ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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えー、本日3度めという
おかしな更新ペースですが投下します。
さすがにここから先はここまでの
ペースでは更新しません。
早くても2日、3日ずつくらいかなぁ…

2016,5/16改訂


新入生歓迎会◆

列車が到着して、アミリアとラウラが

あたりを見回すと、すでに真っ暗になっていた。

2人は人並みに流されながら

進むと、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「イッチ年生はこっち!

イッチ年生はこっちだ!」

 

漏れ鍋でハリーにあったときに

いっしょにいた大男、ハグリッドが

新一年生を呼んでいた。

 

「こんばんは、ハグリッド。漏れ鍋では

時間を取ってしまってすまなかった。」

 

「こんばんは、ハグリッドさん。」

 

「おお、お前さんたちか。こっからは

船でホグワーツに向かうから乗ってくれ。

それとラウラって言ったか。

別にさんはつけんでええぞ。ハグリッドでええ。」

 

「はい、わかりました!行こ、アミリア!」

 

「少し気をつけろ。湖に落ちるぞ!」

 

予想通り落ちそうになるラウラを

引っ張り上げ、軽く叱りながらアミリアも

船に乗り、4〜6人ずつほどで生徒が全ての船に

乗り込んだのをハグリッドが確認すると、

船は一斉に動き出した。

 

 

新一年生が食堂の前まで着くと、

前の方で少しだけ言い争いが起きていた。

片方はハリーでもう片方は

プラチナブロンドの髪をした少年だ。

 

「ん?あれはマルフォイ家の者だったか?

確か、ドラコといったか…」

 

「アミリア、知ってるの?」

 

「ああ、父上と魔法省に行った時に

見たことがある。あの家は

かなり極度な純血主義でな…純血だろうが

マグルであろうが平等に接する

私の父上やマグル製品に関する仕事をしている

ウィーズリー家の者などとは犬猿の仲だ。

私も正直好かん。」

 

「へ〜、そうなんだ。

アミリアはどうして?」

 

「マグル生まれだろうと

偉大な魔法使いもいるし純血だろうと

クズもいる。それだけで

どうこう言うのはおかしいと思うだけだ。」

 

そんなことを話していると、

1年生達の前に1人の年を取った女教諭、

マクゴナガルが立っていた。変身術の

授業の担当でホグワーツ副校長でもある。

 

「アミリア、あの人は?」

 

「ミネルバ・マクゴナガル先生。

変身術の教師だ。あの人の変身術はすごいぞ。

何と言っても在学中に動物もどき(アニメーガス)

を使えるようになったのだからな。」

 

「ア、アミリアが敬うなんて…」

 

アミリアの反応をみて心底驚いた

様子でラウラは呟いた。

 

「ラウラは私の事をただの

失礼なやつだとか思ってないか?」

 

「いや、そんな事はないけど…有名な人なの?」

 

「もちろん魔法界ではかなり有名な方だ。

変身術のエキスパートだからな。」

 

「アミリアは在学中に出来ると思う?」

 

「当然だ、と言いたいが、正直わからないな…

…まあ、目標は高い方がいいし

目指すのもいいかもしれないな。」

 

2人がそこまで話し終わると、

ちょうど学校の説明をしようと、

マクゴナガルが生徒を静かにさせていた。

そして、学校での寮生活、得点に

ついてなどを話していった。

 

「ーでは、これより組分けの儀式を

行います。付いて来なさい。」

 

マクゴナガルがそう言うと、扉が開き、

生徒たちはマクゴナガルについていく。

たくさんの生徒が机についており、

天井には夜空が映し出されている。

 

「わぁ、綺麗だね〜。」

 

「ああ…これは凄いな。

ホグワーツの食堂は天井に魔法が

かけられていて空が映し出されるそうだ。

父上と母上が言っていたが

時期によっても変わるらしいぞ?

ラウラは聞いていないのか?」

 

「お母さんはあれだし、

お父さんは前のお店の感謝祭の時の

収入でお店をどうするかとかで

最近迷ってるみたいで聞けなかったんだ。」

 

アミリアとラウラは

天井に目を向けて話していた。

そして先生が並んで座っている所と、

上級生達が座っている所の間あたりで

マクゴナガルが止まる。新入生達の前には

一つの椅子と、そこに乗っている

かなり古そうな帽子が置いていた。

そして、その帽子が動き出し、

歌を歌いだす。そして、

4つの寮、グリフィンドール、

ハッフルパフ、レイヴンクロー、スリザリンの

特徴についての歌詞に入る。

内容は大まかには

 

ー 勇気と騎士道をもつ者はグリフィンドール ー

ー 誠実で忍耐強い者はハッフルパフ ー

ー 機転がきき勤勉な者はレイヴンクロ ー

ー 達成するための狡猾さを持つ者はスリザリン ー

 

