ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

29 / 76
更新がいつもよりも少し
遅れました…最近忙しいです…
これからも少し遅れるかもしれませんが
よろしくお願いします。


静かなクリスマス

決闘クラブがあった次の日、

相変わらず食べ終わるのが遅いアミリアと、

付き添ったラウラは寮に戻ってから

魔法使いのチェスをしていた

ロンとハーマイオニーを見つけて声をかけた。

チェスをしているとは言え

すでに勝ちは決まっていたらしく、

ハーマイオニーのキングの駒がロンの

ナイトの駒に引きずられて、凱旋パレードを

しているところだった。

この日は大雪で、マンドレイクの世話を

するスプラウトが忙しいため、

薬草学は休講になっていた。

 

「ねぇロン、ハーマイオニー。

ハリーはどこに行ったの?薬草学が

休講になったし、どうせなら

私の友達を紹介したかったんだけど…」

 

「あー…もしあの子のことを言ってるなら

まだやめた方がいいわよ。

せめて休暇に入ってからにしておきなさい。

同じ立場の人ができたのは嬉しいと思うけど…」

 

「ハーマイオニー、それなんの話だい?」

 

「ロン、その説明はあまり

人に聞かれてはまずいんだ。ラウラ、

そもそもその話はあまりするなと…」

 

「あ、アミリア、ちょっとまってね。

結局ハリーがどこ行ったか聞いてなかったよ。」

 

「あら、そういえば言うのを忘れてたわね。」

 

「ハリーはジャスティンのところに行ったよ。

昨日のことを説明したいみたい。」

 

「あれ?入れ違いだったかな?」

 

「そのようだな。ところでロン、

チェスをしてるなら久しぶりにやらないか?」

 

「ああ、いいよ。

次の変身術の時間に間に合う時間まで

一回ぐらいなら大丈夫だと思うよ。」

 

「そうか。では始めようか。」

 

「ねぇ、ハーマイオニー。

クリスマス休暇は家に帰るの?」

 

「いいえ。私やハリーとロンは

帰らないわ。マルフォイたちも残るらしいから

前から私たちが準備してたのが

ようやく試せそうだわ。」

 

「ああ、校則を破るから知らない方がいいって

言ってたやつだったっけ?」

 

「色々手を回して材料を手に入れて

クリスマスのころにようやく完成しそうなのよ。」

 

「へぇ…完成ってことは何か使うの?」

 

「ええ。少し薬品をね。

…でも完成して使った後も黙っててね?

2人はそんなことしないと思うけど…

手を回した材料のなかにはスネイプの部屋の

物もあるのよ…ばれたら、それこそ

言いがかりをつけられて退学にされそうだし…」

 

「ああ…特にハリーは嫌われてるっぽいからね…」

 

ラウラとハーマイオニーが話している横では

アミリアとロンのチェスが繰り広げられていた。

その試合は時間ギリギリまで続き、

最終的にはロンがアミリアの裏をかくように

駒を動かして勝利していた。

 

 

変身術の時間に間に合うように

グリフィンドール寮を出た4人だが、

ハリーは戻ってこなかった。

 

「ロン、ハリーは用意を持って行ってたの?

結局帰ってこなかったけど…」

 

「ううん…ハリーは何も持たずに

談話室から出て行ったはずだけど…」

 

「…ぉーそーわーれーたぁー!」

 

「…なんだ?ピーブズか?

また何かの騒ぎを起こしたのか?」

 

4人が変身術の廊下を歩いていると、

ポルターガイストの問題児、ピーブズの

声が遠くの方から聞こえてきた。

教室も同じ方向にあることもあって、

4人はそこに近づいていった。

授業があった生徒たちはピーブズの声に

教室から出てきていた。

 

「あれは…ほとんど首無しニック?

