ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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お気に入り50件突破…
話数的には遅いかもしれないけど
読んでもらえるのかも不安だった
自分からしたらとても嬉しいです。




狂ったブラッジャー

アミリアとラウラは今期初めての

クィディッチの日の朝、大広間で

朝食を食べていた。ハリーの周りには

チームメイトやその他にも大勢のひとが

集まっていて、来るのが遅かった2人は

近くに座ることができなかった。

 

「ラウラ、今日のクィディッチの

試合は見に行くのか?

最近色々調べ物をしてるようだが。」

 

「私も見に行くよ。

ハリー、ずっと練習頑張ってたみたいだしね。

きっとハリーは、

またすごいプレーを見せてくれるよ。」

 

「そうか。じゃあ後で一緒に観に行こうか。

とりあえず今は朝食だ。少し急ごうか。

………そう言えば噂ではスリザリンの箒が

すべてニンバス2001になったとか噂があったぞ。」

 

「ぶふっ⁉︎」

 

アミリアから初めて聞いた

情報で、ラウラは驚いて口に入れていた

牛乳を吹き出しそうになった。

 

「…え?どうして?

去年まで他のチームの箒と大差なかったよね?

ほら、クリーンスイープシリーズとか

コメットシリーズとか。なんでチーム全員の

箒がそんな最新のになってるの?」

 

「ドラコ・マルフォイの父親が

買い与えたらしくてな。それでドラコが

スリザリンのチームに入ったとか。シーカーで。」

 

「それってやってること買収じゃない?」

 

「まあスリザリンのキャプテンも

スポンサーだとか言ってたらしいしな。

あながち間違いでもないかもしれない。」

 

「でもまあ、それぐらいならハリーたち

グリフィンドールチームは勝てるよ。」

 

「やはりラウラもそう思うか。」

 

「そりゃあね。ほら、あれだよ?」

 

ちらりとスリザリン寮の長机で自慢話を

しているドラコを見てから、

再び2人は顔を見合わせた。

 

「練習よりも自慢話が多いやつに

我らがハリーに勝てるものか。」

 

「うんうん。あんなのにハリーたちが負けたら、

ハグリッドじゃないけどそれこそ

へそでお茶を沸かせてみせるよ。」

 

「はは、そうだな。…ん?」

 

アミリアがハリーのほうを見ると、

席を立って歩いて行くところだった。

 

「あ、そろそろ時間だね。行こうか。」

 

「むう…まだ食べてるんだが…

まあ仕方ない。いくらか貰っていこう。」

 

そう言ってアミリアはトーストを

4枚とって立ち上がった。

 

「本当に相変わらずよく食べるよね…

なんで朝からそんなたくさん食べれるのか…」

 

「美味しいんだから食べても問題ない。うん。」

 

そして、競技場に向かう他の人に

ついて行くように2人も大広間を出て行った。

 

 

競技場はいつものように人で

ごった返していた。グリフィンドールの

観客席に2人が着く頃には

周りの生徒や先生は、今か今かと

試合が始まるのを待っていた。

そして少し経つと、選手が箒に乗って

入場口から空に舞い上がった。

実況のリー・ジョーダンもそれを見て

マイクに向かって喋り始めた。

 

『両チームが出てきました!

今期初のクィディッチは我らがグリフィンドール対

スリザリン!グリフィンドールには箒の違いを

ものともせずに、

是非ともスリザリンをぶちのめしー』

 

『ジョーダン!前から言ってるでしょう!

公平に実況しなさい!』

 

『や、これは失礼。』

 

今や名物になりつつある実況が

流れる中で、それぞれ選手がポジションについた。

スリザリン寮の人以外は、

グリフィンドールを応援していた。

 

『審判は今年も引き続き

マダム・フーチ先生です!