そのような内容だった。

そして、その歌詞の後に締め括りの

1フレーズが入り、

いよいよ組分けが始まる。

 

「アボット・ハンナ。」

 

マクゴナガルが名簿を読み上げ、

1人目を呼ぶ。緊張した様子で

帽子をかぶり、少したったところで

 

「ハッフルパフ!」

 

と組分け帽子が叫び、

拍手に迎えられて寮の長机に座っていく。

そして、何人かの組分けが終わっところで、

ラウラが呼ばれる。

 

「ブライトフォード・ラウラ!」

 

ラウラは椅子に向かってあるいていく。

…が、椅子の前の段差につまずき、盛大に転んだ。

食堂のそこかしこから少し笑い声があがり、

何人かは和んだような目を向ける。

ラウラは真っ赤になりながら

椅子までいって帽子をかぶる。

 

「スリ…」

 

組分け帽子は、ラウラの頭に被せられる前に

スリザリンと叫びそうになったが、

言葉を止めた。

 

『君はスリザリン以外に考えられないと

思ったがそんなことはなさそうだ…』

 

『スリザリンに?』

 

『うむ。君の魂自体はスリザリン以外にありえん。

しかし、君は大きな慈愛の心を持っている。』

 

『慈愛…それだけでグリフィンドールに

入る資格になるの?』

 

『そうとも。慈愛とは

騎士道において代表的な美徳でもある。

…君はどうしたい?

スリザリンか、グリフィンドールか。』

 

『私はスリザリン嫌だよ?』

 

『ほう、そうなのかね?

スリザリンに入れば、

間違いなく歴史に名を残す人物になれる。』

 

『それでもアミリアと離れたくないから

グリフィンドールがいい。

今のアミリアはきっとグリフィンドールだから。』

 

『ふむ、君の意思がそうしたいならば…』

 

「グリフィンドール!」

 

その宣言の後、ラウラも他の生徒と同様に

拍手に迎えられてグリフィンドールの

長机に向かった。

 

「…ラウラはグリフィンドールか…」

 

アミリアはそう呟き、

自分はどこの寮になるのか、

と考えるが、ラウラがグリフィンドールに

入った時点で自分はどこに

入りたいのかは決まっていた。

そんな事をしばらく考えていると、

 

「フラム・アミリア!」

 

アミリアは呼ばれ、堂々と、そして

優雅に椅子に向かう。

それに何人かの男子は釘付けになっていた。

そして、椅子に座り、組分け帽子をかぶる。

 

『ううむ…これは難しい…

誰よりも高くありたいという強い

思いがある。それにそのためには

何をしてでも達成しようという

行動力もある。…何より、

魂としてはどちらにも傾く可能性がある…

さて、スリザリンとグリフィンドール、

どちらにするか…』

 

珍しくかなりの時間をかけて

組分け帽子が頭の中で唸っている。

そして、それを聞いていたアミリアは

頭の中で組分け帽子に話しかける。

 

『私は何があろうと

グリフィンドール以外に入る気はない。』

 

『それは君も望むことかね?』

 

『もちろんそうだ。

私は何よりも友達であるラウラが大切だ。

…もうラウラに、

あのような思いはさせたくないしな。』

 

『ふむ…良かろう…』

 

「グリフィンドール!」

 

アミリアはその答えを聞き、

満足そうな顔をしてグリフィンドールの

長机に向かう。途中、ドラコと目が合うが、

ドラコは厳しい目でアミリアを見ていた。

椅子に座るとすぐ横にはラウラがいた。

 

「おめでとう、アミリア!

これから7年間、改めてよろしくね!」

 

「何を今更。違う寮であったとしても

毎日ラウラと過ごす気だったさ。

まあ、改めて7年間よろしくな。」

 

2人は微笑み合い、

残りの生徒たちの組分けを待った。

組分けの中で一番目立っていたのは

やはりハリーではあるが、

それ以外の中ではアミリアとラウラは

かなり目立っていた。

 

 

組分けが終わり、

ダンブルドアが祝辞を述べていく。

 

「ーでは、宴を始めよう。」

 

話の最後にダンブルドアがそう言うと、

生徒たちの座る机の上と先生の座る机の上に

大量の料理があらわれる。

 

「わぁ、すごい!

いったいどうなってるの⁉︎アミー」

 

と、ラウラが驚いた後、隣のアミリアを

見ると、ラウラですら見たことが

ないくらいに目を輝かせるアミリアがいた。

そして、アミリアは無言で料理を

食べていく。目のハイライトが

若干無くなっているような気がする。

 

「ウフフ…フフ…」

 

「あらら…予想してたけど

これはいつもよりひどいかも…」

 

「どうしたの?ラウラ。アミリアは?

