ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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長期休暇も終わり、忙しくなるので
これから更新が更に遅くなりそうです…
できれば楽しみに待っててくれればと思います…


手紙の主、その正体

年も明けて1ヶ月、バレンタインデーか…

あれから…

…実際にはラウラのは事故らしいが…

誰かが石にされる事件は起こっていない。

だがマグル生まれでないラウラが石になって

かなりみんなは危機感を覚えたようだ。

…前にロックハート氏は安心だとか

マクゴナガル先生に向かってほざいて…

いや、言っていたがそんなわけないだろうが…

慢心できても安心などできるか…

その安心が慢心である可能性もあるのだから…

あのダメ教師が…

被害にあったのは誰だと思ってるんだ…

生徒なんだぞ…そしてラウラなんだぞ…!

いや、少し言葉がトゲトゲしくなっていたな….

…あの人のいっていた気分を盛り上げるというのは

今の私には無理だな…私には…ラウラがいないと…

…ハァ…とりあえず朝食を食べに行くか…

 

……………

 

さて、大広間はこの階だな。

………うん?部屋を間違えたか?

大広間がこんなピンク一色で天井から

ハートの紙吹雪が落ちてくるわけないからな。

ハハハ。うん、まさかな。

さて、大広間の場所は…場所、は…

 

………場所は…この部屋…だと……?

 

「あれ?アミリア、どうし…」

 

私が大広間の前で固まっていると

隣にハリーが歩いてきて

同じように固まってしまった。

…いや、当然の反応だろう、こんなの。

なんだこの惨状は…中に先にいたロンも

気持ち悪くなっているようだ…

少し前にやっと元に戻った

ハーマイオニーは何故か嬉しそうだが…

 

「ロン、これ何事?」

 

ハリーがロンに近づいて声をかけると、

想像以上に悪い顔色で先生のテーブルの一部、

もっと言えばピンクのローブを着ていた

ロックハート氏を指し示した。

 

ま・た・お・ま・え・か

 

あの人は他の先生の顔を見ていないのか…

スネイプ先生とか酷い顔だぞ…

ロックハート氏…これから飲食するときは

毒を仕込まれていないか確認するんだな…

 

「静粛に!…バレンタイン、おめでとう!

今のところ46人の人が私にチョコを…」

 

何か演説が始まってしまったぞ…聞く気は無いが。

…バレンタインか…

本来なら恋人がチョコを送りあう行事なのに

ラウラは『友達に送ってもいいんじゃない?』

とか言って私に渡していたな…

私も作れるのなら本来の意味で

渡してもいいぐらいだが私が料理を作ると…

いや、忘れよう…

あれは悲しい事故だったんだ…

…そうだとも…スクランブルエッグの味見で

倒れるなんてありえないのだから…

 

「ん?」

 

足元を引っ張られて下を見ると

小人…でいいのか?おかしな格好をした

小人がいた。手にはカードを持っていて私に

それを渡してきた。バレンタイン・カードらしい。

…本当になんだこの格好…たいそう不満そうに

金色の羽をつけてハープを持っているが。

 

「…興味のある人はスネイプ先生に

『愛の妙薬』の作り方を教えてもらっては

どうです?それにフリットウィック先生は…」

 

よくあの人は話のネタが尽きないな…

…あのスネイプ先生の顔はまずいな…

今話しかけたら無理矢理

毒薬を飲まされるんじゃないか?

 

……………

 

「ハーマイオニー、チョコを送った46人に

君はまさか入ってないだろうな…」

 

「あー…っと、時間割はどこだったかしら…」

 

あの後初めの授業が始まるかなり前に一度

自分の部屋に戻ったがリューナクのご飯は

用意されていた。…あの謎の人物だろうか…

とにかくそのまま最初の授業に向かう途中に

ハリーたち3人に近づくと、

ロンがハーマイオニーに朝のロックハート氏の

もらったチョコの話をしていた。

…あのハーマイオニーの反応からすると渡したな…

 

 

全く、ロックハートめ…

あれでは授業にならんだろうが…

小人にバレンタイン・カードを渡させるのを

授業中にまでさせるとは…

もうあれはロックハート氏と言わん…

ロックハートで十分だ…

生徒はもちろん先生方までうんざりしていた。

逆にすごいと思うぞ。…とにかく、

ようやく今日最後の授業か…妖精の魔法だ…

 

「オー、あなたにです!アリー・ポッター、

じきじきにお渡ししたい

歌のメッセージがあります!」

 

またこれか!しかもハリーは歌付きなのか⁉︎

 

「ここじゃダメだよ!放して!」

 

ハリーは小人に鞄を掴まれて、その鞄は

ハリーと小人に引っ張られて破れてしまった。

ん?あの黒い本は日記帳?

しかもマグル製のものか?