様子がおかしいぞ…?」

 

そこには首が半分ほど離れて

固まっているほとんど首無しニックが

黒ずんだ色で宙を漂っているのが、

それを見ている生徒たちの頭の上から見えた。

 

「現行犯だ!」

 

「おやめなさい、マクミラン!」

 

その中心近くからは生徒の恐怖している声と

それをたしなめるマクゴナガルの声が聞こえた。

ピーブズはポッターがどうのと歌っていた。

しばらくすると、人並みが割れて

フリットウィックと天文学のシニストラが

1人の生徒、ジャスティンを運んできた。

彼女は恐怖に目を虚ろに開けたままで、

身動き一つすることなく固まっていた。

 

「現行犯にハリーって…

もしかしてまたハリーは巻き込まれたの?」

 

「…その場にいたのは確かなようだ。

マクゴナガル先生はハリーを連れて行くみたいだ。」

 

「全員、教室に入っていなさい。」

 

そう言いつけられて生徒たちは

教室に入っていった。その後も先生が

入ってきて静かにさせるまで、

そこかしこで先ほどの話をしていた。

 

 

あの一件からさらにハリーに対する

風当たりは強くなり、一部の生徒を除いて

目を合わせようとも、近づこうともしなかった。

身の危険を感じたこともあり、クリスマス休暇に

家に帰るかを迷っていた生徒たちは、

急いで帰りの列車の予約を入れていた。

グリフィンドール生で残るのはハリー、ロン、

ハーマイオニーや、理由はそれぞれ違うが、

ウィーズリー家の兄弟たちも学校に残った。

そして、綺麗に雪が積もり外は一面銀世界に

なっていたクリスマスの日になった。

 

「…うーん……ん…?」

 

「あ、おはよう、アミリア!

ずいぶん起きるの遅かったね?」

 

「…まあ、クリスマス休暇だし…

…大丈夫だろう…ラウラは…ずいぶん早いな…」

 

「はい、紅茶。まあいつもアミリアに

起こされてても私だって遅くても

8時には起きるからね。今はもう9時ごろだよ。

何か疲れてたの?」

 

「ああ…紅茶をありがとう…

最近ハリーがいくらなんでも巻き込まれすぎだと

思ってきて心配になってきてるんだよ…」

 

「…確かに今年の学校で起きた

おかしなこととか危険なことって

全部ハリーが巻き込まれてたね…去年も

大概ではあったけどね。」

 

「去年も、か…去年は間接的にとはいえ

ハリーは狙われていた…もしかしたら

今年の事件もハリーを狙ったものなのかもな…」

 

「うーん…違うんじゃないかな?

ハリーが狙われてるなら、今の状況になる前に

真っ先にハリーが石にされてるとおもうよ。」

 

「…それもそうだな。ハリーだけを

狙ったのならあの壁の言葉も

解釈できなくなるのもあるし

ハリーだけを狙ったものではないか。」

 

「とりあえず談話室に行こう。今日も

昨日までみたいにフレッドやジョージたちと

遊んでるだろうし。」

 

そうして部屋から出て階段を下りていく。

人はほぼいないのでとても静かだった。

談話室に着くと、ハリー、ロン、ハーマイオニーは

暖炉の前のソファに座って

周りの目を気にしながら話をしているようだった。

3人はアミリアとラウラに気がつき、それぞれ

メリークリスマスと言って、2人もそれを返した。

 

「はい、2人にプレゼント。

ハリーとハーマイオニーに

あげたのと同じだけど、僕からは

クィディッチの『キャノンズ』チームの本だよ。

お気に入りのチームなんだ。

えっと…それから僕のママが今年は2人の分も

セーターを作っちゃったみたいなんだ…

ほら、それぞれイニシャルが入ってる。

…だっさいだろ?これ…」

 

「そんなことないよ!

