勉強は早く始めておいて損はないわよ。

…それにしてもアミリアがここで

私と一緒にいるのも珍しいわね。

最近は割と多かったけど。」

 

「いや…少し…一人でいるのは怖いんだ…」

 

「怖い?アミリアが…?」

 

「昔のことを…思い出してしまってな…

どうすればいいか、わからなくなってくるんだ…」

 

「そう…深くは聞かないわ。

アミリアにも考えてることもあるだろうしね…」

 

…ラウラがいなくなってしまったら…

私はどうしたらいいのだろうか…?

 

「あ、二人ともここにいたんだ!大変だよ!」

 

?…ロン?それにハリーも?

 

「急にどうしたの?

ハリーはさっき戻ったばかりじゃなかった?」

 

「リドルの日記が盗まれたんだ。」

 

「酷いもんだよ。ハリーの荷物が

グチャグチャにされてたんだ。

誰かがハリーが日記を持ってるのを知ってて

取りに来たに違いない。」

 

「だがここはグリフィンドール寮の中だぞ?

盗むことができるのはグリフィンドール生

だけのはずだ。」

 

…いや、あいつもか…?だがタイミング的に

おかしいか。あいつが今回の犯人なら

私がリドルの話をほのめかした時に

日記のことを探そうとしただろうしな。

 

「アミリアの言う通りよ。

だって他の寮の人は合言葉を知らないもの。」

 

「そうなんだけど…」

 

そう。つまり犯人はグリフィンドール生

ということになるのだが…

一体誰なのか、見当もつかないな…

バレンタインの時にハリーが

黒い本を持ってるのを見た人がいて

最近それが日記だと気づいたのかもしれない。

 

「ハリー、盗難届を出したら?」

 

「…ううん、それはやめておくよ。

盗難届を出したらあの日記の説明をしないと

いけない。そうなったら

ハグリッドのことを蒸し返しちゃうよ…」

 

 

犯人の見当がつくわけもなく、次の日になった。

今日はクィディッチの試合がある。

秘密の部屋の事件が未解決のこの時でも、やはり

魔法界一の人気スポーツだけあり、

みんなが楽しみにしているようだ。

ハリーは日記を誰が持って行ったのか

気になっているようだが、

ウッドに声をかけられたりして、

それもあまり考えられなくなったらしい。

 

「ハリーたちは行ったか。

…私もついて行こうか。」

 

そうして私は3人を追って大広間から出た。

その時…あの声が聞こえた。

 

【……ウウ…………ウ………】

 

だが、その声はおかしなことに

前までのような言葉と判断できるものではなく、

唸り声のようだった。

これは…どういうことだ?

聞けば震え上がるような声だから

前までの声の主だとはわかるが

なぜこのような唸り声しか出さないんだ?

いや、この感じは…出せない?

 

「ん?ハーマイオニー?どうし…」

 

突然ハリーとロンの横から

走り出したハーマイオニーは

私に気づかずに横を通り過ぎていった。

 

「ハリー、ロン。

ハーマイオニーはどうしたんだ?」

 

「さぁ?ハリーがまたあの声が聞こえたって

言い出したんだけど、それを聞いたら

図書室に行くって走ってったんだ。」

 

「ハリーも?」

 

「『も』って…アミリアもなの?」

 

ハリーもまた聞いたのか…?声を聞いたのは

………ハリーとラウラと私………

聞こえる…声……………蛇?

いや、だが声が聞こえる時に蛇なんていなかった…

それはいったい………?姿を消して?

いや、蛇が姿を消すなんて…

なら蛇語を話すような他の生物?

 

「…ァ、アミリア!」

 

「…あ、なんだ?」

 

「こっちこそだよ。

いきなり何か考え出してどうしたんだい?」

 

「いや、声のことだ…」

 

「なにかわかったのかい?」

 

「いや、わかってないよ。

ただ、もしかしたら蛇かもしれないと思ったが

蛇が姿を消して声だけを

届かせるなんてないはずだ。

蛇語を話すような他の生物がいるのか…?」

 

「…もしかしたらハーマイオニーは

調べに行ったのかな?」

 

「そりゃそうだよ。図書室に何かを

調べに行く以外に何をするのさ?」

 

「っと、ハリー、今はとにかく準備に

行ったほうがいい。そろそろ試合が始まるぞ。」

 

「本当だ、もう10時過ぎてる!

