ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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最近2日に1話ペースですが、
そろそろ学校が始まるのでさらに
おそくなるかもしれません。
更新を待ってくれてる人には申し訳ないです…


穢れた血

4人は朝食を食べ終わってロンとハーマイオニーは

ハリーを見に行き、アミリアとラウラは

久しぶりにハグリッドに会いに小屋に向かった。

 

「前の学期の時お前さんたちが

医務室に運び込まれたと聞いて

肝が冷えたぞ。もう無茶はせんでくれよ。」

 

そう言ってハグリッドはロックケーキと

紅茶を出してきた。

ラウラはケーキに手をつけずに紅茶を飲み、

アミリアは勇敢にもロックケーキを

食べようとしていた。

 

「ハグリッド、このロックケーキは美味しいが

固すぎないか?歯が痛いんだが…」

 

「確かに普通のロックケーキより

随分硬いよね。本当の岩みたいに。

どうしてこんなに固くしてるの?」

 

「俺はちょいと不器用でな。

粉を少なくしすぎて食べれなくなるよりは

いいかと思ってな。

俺は固くてもある程度は食べれんこたぁない。」

 

「というかアミリアはよくこれ食べれるね。

これ歯が欠けそうなぐらい固いんだけど…」

 

そうして3人で話していると、

小屋の扉がノックされて開き、そこから

ロックハートが入ってきた。

 

「おはようございます。また来ましたよ。

おや、グリフィンドールの生徒の子も一緒ですか。」

 

ハグリッドの顔は見るからに

不機嫌そうになっていた。

 

「あー、今日は何の用で?先生。」

 

「ああ、今日は水魔の退治の仕方を

お教えしようと思いましてね。それと

私のことをあまり知らないと聞きましたので

私の武勇伝でもお聞かせしようかと。」

 

それからロックハートは延々と

自慢話を続けていった。

その話を3人はほとんど聞かずに聞き流していた。

30分ぐらいずっと話し続けたあと、

言いたいことは言ったのか話を区切った。

 

「ではそろそろ時間なので

私はこれで。この後サインしてほしいと

いう生徒がいましてね。

そう言えば私の本は読んだ事はありますか?」

 

「いや、読んだ事はないな。」

 

「おや、それはいけませんね。

ではまた渡しに来ましょう。」

 

そう言って、ロックハートは小屋から出て行く。

 

「やり方さえわかっていれば簡単なことですよ。

助けてほしいことがあればいつでも

来てください。それと私の著書を1冊

進呈しましょう。

いやぁ、まだお持ちでなかったとは

驚きですね。今夜サインしてお渡ししますよ。

では私はお暇しましょう!」

 

そう言ってロックハートは

颯爽と学校のほうへ歩いてあった。

 

「ハグリッド、何回か来てるの?あの先生。」

 

「ああ、俺が何も知らんと思っとるのか

今まで何回も来とる。」

 

「水魔の退治の仕方なんて

その辺りの本で普通にわかるだろう。あの人は

ハグリッドがわかってないと思ってたのか?」

 

1分と経たなうちにまた扉が

ノックされた。ハグリッドは

不機嫌そうにその扉を開けたが、

誰かを見るとパッと表情が明るくなった。

そこにはユニフォームのままのハリーと

ハーマイオニーと、その2人に支えられて

立っているロンがいた。

ロンの顔色はこの上なく悪かった。

 

「おお、お前さんたちか。

いつ来るんかと思っとったんだ。

まーたロックハート先生が来たのかと思ってな。」

 

「ロン、どうしたの⁉︎」

 

「ラウラ、話は一旦後にして!

ハグリッド、バケツを貸してくれない?」

 

そう言われてハグリッドは

小屋の奥からバケツを引っ張り出してきた。

そして慣れた様子でロンにバケツを渡して

背中をさすっていた。

するとロンは口からなめくじを吐いた。

 

「…何があったの?これなんの呪い?」

 

「なめくじの呪いみたい。

ロンの杖から逆噴射したの。」

 

「出てこんよりは出たほうがええ。吐いちまえ。」

 

「あの呪いはただでさえ難しいのよ。

まして杖が折れてたら…」

 

「ハグリッド、ロックハートは何の用だったの?」

 

ハリーは床に寝ていたファングの

頭を撫でながらハグリッドに聞いた。

隣ではロンが変わらずなめくじを吐いていた。

 