さあ、4つのボールが入っている箱が開かれ、

まずは2つのブラッジャー、続いて

スニッチが飛び立ちました!』

 

フーチが箱を蹴って開けると、

真上にブラッジャーが、そしてジグザグと

軌道を描きながら金のスニッチが上空へ飛んだ。

残ったクァッフルをフーチが手に持ち、

選手たちを見つめた。

 

「正々堂々とプレーをしてください!」

 

そしてクァッフルが真上に投げられ、

試合が始まった。始めにクァッフルを取ったのは

箒の性能が高いスリザリンのチェイサーだった。

 

「うわぁ…やっぱり早いね。

さすが最新型だよ。」

 

「ああ、ニンバス2001は現時点では

おそらくは最高性能の箒のはずだからな。

それも新品を用意してきてるんだ。

経年劣化もないはずだ。」

 

『グリフィンドールのゴールにスリザリンの

マーカス・フリントが迫る!オリバー・ウッドは

守りきれるか⁉︎

…ああっ!入ってしまったー!スリザリン先制!』

 

先制したのはスリザリンだった。

スリザリンの観客席からは歓声が聞こえ、

他の観客席からはブーイングが聞こえる。

 

『おっと!ブラッジャーの1つが

グリフィンドールの天才シーカー、

ハリー・ポッターに迫る!おお!

ハリー華麗にかわした!ブラッジャーの

狙いがマルフォイのやつならよかー』

 

『ジョーダン!いい加減にしなさい!』

 

ジョーダンはマクゴナガルに怒鳴られ、

ハリーから目をそらした。しかし、

何人かのハリーを見ていた人は絶句していた。

 

「なっ…」

 

アミリアとラウラもそれに気がついた。

ハリーが避けたブラッジャーが方向を変えて、

再びハリーに襲いかかっていた。

ハリーはそれに気づいて、なんとか避けたが、

またブラッジャーが飛んできた。

今度はフレッドがそれを弾き返した。

それはドラコに飛ぶ軌道を描くが、

やはりハリーのほうに飛んで行った。

 

「アミリア!ハリーにブラッジャーが!」

 

「ああ、つきまとわれてる…!」

 

「あんなの絶対おかしいよ!

ほら!ジョージ…フレッド?とにかく

ビーターがはじき返してもまた

ハリーに襲いかかるなんて!

絶対なにか細工されてるんだよ!」

 

「だがブラッジャーにも

不正がされないように対策魔法が箒ほどで

ないにしろかけられているんだ!

生半可な魔法では細工なんて…!」

 

「でも操られてるし…

観客席を見てみよう!誤解だったけど

去年のスネイプ先生みたいに魔法を

かけてる人が見つかるかも!」

 

そう言ってラウラと、アミリアも

双眼鏡で観客席を見渡したが、

怪しい動きをしている者は見つからなかった。

 

「チッ。雨まで降ってきたぞ…」

 

空からは大粒の雨が降り出して、

視界も少しずつ悪くなってきた。

 

『アンジェリーナがスリザリンゴールに迫る!

あ!危ない!ブラッジャーがアンジェリーナを

遮りチャンスを逃してしまった!

手放されてしまった

クァッフルは再びスリザリンの手に!

そのままゴールに向かっていきます!』

 

試合は50対0でスリザリンが

圧倒的にリードしていた。

そしてそのまま

グリフィンドールゴールにクァッフルが入り、

60対0になった。そこでオリバーが

フレッドとジョージのサインに気づき、

フーチにタイムアウトを申し込んでいた。

 

『ここでグリフィンドールチームは

タイムアウトを取るようです。』

 

グリフィンドールチームはハリーを中心に

一か所に集まり、話し合っていた。

その間もアミリアとラウラは双眼鏡で

観客席を見渡していた。

 

「…だめだアミリア。

怪しい人なんてどこにもいないよ。

ロンとハーマイオニーも、私たちと

同じことしてるけど見つからないみたいだし…」

 

「姿も見えないのにどうやって

魔法でブラッジャーを狂わせているんだ…?

少なくとも競技場内には入ってないと

魔法が届かないはずなのだが…」

 

「あれって初めから

魔法をかけられてたとかないの?」

 

「いや、フーチ先生が前日にチェックして

そのまま鍵をかけたはずだ。

当然持ってくる前にもチェックは

しただろうからそれはないと思う。

先生は公平な試合を望むはずだから入念に

チェックはしたはずだ。」

 

「そのはずだよね…

あ、タイムアウトが終わったみたい。

…フレッドとジョージは

他の選手につくみたいだね。」

 

「そのようだな…

………当たるなよ、ハリー…」

 

犯人は見つからず、もう2人は

いのることしかできなかった。

相変わらずブラッジャーはハリーを狙い、

何度もギリギリのところをかすめていた。

 

「…!アミリア!マルフォイの頭の横に!」

 

「ん?…スニッチか!