去年はハリーだけセーターだったから

ちょっと羨ましかったぐらいだったんだから。」

 

「ああ。それにシンプルでいいじゃないか。

私は好きだぞ?こういうのは。」

 

「そうかい?それならいいけど…」

 

「私からはこれ。私もハリーとロンに

あげたのと同じだけど羽ペンよ。

でもそれぞれ羽が違うのを買ったの。

はい、2人とも。アミリアのはこれで

ラウラのはこっちよ。」

 

「わぁ、すごくふわふわした羽だね〜。

ありがとう、ハーマイオニー!」

 

「うん、しっかりしてて書きやすそうだ。

いいものをもらったよ。ありがとう。」

 

ロンとハーマイオニーが2人にプレゼントを

渡してからハリーは少し落ち込んだ顔をして

2人に話をした。

 

「うーん…ごめん、本当は僕からもプレゼントを

渡したいんだけど僕の家はあれだから

買ってもらって送ってもらうのができないんだ…

材料も送ってくれないから自作もできないしね…」

 

「あー、そっかぁ…確か

かなりひどい人たちだったんだよね…」

 

「うん、今年送ってきたクリスマスプレゼントは

こんなものだったよ…」

 

そう言ってハリーはポケットの中に

入っていた小さな包みから

爪楊枝1本を取り出して2人に見せた。

 

「これは酷いな…ハリーだけでなく

ヘドウィグも残念だろうな。こんなもの

一つ運んだところでやりがいもなかっただろう…」

 

そこでハリーは何かを思い出したようで、

下に置いていた2つの箱を取り出した。

 

「そういえばハグリッドからのプレゼントも

あるんだけどアミリア宛のだけ僕や

他のみんなと違うやつみたい。

ラウラには糖蜜ヌガーだったよ。温めて

柔らかくして食べれば大丈夫だと思う。

それでアミリアにはこの箱だよ。」

 

そう言われて、アミリアはハリーから

少し大きめの箱を受け取った。その中には

一枚のメモとロックケーキが入っていた。

 

「ふむ…ああ、ロックケーキの試作らしいな。

硬さをましにしようと頑張ったらしい。

前に私が食べたから違いを聞きたいのかな…」

 

「そう言えば硬い硬いって

言いながらしっかりと食べてたもんね。」

 

「ハグリッドのロックケーキを食べたのかい?

おっどろいたなぁ…よくあれを食べられるよ…」

 

「ええ…あれは歯が折れるかと思ったわ…」

 

ちょっとした好奇の目をロンとハーマイオニーから

向けられたアミリアは、

ひとまずそのロックケーキに口をいれてみた。

するとガリガリという音が響いた。

 

「…確かにマシにはなってはいるが

まだまだ硬いな…フランスパンを

さらにカリカリに焼いたぐらいには硬いか。」

 

「それってまだ一般人が食べれる

硬さじゃないような気がするよ…」

 

「あ、そうそう!私とアミリアも

みんなにプレゼントがあるんだった!

私、みんなへのプレゼント持ってくるよ!」

 

「先に準備しておけばいいものを…

とりあえず私からはこれだ。」

 

アミリアはそう言って手に持っていた

紙袋から、かなり小さく小分けされた袋を出した。

 

「これって百味ビーンズ?」

 

「ああ。私のプレゼントはお金はかけていないが、

手間をかけてみた。…ラウラのせいで

余計に手間がかかったがな…

注意しても結局バラバラにされるとは…」

 

「手間がかかってる?そうなのかいアミリア。

普通の百味ビーンズと何が違うのさ?」

 

「これらには世間一般に百味ビーンズの中で、

土味などのハズレと言われるものは

入っていない。全て私が弾いた。」

 

「え、そんなことができるの?ロンはできる?」

 

「僕に出来るわけないよハリー。

百味なんて言われてるけど実際にはそんなの

優に超える数の種類が入ってるんだ…

それこそ悪ふざけとしか思えない

ような味が人気の味とほぼ同じ色なんてこと

よくあるってハリーも知ってるだろ?」

 

「ふふん…私の百味ビーンズの味を

見分けることに関する腕をなめるなよ?」

 

「どうしてそんなことができるようになったの?