「井戸の底の水魔の退治の仕方を

俺に教えようとしてな。

全く、やっこさんは俺が知らんと思っとるんだ。

その上泣き妖怪なんとかってのを追い払った話を

さんざ言いおった。やっこさんの言うことが

1つでも本当ならへそで茶を沸かしてやるわ。」

 

ハグリッドにしては珍しく、

ホグワーツの教員を批判していた。

5人とも驚いてハグリッドを見て、

ハーマイオニーはそれに反論した。

 

「ダンブルドア先生が適任だと判断された

先生なんだからそれは言い過ぎじゃないかしら…」

 

「他にゃだーれもおらんかったんだ。

人っ子ひとりおらんかった。

最近闇の魔術に対する防衛術の先生を

探すのが難しくなっとる。

ここんとこ長続きした先生がおらんから

縁起が悪いと思い始めたんだ。」

 

そう言いながらハグリッドは

糖蜜ヌガーを5人に出していた。

 

「ああ、そう言えば私の母上に

ホグワーツからの手紙が届いていたな。

すでに予約が入っていたから今学期は

無理だとことわったらしいが。」

 

「それでロン、

いったい誰にそんな呪いをかけようとしたの?」

 

ラウラはしんどそうにしているロンに

聞いて、隣にいたハリーがそれに答えた。

 

「マルフォイだよ。

マルフォイがハーマイオニーに…

その、何かひどいこと言ったんだ。」

 

「本当に酷い悪口さ。」

 

「『穢れた血』ですって。」

 

そのハーマイオニーの言葉に

その意味を知らないハリー以外は絶句した。

 

「…マルフォイの…やつめ…

まだ懲りんのか…!」

 

「なんて…なんて酷いことを…」

 

「そんな事本当に言うたのか!」

 

「いったいどういう意味なの?

それはもちろん酷い事だってのはわかるけど…」

 

魔法界のことをあまり知らないハリーは

その意味を聞いた。

それにアミリアやラウラが答えていく。

 

「…穢れた血という言葉は魔法界の中で

マグル生まれの者に対する最悪の侮辱の言葉だ。

マルフォイ家の者のように純血と言われ、

自分たちが誰よりも優れていると

思っている者がそう言うんだ。」

 

「もちろん魔法界の純血の全部が

そんな訳じゃないよ。

ネビルや、私たちも純血だけどそんな事

思ってない。それにハーマイオニーは

私よりもたくさん魔法を使えるし、

私尊敬してるもん!」

 

「その通りだ。

俺たちのハーマイオニーに使えねぇ魔法なんて

ひとっつもなかった。」

 

ラウラとハグリッドにそう言われて

ハーマイオニーは頬を赤く染めた。

 

「まったくあいつら狂ってるよ。

今時魔法使いはほとんど混血だぜ?

もしマグルと結婚してなきゃ今ごろ

魔法使いなんてとっくに絶滅してるよ。」

 

ロンがそう言って嫌悪感を示していると、

物理的な嫌悪感がこみ上げてきたようで、

またバケツにゲーゲーとなめくじを吐いた。

 

「うーむ、そりゃロンが呪いをかけたくなるのも

無理はねぇ。だけんど逆噴射してて

逆に良かったかもしんねぇ。

ルシウス・マルフォイが学校に乗り込んで

面倒ごとが起こっとったかもしれん。

やつの息子に呪いがかけちまってたらな。

少なくともお前さんは面倒に巻き込まれんで

すんだっちゅうことだ。」

 

その言葉にハリーは

何かを言いたそうにしていたが、

糖蜜ヌガーが歯と歯をぴったりと

くっつけて話ができなくなっているようだった。

 

「ところでハリー、お前さんが

サイン入りの写真を配っとるって

話だが俺にはくれんのか?」

 

「え?そうなの?ハリー、私にもちょうだい!」

 

「僕そんなの配ってない!

