ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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サブタイトルが全然思いつきません…
微妙すぎるところで区切ってしまいました。


ハリーの受難

歓迎会が終わって、

3人は談話室に一度戻ったが、

ハーマイオニーは合言葉を知らないはずの

ハリーとロンのために外に出て行った。

アミリアとラウラも探しに行きたかったが、

前の学年の時のようにまとめて見つかって

点数を減らされるわけにもいかない

と言われたので待機していた。

 

「ハリーとロンは本当に

空飛ぶ車で来たと思う?」

 

「たぶんな…もう周りのみんなは

完全に信じてるし私たちもそうだが

ハリーとロンを待ってる人ばかりだ。

列車に乗ってる時の汽笛はおそらく

2人の空飛ぶ車に対してのものだったと思うし。」

 

アミリアの言葉通り、もう夜遅い時間にも

関わらずほとんどグリフィンドールの寮生は

起きていて、2人の到着を待っていた。

ただ1人、パーシーだけが監督生の責任からか

随分不機嫌そうにしていたが、それ以外の

寮生は到着を楽しみにしているようだった。

 

「あ、来たみたいだよ!」

 

ラウラは寮の入り口の絵が

横にスライドするのを見た。

そしてハリーとロン、その後ろから

ハーマイオニーが入ってきた。彼女も

パーシーと同じく、少し不服そうな顔をしていた。

ハリーとロンの周りには

グリフィンドール寮生たちが集まって、

まるで英雄の凱旋のように大騒ぎになった。

 

「来たのはいいが、これでは

私たちの位置からでは声をかけられないな…」

 

今アミリア達がいるところから

ハリー達のところまで10メートルは

距離があった。しかし今の談話室の状況では

そこまでたどり着くことはおろか、

叫んでも声が届かないことが簡単に予想できた。

 

「うーん、これは確かに無理そうだね。

男子寮への入り口とここじゃ反対の場所だし。」

 

「色々話を聞きたかったが、

明日に回すしかなさそうだな。

まあ、無事に着いたのならよかったよ。

話は初めのの授業に向かう時にでも聞くとしよう。

朝は私の体質のせいでどうしても遅くなるしな…」

 

「そうだね。ハリー達もすぐに

部屋に行くみたいだし、

私たちも自分たちの部屋に行こうか。」

 

そうして、ハリー達が人混みに揉まれながら

帰ろうとしているのを見て、2人も

自分たちの部屋に歩いて行った。前までと

同じ部屋だが、扉には2年生と書かれていた。

ルームメイトもすでに部屋に帰ってきていた。

夜も遅かったこともあり

軽く夏休みとハリーとロンのことを

話して、すぐに眠りについた。

 

 

次の日、いつものようにラウラは

アミリアに紅茶を淹れて、軽く話してから

朝食のために大広間に向かったところ、

入った途端に大きな声が聞こえてきた。

 

『ロナルド・ウィーズリー‼︎』

 

「うわっ!何⁉︎」

 

「うっ、耳が…」

 

例えるなら爆発が起こったような大きな声に、

アミリアとラウラはとっさに耳を塞いだ。

その声の振動で軽い地震が大広間で起こっていた。

しばらくその声が怒鳴り続けた後、

その手紙は軽くロンの妹のジニーに

声をかけ、そしてひとりでにバラバラになった。

 

「あれって『吼えメール』だっけ?

初めて聞いたけどすごいね…」

 

「あの空飛ぶ車の件のようだったな。

やっぱりアーサーさんは呼び出されたか…」

 

「というか無断で乗ってたんだね…

そりゃロンのお母さんも怒るよ。」

 

「そこの2人、そろそろ朝食を食べなさい。

授業に遅れますよ。それと時間割です。」

 

そう言って、グリフィンドール寮の担当の

マクゴナガルが2人を席に着かせながら

配っていた時間割を渡した。

 

「あ、はい。わかりました。」

 

「ありがとうございます。」

 

「最初の授業は薬草学かぁ。

そういえば薬草学のスプラウト先生が

暴れ柳の世話をしてるのかな?」

 

「たぶんそうじゃないか?

