ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

18 / 76
今回の話はオリキャラ無双です。
本編キャラは名前しか出ません。


幕間 賢者の石〜秘密の部屋
少女たちの日常


「う…うー……

おはよう、ござ、います……

ちち…うえ……は、はうえ……」

 

自分の部屋から出てきた少女、

アミリアは居間にいた両親に挨拶する。

相変わらずその目はほとんど開いていない。

時刻は朝の7時。アミリアは起きる時間が

遅くなることはまずなかったが、

どうしても朝には弱いのだった。

 

「あらあら。少し待っていてね、アミリア。」

 

そう言って、ライトブラウンのショートカットの

落ち着いた女性、アミリアの母のアリシアが、

すぐに紅茶を持ってきた。

 

「…ふぅ、ありがとうございます、母上。

久しぶりに母上の紅茶を飲みましたが

やはり美味しいです。」

 

「ふふ、ラウラちゃんの淹れた紅茶と

どっちが美味しい?」

 

「ラウラの紅茶と母上の紅茶は

違った美味しさがありますから

決められませんよ。」

 

「おはよう、アミリア。」

 

そして、一見厳格そうな黒髪の男性、

アミリアの父のダールトが

日刊預言者新聞とマグルの新聞を

速読しながらアミリアに声をかけた。

 

「ごめんなさい、父上。

改めておはようございます。」

 

「いや、いいんだ。アミリアが

朝に弱いことは私たちは知ってるからね。

ラウラにも、向こうにいた間、

紅茶を淹れてくれたことに

ちゃんとお礼を言っておくんだよ。」

 

「それは大丈夫です。

ラウラにはいつでも感謝していますから。」

 

「そうか、感謝を忘れないようにな。

ところで昨日の夕食の後に

アミリアがすぐに寝てしまって

聞けていなかったが学校はどうだった?」

 

「手紙の通りですよ。

ラウラ以外にもたくさん友達ができましたし、

魔法もしっかり学べましたよ。

あ、友達と言えばあのハリー・ポッターも

友達になったんですよ!

それに父上の同僚のアーサーさんの

息子のロンもいましたし、

ハーマイオニーという友達もできました。

すごく頭がいいんですよ。」

 

「そうか、ハリー君とも友達になれたのか。

それに、アーサーのところの一番小さい

男の子か。アーサーがチェスが強いと

自慢していたなぁ。ハーマイオニーという子も、

アミリアが頭がいいというなら素晴らしい

子なのだろうね。」

 

そう言って、ダールトは満足そうに

微笑みながらアミリアの話を聞いていた。

そして、時計を見て行動を始めた。

 

「おっと、もうこんな時間か。

では私はそろそろ行ってくるよ。」

 

そして、ダールトは暖炉の中に入り、

横に置いてあった入れ物の中の

粉 ー煙突飛行粉(フルーパウダー)ー ーを手に取った。

 

「行ってらっしゃい。あなた。」

 

「頑張ってください、父上!」

 

「ああ、行ってきます。」

 

そうして、見送りの2人に微笑みながら

彼の職場の闇祓い局の名前を言い、

フルーパウダーを落とすと、緑の炎が上がり、

ダールトの姿が消えた。

 

「さて、どうしましょうか、アミリア。

そういえば学校の魔法、

何か分からないこととかあったかしら?」

 

「はい、少しだけ教えてもらいたいことが

あるんです。浮遊呪文のことなんですけど…」

 

そうして、アミリアは浮遊呪文を使っていて

疑問に思っていたことをアリシアに聞いていた。

ただし、アミリアは未成年のため、

禁止されているので休暇中魔法を使えないが、

それでも、アリシアの話はとてもためになった。

そんな家にインターホンの音が響いた。

 

 

「おはよう!お母さん、お父さん!」

 

「あら〜。おはようー、ラウラ〜。」

 

「お!おはよう、ラウラ!

昨日はすまなかったな。

俺もお母さんも仕事で帰れなくて。」

 

「ミ〜」

 

「あ、リューナクもおはよ!」

 

ラウラは目を覚まして、すぐに

昨日の夜遅くに帰ってきていた、

銀髪のロングヘアーの、物理的にも

浮くんじゃないかと思うほどふわふわした

女性、ラウラの母のエミリーと、

快活そうな逆立てた黒髪が特徴の男性、

ラウラの父のランディに挨拶した。

 

「ううん、大丈夫!