まだロックハートがそんなこと言いふらして…」

 

ようやく歯と歯が離れたハリーは

少し怒りながらハグリッドとラウラに怒鳴った。

2人はそれを見て笑っていた。

 

「からかっただけだ。」

 

そう言ってハグリッドはポンと

ハリーの背中を叩いた。その衝撃で

ハリーは机につんのめった。

 

「ロックハートに言ってやったさ。

ハリーはそんな事せんでも

先生よりよっぽど有名だってな。」

 

「彼は気に入らなかったようだったな。」

 

「ああ、気に入らんかっただろう。

それからな、お前さんの本はひとつも読んどらんと

言ってやったら帰っていったよ。

ところでどうだ、ロン?糖蜜ヌガーはどうだ?」

 

「うう…気分が悪いからいらない。」

 

ロンは弱々しく答えた。

 

「よし、俺が育てとるもん

ちょいと見に来いや。」

 

そういってロン以外の4人がお茶を

飲み終わるのを見てハグリッドが誘った。

 

「うわぁー!すごい大っきいカボチャだね!」

 

「よーく育っとろう?

ハロウィーンの祭り用だ。その頃までには

いい大きさになるぞ。」

 

そこには大きな岩ぐらい

大きなカボチャがあった。ハグリッドは

満足そうな顔でうんうんうなづいていた。

 

「ねぇ、ハグリッド。

このカボチャって肥料は何を使ってるの?」

 

ハリーに質問されたハグリッドは

ばつが悪そうに口ごもった。

 

「あー、やっとるもんは…ほれ。

ちょいと手助けをしてもらってな。」

 

アミリアとラウラは、なぜそんな反応を

するのかあまりわからなかった。

 

「これ『肥らせ魔法』じゃない?

ハグリッドったら上手くやったわね。」

 

「そういえばお前さんの妹もそう言っとったぞ。

つい昨日会ったぞ。」

 

ハグリッドはロンに向かって

そう言ってハリーも横目で見た。

 

「ぶらぶら散歩しとっただけと言っとったが

ありゃ俺が思うに誰かを探しとったな。」

 

「ああ、なるほどね〜。」

 

ハリーにハグリッドはウインクし、

ラウラはにやにやと見た。

 

「あの子はきっと欲しがるぞ。

お前さんのサイン入りの写真をー」

 

ハグリッドがそう言うと、

ロンは吹き出して、カボチャのほうに

なめくじをとばした。

 

「気ーつけろ。」

 

ハグリッドは大声を出して

ロンの背中をさすりながらカボチャから離した。

 

「じゃあハグリッド、私たちは

そろそろお昼だから帰るわね。」

 

「おお、またいつでも来いよ。

ハーマイオニー、マルフォイの

言うことは気にせんでええからな。」

 

「ええ、大丈夫よ。」

 

そうしてハグリッドに別れを言って、

5人は城へと向かった。

ロンは相変わらず調子が悪かったが、

多少は落ち着いたようで、

小さななめくじが2匹でてきただけだった。

そして玄関ホールに入ると、

大きな声が聞こえてきた。

全員がその方向に向くと、マクゴナガルが

厳しい表情をして立っていた。

 

「ポッター、ウィーズリー、そこにいましたか。

2人とも、処罰は今夜になります。」

 

「ハーマイオニー、ハリーとロンの

処罰ってなんの?」

 

「空飛ぶ車の件よ。」

 

「先生、僕たち、何をする、んでしょうか?」

 

ロンがなんとか

ゲップをしないように聞いた。

 

「あなたはフィルチさんと一緒に

トロフィー・ルームで銀磨きです。

魔法は使ってはいけませんよ。

自分の力で磨きなさい。」

 

ロンは目に見えて落ち込んだ。

アーガス・フィルチは言うまでもなく

学校中の生徒に嫌われているからだ。

 

「ポッター、あなたはロックハート先生の

ファンレターに返事を書くのを手伝いなさい。」

 

それを聞いて、ハリー以外の全員が同情した。

ハリーが今、おそらく最も会いたくない

人物がロックハートだからだ。

もちろんハリーはなんとか

回避できないか先生に懇願したが、

ピシャリと言い切り、その懇願を却下した。

 

 

そのあと全員で大広間で昼食を食べていたが、

ハリーとロンは食欲がないようだった。

 

「フィルチは一晩中僕を解放してくれないよ…

それに魔法なしだなんて!

