ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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えー、すいませんが
若干のサブタイトル詐欺かもしれません。
内容は関係のあることですが…


隠れ穴

「アミリアー!ロンからの手紙届いたー?」

 

「わざわざ家の外から叫ばなくてもいいだろう。

とりあえずあがってくれ。」

 

相変わらず元気なラウラに

微笑みを浮かべながら、アミリアは

家にラウラをあげた。

 

「だってすぐに伝えたかったんだもん。」

 

「それなら窓を開けて

そのまま伝えればよかっただろうに。

家が隣なのを忘れたのか?」

 

「ご近所さんに迷惑かなって。」

 

「道路から叫ぶ方が迷惑だろう。」

 

気付いていなかったらしいラウラは

少しだけ苦笑いを浮かべた。

 

「っと、そんなことよりー、

ロンからの手紙だよ!アミリアのとこにも

きてるよね?」

 

「ああ、もちろんだ。

私たち以外にもハリーとハーマイオニーも

呼んだらしい。

…ハリーと言えば元気なのか…?

連絡も返ってこないし…」

 

「うーん…ハリーの保護者の人が

止めてるのかな…ひどい魔法嫌いで

ハリーを閉じ込めてたらしいし…」

 

2人はそういって難しい顔をした。

とはいえ、2人がこれまで行ったことのない

友達の家に行けることが嬉しくて、

ハリーのことを深くは考えなかった。

 

 

それぞれまずは両親から許可をとろうと、

ラウラは自分の家に帰った。

アミリアは居間にいたダールトに

ロンからの手紙について話した。

 

「ああ、構わないよ。

アーサーのところなら安心だ。

そういえば前にアーサーが言っていたが、ロン君が

チェスのリベンジをしたいと言っていたらしい。

彼ともう一戦してみなさい。

今度はアミリアが負けるかもしれないよ。

男の子は目標があれば

驚くほど早く成長するものだからね。

それが好敵手(ライバル)ならなおさらだ。」

 

「そうですね…確かに強くなってるでしょう…」

 

アミリアは少し前に起きた事件の噂を

目を閉じて思い出していた。

その中にはロンがマクゴナガルの仕掛けた

チェスゲームで勝ったというものがあった。

そのロンに勝てるだろうかと、アミリアは

考えたが、目を開き、決意の眼差しを

ダールトに向けた。

 

「…しかし、ただ負けるつもりなどありません。

ロンと好敵手と、そう言われるのなら全力を

持って勝ちを掴みに行くのが礼儀ですから。」

 

「…強くなったわね、アミリア。

ラウラちゃんのおかげかしら?」

 

「私は元々強いですよ、母上。」

 

「そうね。…でも、相手を思いやる、わかり合う…

そういうのも一つの強さだと思うわ。」

 

「確かにそうかもしれませんね…でも母上、

それならラウラのおかげというのは間違いです。

私は、私と関係があるすべての人の

おかげだと、そう思ってますから。」

 

その答えに、アリシアとダールトは

笑顔でアミリアを見つめる。

 

「そうか。その気持ちを大切にするんだよ。」

 

アミリアは静かにうなづいた。

 

 

「え〜?ダメよ〜。」

 

「え⁉︎どうしてよお母さん!」

 

「そうだぞ、エミリー。

アミリアちゃん以外の友達の家に

泊まりに行くなんてなかなか無いこと

なんだから行かせてあげてもいいじゃないか。」

 

ロンの家に泊まりに行くのを

なぜかエミリーにやんわりと否定された

ラウラは抗議をしていた。

 

「だって〜危ないじゃない。」

 

「そんなことないよ!

別にロンにいじめられたりしてないもん!」

 

「友達のことは心配してないわよ〜。」

 

「ん?ならエミリー、

どうしてラウラが泊まりに行くのに

反対してるんだ?」

 

「だって海外に行くんでしょ〜?

そんなのお母さん心配で心配で…」

 

予想外の発言に

ラウラもランディも耳を疑った。

 

「「はい?海外?」」

 

「あら?ロスの家に行くって

言ってたじゃないの〜。」

 

「ロ・ン・の・い・え!ロスの家じゃないよ!

なんでいきなりアメリカ行きの話になってるの⁉︎」

 

「彼の家はちゃんと国内だ!

