ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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前回にあった後書きですが、
基本的にはオリ主やオリキャラの
ただの茶番談笑です。
そして今回以降も続ける予定です。
会話形式なので、もし嫌いな人がいたら
後書きは読み飛ばしてもらえれば幸いです。


最悪の授業

変身術の授業が終わっていつもの5人で

集まって大広間で昼食を食べていた。

ロンの杖は相変わらずシューシューと

音を立てて煙を吐き出している。

 

「こいつめ…役立たず…コンチクショー…」

 

「うーん…やっぱりその杖

テープで固定するぐらいじゃダメなんじゃない?」

 

「でも今年はこの杖でやるしかないよ…ママに

言ったって取り合ってもくれないだろうし。」

 

「午後のクラスはなんだっけ?」

 

ロンの気分が沈み込む前に、

ハリーは慌てて話を変えた。

その問いにハーマイオニーが

時間割を見ながらすぐに答えた。

 

「闇の魔術に対する防衛術よ。」

 

「君、ロックハートの授業を全部

小さいハートで囲んでるけどどうして?」

 

ロンはハーマイオニーの時間割を

取り上げながら聞いた。ハーマイオニーは

顔を真っ赤にして時間割をひったくり返した。

 

「ハーマイオニーは

そうとうロックハート氏が好きみたいだな。」

 

「まあ確かに本に書いてるのを見たら

憧れちゃうよね。」

 

「アミリアとラウラはどうする?

僕たちは一度中庭にでるけど。」

 

「私たちはもう少しここにいるよ。」

 

「そう、じゃあまた授業でね。」

 

復帰していたハーマイオニーが

ロックハートの本を片手に、ハリーとロンと

一緒に中庭に行った。

 

「それにしても相変わらずこの学校の

料理は美味しいな。

できることなら料理を作ってる

屋敷しもべ妖精を連れ帰りたいぐらいだ。」

 

「本当にたくさん食べるよね〜。

どうして太ったりしないのかな…」

 

「一応運動とかはちゃんとしてるぞ?」

 

「私もやってるよ…」

 

「あー…それなら………体質?」

 

「………ずるいよ〜。」

 

目に見えて不機嫌になっていくラウラを

なだめながら、アミリアは

昼食を食べ進めていった。

 

 

アミリアとラウラは早めに教室に入り、

ハリー達や先生を待っていた。

2人の目の前には7冊の教科書(小説)

積み上げられている。

 

「毎時限これはしんどいね。」

 

「次から魔法で運ぶか。

正直な話4冊ぐらいは持って来たくないんだがな。

中身はほとんど覚えてるし。」

 

「その本買って2週間経ってないよね?」

 

そう言ってラウラが苦笑いしながら

話していると、開始時間ギリギリで

ハリー達3人が入ってきた。

ハリーは特に疲れた顔をしていた。

 

「どうした?ハリー。

この昼休みでずいぶん疲れたようだが。」

 

「ああ、1年生の中にハリーの熱心なファンが

いて写真を撮られてたんだ。

それにサインしてくれって言い出してさ。

それを聞いたマルフォイが煽ってくるし

あげくの果てにはロックハートまで来る始末さ。」

 

「そういえば歓迎会の後に声をかけられたね。

ハリーを探してるって。

コリンって言ってたっけ。」

 

軽く話をしていると、ハリー達のすぐ

後ろにいたロックハートが教壇で立っていた。

 

「皆さん、新しい防衛術の先生を紹介しましょう。

…私です。」

 

ロックハートはウインクしながら

自分の写真がついている小説を掲げた。

 

「ギルデロイ・ロックハート。

勲三等マーリン勲章、闇の魔術に対する

防衛術連盟名誉会員、そして『週刊魔女』

5回連続チャーミングスマイル賞受賞…

この話は置いておきましょう。

泣き妖怪バンシーをスマイルで

追い払ったわけではありませんしね。」

 

ロックハートはその話に笑いを期待した

ようだったが、ほんの数人が

あいまいに笑っただけだった。

 

「さて、まずはみんな私の本を

買い揃えたようだね。大変よろしい。

では最初にミニテストをやろうと思います。

ああ、心配ご無用。君たちがどのくらい

私の本を読んでいるか、覚えているかを

チェックするだけですからね。

……全員に回りましたね?では始め。」

 

その問題用紙を見て、

ほとんどの生徒は目を疑った。

 

(確かにあの本にこのことは書いていた。

すべての問題が読めばわかるんだろうが…

先生の好みなんて知る必要ないだろうに。

せめて出てきた生物に関係することでも

出すべきだろう…この授業は防衛術であって

ロックハート学ではないはずだろ…)

 

(なぁにこれぇ?ロックハートさんの

好きな色とかしらないよ…

あれ?なんの授業だっけ?)