お父さんたちが頑張ってくれてるのは

私もわかってるからね!」

 

「そう言ってくれると嬉しいわ〜。

ラウラも学校は頑張ったかしらー?」

 

「うん!私なりに頑張ったよ。

魔法史が難しかったけどアミリアや、

友達のハリーやロンと一緒に

ハーマイオニーって子にも教えてもらったら

なんとかなったよ!」

 

「ハリーっていうのは、あのハリーかい⁉︎

あの子とも友達になったんだな!」

 

「うん、それに他にもたくさんできたよ!」

 

そう言ってラウラは次々と名前を

あげていき、ランディはうんうんと

うなづきながら笑顔で聞いていた。

 

「シェビル君って子はカエルをよく

爆発させちゃうのね〜。大変そうな子ねー。」

 

「お母さん、色々混ざっちゃってるよ。

ネビルがカエルに逃げられて、

シェーマスがよく魔法に失敗して

爆発させちゃうんだよ。」

 

「あら〜?そうだったかしらー?」

 

いつも通りの様子の母を見て、

ラウラは呆れと安心を感じた。

 

「さて!お父さん達は今日も仕事で

そろそろ出かけなきゃならない。

ラウラにはすまないと思うが…

なに、今日は夕方には帰ってこれる。

ダールト…はもう出かけた頃か。

アリシアさんに伝えておくからアミリアちゃんと

一緒に待っていてくれ!」

 

「そういうことなのよ〜。」

 

「うん!大丈夫、

アミリアと遊んで待ってるよ。

お仕事頑張ってね!」

 

そう言ってランディは一旦玄関から

外に出て、しばらくしてもどってきた。そして、

彼に少し引っ張られ、『あら〜?』と、

のんびりしている様子のエミリーと共に

暖炉に近づき、それぞれフルーパウダーを足元に

まいて、エミリー、ランディの順に

出かけていった。

 

(…お母さん、また間違えて行っちゃったよ…

私も大概だけどお母さんって私より酷いような…

まあお父さんが追いかけていったし

なんとかなるかな。)

 

ラウラに一抹の不安を残して。

 

(とりあえずアミリアの家に行こう。

アリシアさんに昨日のご飯のお礼、

改めて言わないとね〜。)

 

 

インターホンの音がなり、

アリシアがそれに出て数分、

アミリアのところに帰ってきた。

 

「母上、だれだったんですか?」

 

「ランディよ。今日も仕事が忙しいらしいのよ。

だからラウラちゃんをよろしくってね。」

 

「ラウラが来るんですね!」

 

アミリアが嬉しそうにそう言うと、

タイミングをはかったかのように

インターホンが鳴った。

 

「はーい、今出ますよ。

いらっしゃい、ラウラちゃん。」

 

「おはようございます、アリシアさん!

昨日はありがとうございました!

おはよう、アミリア!」

 

「ああ、おはよう!ラウラ。」

 

そして、3人はフラム邸の中に入っていく。

アリシアは2人を居間で待たせ、

部屋から出て行った。

 

「アリシアさんどうしたの?」

 

「私たちに渡したいものがあるらしい。」

 

「渡したいものというより、

どちらかといえば返したいもの、かしら?

はい、ちゃんと手入れはしていたわ。」

 

そう言ってアリシアは2人に

箒を差し出した。

 

「あ、私のクリーンスイープ!」

 

「ありがとうございます、母上。」

 

「相変わらずアミリアは硬いね〜。

お母さんとお父さんぐらい

普通に話したらいいのに。」

 

「尊敬してるからな。母上と父上には

私ではまだまだ及ばないよ。」

 

アミリアは両親を自慢げに話す。

ラウラもすごいことはしっているので

うんうんと同意しながら聞いていた。

 

「そういえばアミリアの箒って

すごく大事にされてるよね〜。

アミリアのおばあちゃんがくれたんでしょ?」

 

「ああ、おばあさまからもらった

世界にたった一つしかない箒だ。

大事にするのは当たり前さ。同型の

物を手に入れようとしても製造はもうしてないし、仮に手に入ってもこの箒とは違うからな。」

 

アミリアは自分の箒、シルバーアローを

見ながら静かに話していく。

 

「ふふ、そうね。

きっとお母さんもアミリアが箒を

大事にしてくれているのを喜んでるわね。」

 

「そういえばアミリアは何してたの?」

 

「ああ、学校でわからなかったことを

母上に教えてもらっていたんだ。

ラウラも魔法史を教えてもらったらどうだ?」

 

「あはは…まあ夏休みに何もやらないと

全部忘れちゃうってのはわかるけど

まだ初日だし遊びたいよ。

そうだ!せっかくだしあの草原に行こうよ!

