ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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季節の変わり目からか
少し風邪をひきました(苦笑)
体調には気をつけてくださいね。


謎の手紙

「……う…うぅ…ん……」

 

そろそろ…朝か…?

…うん、ラウラの紅茶も淹れてあるみたいだ。

とりあえずいつものところに手を伸ばして…

うん、あった。

 

「……ふぅ、やはりおいしい。

…ん?ラウラは?…いないのか?」

 

しかし、まだ紅茶は暖かいし

遠くには行っていないはずなのだが…?

ん?手紙?…アミリア様へ…

ルニルも来てないのに誰からだ?名前はないし…

 

『ラウラは約束を果たせなかった。彼女は

自分から弁解したいのでしばらく待ってほしい

とあなたに伝えたかったらしい。そして

アミリアに紅茶を淹れてあげてと

ラウラは願っていた。私は恩を返すために

あなたに毎朝紅茶を淹れる。

しかし私の正体は明かせない。ラウラが

自分で説明したいと言ったからだ。

もし私に質問があったのなら寝る前に

紅茶をいつも置くあたりに手紙を置いてほしい。

答えられることなら答えよう。しかしこの手紙の

ことを誰にも話さないでほしい。ラウラが

ホグワーツから追放されるかもしれない。』

 

「……なんだ?これは…イタズラ…か?」

 

約束を果たせなかった?私とラウラの約束…

無事に成し遂げてこいということか?

…ラウラは一体どうしたんだ?

そしてこの手紙の主はいったい?

…まあいい。ひとまずは朝食に行こう。

ただのイタズラかもしれないし大広間に

もしかしたらラウラがいるかもしれない。

 

……………

 

うーん…いないようだな。

ハリーとロンは昨日もあんな事故があって

大変だったから疲れてまた寝てるんだろう。

…あれだけの被害を出す量の花火か…

あの双子はどれだけ持ってきてたんだ?

ハーマイオニーはあれだから来ないだろうな。

まぁ、一人だがとりあえず食べるか。

 

「……うん、おいしい。

…だが……やはりどこか寂しいな…これは…」

 

いつものように朝食は

おいしいのだがやはり一人だけではな…

 

「………ミス・フラム、少し付いて来なさい…」

 

「え?…マクゴナガル先生?

どうなさったのですか?」

 

「少々あなたには堪えるかもしれません…

しかし一番仲のいいあなたは

知っておくべきでしょう…医務室に向かいます。」

 

…まさか………ラウラが………

 

 

私はマクゴナガル先生に連れられ、

医務室に入った。そして、嫌な予感は

当たってしまった。

 

「…今朝早くに2階の廊下で

杖を持って倒れてるのを発見されました…

周りには何もなかったそうです。」

 

「…そう…ですか……」

 

ラウラは穏やかに目を閉じ、少し口を開けて

杖を持った手の形をしたまま

大の字でベッドの上に横たわっていた。

 

「…私がいては話せないこともあるでしょう…

マダム・ポンフリーにも人を

入れないように言っておきます。」

 

そう言って先生は外に出て行った。

ラウラは変わらず動くことはない…

 

「…ラウラ………ラウラァ………

うぅ……どうして……どうして、こんな……」

 

私は抱きつきながら泣いた。

ラウラの体は石ほどでないにしろ冷たかった…

 

「…アミリア?アミリアなの?」

 

ん?この声は…

 

「ハーマイオニー、か?」

 

「ええ。…私の隣に運ばれたのはラウラだったのね…」

 

「ああ…そうだ。…こんなことになるなんて…」

 

「…アミリア、あまり落ち込まないで。

ラウラもちゃんと戻るわよ。」

 

「…そう、だな…」

 

確かにハーマイオニーの言うとおりだ。

…そういえば手紙があったな…

あれはこのことを言っていたのか…?

ハーマイオニーにも伝えておいた方がいいか?

 

「なぁ、ハーマイオニー。少し…」

 

ーこの手紙のことを

誰にも話さないでほしい。ラウラが

ホグワーツから追放されるかもしれない。ー

 

「?どうしたの、アミリア?」

 

「…っ!い、いや、何でもない…」

 

ラウラが動けなくなっていることを

あの手紙の持ち主は知っていた…

それに私とラウラの約束、

『無事に成し遂げてこい』というものが

果たせなかったことも知っていたと考えられる。

疑問の余地はあるが本当のことを

書いている可能性が高いから

誰にも手紙のことを言えない、か…?

…あの手紙の主に

いろいろ聞かなければならないな…

 

 

それから私は冬休み中、ずっと手紙を書いて

質問をし続けた。

 

 

 

『君はいったい何者だ?