ダールトが言ってたから間違いない!」

 

「あら、そうなの〜?それならいいわよ〜。」

 

そうして事情を説明すると

あっさりと許可された。

 

「…ねぇ、お父さん。」

 

「…どうした?ラウラ。」

 

「…朝からなんだか疲れちゃったんだけど…」

 

「…ああ、そうだな………」

 

一番疲れるのは仕事でも

勉強でもなく、エミリーと話すことだと、

改めて2人は思っていた。

 

 

そして、アミリアはラウラと一緒に

行くという旨をルニルに送ってもらい、

約束した次の日の時間になった。

ロンの家にはフラム邸から煙突飛行

ネットワークを使って行くように言っていたため、

今はフラム邸の居間に2つの家族

全員が集まっていた。

 

「では行ってきます、父上、母上。」

 

「行ってきます!お父さん、お母さん!」

 

「ああ、2人とも行ってらっしゃい。

アミリア、迷惑はかけないと思うから

逆に言うが、少しぐらいは甘えてきなさい。」

 

「ええ、わかりました。」

 

「ラウラちゃん、アミリアをよろしくね?

ラウラちゃんの紅茶がないと

この子は目を覚まさなんだから。」

 

「はい!アミリアのことは任せてください!」

 

「ラウラ〜、アミリアちゃんに

紅茶を作ってあげるのよ〜。」

 

「エミリー、もうアリシアさんが

言ったじゃないか。」

 

「あら?そうだったかしら〜。」

 

「エミリー、あなた相変わらずね。

学校にいた時から何も変わってないわ。

だいたい、あなたはいつもいつも…」

 

「ああ、アリシア、そのへんにしておいてくれ。

子供たちがいつまでも

出かけられないからな。

じゃあアミリア、ラウラ、元気でな。

まあ、ネットワークを使えば

すぐに戻ってはこれるが、

2泊3日、楽しんできなさい。」

 

「「はい!」」

 

そう言って、2人は順番に

暖炉にフルーパウダーをまき、姿を消した。

その場に口論する女性2人と

それをなだめようとする男性2人を残して。

 

 

2人は煤が入らないように

閉じていた目を開けた。

2人の目の前には全く同じように見える

赤毛の双子が立っていた。

 

「お、やっと来たな!遅かったじゃないか。」

 

「ママ!2人が到着したよ!」

 

「あ、フレッドとジョージ!」

 

「こんにちは、2人とも。」

 

「あら、よく来てくれたわね。

あなたがラウラで、あなたがアミリアね。

アミリアのことはよくアーサーから

聞いているわ。」

 

双子が呼ぶと、ウィーズリー家夫人の、

モリー・ウィーズリーが階段から降りてきて、

アミリアとラウラに話しかけた。

 

「2泊3日、よろしくお願いします。

ロンのお母様。」

 

「わぁ、すごい。

どこを見ても魔法が使われてる…」

 

「そういえば2人ともマグルが住んでる

住宅地にいたわね。きっと珍しいと思うわ。

ロン!ロナルド!お友達が来たわよ!」

 

その声にロンが慌てて降りてきた。

 

「いらっしゃい!アミリア、ラウラ。

久しぶりだね。」

 

「ロン!久しぶり!

…そういえばハーマイオニーは?」

 

「ああ、私たちと一緒に誘ったらしいが?」

 

「ハーマイオニーは勉強で忙しいって…

休み中だぜ?考えられないよ。

まあ原因はアミリアらしいけど。」

 

そう言ってロンは苦笑いを浮かべる。

 

「私が?」

 

「そりゃそうさ。

あれだけ頑張ってテストで負けてたんだから

きっと悔しいだろうさ。」

 

「ところでロン、ハリーからの

手紙の返事って返ってきたりした?」

 

ラウラが少しだけ真剣に聞くと、

ロンは首を横に振った。

 

「そうか…やはりロンにも…」

 

「ああ、ハリーからの手紙は一つもこないんだ。」

 

そうして3人で理由は何かを話し合ったり

していたが、昼ごはんの時間になり、

ウィーズリー家との紹介をした。

 

 