 

この授業が何だったかも

思い出せなくなるほどおかしな問題に、

ほとんどの生徒がこの人は

ダメなんじゃないかと思い始めた。

そして数十分でテストが終わり回収された。

 

「ん〜いけませんね。

私の好きな色がライラック色だと

覚えているものが非常に少ない。

それにプレゼントとしてもらって私が

喜ぶものも知らない人ばかりですね。」

 

その後も私はこうだとか

何をしてほしいかなどという話が続いていった。

 

「そしてこの中でただ1人、

私の野望を答えられた人がいます。

世界から悪を払いロックハートブランドの

整髪料を売り出すという野望をね。

ミス・グレンジャーです!

さらに、満点です!グリフィンドールに

10点あげましょう。」

 

そういって大多数の人はもらっても

嬉しくないだろう得点をもらった。

ハーマイオニーは嬉しくて今にも泣きそうに

なっていたが。

 

「さて、気をつけて…

これから皆さんはこの教室で

恐ろしい目にあうでしょう

もっとも、この教室にいる限りは私が

いますから安心ですがね。」

 

そういってロックハートはウインクする。

ほとんどの生徒はそれを冷ややかな目で

見ていた。ハーマイオニーを中心として

数人の女子生徒は顔を赤らめた。

 

「何者も君たちに危害を与えないと思いたまえ。

どうか取り乱さないでいただきたい…

こいつらが暴れるから!」

 

そう言ってロックハートはかごの上に被せていた

布を取り払って中身を見せた。

そこには青色の肌をして耳が尖っている、

体調20センチぐらいの生物だった。

 

「とらえたばかりのコーンウォール地方の

ピクシー小妖精です。」

 

それを見てシェーマスが吹き出していた。

 

「笑っていられるのは今のうちだ

フィネガン君?ピクシーは

厄介で危険な小悪魔になりえます。

さて、君たちがどうやってこれに対処するか…」

 

ロックハートはゆっくりと言いながら

カゴの扉の鍵に手をかけた。

そして、教師としてあるまじき行為をした。

 

「お手並み拝見!」

 

かごの扉をロックハートが開け、

教室中に十数匹のピクシーが飛び回った。

数秒と経たない内に教室は混乱に陥った。

 

「キャッ!髪を掴まないで!」

 

「しまった、杖が!

クソッ!大丈夫かラウラ!

ラウラを離せこのピクシーがっ!」

 

杖を出した瞬間にピクシーにかすめ取られた

アミリアはラウラの白い髪を引っ張るピクシーを

無駄に分厚い小説で殴り飛ばした。

 

「さぁさぁ早く捕まえなさい。

たかがピクシーでしょう?」

 

大混乱となっている教室の中で

ロックハートがそう言うが、それが

冷静に聞ける生徒はもういなかった。

その間もピクシー達は暴れ回り、インク瓶を

ひっくり返したり本をちぎったりしていた。

そんな中、なぜかピクシー達の標的に

なってしまったネビルが持ち上げられ、

シャンデリアに引っ掛けられてしまっていた。

それを見てさすがにまずいと思ったロックハートは

杖を構えて魔法を唱えた。

 

「ペスキピクシペステルノミ

ーピクシー虫よ去れー」

 

しかし、その魔法は何の効果もなく、

ロックハートの杖もアミリアと同じように

取られてしまった。ロックハートは

それに狼狽して準備室の方へ走っていき、

ピクシーがロックハート自身の絵をとろうと

しているのを阻止しようとしていたが、

それもできず、ロックハートは

そのまま準備室の扉の前にたった。

 

「諸君、ピクシーをかごに戻しておきなさい。」

 

そう言ってロックハートは準備室の中に

入り、そのまま出てこなかった。

 

「ハーマイオニーなんとかしてくれ!」

 

ロンのそんな叫びが

アミリアとラウラの近くから聞こえてきた。

そしてハーマイオニーが立ち上がり、

杖を構えた。

 

「イモビラス ー動くなー!」

 

その魔法はピクシー達の動きを

完全に止めて、教室は静まり返った。

 

「なんで僕だけこうなの…?」

 

ネビルはシャンデリアに

引っかかったままつぶやいていた。

 

 

「ロックハートさんってひどすぎるよ!