この1年間箒を持てなかったし、ね?」

 

それを聞いて、アリシアの目が

妖しく光った気がした。

 

「…母上は箒に乗らないでください。

絶対に。お願いします。」

 

「あら。だめかしら?」

 

「父上が帰ってくるまで

収集がつかなくなりますから…」

 

「うーん、仕方ないわねぇ。」

 

(ありがと、アミリア。)

 

(ああ。…もうあんな目はごめんだからな…)

 

2人は2年前のトラウマを思い出していた。

 

 

ーあはは、ボールはこっちにあるわよ!

早く追いついて見なさい!ー

 

ー待ってよアリシアさん!ー

 

ーどうしてそんな古いシューティングスターで

そんな軌道ができるのですか⁉︎ー

 

ー待つんだアリシア!

子供たちからボールをとってはいけない!ー

 

その時は今日のようにラウラの両親が

忙しく、ラウラがアミリアの家族とともに

箒に乗ってキャッチボールをしようとしたが、

アリシアが箒に乗った瞬間に人が変わり、

アミリアの投げたボールを強奪して

そのまま逃げ回った。そして、

アミリアとラウラとダールトが3人で

2時間かけて、アリシアを満身創痍の状態で

なんとか捕まえることができたのだった。

 

 

「せっかく私も遊ぼうと思ったのだけれど。」

 

「「本当にやめてくださいお願いします。」」

 

その後も不満を言うアリシアに

アミリアとラウラの全力の否定が続き、

結局全員、箒に乗ることはできなかった。

 

 

「ラウラの家は今日は買い物ですか。」

 

夏休みに入ってから3日目、

アミリアは家で過ごしていると

ラウラと彼女の両親の3人で出かける

という話を聞いた。

 

「ああ、せっかく忙しい2人が

休みを取れたらしいからな。まあ、

親子水入らずということだ。」

 

「エミリーったら大丈夫かしら…」

 

「あー、うん…

多分、きっと…おそらく…」

 

そんなアリシアの言葉に

アミリアとダールトは苦笑いを浮かべていた。

 

「そういえば目くらまし術を練習

していたと言っていたな。

コツを教えておこうか?」

 

「いいんですか?父上」

 

「ああ、もちろんだ。かわいい娘が

頑張っているならそれを助けるのが

親の務めというものだよ。」

 

そうして、終始笑顔で

家族3人で魔法談義をしていた。

 

 

「お父さん!見つかった⁉︎」

 

「いや、見つかってない!」

 

人で賑わっているショッピングモールで

男と少女は走り回っていた。

 

「どうしよう…お母さんが1人になったら

飴にでもつられてそのまま付いて行っちゃうよ…」

 

「…まあ否定できねぇよな。」

 

「あれ?あそこに人だかりができて…」

 

「ん?あっ……」

 

「すぅ。すぅ。」

 

2人の視線の先にはベンチで

スヤスヤと眠っていたエミリーがいた。

 

「お、お母さん!起きてー!」

 

「おい、エミリー!起きてくれ!」

 

「う…んん?

あらー?ここはどこかしら〜?」

 

エミリーは目を覚ましてキョロキョロと

周りを見ていた。

 

「あら?どうしてこんなに

たくさん人がいるのかしら〜?」

 

「お母さんのせいだよ!」

 

「と、とにかく行こう!買い物は

とりあえず終わったからな!」

 

そうして、周りの人に微笑まれながら

ラウラとランディは顔を赤くしながら、

頭に疑問符をつけているエミリーを連れて帰った。

 

「あ、なんだかあっちから

美味しそうな匂いがするわ〜。」

 

「あ、ちょ、待ってお母さん、

1人で行かないで!」

 

「頼むからエミリー、

俺たちの言う事を聞いてくれ!」

 

そうして家に着いたのは

買い物が終わってから2時間後のことだった。




ほぼネタの話、
読んでる方としてはどうなんでしょう?
感想等いつでもお待ちしてます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。