アミリアとラウラにとって、

あまり自宅では馴染みのない日常的な

魔法は、とても刺激的なもので、

目新しいものばかりだった。

ロンとアミリアは何度もチェスをして、

最終的には勝ちと負けの数は一緒だった。

双子とは箒に乗って追いかけっこをして、

アミリアとラウラはロンや双子を驚かせた。

ウィーズリー家の末っ子のジニーとラウラは

話が合い、すぐに友達になった。

残念ながらすでに学校を卒業し、

働きに出ていた、グリンゴッツ関係の仕事を

しているビルと、ドラゴンの研究を

しているチャーリーとは会えなかったが、

2人とも2泊3日のウィーズリー家での

生活をとても楽しんだ。

そして、最後の日の朝になり、

全員で朝食を食べていた。

 

「結局ハリーから返事来ないね…

昨日はハリーの誕生日だったんだけど。」

 

「まるでハリーに手紙が届いてないみたいな…」

 

「せっかくハリーの誕生日パーティーとか

開けたらいいと思ってたんだけど、

本人がいないんじゃぁ仕方なー」

 

ロンがそこまで言った時、

残業で帰ってきていなかったアーサーが

慌ただしくバタバタと玄関から入ってきた。

 

「おはよう諸君!」

 

「?おはようございます、アーサーさん、

何かあったんですか?」

 

「おはようございます!」

 

「ああ、おはよう。君たちも聞いてくれ。

今魔法省ではハリーがマグルの前で魔法を使って

警告状を受けたという話で

大騒ぎになってる!」

 

「なんだって⁉︎ハリーが?パパ、それ本当⁉︎」

 

「そうなんだ。ロン、ハリーに

もう少しの間手紙を出してくれないか?

返事が来たら教えてくれ。」

 

「アミリア、ハリー大丈夫なの⁉︎」

 

「まだ警告状だけなら何もないが…

しかし私たちでは何もできないぞ?」

 

「私たちも何か手伝えない?」

 

「手伝えることがあったって

私たちはもう帰らないといけない。

今日の夕方から私たちの両親は

しばらく家に帰ってこれないから

魔法関係のものがばれないように

私たちは留守番しなければならない。」

 

ラウラはそう言われて引き下がった。

そうして慌ただしくなったウィーズリー家から

自宅に帰る時が来た。

 

「ごめん、アミリア、ラウラ。

最後にこんなに慌ただしくなっちゃって。」

 

「ううん、いいよ、ロン。

ロンのせいじゃないしね。でもハリー

どうしたらいいだろう…」

 

「閉じ込められたりしてなければいいが…」

 

「心配すんなよ。」

 

「俺たちがハリーを助けてやるよ。」

 

そういってフレッドとジョージが

3人に小声で近づいてきた。

 

「何かあてがあるの?」

 

「「もちろん。」」

 

その顔に浮かべている

心底楽しそうな顔に少し不安を覚えたが、

アミリアとラウラは帰る時間に

なったので、何をしようとするかは

聞けなかった。

 

「じゃあね、ロン!また学校で!」

 

「また今度。ハリーをなんとかできたら

私たちにも連絡をしてくれ。」

 

「うん、もちろんだよ。じゃあ、また学校で。」

 

そうして、アミリアとラウラは

自宅に帰った。そこには

アミリアの両親とランディだけが立っていた。

 

「ただいま、父上、母上。」

 

「おかえり、アミリア。

アーサーのところは楽しかったか?」

 

「はい、魔法がたくさん使われていて

とても楽しかったです。…でもハリーが…」

 

「ああ、私も聞いている。

きっと何かの間違いに違い無いよ。」

 

「ただいま!お父さん、おかあ…

あれ?お母さんは?」

 

「家で寝てるよ。ラウラを出迎えると

張り切っていたんだがなぁ…」

 

「相変わらずみたいだね。」

 

そうして、アミリアとラウラは自宅に

戻ってきた。アミリアは留守番中に

注意してほしいことを聞いて、

両親が出かけた後は本を読んでいた。

ラウラも留守番中の注意を聞こうとしたが、

エミリーが起きていて、話が進まず、

話が終わったのはエミリーとランディが

出かける数分前までかかった。




幕間が少し短いですが、
次回から秘密の部屋編に入るかもしれません。

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