あんな耳元ではいつ気づかれてもおかしくない…」

 

ハリーに近づいて何かを言っている

ドラコのすぐそばに金色のスニッチが

滞空していた。ハリーは気がついていたが、

気づかれればドラコから手が届く距離で

空を飛ぶスニッチに立ち往生していた。

そこに、またしてもハリーを狙うブラッジャーが

飛んできて、ハリーはそれを避けた。

その先にいたドラコは慌てて避けて

バランスを崩して、少しふらふらした。

それを見てハリーはすぐさま体制を立て直して

スニッチに急接近していった。

 

「やった!ハリー、そのまま掴んで!」

 

「っ!ハリー、避けるんだ!右から…!」

 

スニッチに右腕を伸ばしていたハリーに、

ブラッジャーが直撃した。

ハリーの右腕は力無くぶら下がった。

しかしハリーはそのまま左腕を伸ばして

スニッチに飛び込んだ。

そのまま数メートル仰向けのまま滑り、

ハリーがゆっくりと左手を伸ばした。

その手には金色に輝くスニッチがあった。

それを見て、チームメイトと数人の観客席の生徒が

ハリーに駆け寄っていった。

 

『ハリー・ポッターがスニッチをとったー!

試合終了、150対60でグリフィンドールの勝利!』

 

ジョーダンはマイクに向かって叫び、

喜びをあらわにしていた。

しかしハリーの上空からブラッジャーが

試合が終わったにもかかわらず、

ハリーに向かって飛んできた。

ハリーが避けて何度も地面に当たるが、

止まる様子はなく、上空に上がっては

急降下を繰り返していた。

そこに近づいていたハーマイオニーが

杖を取り出して呪文を唱えた。

 

「フィニートインカンターテム

ー呪文よ終われー」

 

ハーマイオニーの杖から光線が出て、

急降下してきていたブラッジャーに当たると、

ブラッジャーはばらばらに砕けた。

そのハリーのもとに集まって賞賛したり、

怪我の様子を見たりする生徒をかき分けて、

ロックハートがハリーに近づいていった。

 

「ハリー、素晴らしいプレーだったよ。

いつか私に追いつくかもしれない。

さあ、右腕を出しなさい。

私が治してあげましょう。」

 

「先生が…?やめて、何もしないで…」

 

ハリーは弱々しく否定したが、

ロックハートは聞く耳を持たず、ハリーの

腕に杖を向けた。

 

「ブラキアム・エンメンドー ー骨よ、治れー」

 

ロックハートが呪文を唱えると、

ハリーの腕は力なく曲がった。

だが曲がった場所は手首でも肘でもなかった。

その腕を見て、生徒たちが悲鳴をあげた。

 

「あー、まあ、こんなこともあります。

でも…この通り骨は折れてないわけで…

では私は失礼します。」

 

そう言ってロックハートは逃げるように

その場を去っていった。

周りにいた生徒たちは急いで

ハリーを医務室に連れて行った。

 

「…ロックハート先生、あれだめだよね。」

 

「ああ…なんだか…もう言葉が出てこないな…」

 

 

少しの時間呆然としていた2人は

ハリーについていくタイミングを失ってしまい、

遅れて医務室についたが、

マダム・ポンフリーに追い出されてしまった。

ハリーはこの日は医務室に泊まるらしく、

夕食の時間の大広間にハリーはおらず、

ロンとハーマイオニーが2人で座っていた。

 

「隣、大丈夫?」

 

「ああ、アミリアとラウラじゃないか。」

 

「ハリーの様子は見れたか?」

 

「ええ。医務室で骨生え薬を飲んでたわ。

ずいぶん不味いらしくて吹き出してたけど。」

 

「まったく、ロックハートのやつ

余計なことしてくれるよ。」

 

「ロン、彼にだって失敗はあるわ。」

 

「ああそうだろうさ。

それこそ何度だってね。」

 