ラウラとどういった関係なんだ?』

 

『私はラウラに助けてもらった。

ラウラは私の恩人だ。

何者かはラウラが話すまで言えない。』

 

 

 

 

 

『君はラウラに何を助けてもらったんだ?』

 

『自由をもらった…いや、

それも少し違うかもしれない。

だが、今まで誰もしてくれないことを

私にしてくれた。私とまともに

話そうとするものはおらず、話せるものも

ほとんどいなかったのだから…』

 

 

 

 

 

『なぜ君はラウラと私の約束を

知っていたのだ?あれは私とラウラだけの

話だったはずなのだが。』

 

『ラウラが私と初めて会った時に話してくれた。

ラウラは私が一人で寂しかったことを言うと

色々なことを話してくれた。

生まれて初めてだったよ。あんな楽しい時間は…』

 

 

 

 

 

『君はラウラが石にされた一部始終を見たのか?

ラウラは抵抗したのか杖を持っていたらしいが。

見たなら犯人を教えてはくれないだろうか?』

 

『しっかりと見た。だがラウラを

石にした犯人はある意味ではラウラ自身だ。

誰にも襲われてはいないから抵抗もしていない。

…だが、原因を作ってしまったのは私のせいだ。

本当に、すまないと思っている。』

 

 

 

 

 

『秘密の部屋について、君は知っているか?

それがどこにあるのかも。』

 

『知っている。しかしアミリアにそれを

話すことはできない。ラウラが君を危険な目に

あわせたくないとも願っていたからだ。』

 

 

 

 

 

『今回の犯人は誰なんだ?

…まさかハリーではないよな?』

 

『ハリーという人は知らない。

だがおそらくは女子が犯人だ。』

 

 

 

 

 

『なぜ女子だとわかる?そして

なぜそれしかわからないのだ?

姿を見たわけではないのだろうか?』

 

『私は直接見ていない。

だがほんの少し、声を聞いた。

あの声は女子のものだったように聞こえた。』

 

 

 

 

 

『秘密の部屋の怪物というのは…

いったい何のことなのだ?

何人かが石にされてしまった…

奴がラウラに関係しているなら私は

そいつを許すことなどできない。』

 

『それは前に言った通りアミリアを

危険にさらす可能性があるから言えない。

ラウラの仇を取ろうとするのは

ひとまずはやめたほうがいい。

あれは人が立ち向かえるものではない。

…一つ言っておこう。石にされた人は、

怪物と出会ったことは不幸だった。

しかし、それと同時に幸運でもある、と。』

 

 

 

 

 

『幸運?石にされたことが?』

 

『本来なら怪物と出会えば

ほぼ間違いなく殺されてしまうからだ。

その怪物が望もうと、望むまいと…な』

 

 

 

 

 

『ラウラが退学になるとはどういうことだ?

いったいラウラは何をしたんだ?』

 

『それもおそらくはラウラから言うことだ。

だが、詳しくは言えないが少し伝えると

本来なら許されない魔法を使ったのだ。

私を助けるために…』

 

 

 

 

 

『許されない魔法とは…まさか…

まさかとは思うがあの3つではないだろうな?』

 

『すまない、言い方がややこしかったな。

あの3つではない。だがラウラがアレンジした

とはいえ闇の魔術に類するものだ。』

 

 

 

 

 

『…君は…私の味方なのか?それとも敵か?』

 

『アミリアがラウラを大切に思っているなら

私はアミリアの味方だ。』

 

 

 

結局彼、あるいは彼女が何者なのか、私には

わからなかった。しかし色々な情報を手に入れた。

だがラウラのことは誰にも言えない…

万が一にもボロを出さない自信はあるが、

内容は覚えたから手紙は燃やしておこう。

見られるとまずいかもしれないからな。

ラウラが許されない魔法を使ったという文面の

手紙は特に念入りにしないとな…

…闇の魔術に類する…ラウラ…

いったい何をしたかったんだ?

 

 

それから私は図書室に入り浸り、

せめて手に入れた情報でなんとか

秘密の部屋の怪物がなんなのかを考えた。

だが、本来なら出会えば死ぬ、そのものが

望もうと望むまいと、それだけの情報では

特定などできない。それだけの力をもつ

魔法生物などごまんといる。

それこそマンドレイクでも、ある意味では

それだけの力を持っている。

新学期が始まっても私は授業に集中できなかった。

 

「ミス・フラム、聞いていたのかね?

…上の空になっていたのではないのかね?」

 

「…」

 

「ミス・フラム!」

 

「…え、あ、はい、

何でしょうか、スネイプ先生。」

 

「君は優秀だが、いくら…そう、たとえ君が

優秀でなかったとしても、我輩の授業が

聞けぬというのならば出て行っても構わんがね…

もう一度聞こう。頭冴え薬の

主となる3つの材料は何かね?」

 

「アルマジロの胆汁、根生姜、タマオコシガネで

根生姜は刻み、タマオコシガネは

すり潰す必要があります。」

 

「ふむ、間違ってはいない。しかし、

やはり授業は聞いていなかったようだな?