おそらくこの学校で植物に一番詳しいのは

スプラウト先生だと思うしな。」

 

「じゃあスプラウト先生、新学年早々

大変だろうね…車が突っ込んだって

言ってたから枝とか折れただろうし。」

 

「…ああ。苦労しそうだな。

そういえばまさか教科書の著者が

そのまま教師として来るとはなぁ…

正直な話あまり当てにならん気がするな…」

 

時間割に書いている

『闇の魔術に対する防衛術』の担当の

名前を見ながらアミリアは愚痴をこぼした。

 

「ロックハートさんのことだね。

まあ校長先生が選んでる先生だし、

そこまで心配しなくてもいいんじゃないかな。」

 

「…まあ、それもそうかな。

っと、そろそろ時間だな。移動しよう。

ハリー達も行くみたいだしな。」

 

「あ、うん。わかったよ。」

 

そうして、授業の用意をしに行ったハリー達を

追うようにしてアミリアとラウラも

一度談話室に戻って連れてきていた白猫の

リューナクにミルクをあげて、

ハリー達3人を探した。

 

 

「それで、ハリー。

夏休みに手紙が届かなかったことや列車の件は

いったい何があったんだ?」

 

アミリアとラウラはハリーとロンとの

再開の挨拶もほどほどに、

どうしても気になっていた話を持ちかけた。

 

「夏休みの初めのころは、

おじさんに部屋に閉じ込められてて

ヘドウィグを飛ばすのも禁止されてたんだ。

それに僕の所に一通も手紙が

届かなかったんだよ。」

 

「え?私たちそれこそ1日1通ぐらいの量の

手紙を送ってたよね?」

 

「ラウラは送りすぎだと思うが、

まあ何通かは出していたはずだ。」

 

「もちろんロンも私も出してたわ。」

 

ハーマイオニーとロンも

アミリアとラウラのように手紙を何通か

出していたらしい。

 

「僕が手紙で書いた屋敷しもべ妖精のドビーが

僕宛の手紙を止めてたんだ。」

 

「屋敷しもべ妖精が?いったいなぜ?」

 

「わからない。ドビーは

友達から手紙が届かなければ学校に

行きたくなくなる。今年は

学校で危険なことが起こるから

ハリー・ポッターを学校に行かせるわけには

いかないって言ってたけど。」

 

「危険なことって?」

 

「それもドビーは言ってくれなかったんだ。それに

家族の悪口を言ったとかで自分を殴ったりして

その音で商談してたおじさんに怒られるし…

最後にはドビーが魔法でケーキを浮かせて

その商談の相手にケーキを落とすしで…」

 

「ああ、その魔法が魔法省が

ハリーが魔法を使ったと思ったのか。」

 

「そうみたい。それで怒ったおじさんが

窓に鉄格子をはめたけどロンが

フレッドとジョージと一緒に

空飛ぶ車で助けに来てくれたんだ。」

 

この話を聞いて、アミリアとラウラは

自分たちが隠れ穴から帰るときに

あの双子が見せた満面の笑みは、

このことだったのかと理解した。

 

「あ、それで空飛ぶ車といえば

ハリーとロンはどうして列車に乗り遅れて

空飛ぶ車で学校に来たの?」

 

「もともと何故か僕の家を

出るのが遅くなったんだけど、

9と4分の3番線に入ろうとして柱に走ったら

僕とハリーだけ通れなかったんだ。」

 

「それで、どうやって行けばいいかと考えて、

僕が空飛ぶ車で行くのを思いついたんだ。」

 

「街の中で空を飛んだの⁉︎」

 

「あ、まあそうなんだけど、

一応は車に透明になる魔法も

かけられてて、姿を消したんだ。

7人のマグルに見られたのが記事になってて

スネイプに色々言われたけどね。」

 