じゃあまた後で!」

 

そう言って、ハリーは箒を取りに寮に

走っていった。危険な蛇…怪物…

名前すらうろ覚えだがいたはずだ…

いや、しかし奴の危険度は測定できないほど

高かったはず…それこそ、出会えば死ぬ、

そう表現できるほどに…

 

 

「今日はハリーは何分でスニッチを

キャッチできるかな?」

 

「まあ、運次第だろうが、

ハリーならすぐにでも取りそうな気はするな。」

 

結局ハーマイオニーは帰ってこなかったので

私はロンとグリフィンドールの観客席にいた。

あの答えは出ていないが、

今はクィディッチを見よう。クィディッチほど

心が躍るスポーツはないしな。

 

「やぁ、選手が出てきたぞ。」

 

「………ん?あれはマクゴナガル先生?」

 

『今日の試合は中止です!

生徒は速やかに寮に帰りなさい!

寮監から説明があります!

みなさんできるだけ急いで!』

 

「なんだって⁉︎クィディッチが中止だなんて!」

 

観客席からはロンをはじめとして、

みんなブーイングをしていた。

 

「アミリア、ハリーの所に行こう!

先生にも訳を聞かなくちゃ!」

 

そうしてロンとともにハリーの元に向かった。

到着してみると、ウッドが必死に抗議していた。

去年こそクィディッチで優勝できると思ったのに

できなくて今年こそはと意気込んでいたのだから

優勝がかかっている今日の試合が中止になる

なんてウッドには許容できないだろう。

なんとかウッドに話を聞くように言っている

マクゴナガル先生が私とロンにも気づいた。

 

「ハリー、いったい何があったんだい?」

 

「先生、何故中止なのですか?」

 

「……ウィーズリー、フラムも

ポッターと一緒について来たほうがいいでしょう…」

 

…これは…デジャブ…?

だとしたら最悪だ…今ここにいない…

ハーマイオニーが…?

 

 

「ショックを受けるかもしれませんが…

…また、襲われたのです…2人一緒にです。」

 

もう、何も考えられない………

 

「ハーマイオニー!」

 

1人のレイブンクロー生が横たわるベッドの横、

もう一つベッドの上に

目を見開いて身動き一つしない

ハーマイオニーが横たわっていた。

どうしてハーマイオニーが…

ハーマイオニーは何もしてないじゃないか…

 

「2人は図書室の近くで発見されました。

…これを説明できないでしょうね?」

 

そう言われ、マクゴナガル先生は

丸い手鏡を私たちに見せた。

だが、それが何故なのかはわからない。

どちらかの持ち物が落ちただけという可能性もあるし

手がかりになるようなものでもないだろう。

 

「グリフィンドール塔まで送りましょう。

…私も、生徒に説明しなければなりません…」

 

マクゴナガル先生は重々しく言った。

 




「ねぇ、アミリア。そろそろ本文で
3ヶ月過ぎたんじゃない?
ねぇ、マンドレイクは?」

「ああ、まだだぞ?」

「⁉︎」

「というか春が過ぎないと収穫できん。」

「え⁉︎だ、だって前は3ヶ月だって…」

「ああ、あれは日本人の作者が
イギリスの学校の学年の区切りを
間違えたのが原因だ。」

「えー…」

「まあ、2話ぐらいで3ヶ月過ぎたじゃないか。
あと半分ならもうすぐだから
我慢するんだ。マンドレイクは育ってる。
大丈夫だ。問題ない。」

「アミリア…」

「なんだ?」

「それ、死亡フラグ…」

「死亡フラグからは逃げればいい。
だが倒してしまっても構わないぞ?」

「それも死亡フラグだよ!なんで
死亡フラグばっかり言うの⁉︎」

「いや、特に深い意味はないが。」

「じゃあ言わないでよ!
不吉じゃない!石から元に戻れなかったら…」

「あ、それはない。」

「え?」

「ラウラは主人公だから。」

「…またメタなことを言うね…」

「こんな話をしていたら時間が
中途半端になってしまったな。
なるほど、後書きは一つの話題だけで
十分なんだな。」

「じゃあとりあえず、」

「「ありがとうございました!
作者の次話にご期待ください!」」

「…これ、思ったけどある意味
死亡フラグだよね…連載物の…」

「大丈夫だ。今日死んだのは
後書きの話題だけだから。」

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