…あぁ、そういう子なのね…」

 

すぐ近くに座っていたハーマイオニーが

ラウラに話しかける。

そして、隣で料理をこれ以上ないくらいの

笑顔で食べ続けるアミリアをみて納得した。

 

「うん…アミリアは食事のことになると

とても機嫌が良くなるんだけど

今回は嬉しさが振り切って

周りが見えなくなってるね…

あ、この状態の時は気をつけてね?

食べるのを邪魔するとアミリアは容赦無いから。

下手したら燃やされるからね。」

 

「あれだけ自信満々だったし

隙がないように見えてたけど

こんな一面もあったのね…」

 

ラウラとハーマイオニーは

少しの間、遠い目をしてから、

自分たちも食事をとりはじめた。

 

 

食事が終わった後、ダンブルドアが

新入生向けに、注意喚起を始めようとする。

この頃にはアミリアも落ち着き、

ラウラとハーマイオニーを交えて、

気さくな双子の上級生と先生についての

話を聞いたりしていたが、

校長の話があるのに気づくと、

他の生徒と同じように静かにした。

ダンブルドアは話を始めた。

特に注意深く言うことは、

ー敷地内の森には入らないことー

ー4階には禁じられた廊下があり、

決して入らないこと、入れば死がまっているー

とのことだった。

それを聞いてアミリアとラウラは呟く。

 

「なんでそんな所があるんだ(ろう)」と。

 

口に出すかは別にして

その事を考えている生徒は何人もいただろう。

 

 

歓迎会が終わると、

監督生に連れられ、生徒は寮に向かう。

アミリアとラウラはその途中、

ハリーを見つけ、声をかける。

 

「久しぶりだな、ハリー。漏れ鍋以来か。

食事前は災難だったな。」

 

「こんばんは、ハリー。」

 

「あ、アミリアとラウラ。久しぶり。」

 

「マルフォイ家の者の話は気にするなよ。

もう古い考え方だと私は思っているんだが、

純血主義は根深いものでな…

…君はあのようになってくれるなよ?」

 

「…うん、わかってるよ。」

 

そのような話をしていると、

横からラウラが割り込んできた。

 

「話が暗くない?

もっと楽しい話をしようよ!ね?

せっかくの楽しみにしてた

学校初日なんだから!」

 

「まったくお前はマイペースだな。

それに初日といっても授業は明日からだし

どちらかと言えば明日が初日だろうに。」

 

「まあまあ、ラウラの言うことも

わかるよ、アミリア。僕もラウラと

同じで学校を楽しみにしてたんだ。

ラウラの言う通り、楽しい話をしようか。」

 

ラウラの話で雰囲気が変わって、

一転して笑い合いながら監督生についていく。

そして、監督生がある絵の前でとまる。

 

「合言葉は?」

 

「カプート ドラコニス」

 

監督生が一言、絵に言うと、

その絵の中のふくよかな婦人は

手を譲るように横にし、

絵がスライドし、道ができる。

 

「さぁ、こっちだ。」

 

監督生にさらについていく。

そして、広めの部屋に入る。そして、

談話室、それぞれの部屋割りなどの

説明をし、それが終わった後、

生徒達に眠るように促し、生徒は

それぞれの部屋に入り、寝る用意を始める。

 

「よかったね、アミリア!同じ部屋だよ!」

 

「あぁ、そうだな。私達は運がいいらしい。

…レーヴァを呼ぶのは構わんが、

他の3人にも許可を取れよ?

私もいちおう大丈夫かは聞くが…」

 

「うん、わかってるよ!

とりあえず今日は寝よっか。

あぁ、明日が楽しみだなぁー。」

 

「…いちおう言うが寝坊するなよ?」

 

「ああ、うん、わかってるよ…」

 

アミリアが釘をさすと、

ラウラは目を泳がせながら返事をした。

 

「…あれ?アミリアは大丈夫なの?

いっつもは私か、アリシアさんがいれる

お茶がないと1日が始まった気がしないって…」

 

「明日はたぶんラウラか母上の

お茶がなくても大丈夫だ。

なかなか起きられなかったとしても

ラウラに声をかけて起こすぐらいはできるさ。」

 

「ああ、それなら大丈夫だね。

じゃあおやすみ、アミリア。」

 

「ああ、おやすみラウラ。」

 

そうして、

2人はそのまま眠りについた。




次回から授業に入っていきます。
前書きにも書きましたが、
更新ペースは落ちます。
できれば2、3日に一回を目安にできれば
いいですが、おそらく一週間とかかかる
可能性もあります。
ちなみに正史ではないので、多少
違うところが散見されるかと…

感想、質問、批評もお待ちしてます。

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