「そんなの当たり前よ。

スネイプじゃなくても言うわよ。ロンは

モリーさんに怒られたのを忘れないことね。」

 

ハーマイオニーはハリーとロンが

空飛ぶ車で来たことには、

まだ少し不満があったようだったが、

ロンが母親にひどく怒られたので、それで

十分罰を受けたとみなして普段通りに接していた。

 

「それにしても、何故かハリーとロンだけが

柱に入れなくなったのか…

一応時間はギリギリでも11時には

なっていなかったんだろ?」

 

「うん、柱にぶつかってから

どうしようかってロンと話してるときに

11時になったのを見たからそのはずだよ。」

 

「それに保護者が帰らないといけないから

しばらくは柱が通行止めになることは

無いはずだよ。」

 

「そういえば2人は暴れ柳に突っ込んだ

って聞いたけど怪我は?大丈夫だった?」

 

「ああ、怪我は無かったけど…」

 

ハリーは言いにくそうにして、

ロンの方を見た。ロンは悲しそうな顔をしていた。

 

「…これ、僕の杖。折れちゃったんだ…」

 

そう言ってロンは、

セロハンテープでぐるぐる巻きにされた

古くなった杖を出した。

 

「これは…」

 

「うわぁ…完全に折れちゃってるね…」

 

「でもママに言ったって

『車を飛ばしたお前が悪い』って言うだけだよ。」

 

「まあ今すぐに交換するのも無理だから

仕方ないが使うときは気をつけろよ?」

 

そんな話をしながら、

5人は薬草学の授業がある温室に向かった。

校庭に出ると、遠くに枝のあちこちに

吊り包帯をしている暴れ柳と、

そこから温室に向かう包帯を腕いっぱいに持った

スプラウトと、ローブをなびかせた

ロックハートが歩いていた。

暴れ柳の様子を見て、ハリーとロンは

申し訳なさそうに顔をゆがめていた。

 

「やぁ、みなさん。

スプラウト先生に暴れ柳の治療法を教えて

ましてね。ああ、勘違いしないでください。

私の方がスプラウト先生より薬草学の知識が

あるわけではありませんからね。」

 

「みんな、今日は三号温室へ!」

 

ロックハートが笑顔で何やら話しているが、

アミリアとラウラは無視してスプラウトの

不機嫌そうな声を聞いた。

 

「三号温室だって。」

 

「ああ、そうらしいな。

割と危険な植物が育てられてたはずだから

気をつけろよ。ラウラが

手を腫らして医務室に行ったとかは嫌だからな。」

 

「う、うん、気をつける。」

 

そうして、アミリアとラウラが温室に

入っていき、ハリー達3人も入ろうとしていた

ところで、ロックハートが

ハリーの腕を掴んでいた。

 

「ああハリー、君に会いたかった!

スプラウト先生、ハリーが2、3分授業に

遅れても構いませんね?お許しいただけまして…」

 

ロックハートにスプラウトは

しかめっ面をしていたが、それを気にも留めずに

ハリーを連れて行った。

 

「ハリーに用事でもあるのかな?」

 

「さあな。なんにせよハリーを

早く帰してもらわないと授業が始まらないな。」

 

アミリアとラウラは、生徒がたくさん

入ってきたため、ロンとハーマイオニーからは

少し遠い位置の鉢植えの前に立った。

 

「えっと、この鉢植えの植物が

今日の授業でやることかな。」

 

「そうだろう。マンドレイクかな。

…ラウラ、今回は特に注意して、

しっかりと先生の説明を聞いておくんだ。」

 

「?うん、わかったよ。」

 

マンドレイクの特性を知っていた

アミリアは、ラウラに先生からの

注意をしっかり聞くように忠告しておいた。

少しして、ハリーはロックハートから

解放されたらしく、ロンとハーマイオニーの

近くの鉢植えの前に立った。

心なしかその顔は疲れているように見える。

ハリーが帰ってきたのを見て、

スプラウトが授業の説明に入った。

 

「今日はマンドレイクの植え替えをします。

この中でマンドレイクの特徴が

わかる人はいますか?