なんでそのようなものが…?

 

「何をしてるんだい?」

 

…こんなところでマルフォイまで…

これはカオスだな…ハリーは

歌を聞かれたくなくて

必死に逃げようとしているが…

あれは無理そうだな。小人は意外と力が強いし…

ああ…とうとう歌を歌われたか…

あそこまで一気に

顔が赤くなるのはなかなか見ないな……ん?

 

「さぁ、もう行った行った。ベルはもう

鳴ったんだぞ。すぐ教室に入れ。

マルフォイ、君もだ。」

 

パーシーがそう言っているがその前に、

一つやらなければな。

 

「おい、マルフォイ。

貴様その日記帳をどうする気だ?

ハリーの鞄の中に入っていたものだろう?」

 

「なぁに、ポッターがこれに

何を書いたのかと思ってね。」

 

「マルフォイ、それをハリーに渡せ。」

 

パーシーが厳しく言ったがどこ吹く風だ。

 

「エクスペリアームスー武器よ去れー!」

 

そこでハリーが杖を取り出して魔法を唱えた。

我慢ならなかったらしいな…

まあハリーがやらなければ私がやっていたが。

 

「ハリー!廊下での魔法の使用は

禁止されている!この件は報告する!いいな!」

 

パーシーがそんなことを言っているが、まあ

ハリーも満足そうだし奴のことは気にしなくて…

 

「ポッターは君のバレンタインが

気に入らなかったみたいだぞ!」

 

ジニーにマルフォイはそんなことを言った。

…前言撤回だな。マルフォイには

やはりオハナシをしなければなるまい。

ロンは杖を構えようとしたがハリーに

止められていた。…ロン…その杖で

酷い目にあったのを忘れたわけではないだろう…

 

 

「ロン、ハリーはどこに行ったんだ?」

 

夜になって私はハリーにあの日記帳のことを

聞こうとした。何故ハリーがマグル製のものを

持っていたのか気になったからだ。

ハリーの親戚は

買い与えることなどしないだろうしな。

クリスマスプレゼントが爪楊枝だからな…

まあ、本来なら気にするようなことではないが、

何故か妙に気になった。

 

「ハリーはもう部屋に行ったよ。

フレッドとジョージのあれが嫌だったらしい。」

 

向こうの方を見ると、今日ハリーが

小人に歌われた歌を歌っていた。

…確かにあれは本人からすればきついな…

 

「じゃあ一つ聞くがハリーが持っていた日記帳は

なんなんだ?ハリーがマグル製のものを

持ってるのはおかしくないか?

ハリーの親戚はあれだから買い与えることなど

しないと思うのだが…」

 

「あー、あの日記かい?

あれは何故か三階の女子トイレに

捨てられてたんだ。」

 

「は?女子トイレ?」

 

なんで男子が女子トイレに?

…いや、この2人に限ってそれは…

 

「ああ、嘆きのマートルのいるトイレで

誰も近寄らないところだよ。

前に僕らが隠れてポリジュース薬を

作ってたところ。それで…ほら、だいぶ前に

廊下が水浸しになったことがあっただろ?」

 

「………あ、あの時か。」

 

そういえば何故か足元が濡れていた時があったな…

そうか、考え事をしながら歩いていて

気づかずその廊下を通ってしまっていたのか。

 

「その時、何があったのか気になって、

ハリーと僕で見に行ったんだよ。

マートルは自分に日記を当てられたと

思ってるらしいけど、誰かが捨てた時に

マートルのいるとこに

投げちゃったんだろうね。」

 

「その日記はなんだったんだ?

ハリーは今も持ってるようだが…」

 

「50年前の日記だよ。中には

なぁんにも書かれてなかったけどね。」

 

「50年前?

秘密の部屋の事件が前に起こった時か…」

 

「でも本当に何も書かれてないんだ。

T.M.リドルって名前の人のやつらしいけど。」

 

「知らない名前だな。」

 

「50年前に特別功労賞をもらったらしいんだ。

ハーマイオニーは秘密の部屋のことを

解決してもらったんじゃないかって言ってたけど

日記に何も書かれてないんじゃぁね。

ハリーは気になって調べてるみたいだけど、

きっと時間の無駄だよ。」

 

「そうか。わかった。」

 

…手紙で、このあたりのことを聞いてみるか…

今、私にはそれぐらいしかできそうにない…

 

 

『秘密の部屋は50年前にも開かれ、

その時T.M.リドルという人物がホグワーツ

特別功労賞をもらっているらしい。

その時の秘密の部屋の事件は彼が解決したのか?』

 

『確かに50年前も秘密の部屋は開かれた。

その時に1人殺されたことも知っている…

だが、その人物のことはわからない。

その時に事件が

解決されていたのかも知らなかった。』

 

 

 

 

 

『なぜ秘密の部屋のことをそこまで知っていて

事件の結果も知らない?不自然ではないか?』

 

『そもそもあの部屋に興味などない。

私はただ知っていただけだ。』

 

 

 

なんだ?この内容は…

秘密の部屋の場所すら知っているのに

事件の結果は何も知らない…興味もない。

しかしいつ事件が起きたのかは知っている…

…ん?この手紙…『1人殺された』

というところに濡れた跡がある?