あんなの授業になってないじゃない!」

 

「ああ。けが人はいなかったから

よかったものの状況によっては

下手したら死人が出ていた

可能性も否定できない。」

 

闇の魔術に対する防衛術の授業が

あった日の夜、アミリアとラウラは

談話室で2人で授業の話をしていた。

もちろんロックハートの悪口を言おうものなら

ハーマイオニーが怒るので、他の3人は

今はいない。

 

「どうして先生なのにあんな授業をして

危ないってわからなかったんだろう…」

 

「そもそも先生に向いていないか、

あるいは私が疑っていることが正しいか…」

 

「疑っていること?」

 

「この本を買った時に言っただろ?

『現実感がない』と。この本に書かれているのは

もしかしたらただのフィクションなのでは

ないかと思っていてな。」

 

「うーん…じゃあなんで

校長先生はあの人を雇ったの?

私たちがわかるぐらいならあの人が

わからないわけないと思うんだけど。」

 

「そこがわからないんだよなぁ…

いったい校長は何を考えて

ギルデロイ・ロックハートを雇用したのか…」

 

「ミャー」

 

「あれ?リューナクどうしたの?」

 

そんな2人に、普段は好きなように

させているリューナクが近づいてきた。

 

「まあ、たまには一緒にいたいんだろ。

一応飼い主だしな。」

 

「一応ってどういうこと?」

 

その後は2人一緒に

リューナクと遊んでその夜は更けていった。

 

 

あのロックハートの授業があった日の4日後、

週末になり、アミリアとラウラは

大広間に向かった。そこにはいつものように

多くの生徒がいて、その中に

ロンとハーマイオニーが2人で座っていた。

 

「おはよう。ロン、ハーマイオニー。

ハリーは?一緒じゃないの?」

 

「おはよう。

3人が一緒にいないのは珍しいな。」

 

「やぁ、アミリア、ラウラ。

ハリーは朝早くにウッドに連れてかれたよ。

なんでも前の学年の時に

ハリーが医務室で意識がなかった時の

クィディッチの大敗を随分悔やんでたらしいよ。」

 

「ほら、あの石の時の話よ。」

 

「ああ、あの時の試合ね。

シーカーがいなかったから酷い試合に

なっちゃったんだっけ。」

 

「シーカー不在で勝つなんて

まず不可能だろうからな。

相手にスニッチを取られる前に

150点も取らないといけないのだから。

私の母上が出ていればわからんが…」

 

「え?アミリアのママって

クィディッチでシーカーをしてたのかい?」

 

「いや、チェイサーだよ。」

 

その答えにロンの

頭の上にクエスチョンマークが浮かんだ。

ハーマイオニーも同様なようだ。

 

「じゃあどうやって勝つのさ。

シーカーがいないんじゃ相手がスニッチを

捕まえる前に150点の点差をつけなきゃ

勝てないだろ?そんなに

早く150点以上差をつけれないだろうし。」

 

「ああ…ロン、アミリアのお母さんの

箒のテクニックは常識から外れてるから…」

 

「そんなにすごいの?

アミリアのお母さんって。」

 

「私とラウラ、それに父上が使い慣れた

自分たちの箒で追いかけて3人がかりで

オンボロの流れ星にのった

母上を2時間でやっと捕まえたことがある。」

 

そのアミリアの答えに2人は耳を疑った。

特にロンは2人の箒に乗るテクニックを

知っていたので、なおさら信じられなかった。

 

「あの流れ星で?冗談だろ…」

 

「で、でもどうやって相手のシーカーが

スニッチを取る前に150点も点差をつけるの?」

 

「ありえないことに母上は箒で

ブラッジャーを打ち返せる。しかも箒を

潰さないように勢いを殺しながらも強かにな。」

 

「いや〜…いったい何があったら

あそこまで箒に乗るのが上手くなるのか…」

 

「箒でブラッジャーを打ち返すって…

それって十数年前に伝説になってた

あの『狂った鬼(バーサクオーガ)』って言われてた

アリシア・アーチャーじゃ…」

 

「そうだ。私の母上の旧姓だな。」

 

クィディッチの選手などはあまり知らない

ハーマイオニーは、疑問をもった。

 

「なんでそんなに物騒な二つ名なの?」

 

「アリシアさんは選手時代の時

相手のシーカーに怪我をさせたりするので

有名だったらしいよ。本来ならそんな

プレイをするだけでも問題なのに、

高笑いしながら嬉々としてそれをしてたみたい。」

 

「まあ、今の母上はそんなことはないがな。

箒に乗ると少しだけその時の

性格に戻るがそこまで酷くない。さっきの話にも

あったが呼び止めても止まらなくなるぐらいだ。」

 

「なんだかアミリアの両親って…」

 

「ええ…かなり有名人よね…」

 

「ずいぶんアミリアが遠い人のように

思えてきたよ…」

 