私は頭冴え薬の話など、今日の授業でしていない。

していたのは髪を逆立てる薬だ。

グリフィンドール1点減点。授業中は先生の話を

聞かなければならないのを知らないのかね?」

 

「申し訳ありません…」

 

……………

 

「アミリア、いったいどうしたのさ。

授業に集中してないなんて君らしくないよ。」

 

ん?ロンか。

 

「いや、最近少し考えていることがあってな…」

 

「やっぱりラウラのことかい?」

 

「…わかるのか?ハリー。」

 

「そりゃアミリアはラウラとべったり

だったからね。僕たちにもわかるよ。」

 

「…そちらはハーマイオニーはどうだ?

医務室には最近…その、あまり

行きたくないから知らなくてな。」

 

「ハーマイオニーはもうすぐ元に戻るよ。

あとは毛玉を吐き出すのさえ

止まってくれればいいみたい。」

 

「でもハーマイオニーのやつそんな状態でも

僕たちに宿題を持って来させるんだ。

僕なら休むけどなぁ。」

 

ふふ、ハーマイオニーらしいな。

 

「そういえばアミリアは何か

秘密の部屋についてなにかわかってない?」

 

「……いや、知らないな。」

 

あの手紙のことはあるが

怪物のこともほとんどわかっていない。

…誰にも言うことではないだろうな。

 

「僕たちはハーマイオニーのとこに

行くけどアミリアはどうする?」

 

「いや、談話室に戻っているよ。

ハーマイオニーには2人であってくるといい。」

 

それに、ラウラを見ると

また泣いてしまいそうだからな…

 

……………

 

いったい私はどうすればいいのだ…

去年はラウラが私のために戦ってくれたが…

私は何もできなかった。ただ気を失っただけだ。

…しかし私が危険な目にあってほしくないのが

ラウラの願いでもあるらしいし…

………ん?もうグリフィンドール塔か。

考え事をしている間にいつの間にか着いていたか。

ん?何か注目されている?…足元…?

な⁉︎靴が水浸しになっている…?

…誰かのイタズラでトイレでも壊されたのを

気づかずに通ってしまっていたか?

 




「…」

「ん?どうした?ラウラ。
そんなに冷や汗をかいて。」

「い、いやだって私石になってるし!
やばくね?これやばくね⁉︎」

「落ち着けラウラ…
マンドレイクで薬ができれば元に戻るから。」

「いや、でも本文での私の出番は⁉︎
これ私出番なくなってるよね⁉︎」

「あー…それは、うん、まあ、そうなる。」

「主人公だから大丈夫って
アミリア言ってなかった⁉︎前回でさ!」

「あれはラウラが消えないというだけで
出番がどうなるかは言ってなかっただろ?」

「詭弁だよ!」

「まあまあ落ち着いて。マンドレイクは
あと3ヶ月ぐらいでとれるから。」

「長いよ⁉︎軽く言ったけど
それけっこう長いからね⁉︎」

「大丈夫だ。画面の外の時間なら2週間も
かからずに本文で3ヶ月過ぎるから。」

「ああ、そう…いや、いきなりそんな
メメタァな話をされても困るけどさ…」

「まあそういうことだ。もし仮にだが、
ラウラのファンの人がいれば
復活を楽しみにしてやってくれ。」

「もし仮にってどういうこと⁉︎
アミリアからの私の評価はそんなに低いの⁉︎」

「ああ、そういうことではない。
ラウラファンクラブがあれば私は
創設者になっているだろう
ぐらいには好きだぞ?」

「あ、いや、ちょ…
いきなりそんなこと言わないでよ…」

「まあ、もし仮にといった理由は
この作品をそこまで
感情移入して読んでくれている人が
そもそもいるかどうかということだ。」

「ああ…まあ、確かにこういう
二次創作物だからそういう懸念はあるね…
本当のハリー・ポッターに比べりゃ
こんな駄文だし仕方ないね。」

「まあそういうことだよ。
っと、今回はなにもしないまま
ある程度の長さになってしまったな。
今回はここまでにしよう。」

「そういえば前回レーヴァが作者を
噛みつきに行ったみたいだけど
どうなったか知らない?」

「知らんな。」

「あ、ハイ。」

「「…」」

「ラウラ、この空気をどうしてくれるんだ…」

「…正直、悪かったと思ってる。」

「「…」」

「…とりあえず終わろうか。」

「うん、そうだね…」

「「ありがとうございました!
次回もお楽しみに!」」

「…帰ろうか、ラウラ。」

「…そうだね…」

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