…これは…涙、なのか?

赤の他人が殺されて悲しむ…

いや、いいことではあるが

少し不自然ではあるな。

手紙を書くだけで感情移入する、

しかも50年も前のことを、だからな…

では赤の他人ではないのか…?いや、

50年前、しかも生徒だと聞いているから

子供がいるわけもない…それに

狙われたということはマグル生まれ、

この学校に兄弟姉妹の

子供がいるとも考えにくいか?

つまり生徒ではない…しかし外から入るなら

監視網のようなものに引っかかるはず…つまり

50年も前からずっとこのホグワーツにいた…?

50年前からホグワーツにいて

秘密の部屋のことを知っているもの…まさか…!

 

 

 

『君はハリー・ポッターとヴォルデモート卿、

この2人のことを知っているのか?』

 

『いや、知らない。ハリーというのは

前に話していた人物か?

確かラウラも話していたが。

そういえばヴォルデモート卿の話も

聞いたような気がする。』

 

 

 

これでホグワーツから出ていない、

もっと言えば人目につくところにも

でていないのは確定しているか…

ハリーとヴォルデモートの間で何が起こったかも

説明できない、つまり今や魔法界で

知らない者はいない

この話を知らないということは

そういうことだろう…

誰からも話を聞かず、

外の情報が全く入ってきていない。

怪物の危険度を知っていた。そして

50年前からホグワーツにただ1人でいて、

被害にあって死んでしまった生徒も知っている。

そんな存在…

だが、それを悲しむ…その悲しみの理由は…?

私の考えが正しいならばその理由が出てこない…

…話してくれるのだろうか?

 

 

 

『…君の正体…それの予想がたてば、

君は私に何をするのだろうか?』

 

『何もしない。ラウラの話を聞いていて

アミリアなら辿り着くとは予想していた。だが、

私に何を期待しても事件は終わらない。』

 

 

 

 

 

『死んでしまった生徒は、どう思っている?』

 

『気の毒…いや、そう言うと彼女に悪いな。

私は後悔しているのだろう。この気持ちは…』

 

 

 

 

 

『…では、

…君の種族はなんだ?秘密の部屋の怪物…』

 

『やはり、そこまではわかってしまう、か…

だが、種族を教えることはできない。

私の種族を教えれば、アミリアなら

ラウラがしたかったことがわかってしまうかも

しれない。それはラウラが

望むんだことではなかったからな。

ラウラは自分で話したい、それまでは

誰にも言わないでくれと私に話したのだから。』

 

 

 

 

 

『そうか…まあ、ラウラのことだから

ある程度は何をしようとしたか予想できたがな。

だが、君は優しいのだろうな。見ず知らずのはずの

者のために涙を流せるのだから…

君の本意ではなかったのだろうからな。

しかし、この話は友達にも話してはいけないか?

この事件を解決しようとしている者がいるんだ。』

 

『すまないが、私は止める。

もともと私の意思でなんとかなるものでもない。

そして、何度も言うように危険だ。

私には何もできないしな…

…すでに私は…

 

秘密の部屋の怪物ではないのだから。』

 




「…ちょっとアミリア…」

「ん?どうした?ラウラ。」

「正体が分かったなら先生やみんなに
このことを教えてあげなよ!
まだ被害が出るかもしれないのに!」

「いやいや、この手紙にも書いている通り
この者にはどうにもできないのだろう?
それに私が秘密の部屋の怪物と
手紙を交換していたなど、私が継承者だと
思われても仕方ないから
余計に言えないだろう?」

「でも、」

「ラウラ、
わたしの優先順位を知っているか?」

「え?優先順位?」

「1番がラウラで2番がラウラ、そして
3番がラウラで、4番が友達だ。」

「え、あ、う、うん…え?」

「理解したか?」

「ごめん、意味はわかるけど理解できない。」

「つまりラウラの願いは何事よりも
優先されるんだ。私の中ではな。
つまりラウラが少しでも追放なんてされる
可能性があるなら誰にも話すわけにもいかん。
私はラウラと一緒にいたいからな。」

「…アミリア、最近なんか変わった?
アッチの趣味に目覚めた?」

「フフフ…どうだろうな…?」

「あ、ダメだこれ。
アミリアがもうなんかダメなので
今日はこれで終わりです。
見てくれてありがと!次回も待っててね!」

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