私も見分けられないかと思って色を念入りに

見ても合うことなんてほとんどないのに…」

 

「私は8歳で初めて百味ビーンズを食べたんだが

偶然当たったカボチャパイ味のビーンズの

味を忘れられず、それから2年8ヶ月18日間

私の両親がおやつを買ってくれる時は

百味ビーンズを買い、それを延々と食べ続けた…

そしてようやく見つけたんだ。

あの時の感動は今でも忘れられないよ…

まあカボチャパイ味の話は置いておいて、

その頃になると酷い目にあったのが

どの色でどんな微かな匂いがあるか、

どれぐらいの重量感があるかで

判別できるようになっていたんだ。

そうだな…言ってしまえば経験則かな?」

 

「経験則…どのくらいの正解率なんだい?」

 

「今までラウラに渡した百味ビーンズの中で

予想が外れたことはないな。」

 

「それはすごいわね…

少しだけラウラがうらやましくなったわ…

ハズレを引かなければ百味ビーンズは

美味しいのが多いし。」

 

そんな話をしているとプレゼントを

取りに行っていたラウラが戻ってきた。

 

「お待たせみんな!はい、ハリーはこれ、

ロンはこれ、ハーマイオニーはこれね!」

 

そう言ってラウラは3人に小さな箱を渡した。

 

「これは…蛇かい?ラウラ。」

 

「ハリーは蛇なの?僕はフクロウみたいだ。」

 

「私は猫みたいね。」

 

それぞれの箱の中にはかなりデフォルメされて

あまり原型はないが、

かわいい小さな動物の人形が入っていた。

 

「ありがとう、ラウラ。すごく可愛いと思うわ。」

 

「うん、僕もそう思うよ。絶対に大事にするね。」

 

「兄弟に自慢ができそうなぐらいだよ。」

 

その後は5人に加えてフレッドやジョージ、

それにジニーも一緒にいろいろなゲームをした。

何度かパーシーが注意しにやってきたが、

フレッドとジョージに絡まれ、

結局まともな注意はできなかった。

そしてクリスマスの夜、もちろんいつもよりも

豪華な夕食でアミリアが暴走していた。

そうして夜は更けていった。

 

 

…明日…うん、明日には実行しよう…

もしかしたらまだ早いかもしれない…

でも、もうこれ以上あの子に辛い思いを

させるなんて私にはできない…

理論上は問題ないけど、実際やることと

同じことなんてできないから

どんなことになるのかわからないや…

失敗なんてしたら何が起こるか…

いや、考えないようにしよう。

あの子を無事に助けることだけ考えるんだ。

もちろん私も無事でいないとね。






「クイズ、ミリオネラウラの時間だ。
これはラウラに関する問題を暇つぶしに
この後書きを見てくれている人に
改めて考えてもらおうというものだ。」

「相変わらずひっどいネーミングだね…
ちゃんと繋がってないし。
例のごとく賞品なんかないんでしょ?」

「ああ。今日は本当に何も預かっていない。」

「よかった…またあの絵を引っ張りだされたら
と思うと…あの時はレーヴァにしか
目がいってなかったけど、
普通に私もひどいものだったよ…あの絵は…」

「さて、ラウラが落ち込んで
話ができなくなる前に問題を出してしまおう。」

「うん、じゃあ私が問題を言うね。
私のお母さんは次のうち誰でしょうか?
1、エミリー
2、ダールト
3、ランディ
4、アリシア
みんなの頭の中で考えてね。仮に
考えてくれる人がいても感想とかに書くのは
御法度らしいからやめてね。
ちなみに姓はいちおう隠してるよ。」

「1〜4の人物は全てこの作品オリジナルの人物だ。
…前から分かってると思うが
ここにいる私たちはいくらでも
メタ発言をするからな。本文のアミリアと
ここにいるアミリアは違う人物だと
思ってくれ。まあややこしいがな。」

「じゃあとりあえず引っ張っても仕方ないし
正解を言うね。正解は1のエミリーだよ。
エミリー・ブライトフォードが
私のお母さんの名前だよ。」

「大変つかみどこのない方だ。
素で同調できる人がいたらすごいと思う。」

「うん。10年以上一緒の私やお父さんでも
ほとんどついていけないよ…」

「そんなかんじで今回は終了だ。
後書きが少し雑になってるとか言われそうだが
気にするな。そもそもオマケだからな。」

「はい、じゃあまた次回!」

「「見てくれてありがとうございました!」」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。