ロンとハーマイオニーの間に険悪な空気が漂った。

 

「そ、そういえばブラッジャーのこと、

どう思う?2人も見たよね?」

 

「きっとマルフォイのやつさ。」

 

「うーん…そうだろうか…

クィディッチの試合で杖は持って入ることは

できないんだぞ?」

 

「それでも、あのタイミングで

ハリーが動けなくなって喜ぶのは

マルフォイやスリザリンチームぐらいなものよ。」

 

「確かにそうかもしれないね。

でも結局どうやったのかわからないよ。」

 

「いつか聞き出してやるさ。」

 

「どうやって?」

 

「うーん。2人には教えていいと思うけど

校則もいくつか破ることになることだから

秘密にしておくわ。

ばれたらまた去年みたいになると思うし

あまり広められる方法ではないのよ。」

 

「…そっか。うん、わかったよ。」

 

そう言ってラウラはおとなしく引き下がった。

その後はそれぞれ部屋に戻って、ハリーが

いない以外はいつものように過ごした。

 

 

なんとか忍び込めたけど…

…どの本を使えるだろう…

やっぱり閲覧禁止の棚の本がいるかな…

…闇の魔術を使うことになるだろうしね…

あと、他にもいくつか併用しないと。

望む結果にはならない、よね。

 

 

 

 

 

うーん…だいたいはぴったりの呪文があるけど

さすがに私の目的の主軸になる呪文は

詳しくは載ってない、か…

挿絵的には運良く役に立ちそうな

呪文の名前は見つけたけど…

…ホークラックス…ねぇ…

こんなの使う人なんているのかな…

絵だけじゃなんとも言えないけど

すごい苦しそうにしてるし…

でも、アイデアは悪くないね。

分けることができるかもしれない。






「クイズ!ミリオネアミリアの時間だよ!」

「待て。なんだそのふざけたネーミングは。」

「この番組(?)はその名の通りアミリアについての
クイズを出して、それに答えられたら
100万ガリオンとか100万ポンドとか
100万ジンパブエドルすらあげられないけど、
なんかの賞品がもらえるかもしれないよ!」

「賞品の説明適当すぎるだろ。
番組名にも関係なくなってるし…」

「そういえば私、賞品聞いてないだけど
アミリアは聞いてるの?」

「ああ、私が今持ってる紙に
書いてあるらしい。」

「ああ、その紙に書いてるのね。
じゃあクイズを始めようか。問題!
アミリアが持ってる箒の種類は?
1.クリーンスイープ5号
2.ニンバス2000
3.シルバーアロー
4.シューティングスター
さて、どれでしょうか!」

「第一学年が終わった時に
母上が私たちに箒を返してくれたな。」

「さて、正解した人には…
えっと、アミリア。賞品はなんなの?」

「ん?………ふふっ。」

「え?どうしたの?
紙を見て笑ったりして。」

「ああ、すまない。賞品だが、
作者画伯(笑)のラウラとレーヴァの絵だ。」

「ほえ?」

「喜べラウラ。私だけじゃなく
ラウラの分も描いてくれたらしい。」

「じょ、冗談じゃ…」


【挿絵表示】


「…」

「ん?どうしたラウラ。顔が怖いぞ?」

「許さない…絶対に許さないぞ作者め…
じわじわとなぶり殺しにしてやる…」

「ちょ⁉︎おい、ラウラ!
いったいどうしたんだ⁉︎止まるんだ!」

「離してアミリア!あいつ殺せない!」

「満面の笑顔で描かれてるじゃないか!
どうしてそんなに怒ってるんだ⁉︎」

「私の絵はどうでもいいんだ!
重要なことじゃない!
でも、レーヴァをこんな適当に描くなんて…
万死に値するよ!
私とアミリアの意識に
こんなに差があるなんて思わなかった…!
こんな番組やる価値なんてない!
やるなら勝手にやって!私はこんな番組降りる!」

「霧の出そうなセリフを言うんじゃない!
落ち着くんだラウラ!すまないが
読んでくれたひとはここでお別れだ!
次回もまた見てほしい!
おい、ラウラ!止まるんだ!
ついでにクイズの正解は3だが
正解してても賞品はないからな!」

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