「それを言うならロンのお兄さん達も

すごいと思うんだけどね…」

 

アミリアの両親を知ったロンとハーマイオニーは

アミリアとラウラの話になんとも言えない

苦笑いを浮かべ、ロンの呟きに

ラウラが軽く突っ込みを入れていた。






「さて、今回からはせっかくなので
私とラウラの両親の紹介をしていこうと思う。」

「ということで、まずはアミリアのお父さんの、
闇祓いのダールト・フラムさんでーす!」

「あー…ここはどこだ?アミリアにラウラ。
私は仕事で死喰い人の残党を
追いかけていたはずなんだが…」

「父上、仕様なので一旦仕事の話は
燃えないゴミ箱にでも入れといてください。」

「そういうものなのか?
…まあいいか。自己紹介をすればいいんだな?
私の名前はダールト・フラム。
魔法省で闇祓いとして働いている。以上だ。」

「…えっと…ダールトさん、それだけですか?」

「父上、もう少し話をしないと
見てくれている人が何もわかりませんよ…」

「ん、そうか?では、とりあえず
人間関係のようなものでも言っていこうか。
見てくれている人はもうわかっていると思うが、
アミリアの父親だ。妻はアリシア。
彼女の作る料理が大好きでな。
結婚してすぐの頃は食べ過ぎて少し
太ってしまったりもしたものだ。」

「アミリアの料理好きって
少しだけお父さん譲り?」

「そうかもしれないな。」

「そういえば今のグリフィンドールの
クィディッチチームにもアリシアという
名前の女の子がいるらしいな。
私の妻も昔はクィディッチの選手だったよ。」

「そういえばそうだったね。」

「ああ。ひどく気性の荒い選手としても
有名だったな。母上は
箒を持ったとたんに人が変わるからな…
あ、父上。そろそろ続きをお願いします。」

「おっと、すまない。話がそれたな。
まあ家族構成はそのような感じだ。
そして、家族同然の付き合いのお隣には
同級生のランディとエミリー、それに
その2人の娘の、ここにいるラウラが住んでる。
自分で言うのは変だが家族どうし
仲良くできてると思う。あと
言い忘れていたがアリシアも同級生だ。」

「なんとなく思うけど、同級生の両親の子供の
私たちも同級生ってすごい気がするね。」

「年齢が近いことはあっても
全く同じというのは少ないだろうな。」

「それで、魔法省にいる同僚で
有名なのはやはりアラスターだろうな。
彼は厳格で独特の雰囲気があるが、
話してみれば面白いやつだよ。」

「私も一度会ったことはあるが…
まあ、少し苦手だったな。今は
そこまででもないが初対面で
あのマッドアイの異名の由来の義眼は
少し不気味すぎるしな。」

「ああ、新聞とかで見ても
少し怖そうなのはわかるよ。」

「それで、同期の中にアミリアとラウラの
友達のロン君の父親のアーサーがいるな。
アーサーのやつは昔からマグル製品に
興味津々でな。私がマグルが住んでる
通りに家があるのを話したときは、
目を輝かせて話を聞きに来たよ。」

「ダールトさん、そんなにアーサーさんが
うらやましそうにしてるなら呼んであげれば?
客間はたくさんあったよね?」

「何度かそんなに話を聞きたいなら
実物を見に来いと誘ってみたんだが
アーサーのいる部署は多忙…というか
完全に人手不足でな。彼を含めても
2人しかいないらしい。私も時々
忘却術をかけるための手伝いを
することもあるほど手が足りないようだ。」

「国内の関連事件をたった2人で
解決するなんてブラックすぎるよね…」

「それで、私は別に気にしてないが
ルシウス・マルフォイは私のことが
ずいぶん気に入らないらしいな。
それに今年の年明けから少したったとき
ぐらいに珍しくあいつから危害を加えようと
してきたことがあったな。
今までは精々睨まれるぐらいだったんだが。」

「…マルフォイ……ドラコ…う、頭が」

「ああ、あの時のクィディッチの…」

「ん?アミリアが何かしたのか?」

「え?あ、いや、私は何も
してない…わけではないですけど
友達が…えっと、ラウラも…」

「まあ色々理由があるみたいだな。
他には…そこまで目立って関係がある人は
あまりいない。こんなところか。」

「…あれ?結局ダールトさん自身の
ことはあんまり話してないような…」

「気にするな。私とて必死だ。
あまり自分のことを言うのは慣れてないんだ…」

「父上は口下手ですからね。
えー、では今回はこの辺りで。
見てくれた人、ありがとうございました。
次回も楽しみにしてくれると嬉しい。」

「あー!アミリアが1人で言った!」

「前回の仕返しだ。」

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