あそこには銀杯が100個はあるぜ…」

 

「僕でよければいつでも変わるよ。

磨くのはダーズリーの所で

散々訓練されてるからね。」

 

ハリーはうつろな声でロンに言った。

 

「まあハリーが今学期疲れてる

1番の原因と一晩一緒なんて拷問だよね…」

 

「とはいえ処罰だし仕方ないだろう。

諦めるしかないよ、ハリー。」

 

「そうよ。処罰を受けるのが悪いのよ。」

 

ハリーとロンはますます落ち込んだ。

 

「そうは言うけど僕たち何も

悪くないと思うんだよ…」

 

「でも車を飛ばしたのは事実でしょう。」

 

「ハーマイオニー、説教は勘弁してくれよ。

僕とハリーはもう気力が残ってないんだよ…」

 

昼食をとったあと、

ハリーとロンとハーマイオニーは

談話室に戻り、アミリアとラウラは

図書室でラウラの復習をしていた。






「私たちの家族を紹介するということで
前回は私の父上を紹介したので、
今回は私の母上の紹介をしようと思っている。」

「ということで、今回はアミリアのお母さん、
アリシア・フラムさんでーす!」

「…あら?ここはどこかしら。」

「仕様です。気にしないでください。」

「そうなの?わかったわ。」

「さすがアリシアさん、話が早いね!
それでは自己紹介をどうぞ!」

「では。私の名前はアリシア・フラム、
お仕事はしていませんが特別講師、
とでもいいましょうか。よく呼ばれますね。
以後、お見知り置きを。」

「おー、やっぱり動きとかかっこいいね。
大人の女性ってかんじ?」

「母上は良家の娘だったからな。
その辺りは朝飯前とは本人談だ。」

「アミリア、本人談ってどういうことかしら?
私はいつ、どんなときでも」

「箒を持ったら?」

「無理ね。」

「即答ですか。」

「だってぇあの時のこと思い出しちゃうし…」

「クィディッチの選手時代、ですか。」

「お願い、アミリア。
そのことを話さないでちょうだい…」

「アリシアさんにとっては黒歴史
みたいだからねぇ。
まあ、あんな高笑いをしてる自分を
見るとなかったことにしたくなるよね。」

「とはいえ伝説になっているがな。
箒でブラッジャーを打ち返すなんて
そもそも考え付くのもおかしいことだ。」

「あら、そこまで難しくないわ。
打ち返すと言っても実際は勢いを殺さずに
方向を上手く変えてるだけよ?」

「まずブラッジャーが箒に当たったら
その時点でバランス崩して
地面に落ちますよアリシアさん。」

「そうかしら?」

「天才と言われてるハリーでも無理でしょうね。」

「ハリーが箒の上に立つぐらい
バランス感覚あってもブラッジャーが
当たるのはさすがにね…」

「だいたいあれは当たって無事ですむ
代物ではない。だからこそ
ビーターというポジションがあるのだから。」

「私はビーターでもよかったんだけれど
チームメイトに止められたのよね。
女の子にそんな危険なポジションは
させられないと言われたのよ。
ビーターならもっと…ククッ…あらやだ。」

「落としたかっただけでしょう…」

「アミリア〜、アリシアさんが怖いよ〜…」

「よし、話を変えようか。
では母上、特別講師のようなものとは
どのようなことを教えるのですか?」

「うーん、それこそ色々よ?
魔法薬の作り方、変身術のコツ、
魔法生物の飼育における注意点などなど、
幅広くてすぐには言えないわ。」

「アリシアさんも天才って言われるよね。
私の周りにはどうしてそんな人が
こんなに多いか疑問を持つけど。」

「母上は父上がいたのに
首席で卒業したからな…
ところでラウラ、ブーメランって知ってるか?」

「じゃあ最後に一つ!
女子としてこれは聞かないとね。
ズバリ!ダールトさんとの出会いは?」

「彼とは同級生で寮も同じグリフィンドールでね。
出会いとしては学生時代だけど、
好きだと思ったのは卒業してしばらく…
15年ぐらい前かしら?死喰い人に襲われてね。
その時に助けられて再開した時ね。
吊り橋効果というものかもしれないけれど、
今でも彼のことは大好きよ。」

「おお!なんだかダールトさんが
王子様みたいだね。」

「ええ、あの人はいつまでも
私の王子様よ。ずっとね。」

「………」

「あれ?アミリア、どうしたのー?
顔が真っ赤になってるよ?」

「…すまん、私にはもう耐えられない…!
すまないが後は任せた!」

「あ!アミリア!
…あらら、行っちゃった。
じゃあ仕方ないね。今日はアリシアさんと
一緒にしめくくりましょう。」

「ええ、わかったわ。」

「「見てくれてありがとうございました!
次回もお楽しみに!」」

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