では、ミス・グレンジャー。」

 

先生からの質問が終わるかどうかの

タイミングでいち早く

ハーマイオニーが手を挙げた。

 

「マンドレイクは、別名マンドラゴラとも呼ばれ、

呪いをかけられた人を元に戻す特効薬として

使われます。また、その泣き声は

聞いたものの命取りになります。」

 

「その通り。グリフィンドールに

10点あげましょう。さて、ここにある

マンドレイクはまだ若いので

泣き声を聞いても命までは失いませんが

間違いなく数時間は気絶するでしょう。よって、

新学期早々気を失って過ごしたくなければ

作業中は用意した耳当てを離さないように。

外していい時になったら合図します。

では、耳当てをつけてください。」

 

先生に言われて生徒たちは

それぞれ箱に入っていた耳当てをつけていった。

 

「ラウラ、私の声は聞こえていないな?」

 

「え?なんて言った?」

 

「うん、聞こえてないみたいだな。

それならいい。」

 

「え?」

 

アミリアとラウラが耳当てをして、

アミリアは一度ラウラに声をかけたが、

言葉が聞こえなくても首を傾げていたのを見て、

聞こえてないのを確認した。

それからスプラウトが手本として、

マンドレイクを引き抜いた。

その泣き声は耳当てをしていても

しばらく聞けば耐えられなくなると

予想できるほどの甲高い声で、

耳当てをしていたにもかかわらず、

ネビルは気を失ってしまっていた。

 

 

「うう〜…まだ耳が痛いよ…

あれじゃ吼えメールのほうがまだましだよ…」

 

「ああ…あれは堪えるな…」

 

2人はマンドレイクの植え替えの授業を

終えて、校庭を歩いていた。

 

「とにかく次の教室に向かわないと…

変身術の授業だよね?」

 

「ああ、マクゴナガル先生だ。

遅刻したら許してくれないな。

とにかく急いで向かおう。」

 

そうして2人は変身術の教室に向かった。

授業に遅刻したものはいなかったが、

かなりギリギリの生徒もいたらしく、

息を切らしていた。

アミリアは授業についていけていて、

ラウラもなんとかなっていたが、

ほとんどの生徒は夏休みで

すっかり魔法の理論を忘れているようで、

コガネムシをボタンに変えるのに

かなり四苦八苦していた。

特にロンは、杖のせいでさらに苦労していた。

突然花火のように火花を散らしたり、

マクゴナガルが大事なことを言う時に限って

大きな音をパチパチとたてたりした。

さらに杖から出た煙でコガネムシを

見失って潰してしまったロンは

新しいコガネムシをもらわなければならなくなり、

それにマクゴナガルはご機嫌斜めだった。




「?おい、ラウラ。ここはなんだ?」

「えっと…作者さんが後書き思いつかないから
私たちに丸投げしたみたい…」

「思いつかないなら書かなければいいだろう…」

「今まで書いてたから急に何も
書かなくなるのは嫌だって言ってたよ。」

「…子供か。作者は。」

「あんまり気にしないであげて。
なんだかそういう仕様らしいから。」

「はぁ…仕方ないな。」

「ということで、これからは
時々わたしたちが後書きに出てくるかも!
こういうのが嫌いな人は読み飛ばすのを
オススメするよ!」

「ラウラ、それは始めに言うことだ。
もうここまで読んでくれたら
あと少しで終わりだろう…」

「それもそうだね。
じゃあ今度からはこんなことがあれば
始めに言うことにするね。」

「とにかく、長すぎると飽きられるから
そろそろ締めよう。
これはあくまでオマケの範疇だからな。」

「そうだね。それじゃあ読んでくれてるみんな!
これからもよろしくね!」

「…ラウラ…私にも言わせてくれよ…」

「あ、ごめんアミリア。」

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